金融商品取引法 第98条(役員の選任等)
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- 金融商品会員制法人に、役員として、理事長一人、理事二人以上及び監事二人以上を置く。
- 2.理事及び監事は、次項の規定により選任される理事を除き、定款の定めるところにより、会員が選挙し、理事長は、定款の定めるところにより、理事(同項の規定により選任される理事を除く。)が選挙する。
- 3.理事長は、定款に特別の定めがある場合には、理事の過半数の同意を得て、定款で定める数の理事を選任する。
- 4.次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
- 一心身の故障のため職務を適正に執行することができない者として内閣府令で定める者
- 二第二十九条の四第一項第二号ロからリまで又は会社法第三百三十一条第一項第三号のいずれかに該当する者
- 5.役員が前項に規定する者に該当することとなつたときは、その職を失う。
この条文の基本情報
役員の選任等とは何ですか?
定義役員の選任等とは、金融商品取引法第98条に定められた規定で、「金融商品会員制法人に、役員として、理事長一人、理事二人以上及び監事二人以上を置く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 金融商品取引法第98条(役員の選任等)は、日本の金融商品取引法に含まれる条文です。
- 金融商品取引法第98条の条文原文は「金融商品会員制法人に、役員として、理事長一人、理事二人以上及び監事二人以上を置く。」で始まります。
- 金融商品取引法第98条は第四目 管理に置かれています。
- 金融商品取引法の公布日は昭和23年4月13日です。
- 金融商品取引法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 金融商品取引法第98条の前の条は金融商品取引法第97条です。
- 金融商品取引法第98条の次の条は金融商品取引法第99条です。
- 金融商品取引法第98条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第98条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000025 - 本サイト収録
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第98条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000025/98
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点金融商品取引法98条は、金融商品会員制法人に理事長一人・理事二人以上・監事二人以上を置き、理事と監事は会員が選挙し、理事長は理事の互選で決まると定める。欠格事由該当者は当然に失職する。
Q · 証券取引所の理事長って、結局だれが決めているんですか?
会員が選ぶのは理事と監事まで。理事長は理事の互選で決まります
金融商品取引法98条2項により、金融商品会員制法人の理事及び監事は定款の定めるところにより会員が選挙し、理事長はその理事たちの互選で選ばれます。投資家や一般株主に投票権はありません。さらに同条3項は、定款に特別の定めがある場合、理事長が理事の過半数の同意を得て定款で定める数の理事を自ら選任できるとしており、会員の選挙を通らない理事枠が存在します。役員数の下限は理事長一人・理事二人以上・監事二人以上で、欠格事由に該当した役員は5項により当然に失職します。
解説
日本の証券取引所には二つの姿がある。株式会社と、会員組織である金融商品会員制法人だ。後者の権力配線を決めているのが本条である。理事長一人、理事二人以上、監事二人以上。この最低ラインは定款でも下回れない。仕掛けは選び方にある。理事と監事は会員、つまりその取引所で売買する金融商品取引業者が選挙する。ところが理事長を会員は直接選べない。理事たちの互選で決まる。さらに定款に特別の定めを置けば、理事長が理事の過半数の同意を得て、一定数の理事を自ら選任できる。会員の選挙を一切通らない理事枠である。市場のルールを作り、売買停止や上場廃止を判断する側を、規制される側の業者が選ぶ。この構造的な利益相反に、第3項は逃げ道を用意している。あなたが取引所の中立性を論じるなら、読むべきはニュースではなく、この一条とその取引所の定款だ。
法的な位置づけ
金融商品取引法第98条は、金融商品会員制法人の役員構成と選任方法を定める規定である。役員は理事長一人、理事二人以上、監事二人以上とされ、理事及び監事は定款の定めにより会員が選挙し、理事長は理事の互選による。定款に特別の定めがある場合には、理事長が理事の過半数の同意を得て一定数の理事を選任でき、欠格事由に該当した役員は当然に職を失う。
よくある質問 AI による整理
Q1金融商品会員制法人とは何ですか?
会員組織の形をとる金融商品取引所の法人形態です。株式会社形態の取引所と並立し、そこで売買する金融商品取引業者が会員となります。役員構成と選任は金商法98条が定めます。
Q2金融商品会員制法人の役員は何人必要ですか?
金商法98条1項により、理事長一人、理事二人以上、監事二人以上が必要です。これは法律上の下限であり、定款でこれを下回る人数に設定することはできません。
Q3理事長が理事を選任できるのはどんな場合ですか?
定款に特別の定めがある場合に限られます(98条3項)。この場合、理事長は理事の過半数の同意を得て、定款で定める数の理事を選任できます。会員選挙を経ない理事枠です。
Q4役員の欠格事由とは何ですか?
98条4項が定める二類型です。心身の故障のため職務を適正に執行できない者として内閣府令で定める者、および金商法29条の4第1項2号ロ〜リまたは会社法331条1項3号に該当する者です。
Q5心身の故障という基準はどこで決まっているのですか?
条文自体は基準を書かず、内閣府令に委ねています。令和元年改正で成年被後見人等の一律欠格が廃止され、後見開始の事実ではなく職務執行能力の個別判断へ転換しました。
Q6定款で役員の人数を減らすことはできますか?
できません。98条1項の理事長一人・理事二人以上・監事二人以上は法定の最低数であり、定款は上乗せはできても下回る定めを置くことはできません。
Q7会員制の取引所と株式会社の取引所はどう違いますか?
会員制は会員である業者が理事・監事を選挙し、株式会社形態は会社法に従い株主総会が取締役を選任します。所有者と意思決定の回路が根本的に異なります。
Q8失職した後に行われた理事会決議はどうなりますか?
