金融商品取引法 第74条(法令違反等による認可の取消し、業務の停止、役員の解任等)
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- 内閣総理大臣は、認可協会が法令、法令に基づく行政官庁の処分若しくは当該認可協会の定款その他の規則(以下この条において「法令等」という。)に違反した場合又は協会員、金融商品仲介業者若しくは店頭売買有価証券若しくは取扱有価証券の発行者が法令等に違反し、若しくは定款その他の規則に定める取引の信義則に背反する行為をしたにもかかわらず、これらの者に対し法令等若しくは当該取引の信義則を遵守させるために認可協会がこの法律、この法律に基づく命令若しくは定款その他の規則により認められた権能を行使せずその他必要な措置をすることを怠つた場合において、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、その設立の認可を取り消し、一年以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命じ、その業務の方法の変更若しくはその業務の一部の禁止を命じ、その役員の解任を命じ、又は定款その他の規則に定める必要な措置をすることを命ずることができる。
- 2.内閣総理大臣は、前項の規定により業務の全部若しくは一部の停止、業務の方法の変更若しくは業務の一部の禁止を命じ、又は定款その他の規則に定める必要な措置をすることを命じようとするときは、行政手続法第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
この条文の基本情報
法令違反等による認可の取消し、業務の停止、役員の解任等とは何ですか?
定義法令違反等による認可の取消し、業務の停止、役員の解任等とは、金融商品取引法第74条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、認可協会が法令、法令に基づく行政官庁の処分若しくは当該認可協会の定款その他の規則(以下この条において「法令等」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 金融商品取引法第74条(法令違反等による認可の取消し、業務の停止、役員の解任等)は、日本の金融商品取引法に含まれる条文です。
- 金融商品取引法第74条の条文原文は「内閣総理大臣は、認可協会が法令、法令に基づく行政官庁の処分若しくは当該認可協会の定款その他の規則(以下この条において「法令等」という。」で始まります。
- 金融商品取引法第74条は第四款 監督に置かれています。
- 金融商品取引法の公布日は昭和23年4月13日です。
- 金融商品取引法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 金融商品取引法第74条の前の条は金融商品取引法第73条です。
- 金融商品取引法第74条の次の条は金融商品取引法第75条です。
- 金融商品取引法第74条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第74条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000025 - 本サイト収録
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第74条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000025/74
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点金融商品取引法74条は、認可協会が法令等に違反した場合のほか、協会員の違反に権能を行使せず措置を怠った場合にも、内閣総理大臣が認可取消しや業務停止、役員解任を命じられると定める。
Q · 証券会社の自主規制団体って、誰が監督しているの?
内閣総理大臣(金融庁)が認可取消しまで命じられます
金融商品取引法74条1項により、内閣総理大臣は認可協会(日本証券業協会など)が法令等に違反した場合だけでなく、協会員や店頭売買有価証券の発行者等が違反したのに協会が権能を行使せず必要な措置を怠った場合にも、公益または投資者保護のため必要かつ適当と認めるときは、設立認可の取消し、1年以内の業務の全部または一部の停止、業務方法の変更、業務の一部禁止、役員の解任等を命じることができます。2項は、業務停止・業務方法変更・業務一部禁止等を命じる際、行政手続法13条1項の手続区分にかかわらず聴聞を必ず行うと定めます。
解説
日本証券業協会という名前を聞いたことがあるだろうか。証券会社が加入する自主規制機関で、あなたが口座を開いた証券会社の販売ルール、広告規制、勧誘の適合性原則、その多くはこの協会の自主規制規則から来ている。金融商品取引法74条は、その協会そのものを金融庁(内閣総理大臣)が処分できる条文だ。ポイントは処分の引き金が二段構えになっていること。協会自身が法令違反をした場合だけでなく、協会員である証券会社が違反しているのに協会が権能を行使せず放置した場合、つまり「見て見ぬふりをした不作為」でも、設立認可の取消しから役員解任命令まで打てる。自主規制は業界の自治に見えて、その背後には国が直接首を切れる仕組みが常時待機している。そして2項、業務停止や役員解任を命じる前には、行政手続法の区分にかかわらず必ず聴聞を行う。国が持つ最強の刃に、手続的なブレーキが最初から組み込まれている。
法的な位置づけ
金融商品取引法74条は、認可金融商品取引業協会に対する内閣総理大臣の監督処分を定める規定である。協会自身の法令等違反のほか、協会員等の違反に対する権能の不行使・措置懈怠も処分事由とし、認可取消し、業務停止、業務方法の変更、業務の一部禁止、役員の解任等を処分内容とする。2項は一定の処分について聴聞を必要的手続とする。
よくある質問 AI による整理
Q1認可協会とは何ですか?
