公認会計士法 第34条の20(債権者の異議等)
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- 合併をする監査法人の債権者は、当該監査法人に対し、合併について異議を述べることができる。
- 2.合併をする監査法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第三号の期間は、一月を下ることができない。
- 一合併をする旨
- 二合併により消滅する監査法人及び合併後存続する監査法人又は合併により設立する監査法人の名称及び主たる事務所の所在地
- 三債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
- 3.前項の規定にかかわらず、合併をする監査法人が同項の規定による公告を、官報のほか、第六項において準用する会社法第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。ただし、合併後存続する監査法人又は合併により設立する監査法人が有限責任監査法人である場合において、合併により消滅する監査法人が無限責任監査法人であるときにおける当該消滅する無限責任監査法人については、この限りでない。
- 4.債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べなかつたときは、当該債権者は、当該合併について承認をしたものとみなす。
- 5.債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、合併をする監査法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。)に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
- 6.会社法第九百三十九条第一項(第二号及び第三号に係る部分に限る。)及び第三項、第九百四十条第一項(第三号に係る部分に限る。)及び第三項、第九百四十一条、第九百四十六条、第九百四十七条、第九百五十一条第二項、第九百五十三条並びに第九百五十五条の規定は、監査法人が第二項の規定による公告をする場合について準用する。この場合において、同法第九百三十九条第一項及び第三項中「公告方法」とあるのは「合併の公告の方法」と、同法第九百四十六条第三項中「商号」とあるのは「名称」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
債権者の異議等とは何ですか?
定義債権者の異議等とは、公認会計士法第34条の20に定められた規定で、「合併をする監査法人の債権者は、当該監査法人に対し、合併について異議を述べることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 公認会計士法第34条の20(債権者の異議等)は、日本の公認会計士法に含まれる条文です。
- 公認会計士法第34条の20の条文原文は「合併をする監査法人の債権者は、当該監査法人に対し、合併について異議を述べることができる。」で始まります。
- 公認会計士法第34条の20は第六節に置かれています。
- 公認会計士法の公布日は昭和23年7月6日です。
- 公認会計士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 公認会計士法第34条の20の前の条は公認会計士法第34条の19です。
- 公認会計士法第34条の20の次の条は公認会計士法第34条の20の2です。
- 公認会計士法第34条の20には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第34条の20 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000103 - 本サイト収録
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第34条の20(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000103/34_20
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点公認会計士法34条の20は、監査法人の合併時に債権者が異議を述べられる手続を定める。官報公告と個別催告が必要で、異議期間は一か月以上、期間内に異議がなければ承認とみなされる。
Q · 取引先の監査法人が合併するって通知が来たけど、異議を出したら何が変わるの?
原則、弁済・担保提供・信託のいずれかを受けられる
公認会計士法34条の20により、合併をする監査法人の債権者は合併に異議を述べることができます。異議期間(一か月以上)内に異議を述べると、法人は弁済、相当の担保提供、信託会社等への財産信託のいずれかをしなければなりません(5項)。ただし合併しても債権者を害するおそれがない場合は不要です。期間内に黙っていると、合併を承認したものとみなされます(4項)。
解説
官報の片隅に載る数行の公告が、あなたの債権の行方を決めることがある。監査法人(公認会計士が共同で監査業務を行うために作る法人)が合併するとき、取引先・家主・未払い残業代を抱える元職員・監査ミスで損害を受けた依頼会社は、すべて「債権者」として合併に異議を述べられる。ただし期間は最短一か月で、その間に黙っていれば合併を承認したものとみなされる(4項)。異議を出せば、法人は弁済するか、担保を出すか、信託会社等に財産を信託しなければならない(5項)。見落とされやすいのは3項の但書だ。官報に加えて日刊新聞や電子公告でも公告すれば、通常は一人ひとりへの個別通知(催告)を省ける。しかし、無限責任監査法人(社員である会計士個人が法人の債務を無限に背負う形態)が有限責任監査法人に吸収される場合、消滅する側の債権者への個別催告は省略できない。会計士個人の財布まで追える権利が、合併によって消えるおそれがあるからだ。届いた通知を読み流すか、期限内に一通の異議書を出すか。その差が回収の可否を左右する
法的な位置づけ
公認会計士法第34条の20は、監査法人の合併における債権者異議手続を定める規定である。合併をする監査法人に官報公告と知れている債権者への各別の催告を義務付け、一か月以上の異議期間を設ける。異議を述べた債権者には弁済、相当の担保提供または信託会社等への財産信託を要し、期間内に異議がなければ承認擬制が働く。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.異議期間の末日を確認する 届いた催告書または官報公告から、合併をする旨、各監査法人の名称・主たる事務所、異議を述べることができる期間を確認し、末日を手帳やカレンダーに記録する。期間は一か月以上と法定されている
- 2.債権の内容と証拠を整理する 請求額、発生原因、弁済期を整理し、契約書・請求書・給与明細・損害を示す資料など債権の存在を裏付ける証拠をまとめる
- 3.期間内に異議を申し出る 異議期間内に、配達記録の残る方法(内容証明郵便等)で合併をする監査法人に異議を述べ、弁済・相当の担保提供・信託のいずれかを求める
- 4.法人の対応を確認し次の手を判断する 法人が「債権者を害するおそれがない」として弁済等を拒んだ場合は、合併後の財務状況の根拠資料の開示を求め、弁護士に相談して対応を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1監査法人の合併 債権者異議手続とは?