98条5項の失職は決議も通知も待たずに効力を生じるため、失職日以降にその者が加わった決議には効力の疑義が生じます。実務ではまず失職日の特定が焦点になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちは証券会社なんですが、取引所の理事長選びに票を投じられるんですか?
直接は投じられない。第2項で会員が選挙するのは理事と監事までで、理事長はその理事たちの互選で決まる。さらに第3項の定めがある取引所では、理事の一部が理事長の指名で入る。実務のポイント:会員として本当に効くのは理事長選ではなく、定款変更と理事候補の擁立段階だ。人事が表に出てから動く会員は、毎回間に合わない。
Q2役員が欠格事由に当たったら、総会で解任決議をしないといけないんですか?
不要である。第5項は「その職を失う」と定め、決議も通知も待たずに地位が消える当然失職の仕組みになっている。事由は第4項に並ぶ、内閣府令で定める心身の故障、第29条の4第1項第2号ロからリまで、会社法第331条第1項第3号である。実務のポイント:実務の焦点は失職の有無ではなく、失職日から後任選任までに行われた決議の整理にある。まず日付の特定を固める。
間違えやすい点 AI による整理
- 「取引所の役員は金融庁が任命しているのだろう」という問いの立て方自体がずれている。免許を与えるのは内閣総理大臣だが、理事と監事を選ぶのは会員、理事長を選ぶのは理事である。行政は入口(免許)と事後(監督上の処分)を押さえる設計で、就任時の人事そのものには直接手を出していない。
- 理事二人以上・監事二人以上という最低数は条文を読めば分かる。見落とされるのはその重さのほうだ。第5項の当然失職は、ある日突然この定員を割らせる引き金になる。後任が決まるまでの職務をどう埋めるかを定款で設計していなければ、法が要求する体制を欠いたまま日々の意思決定が続くことになる。
- 「定款で理事長に選任権を与えるのは会員自治の後退だ」と読まれがちだが、第3項は定款、すなわち会員自身の総意でしか起動しない。会員が選挙権の一部を手放す決断をして初めて回る回路である。後退ではなく、自ら引いたヒューズだ。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 組織形態 | 金融商品会員制法人(会員組織の金融商品取引所) | 株式会社金融商品取引所(会社法準拠) 金融商品取引業者(登録制の事業者) |
| 役員の選任権者 | 理事・監事は会員の選挙、理事長は理事の互選(98条2項)。定款次第で理事長が理事を選任(3項) | 株主総会の決議により取締役を選任 選任規定ではなく、登録の可否を審査する枠組み |
| 欠格事由の根拠 | 金商法98条4項(内閣府令で定める心身の故障、29条の4第1項2号ロ〜リ、会社法331条1項3号) | 会社法331条1項各号 金商法29条の4第1項各号(登録拒否事由) |
| 該当したときの効果 | 当然失職(98条5項)。解任決議も通知も不要でその職を失う | 取締役としての資格を欠き退任となる 登録の拒否または取消しの問題として処理される |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾も会員制と株式会社制の二本立てを採り、会員制は非営利社団法人として会員が役員を選任する。実際の台湾証券取引所は株式会社形態で運営されている点が日本と共通の実況
韓国は取引所を許可制の株式会社として組織しており、会員制法人という別枠を残す日本と異なる。役員の欠格要件を法定する発想は共通
中国の証券取引所は自律管理を行う法人として位置づけられ、理事会が置かれる。会員による選挙という自治の色彩より、行政の関与が前面に出る設計
ドイツは取引所を公法上の施設とし、取引参加者が Börsenrat を選挙して Geschäftsführung を任免する。参加者の選挙を通じた自治という点で本条と発想が近い
フランスは市場運営会社(entreprise de marché)が規制市場を運営し、経営陣は AMF の適格性審査に服する。役員適格性を行政が入口で審査する点が日本より強い
米国は SRO としての取引所に対し、会員の board への公正な代表(fair representation)を規則で確保するよう求める。会員自治と独立性の均衡を条文レベルで扱う点が本条2項・3項の構造と通じる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 理事に就任して三年目、過去に受けた罰金刑が第29条の4第1項第2号の欠格事由に当たると気付いたら、どうなる? 辞任届を書く猶予はない。第5項により、該当することとなった時点ですでに職は失われている。その日以降にあなたが加わった理事会決議の効力まで、後から疑義を持ち込まれる。
- 地場証券の代表として会員側から推され、理事選挙に勝った。ところが定款には第3項の指名枠があり、理事長が選任した理事が議場の多数を占めていた。票を取っても、決議は動かない。
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)金融商品取引法への改組 証券取引法時代の証券会員制法人に関する役員規定を承継し、名称を金融商品会員制法人に改めた。株式会社形態の取引所と会員組織の取引所が並立する二本立ての構造が確定した
- 令和元年(2019年)成年被後見人等の権利制限の適正化 第4項第1号が、成年被後見人・被保佐人の一律欠格から「心身の故障のため職務を適正に執行することができない者として内閣府令で定める者」へ改正された。後見開始の一事で資格を失う仕組みが個別判断型へ転換した
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 改正:証券取引法から金融商品取引法への改組に伴い、証券会員制法人に関する役員規定を承継し、名称を金融商品会員制法人に改めた。株式会社形態の取引所と会員組織の取引所が並立する二本立ての構造が確定した
- 2.令和元年(2019年) 改正:成年被後見人等の権利制限の適正化により、第4項第1号が成年被後見人・被保佐人の一律欠格から「心身の故障のため職務を適正に執行することができない者として内閣府令で定める者」へ改められ、個別判断型へ転換した
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