金融商品取引法 第192条(裁判所の禁止又は停止命令)
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- 裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、内閣総理大臣又は内閣総理大臣及び財務大臣の申立てにより、当該各号に定める行為を行い、又は行おうとする者に対し、その行為の禁止又は停止を命ずることができる。
- 一緊急の必要があり、かつ、公益及び投資者保護のため必要かつ適当であるときこの法律又はこの法律に基づく命令に違反する行為
- 二第二条第二項第五号若しくは第六号に掲げる権利又は同項第七号に掲げる権利(同項第五号又は第六号に掲げる権利と同様の経済的性質を有するものとして政令で定める権利に限る。)に関し出資され、又は拠出された金銭(これに類するものとして政令で定めるものを含む。)を充てて行われる事業に係る業務執行が著しく適正を欠き、かつ、現に投資者の利益が著しく害されており、又は害されることが明白である場合において、投資者の損害の拡大を防止する緊急の必要があるときこれらの権利に係る同条第八項第七号から第九号までに掲げる行為
- 2.裁判所は、前項の規定により発した命令を取り消し、又は変更することができる。
- 3.前二項の事件は、被申立人の住所地又は第一項に規定する行為が行われ、若しくは行われようとする地の地方裁判所の管轄とする。
- 4.第一項及び第二項の裁判については、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)の定めるところによる。
この条文の基本情報
裁判所の禁止又は停止命令とは何ですか?
定義裁判所の禁止又は停止命令とは、金融商品取引法第192条に定められた規定で、「裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、内閣総理大臣又は内閣総理大臣及び財務大臣の申立てにより、当該各号に定める行為を行い、又は行おうとする者に対…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 金融商品取引法第192条(裁判所の禁止又は停止命令)は、日本の金融商品取引法に含まれる条文です。
- 金融商品取引法第192条の条文原文は「裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、内閣総理大臣又は内閣総理大臣及び財務大臣の申立てにより、当該各号に定める行為を行い、又は行おうとする者に対…」で始まります。
- 金融商品取引法第192条は第七章 雑則に置かれています。
- 金融商品取引法の公布日は昭和23年4月13日です。
- 金融商品取引法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 金融商品取引法第192条の前の条は金融商品取引法第191条です。
- 金融商品取引法第192条の次の条は金融商品取引法第192条の2です。
- 金融商品取引法第192条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第192条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000025 - 本サイト収録
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第192条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000025/192
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点金融商品取引法192条は、当局の申立てにより裁判所が違反行為の禁止又は停止を命じる制度。緊急の必要と、公益及び投資者保護の必要性が要件で、手続は非訟事件手続法による。
Q · 無登録の投資業者を、金融庁は業務停止命令で止められるの?
直接は止められない。裁判所に申し立てて止める制度が192条
行政処分としての業務停止命令は登録業者や届出者に向けた道具であり、無登録業者には足場がありません。そこで金融商品取引法192条は、内閣総理大臣(実務では金融庁長官が権限を行使)の申立てにより、裁判所が違反行為の禁止又は停止を命じる回路を用意しています。要件は緊急の必要があり、かつ公益及び投資者保護のため必要かつ適当であること。手続は非訟事件手続法によります。申立権者は当局のみで、被害者本人は申し立てられません。