金融商品取引法67条以下に基づき内閣総理大臣の認可を受けた自主規制機関で、日本証券業協会が代表例です。協会員の勧誘・広告・外務員登録などの自主規制規則を定め運用します。
Q2金商法74条の処分は誰が行うのですか?
内閣総理大臣ですが、権限は金融庁長官に委任されるのが通例です。処分は公益または投資者保護のため必要かつ適当と認められる場合に限られます。
Q3協会が処分されるのはどんなとき?
協会自身が法令・行政処分・定款その他の規則に違反した場合と、協会員等の違反に対し権能を行使せず必要な措置を怠った場合の二つです。不作為も処分事由になります。
Q4認可協会の業務停止はどのくらいの期間ですか?
74条1項は「一年以内の期間を定めて」業務の全部または一部の停止を命じられると規定します。上限は1年で、期間は処分ごとに具体的に定められます。
Q5聴聞はどんな処分のときに必要ですか?
74条2項により、業務の全部・一部停止、業務方法の変更、業務の一部禁止、定款等に定める必要な措置の命令の際に、行政手続法の手続区分にかかわらず聴聞が必要です。
Q6協会の役員解任命令は違法だと争えますか?
処分性のある行政処分なので、審査請求(行政不服審査法)または取消訴訟(行政事件訴訟法3条)で争えます。聴聞調書が重要な証拠となります。
Q7自主規制機関と金融庁の関係は?
協会が協会員を自主規制し、その協会を金融庁が監督する二層構造です。74条は上層のブレーカーで、自治の機能不全時に国が直接介入します。
Q8処分の前にどんな手続がありますか?
実務上は73条の報告徴取・立入検査や行政指導が先行し、正式処分は最終段階です。処分を命じる際は74条2項の聴聞が前置されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1日本証券業協会が実際に業務停止になったことってあるんですか?
認可協会に対する74条の重い処分が実際に発動された例は極めて限られる。この条文の実質的な機能は、発動されることではなく存在することにある。実務のポイント:金融行政では、正式処分の前段階として報告徴求命令(56条の2)や行政指導による是正要請が先行するのが通例で、処分統計に現れない水面下の圧力が本体だ。処分がないことは監督が緩いことを意味しない
Q2聴聞って、結局は結論が決まったあとのセレモニーじゃないんですか?
形式的に流れる場合もあるが、制度上は違う。行政手続法18条により当事者は処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を請求でき、20条では処分庁の職員に質問もできる。ここで得た情報と作成された調書は、後の取消訴訟の基礎資料になる。実務のポイント:聴聞で反論しなかった事実は、後の訴訟で「争っていなかった」と評価されうる。言わなかったことのコストは、聴聞の場では見えない
Q3協会が処分されたら、その協会に加入している証券会社の顧客はどうなりますか?
協会への処分は証券会社の登録を直接消すものではないため、口座や保有資産が即座に失われるわけではない。ただし協会の業務が停止すれば、外務員登録事務や自主規制規則の運用が滞り、取引環境に影響が及ぶ。実務のポイント:投資家保護の最終防波堤は協会ではなく投資者保護基金(金融商品取引法79条の20以下、一般顧客につき上限1,000万円)。協会と保護基金は別制度であり、混同すると自分の資産がどこで守られているか読み違える(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「自主規制機関だから、処分するのも自分たちの内輪の話」と思われがちだが、実際は逆向きの構造だ。協会が協会員を処分しないという判断そのものが、74条1項後段で国の処分事由になる。自治の外見の下に、不作為を咎める国家の目が常にある
- 協会への処分は協会だけの問題だと考える人が多いが、視点を変えると景色が違う。協会が業務停止になれば、外務員登録・広告審査・店頭有価証券の取引ルール運用が止まり、末端の投資家の取引環境が直撃を受ける。あなたから見れば業界団体の不祥事、市場から見ればインフラの停止である
- 「聴聞は形式的な儀式」という認識は、深刻度を見誤っている。聴聞(行政手続法15条以下)では文書閲覧請求ができ、行政庁が処分の根拠とする資料を見られる。ここで何を閲覧し、何を主張調書に残すかが、後の取消訴訟の勝敗を左右する。形式ではなく、唯一の事前反論機会である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処分の名宛人 | 金商法74条:認可金融商品取引業協会(団体そのもの) | 金商法52条:金融商品取引業者(証券会社本体) 金商法73条:認可協会(報告徴取・検査の対象) |
| 発動事由 | 協会の法令等違反 + 協会員等の違反に対する権能不行使・措置懈怠 | 業者自身の法令違反・業務運営の不適切 公益・投資者保護のため必要かつ適当と認めるとき(情報収集段階) |
| 処分内容 | 認可取消し、1年以内の業務停止、業務方法変更、業務一部禁止、役員解任、必要措置命令 | 登録取消し、6か月以内の業務停止、業務改善命令、役員解任命令 処分ではなく報告徴取・立入検査(処分の前段階) |
