金融商品取引法 第75条(報告の徴取及び検査)
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内閣総理大臣は、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、認可協会、店頭売買有価証券若しくは取扱有価証券の発行者又は当該認可協会から業務の委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。以下この条において同じ。)に対し当該認可協会の業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該認可協会又は当該認可協会から業務の委託を受けた者の業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件の検査(当該認可協会から業務の委託を受けた者にあつては、当該認可協会の業務又は財産に関し必要なものに限る。)をさせることができる。
この条文の基本情報
報告の徴取及び検査とは何ですか?
定義報告の徴取及び検査とは、金融商品取引法第75条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、認可協会、店頭売買有価証券若しくは取扱有価証券の発行者又は当該認可協会から業務の委託を…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 金融商品取引法第75条(報告の徴取及び検査)は、日本の金融商品取引法に含まれる条文です。
- 金融商品取引法第75条の条文原文は「内閣総理大臣は、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、認可協会、店頭売買有価証券若しくは取扱有価証券の発行者又は当該認可協会から業務の委託を…」で始まります。
- 金融商品取引法第75条は第四款 監督に置かれています。
- 金融商品取引法の公布日は昭和23年4月13日です。
- 金融商品取引法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 金融商品取引法第75条の前の条は金融商品取引法第74条です。
- 金融商品取引法第75条の次の条は金融商品取引法第76条です。
- 金融商品取引法第75条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第75条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000025 - 本サイト収録
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第75条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000025/75
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点金融商品取引法75条は、内閣総理大臣が認可金融商品取引業協会とその委託先(再委託先を含む)に報告・資料提出を命じ、立入検査をさせる権限を定める。委託先への検査は協会の業務又は財産に必要な範囲に限られる。
Q · 協会の仕事を孫請けしているだけの会社にも、金融庁の検査は来るの?
来ます。再委託先まで条文の射程に入っています
金融商品取引法75条は、認可金融商品取引業協会から業務の委託を受けた者について「その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む」と明記しており、再委託・再々委託先も報告徴取と立入検査の対象になります。ただし委託先に対する検査は「当該認可協会の業務又は財産に関し必要なもの」に限定されており、無関係な自社案件の資料まで当然に提出義務が及ぶわけではありません。
解説
金融庁が動くとき、最初に届くのは処分通知ではない。一枚の「報告命令書」である。金融商品取引法75条は、内閣総理大臣(実務上は権限委任により金融庁長官、さらに証券取引等監視委員会)に対し、認可金融商品取引業協会(現在は日本証券業協会)、店頭売買有価証券や取扱有価証券の発行者、そして協会から業務委託を受けた者に、報告・資料提出を命じ、立入検査をする権限を与えている。ここであなたが押さえるべきは、対象に「委託を受けた者」が二以上の段階にわたる再委託先まで含まれる点だ。協会のシステム保守を請け負った IT ベンダー、事務を再受託したBPO 会社、その下請け。自分は金融機関ではないと思っている会社の会議室に、検査官が来る根拠がこの一条にある。しかも検査の範囲は「当該協会の業務又は財産に関し必要なもの」に限られる。この限定文言が、あなたの会社の全社データを守る唯一の盾になる。
法的な位置づけ
金融商品取引法75条は、認可金融商品取引業協会に対する報告徴取及び検査の権限を定める規定である。対象は協会本体、店頭売買有価証券又は取扱有価証券の発行者、及び協会から業務の委託を受けた者(再委託先を含む)であり、発動要件は公益又は投資者保護のため必要かつ適当と認められることである。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.命令書の4点を書面で確認する 名宛人・根拠条文(金商法75条か他条か)・提出期限・対象範囲の4点を命令書の文面で確認する。口頭指示のみで社内を動かさない。委託先の立場なら「当該認可協会の業務又は財産に関し必要なもの」という限定文言が書かれているかを最初に見る
- 2.社内窓口を一本化し記録を開始する 検査官とのやり取りを受ける窓口を一人(または一部署)に固定し、日時・担当者・要求内容・回答内容を時系列で記録する。複数部門が個別に回答すると、内容の食い違いがそのまま虚偽報告の疑いを招く
- 3.資料を範囲内・範囲外に区分する 協会業務に関連する資料と、無関係な自社案件の資料を物理的・論理的に分離する。範囲外資料の提出を求められた場合は、拒否ではなく「本件検査との関連性をご教示ください」と書面で確認する
- 4.期限に間に合わない場合は書面で申し出る 提出期限内に揃わないときは沈黙せず、未提出の理由・調査の進捗・代替期日を書面で申し出る。この書面の有無が、後に検査忌避と評価されるかどうかの分岐点になる
- 5.契約書の検査条項を次回更新までに整える 検査協力義務の範囲・対応工数の費用負担・再委託先への義務承継の3点を、委託契約書と再委託契約書の双方に書き込む。検査が来てからの交渉は成立しにくい
よくある質問 AI による整理
Q1認可金融商品取引業協会とは何ですか?