解説
無登録の業者が「元本保証で月利3%」と言って知人から資金を集めている。金融庁に通報しても、業務停止命令はそもそも登録業者や届出者に向けた道具であり、名簿に載っていない相手には振り下ろせない。この空白を埋めるのが金融商品取引法192条である。内閣総理大臣(実務では金融庁長官が権限を行使する)が裁判所に申し立て、裁判所が違反行為の禁止または停止を命じる。行政が自ら処分するのではなく、司法に止めさせる構造だ。要件は緊急の必要があり、かつ公益及び投資者保護のため必要かつ適当であること。手続は通常の民事訴訟ではなく非訟事件手続(対審の公開を前提とせず、疎明で足りる迅速な裁判手続)による。そして最も重要な一点は、この申立てができるのは当局だけで、被害者本人は一切申し立てられないという事実である。
法的な位置づけ
金融商品取引法192条は、裁判所による緊急の禁止・停止命令を定める規定である。内閣総理大臣又は内閣総理大臣及び財務大臣の申立てを受け、裁判所が同法又は同法に基づく命令に違反する行為等の禁止又は停止を命じる。管轄は被申立人の住所地又は行為地の地方裁判所であり、裁判は非訟事件手続法による。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.相手が登録業者か無登録かを確認する 金融庁が公表する免許・許可・登録等を受けている業者一覧で相手を検索する。名簿になければ行政処分ルートは期待できず、192条の裁判所経由か民事の別線で考える必要があると判断する
- 2.緊急性を示す証拠を時系列で固める 契約書、振込記録、勧誘メッセージのスクリーンショット、資金の海外移転や追加勧誘が現在進行中であることを示す資料を日付順に整理する。192条は緊急の必要を要件とするため、過去形ではなく進行形の事実が鍵になる
- 3.証券取引等監視委員会の情報提供窓口へ提出する 整理した資料を添えて情報提供する。被害者が複数いる場合は提出内容を揃えて同時期に出すと、当局が事実関係を把握する速度が変わる。申立権者は当局のみであるため、ここが実質的な起点になる
- 4.並行して民事保全を弁護士に相談する 192条の命令は資金を返してくれない。仮差押えの担保金の準備、被害者間での資料集約、損害賠償請求の組み立てを同時に走らせる。命令が出る頃には保全の申立書面が完成している状態を目指す
- 5.命令を受けた側は非訟手続に慣れた代理人へ直行する 行政処分の弁明手続とは別系統であることを前提に、緊急の必要・公益及び投資者保護の必要性を争う疎明資料を即座に用意する。命令自体は遵守しつつ、2項の取消し・変更を求める実績(違反状態の是正、資金返還、管理体制整備)を積む
よくある質問 AI による整理
Q1金商法192条の禁止命令とは?
当局の申立てを受け、裁判所が違反行為の禁止又は停止を命じる制度です。行政処分ではなく裁判所の裁判であり、無登録業者にも及びます。
Q2金商法192条の申立ては誰ができる?
内閣総理大臣、又は内閣総理大臣及び財務大臣です。実務では金融庁長官が権限を行使します。被害者個人は申し立てられません。
Q3無登録業者を止める方法は?
行政の業務停止命令は届きません。証券取引等監視委員会へ具体的資料を添えて情報提供し、当局から192条の申立てに乗せる経路が中心です。
Q4金商法192条の管轄裁判所はどこ?
3項により、被申立人の住所地又は禁止対象行為が行われ若しくは行われようとする地の地方裁判所です。通知を受けたら裁判所名を確認してください。
Q5禁止命令に不服があるときは?
2項で裁判所が命令を取り消し又は変更できます。事情変更を疎明して申し立てる道があり、手続は非訟事件手続法によります。
Q6金商法192条で返金は命じられる?
命じられません。1項の効果は行為の禁止又は停止までで、返金命令も資産凍結も含まれません。回収は民事保全と損害賠償の別線です。
Q7非訟事件手続とは?
公開の対審を必須とせず、疎明で足りる迅速な裁判手続です。192条4項が非訟事件手続法(平成23年法律第51号)の適用を定めています。
Q8192条1項2号はどんな場合に使う?
集団投資スキーム持分等に関し、業務執行が著しく適正を欠き投資者の利益が著しく害されている場合で、損害拡大防止の緊急の必要があるときです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1被害者が自分で裁判所に禁止命令を申し立てることはできますか?