| 手続保障 | 74条2項:行政手続法13条1項の区分にかかわらず聴聞が必要的 | 行政手続法の一般原則(不利益処分の区分に従う) 処分ではないため聴聞・弁明の機会付与は不要 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も主管機関が証券商同業公会に対し解散・停止・役員解任等を命じうる構造をとる。日本と同じく自治団体への国家的介入を明文化している
韓国金融投資協会に対する金融委員会の監督・処分権を規定。日本の金商法をモデルとした制度設計で、構造が近い
ドイツは自主規制機関より取引所・監督官庁の直接監督の比重が高く、日本型の認可協会に完全に対応する制度はない
SEC は FINRA 等の SRO に対し、規則執行を怠った場合を含めて制裁を科しうる。本条の不作為処分事由の発想的源流にあたる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが証券会社のコンプライアンス担当で、社内の不適切勧誘が発覚した。協会への報告を渋る営業部門と対立している。だが報告を握り潰した先にあるのは、協会が「必要な措置を怠った」と認定されるリスクであり、協会は自社の処分を強めることで自らの立場を守る。握り潰すほど、協会経由の処分は重くなる
- もし金融庁が日本証券業協会に業務の一部停止を命じたら、市場はどうなる? 店頭有価証券の売買審査、広告審査、外務員登録の事務が止まる。あなたが口座開設や新商品購入をしようとしたとき、審査が進まない。自主規制機関の処分は業界全体の事務を凍結させる
- 協会の役員として選任された。任期中に協会員の大規模な不祥事が表面化し、協会の対応が後手に回った。74条1項は「その役員の解任を命ずる」という選択肢を持つ。業界団体の役員ポストは名誉職ではなく、国から直接クビを切られうる席だ
- 協会が処分の通知を受けた。聴聞の期日まであと2週間。ここで何を主張し、どんな資料を出すかで、認可取消しか業務改善命令かが分かれる。聴聞調書は後の取消訴訟でそのまま証拠になる。この2週間の準備が、協会の存続を決める
取るべき行動
被害を受けた側:投資被害を受けた投資家として動く場合、まず証券会社との直接交渉、次に協会が設置する紛争解決機関(FINMAC のあっせん・仲裁)を使う。協会が協会員の違反を把握しながら措置を怠っている疑いがあれば、金融庁の金融サービス利用者相談室へ情報提供する。74条1項は協会の不作為自体を処分事由とするため、行政への情報提供は制度上の意味を持つ。損害賠償請求は民法709条または金融商品取引法上の責任規定を並行して検討する
訴えられた側:協会側として処分の可能性に直面した場合、第一に聴聞通知の記載事項(予定される処分内容と根拠法令)を精査し、行政手続法18条により処分の根拠資料の閲覧を請求する。第二に、権能の不行使が争点なら、いつ何を把握し、どの規則に基づきどう対応したかの時系列を証拠付きで整理する。第三に、聴聞で述べたことは調書に残り後の訴訟で効くため、代理人と主張を固めてから臨む
時効(請求できる期限):処分に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分があったことを知った日から6か月以内かつ処分の日から1年以内(行政事件訴訟法14条)。聴聞の期日は通知書に記載された日であり、出頭または陳述書の提出を怠ると反論の機会を失う
学説
通説:自主規制機関に対する監督処分は、自治の尊重と投資者保護の調和を図る制度であり、権能の不行使を処分事由とする点に本条の特色がある。処分発動には公益・投資者保護要件による目的拘束と比例原則の統制が及ぶと解される
手続法的アプローチ:認可取消しや役員解任は団体の存立と人事に直接介入するため、本条2項が聴聞を必要的手続としたことは、処分の重大性に対応した手続保障の強化として積極的に評価される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:証券取引法制定時に、米国1934年証券取引法の自主規制機関監督モデルを取り入れ、証券業協会に対する監督処分規定が置かれた
- 2.平成18年(2006年) 改正:証券取引法から金融商品取引法への改組に伴い、認可金融商品取引業協会の枠組みのもとで本条が整備された(詳細な改正経緯は e-Gov の改正履歴をご確認ください)
- 金融商品取引法 第67条認可金融商品取引業協会の目的と設立根拠
- 金融商品取引法 第68条協会員の資格、処分対象者の範囲を画定
- 金融商品取引法 第73条認可協会に対する報告徴取・立入検査、処分の前段階
- 金融商品取引法 第52条金融商品取引業者本体への監督処分、協会処分との二層構造
- 行政手続法 第13条不利益処分の手続区分、本条2項が特則として聴聞を義務化
- 行政事件訴訟法 第3条本条の処分を争う取消訴訟の根拠
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