金融商品取引法67条以下に基づき内閣総理大臣の認可を受けた自主規制機関で、現在は日本証券業協会がこれに当たります。売買の公正と投資者保護を目的に自主規制規則を定めます。
Q2金商法75条の検査は誰が実施しますか?
条文上は内閣総理大臣ですが、金商法194条の7による権限委任で実務上は金融庁長官、さらに証券取引等監視委員会の職員が実施します。命令書の名宛人と発出主体を必ず確認してください。
Q3報告徴取命令は任意ですか?
任意ではありません。行政指導ではなく命令であり、報告拒否・虚偽報告・検査忌避は金商法の罰則規定の対象になります。「後で出します」を書面化せず繰り返すのが最も危険です。
Q4店頭売買有価証券の発行者も対象になりますか?
なります。75条は店頭売買有価証券又は取扱有価証券の発行者を名指しで報告徴取の対象としています。非上場であることは対象外になる理由にはなりません。
Q5再委託先はどこまで検査対象ですか?
条文が「二以上の段階にわたる委託を含む」と明記しているため、再委託・再々委託先も射程です。ただし検査範囲は当該協会の業務又は財産に関し必要なものに限定されます。
Q6立入検査を拒否できますか?
正当な理由のない拒否は検査忌避として罰則の対象になり得ます。拒否ではなく「対象範囲の確認」として根拠条文と必要性を書面で確認するのが実務的な作法です。
Q7報告命令に不服があるときの争い方は?
行政不服審査法に基づく審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行訴法14条)です。報告徴取命令の処分性は解釈が分かれます。
Q8金商法75条と26条の検査はどう違いますか?
75条は認可協会とその委託先・店頭銘柄発行者が対象、26条は有価証券報告書提出会社が対象です。監督の入口が自主規制機関経由か開示規制経由かという違いです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちは協会の下請けの下請けなんですが、本当に検査対象になるんですか?
なります。75条は委託先について「その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む」と明記しており、再委託・再々委託の先まで射程に入れています。ただし検査範囲は協会の業務又は財産に関し必要なものに限定されます。実務のポイント:実務では元請けが検査対応を丸投げしてくることが多い。契約時に「検査対応工数は別途精算」と一行入れておくかどうかで、受注の採算が変わる
Q2報告命令を無視したらどうなるんですか、罰則あるんですか?
金商法は報告徴取命令への違反・虚偽報告・検査忌避に罰則を置いています(205条以下の罰則規定群、両罰規定として207条で法人にも科されうる)。行政処分としての業務改善命令等にも波及します。実務のポイント:実務上、いきなり刑事に行くケースは稀で、まず期限延長の協議になる。危ないのは「対応中です」を書面化せず口頭で繰り返すこと。記録がないと、後から忌避と評価される余地を自分で作ることになる(最新の改正状況をご確認ください)
Q3検査官が求めてきた資料、全部出さないとダメですか?
協会本体であれば業務・財産に関する帳簿書類その他の物件が広く対象ですが、委託を受けた者については「当該認可協会の業務又は財産に関し必要なもの」に限るという明文の限定があります。無関係な自社案件の資料まで当然に提出義務が及ぶわけではありません。実務のポイント:この限定を初日に確認するかどうかで、その後の資料抽出作業量が桁で変わる。拒否ではなく「範囲の確認」として持ち出すのが、関係を壊さない作法
間違えやすい点 AI による整理
- 「自主規制機関である協会のことなのだから、行政は口を出さないはず」という前提そのものが逆である。日本の自主規制は行政の監督下に置かれた自主規制であり、75条はその監督の実行手段だ。協会が自律的に動くことを期待しつつ、動かないときに行政が直接手を入れられる構造になっている
- 報告命令と検査を受けることは知っていても、その深刻度を見誤っている人が多い。報告命令は行政指導(法的拘束力のないお願い)ではなく行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)であり、虚偽報告・報告拒否・検査忌避には金商法の罰則が用意されている。「後で出します」を繰り返した記録が、そのまま忌避の証拠になりうる
- あなたの側から見れば「協会の仕事の一部を請け負っただけの外注先」だが、法律の側から見れば「認可協会の業務を現実に担っている者」である。この落差に気付かないまま受注すると、金融規制のコストを織り込まない価格で、金融規制の義務だけを背負うことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の機能 | 金商法75条:認可協会等への報告徴取・立入検査(事実の把握) | 金商法74条:協会の規則等に対する変更命令(ルールの是正) 金商法73条:認可協会に対する監督上の処分(組織への制裁) |
| 名宛人 | 認可協会・店頭売買有価証券等の発行者・委託先(再委託先を含む) | 認可協会(規則の制定主体として) 認可協会(認可を受けた法人として) |