できません。192条1項の申立権者は内閣総理大臣、又は内閣総理大臣及び財務大臣に限られ、実務では金融庁長官が権限を行使します。被害者が自分で動かせるのは民事保全と損害賠償請求です。実務のポイント:同一業者について複数人から具体的な資料付きの情報提供が集まっているかどうかが、当局の動く速度を左右します。一人で出して反応がなくても、被害者同士で提出内容を揃えて出し直す価値があります
Q2禁止命令が出たら、払ったお金は戻ってきますか?
戻りません。192条1項が命じられるのは行為の禁止又は停止までで、返金や資産の保全は含まれません。回収は仮差押えと損害賠償請求、相手の破産手続という別線です。実務のポイント:命令が公表されると資産の散逸が一気に加速する局面があります。命令を待ってから動くのではなく、命令が出る頃には保全の申立て書面が完成している状態を目指すのが実務の順序です
Q3命令を受けた側は、もう争えないのですか?
争えます。192条2項は裁判所自身が発した命令を取り消し、又は変更できると定めており、事情の変更を疎明して申し立てる道があります。手続は4項により非訟事件手続法に従い、不服申立ては即時抗告です。実務のポイント:管轄は3項で被申立人の住所地又は行為地の地方裁判所と決まっています。どちらに申し立てられたかで代理人の動きやすさが変わるため、通知を受けたら最初に事件番号と裁判所名を確認してください
間違えやすい点 AI による整理
- 「金融庁に通報すれば止めてもらえる」という問いの立て方自体がずれている。金融庁が業務停止命令を出せる相手は登録業者や届出者であり、無登録の詐欺的業者に直接処分を下す根拠は用意されていない。止めるには裁判所を経由するしかなく、通報から停止までに構造的な時間差が生まれる。その時間差の存在を知っているかどうかが、並行して自分の資金回収に動くかどうかを分ける
- 192条の命令が行政処分ではなく裁判所の裁判であることは調べれば分かる。だがそれが非訟事件手続法による裁判だという意味まで降りている人は少ない。非訟手続は公開の対審が必須ではなく、疎明で足り、決定は迅速に出る。通常の民事訴訟の感覚で何か月もかかると構えていると、名宛人側は反論の組み立てが間に合わない
- 命令が出れば出した金が戻ると受け取られがちだが、192条が命じられるのは行為の禁止または停止までである。返金命令でも資産の凍結でもない。被害回復は民事保全(仮差押え)と損害賠償請求、場合によっては相手方の破産手続という、まったく別の線で組み立てる必要がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰が止めるか | 金商法192条:裁判所(当局の申立て) | 金商法52条等:内閣総理大臣(行政処分) 消費者契約法12条:適格消費者団体(民事差止請求) |
| 相手の範囲 | 違反行為を行い、又は行おうとする者(無登録業者も対象) | 登録業者・届出者(名簿の内側のみ) 不当条項・不当勧誘を行う事業者 |
| 手続の性質 | 非訟事件手続法による裁判(疎明・迅速) | 行政手続(弁明・聴聞、不服は行政訴訟) 通常の民事訴訟 |
| 得られる効果 | 行為の禁止又は停止のみ(返金・凍結なし) | 業務停止・登録取消し等の行政上の不利益処分 不当行為の差止め(個別被害回復は別途) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も主管機関が法院に対し行為の禁止・停止を求める構造を持つが、金融監督管理委員会による直接の行政処分権限が広く、司法経由の比重は日本と異なる
韓国は金融委員会・金融監督院による行政的措置が中心で、無登録営業に対しても行政処分と刑事告発の組み合わせで対応する傾向がある
ドイツは BaFin が無認可業務の中止・清算を自ら命じられる。裁判所を経由せず監督官庁が直接処分する点で、日本の192条とは制度の入口が異なる
SEC が連邦地裁に injunction を申し立てる構造で、本条の原型に最も近い。米国では同じ申立てで資産凍結や disgorgement を併せ求められる点が日本と大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 出資したファンドの運営者が来週にも資金を海外へ移すという情報が回ってきたら、何が起きるのか。民事の仮差押えには担保金の準備が要り、あと数日という局面では間に合わないことがある。一方で192条の停止命令は当局が動けば担保なしで裁判所から出る。ただし引き金を引けるのは当局であって、あなたではない。だから通報の中身に緊急性をどう書くかが、実質的な時間との勝負になる