監査法人が合併する際、債権者に合併への異議を述べる機会を与える手続です。公認会計士法34条の20が定め、官報公告と個別催告、一か月以上の異議期間が必要です。
Q2債権者異議の期間はいつまで?
公告・催告で定められた期間内です。期間は一か月を下ることができません(2項但書)。末日は官報公告または催告書に記載されています。
Q3監査法人の合併公告はどこに載る?
必ず官報に公告されます。定款の定めにより、日刊新聞紙または電子公告を併用する場合もあります(3項・6項で会社法939条を準用)。
Q4個別催告がなくても合併は有効?
官報と日刊新聞紙または電子公告の二重公告をすれば個別催告は省略できます。ただし無限責任監査法人が有限責任監査法人に合併される場合、消滅法人の債権者への催告は省略できません。
Q5異議を述べるとどうなる?
法人は弁済、相当の担保提供、または信託会社等への財産信託のいずれかをしなければなりません(5項)。債権者を害するおそれがない場合は例外です。
Q6異議を出さないとどうなる?
期間内に異議を述べなかった債権者は、合併を承認したものとみなされます(4項)。債権自体は消えず、合併後の法人に引き継がれます。
Q7異議の申出は書面でないとダメ?
条文上は方式の定めはありませんが、期間内に異議を述べた事実を証明できるよう、内容証明郵便など記録が残る方法で出すのが実務上安全です。
Q8監査法人の合併と株式会社の合併の手続は同じ?
骨格は会社法799条等の債権者異議手続と似ていますが、監査法人では無限責任から有限責任への合併時に個別催告を省略できないという独自の特則があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1官報なんて読んでないんですけど、知らないうちに期限が過ぎてたらアウトですか?
法人が知っている債権者には、原則として個別の催告が必要です(2項)。ただし官報に加えて日刊新聞や電子公告でも公告した場合は、個別催告を省略できます(3項)。その場合、期限切れで承認擬制(4項)が働く可能性があります。実務のポイント:無限責任監査法人が有限責任監査法人に吸収される場合は省略できません。個別催告が届いていなければ、手続の瑕疵を主張する材料になります
Q2異議を出したら、必ずお金を払ってもらえるんですか?
原則として、法人は弁済・相当の担保提供・信託会社等への財産信託のいずれかをしなければなりません(5項本文)。ただし、合併しても債権者を害するおそれがないときは不要です(5項但書)。実務のポイント:この「おそれがない」かどうかは、まず法人側が判断します。拒否されたら合併後の財務資料の開示を求めてください。根拠のない拒否は、合併の効力を争う際の有力な材料になると解されています(実務上は要確認)
間違えやすい点 AI による整理
- 「合併したら前の法人への請求は消える」と心配する人がいるが、そうではない。債務は存続法人または新設法人に包括的に引き継がれる。異議手続で問われるのは債権が残るかどうかではない。合併後の相手から確実に回収できるかを、弁済・担保・信託という形で今のうちに確定させるかどうかである
- 黙っていても損はないと思われがちだが、承認擬制(4項)の重みは軽くない。期間内に異議を述べなかった債権者は、後から「合併には反対だった」と主張しにくくなる。異議手続の違反を合併無効の理由として争う場合も、自分がきちんと異議を出していたかどうかが土台になる
- 債権者から見れば、合併相手が大手なら安心に思える。しかし法の視点では、無限責任監査法人の社員が負っていた個人責任(公認会計士法上の社員の責任)が、有限責任の枠組みに組み込まれることで縮みうる。大手と合併して法人の規模は大きくなっても、回収の手段が一つ減る。その落差に気付かないまま期間が過ぎるのが典型的な失敗である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 公認会計士法34条の20:監査法人合併時の債権者異議手続 | 公認会計士法34条の19:監査法人の合併そのものの根拠 会社法799条:吸収合併存続株式会社等の債権者異議 |
| 個別催告の省略 | 二重公告で原則省略可。ただし無限責任法人が有限責任法人に合併される場合、消滅法人の債権者には省略不可 | (手続の定めなし) 官報+日刊新聞紙または電子公告で省略可(一部例外あり) |
| 異議期間 | 一か月以上 | (定めなし) 一か月以上 |