| 発動要件 | 公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき | 協会規則等が不適当となったと認められる場合 法令違反等、監督上の処分事由がある場合 |
| 受け手の負担 | 資料作成・立会い対応の実務コスト(範囲限定の交渉余地あり) | 規則改正の手続コスト(協会内部の意思決定) 認可取消・業務停止等、存立に関わる不利益 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も主管機関が証券商同業公会等に報告提出命令と検査を行える構造をとる。ただし委託先・再委託先まで明文で射程に取り込む括弧書きは日本ほど徹底していない
韓国も金融投資協会を法定の自主規制機関とし、金融委員会・金融監督院による報告徴求と検査の対象とする。日本法の構造と近い
ドイツは自主規制機関経由ではなく BaFin による直接監督が中心で、情報請求権と立入検査権が包括的に規定される。委託先への権限は別途 KWG § 25b 等の外部委託規制で担保
米国は SRO(FINRA 等)とその関係者に対する SEC の記録検査権を定め、SRO 自体への制裁権限も持つ。日本の自主規制監督の原型に当たる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの会社は日本証券業協会のシステム運用を孫請けしている。金融機関ではないし免許も持っていない。ある日、検査官が名刺を出して帳簿書類の提出を求めてきた。75条括弧書きの「二以上の段階にわたる委託を含む」があなたを射程に入れている。契約書に金商法対応条項が一行もないまま受注していたなら、対応コストは全部あなたの持ち出しになる
- 店頭売買有価証券(フェニックス銘柄など)の発行会社の経理担当者。上場していないから金融庁は関係ないと思っていたが、75条は発行者を名指しで報告徴取の対象にしている。決算資料の提出命令が来たとき、拒否すれば205条以下の罰則の話になる
- 検査官が「ついでにこちらの案件のファイルも」と言ってきたら、どう答える? 75条の検査は委託先については「協会の業務又は財産に関し必要なもの」に限定されている。範囲外の資料を無制限に出す義務はない。その場で根拠条文と必要性を確認する一言が言えるかどうかで、その後の数週間の作業量が変わる
- 協会からの委託契約の更新まであと10日。契約書に検査協力義務・費用負担・再委託先への義務承継の条項がない。今入れなければ、次に検査が来たとき無償で数百時間の対応を強いられる
- 同業の知人から「うちに金融庁の報告命令が来た、これ任意だよね?」と相談された。任意ではない。命令であり、違反は刑事罰の対象になる。そこを三分で説明できるか
取るべき行動
被害を受けた側:検査・報告命令を受ける立場での実務。1. 命令書の名宛人・根拠条文・提出期限・対象範囲を書面で確認、口頭指示のみで動かない2. 委託先の立場なら「協会の業務又は財産に関し必要なもの」という限定を早期に確認し、対象外の資料は区分管理3. 社内の窓口を一本化し、検査官とのやり取りを時系列で記録4. 期限に間に合わない場合は放置せず、理由と代替期日を書面で申し出る。沈黙が最も危険
訴えられた側:報告拒否・虚偽報告を疑われた場合。1. 拒否の意思ではなく資料所在の問題であれば、調査状況を逐次書面で報告して記録に残す2. 虚偽を指摘されたら、作成過程・担当者・確認手順を再検証し、錯誤であれば速やかに訂正報告3. 弁護士(金商法・金融規制に精通した者)を早期に関与させる、対応の初期対応が後の刑事・行政判断に直結する4. 社内調査報告書を自発的に提出するかは、弁護士と協議のうえ判断
時効(請求できる期限):本条自体に権利行使の時効はない。報告・資料提出の期限は命令書に個別に記載される(これが事実上の唯一の期限)。命令や検査に不服がある場合、行政不服審査法に基づく審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。ただし報告徴取命令の処分性については実務上、解釈が分かれている(最新の改正状況をご確認ください)
学説
自主規制監督論(通説的理解):日本の自主規制は行政の監督下に置かれた自主規制であり、協会の自律を原則としつつ、機能不全時に行政が直接介入できる二層構造をとる。75条はその介入の事実把握段階を担う規定と位置付けられる。
外部委託監督論:監督対象者が業務を外部委託すると監督権限が及ばない空白地帯が生じるため、委託先・再委託先まで権限の射程を及ぼす立法技術が各業法で採用されている。75条括弧書きはその典型例とされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:証券取引法の制定に伴い、証券業協会等の自主規制機関に対する監督規定群が置かれた。米国1934年証券取引所法の SRO 監督モデルを継受した構造
- 2.平成18年(2006年) 改正:証券取引法が金融商品取引法へ改組され、認可金融商品取引業協会に関する監督規定が現行の条文体系に整理された(各改正の具体的な条番号の変遷は e-Gov の沿革をご確認ください)
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