- 無登録でSNSの投資サロンを運営し、会員から資金を集めていた。ある日、裁判所から禁止命令が届く。行政処分の弁明の機会とはまったく別系統の、非訟事件として進行していた
- 友人から相談を受ける。出資したファンドの運営者が集めた金を自分の別会社に回しているらしい、と。1号の法令違反が立証しきれない場合でも、2号は業務執行が著しく適正を欠き、現に投資者の利益が著しく害されている状況そのものを理由に、その持分に関する一定の取引行為を止める道を用意している。どの行為が止まるかは2条8項の該当各号に対応するので、実際の命令の射程は条文と決定主文を突き合わせて読む必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 証拠を確定する。契約書、振込記録、勧誘のメッセージやスクショ、相手の名刺と会社登記2. 金融庁が公表する登録業者一覧で相手の登録の有無を確認、無登録なら行政処分ルートは期待できないと判断する3. 証券取引等監視委員会の情報提供窓口へ、資金流出や追加勧誘が現在進行中である事実を具体的に書いて提出4. 並行して弁護士に民事保全(仮差押え)を相談。担保金の準備と、被害者間での情報集約を同時に進める
訴えられた側:1. 申立てを知ったら、非訟事件と金商法実務に慣れた弁護士へ直行する。行政処分の弁明手続とは別系統であり、行政事件訴訟法の執行停止の感覚で動くと手続を誤る2. 緊急の必要、公益及び投資者保護の必要性という要件を正面から争う疎明資料を即座に用意3. 命令が出た後も2項で取消し又は変更を求める余地がある。違反状態の是正、資金の返還、管理体制の整備という実績を積んで申し立てる4. 争いながらも命令自体は遵守する。命令違反は別途刑事罰の対象になる
時効(請求できる期限):本条の申立てに出訴期間のような期限はない。ただし緊急の必要が要件であるため、被害の進行が止まった後は要件を満たさなくなるという実質的な時間の壁がある。命令に対する不服申立て(即時抗告)は非訟事件手続法により短期(原則として裁判の告知を受けた日から2週間程度、最新の改正状況をご確認ください)。投資者自身の損害賠償請求権は民法724条により、損害及び加害者を知った時から3年、不法行為時から20年
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年) 証券取引法を金融商品取引法へ改組する大改正に伴い、裁判所による緊急の禁止・停止命令の制度が現行の条番号へ移された。改正前後の条番号対応は原典での確認が必要
- 平成23年(2011年) 第4項が引用する非訟事件手続法が平成23年法律第51号として全部改正されており、これに対応する引用の整備が行われている。条文上の引用から確認できる事実
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 改正:証券取引法を金融商品取引法へ改組する大改正に伴い、裁判所による緊急の禁止・停止命令の制度が現行の条番号へ移された。改正前後の条番号対応は原典での確認が必要
- 2.平成23年(2011年) 改正:第4項が引用する非訟事件手続法が平成23年法律第51号として全部改正され、これに対応する引用の整備が行われた。条文上の引用から確認できる事実
- 金融商品取引法 第2条第2号が対象とする権利の定義
- 金融商品取引法 第29条無登録営業の禁止、第1号の典型対象
- 金融商品取引法 第52条登録業者への行政処分ルート(現行効力を要確認)
- 金融商品取引法 第187条申立てのための調査権限(要確認)
- 金融商品取引法 第194条の7内閣総理大臣の権限委任の根拠
- 非訟事件手続法 第1条第4項が指定する裁判手続の準拠法
- 消費者契約法 第12条民間側から並行する差止請求制度
- 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律 第2条預り金の禁止、資金集め規制の別線
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