| 異議があった場合の効果 | 弁済・相当の担保提供・信託会社等への財産信託(害するおそれなしなら不要) | (定めなし) 弁済・相当の担保提供・信託(害するおそれなしなら不要) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の会社合併では各債権者への個別通知と公告を要し、30日以上の異議期間を定める。日本の監査法人規定のような無限→有限責任の特則は会社法上にはない
韓国も合名会社の合併で債権者異議手続を定め、株式会社等に準用する構造。公告と個別催告を基本とする点は日本と共通
ドイツは事前異議ではなく、合併登記後に一定期間内に申し出た債権者へ担保提供を義務付ける事後型の保護
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、監査契約を結んでいた監査法人の見逃しで決算訂正に追い込まれ、損害賠償を検討していたところへ、その法人から「合併に関する催告書」が届いたら、どうなる? 異議期間を過ぎると、合併そのものは承認したものとみなされる。損害賠償請求権自体は存続法人に引き継がれるが、弁済や担保を求める交渉カードは手放すことになる
- あなたは中小監査法人の代表社員で、大手系の有限責任監査法人への吸収合併を進めている。官報と電子公告の二本立てにしたから個別催告は不要だと考えていた。しかし自分の法人は無限責任監査法人だ。3項但書により、知れている債権者全員に個別催告を送らないと手続に瑕疵が残る
- 退職した監査法人に未払い残業代を請求している最中、合併の公告が出た。異議期間の締切まで、残りは九日しかない
- 取引先の監査法人が合併すると聞き、経理担当の友人から「うちの未収入金、どうなるの?」と相談された。答えは三つの分岐で整理できる。期間内に異議を出すか、出さずに承認擬制を受け入れるか、それとも害するおそれがないと法人側に判断されて弁済が拒まれるか
取るべき行動
被害を受けた側:1. 催告書または官報公告から、異議期間の末日を確認する(最短一か月、2項但書) 2. 請求額・発生原因・証拠(契約書、請求書、給与明細、損害の資料)を整理する3. 期間内に配達記録の残る方法(内容証明郵便など)で異議を述べ、弁済・担保提供・信託のいずれかを求める(5項) 4. 法人が「害するおそれがない」として拒否した場合は、合併後の財務状況の根拠を求め、弁護士に相談して合併の効力を争う余地を検討する
訴えられた側:1. 消滅する法人と存続する法人の双方について、知れている債権者のリストを作る。係争中の損害賠償請求者や元職員も漏らさない2. 公告方法を決める。無限責任法人が有限責任法人に合併される場合は、二重公告をしても個別催告を省略できない(3項但書) 3. 異議が出たら、弁済・担保・信託のどれで対応するか、または害するおそれがない根拠を示せるかを、効力発生日から逆算して判断する
時効(請求できる期限):異議の申出期間は公告・催告で定められ、一か月を下回れない(2項但書)。期間内に異議を述べなければ承認したものとみなされる(4項)。債権そのものについて特別の時効はなく、一般消滅時効(民法166条:権利を行使できることを知った時から5年、または行使できる時から10年)が適用される。最新の改正状況をご確認ください
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)公認会計士法改正(要人的検証) 有限責任監査法人制度の創設に伴い、無限責任法人が有限責任法人に合併される場合の個別催告義務(3項但書)が整備されたとみられる。改正年と条文の文言は要検証
- 会社法制定(平成17年(2005年))に伴う整備(要人的検証) 公告方法と電子公告に関して会社法の規定を準用する形(6項)に改められたとみられる。時期と内容は要検証
- 公認会計士法 第34条の19監査法人の合併の根拠規定(現行効力を要確認)
- 公認会計士法 第34条の21合併の効力発生に関する規定(現行効力を要確認)
- 公認会計士法 第34条の10の6社員の責任、無限と有限の区別(現行効力を要確認)
- 会社法 第799条吸収合併存続会社の債権者異議の対応規定
- 会社法 第939条公告方法、6項で準用
- 会社法 第941条電子公告調査、6項で準用
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