公認会計士法 第34条の19(合併)
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- 監査法人は、総社員の同意があるときは、他の監査法人と合併することができる。
- 2.合併は、合併後存続する監査法人又は合併により設立する監査法人が、その主たる事務所の所在地において登記をすることによつて、その効力を生ずる。
- 3.監査法人は、合併したときは、合併の日から二週間以内に、登記事項証明書(合併により設立する監査法人にあつては、登記事項証明書及び定款の写し)を添えて、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
- 4.合併後存続する監査法人又は合併により設立する監査法人は、当該合併により消滅した監査法人の権利義務(当該監査法人が行うその業務に関し、行政庁の処分に基づいて有する権利義務を含む。)を承継する。
この条文の基本情報
合併とは何ですか?
定義合併とは、公認会計士法第34条の19に定められた規定で、「監査法人は、総社員の同意があるときは、他の監査法人と合併することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 公認会計士法第34条の19(合併)は、日本の公認会計士法に含まれる条文です。
- 公認会計士法第34条の19の条文原文は「監査法人は、総社員の同意があるときは、他の監査法人と合併することができる。」で始まります。
- 公認会計士法第34条の19は第六節に置かれています。
- 公認会計士法の公布日は昭和23年7月6日です。
- 公認会計士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 公認会計士法第34条の19の前の条は公認会計士法第34条の18です。
- 公認会計士法第34条の19の次の条は公認会計士法第34条の20です。
- 公認会計士法第34条の19には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第34条の19 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000103 - 本サイト収録
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第34条の19(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000103/34_19
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点公認会計士法34条の19は、監査法人が総社員の同意で他の監査法人と合併できると定める。効力は登記で生じ、2週間以内に内閣総理大臣への届出が必要。
Q · 監査法人の合併って、多数決で決められるの?
できない。社員全員の同意がないと合併できない
公認会計士法34条の19第1項は、監査法人の合併に「総社員の同意」を求めています。株式会社の特別決議(3分の2)とは違い、全員一致が条件です。合併の効力は契約締結日ではなく、存続法人または新設法人の主たる事務所所在地で登記をした日に生じます(2項)。その日から2週間以内に登記事項証明書を添えて内閣総理大臣に届け出る必要があり(3項)、消滅法人の権利義務は行政庁の処分に基づくものも含めて存続側に移ります(4項)。
解説
株式会社なら株主総会の特別決議、つまり3分の2の賛成で合併できる。監査法人はそうはいかない。本条1項が求めるのは「総社員の同意」で、全員一致を意味する。社員(法人の出資者でもあるパートナー会計士)が80人いても、1人が首を縦に振らなければ合併はできない。数字の世界で生きる会計士の組織が、合併だけは多数決を捨てている。理由は、監査法人の社員が法人の債務について個人として重い責任を負う人的な組織だからだ。知らない相手と財布を一つにする決断を、多数派が少数派に押し付けることは許されない。効力が生じるのは合併契約に署名した日ではなく、存続法人または新設法人が主たる事務所の所在地で登記をした日である。その日から2週間以内に内閣総理大臣(実務上の窓口は金融庁)へ届け出る義務も発生する。そして4項がいちばん重い。消滅する法人の権利義務は、行政庁の処分(役所が法人に直接下す具体的な決定、例:業務改善命令)に基づくものまで含めて、丸ごと存続側に移る。合併は過去を洗い流す手段にはならない。あなたが社員なら、その1票に交渉力がある。あなたが監査を受ける会社の担当者なら、合併後も同じ監査チームの「過去」がそのまま続くことを前提に動くことになる。
法的な位置づけ
公認会計士法第34条の19は、監査法人の合併について定める規定であり、総社員の同意を合併の要件とし、存続法人または新設法人の主たる事務所所在地における登記を効力発生要件とする。あわせて合併後2週間以内の内閣総理大臣への届出義務を課し、消滅法人の権利義務を行政庁の処分に基づくものを含めて包括的に承継させる旨を規定する。
手順
- 1.社員全員の書面同意を取り付ける 合併案を確定させたうえで、総社員から同意を取得し、同意書と社員総会議事録を保存する。1人でも同意が欠ければ本条1項の要件を満たさないため、反対社員の脱退・持分払戻しの調整を先に済ませる
- 2.相手方法人のデューデリジェンス 相手方の行政処分歴、公認会計士・監査審査会の検査結果と改善状況、係属中の訴訟、監査調書の保存状況、非監査業務の提供先を精査する。本条4項によりすべて承継されるため、財務諸表だけで判断しない
- 3.債権者異議手続を履行する 公認会計士法34条の20に基づき、債権者への公告・催告など所定の手続を行い、異議を述べた債権者への弁済・担保提供等に対応する
- 4.主たる事務所所在地で合併登記をする 存続法人または新設法人の主たる事務所の所在地で合併登記を申請する。登記の日が合併の効力発生日となる(本条2項)
- 5.2週間以内に内閣総理大臣へ届け出る 合併の日から2週間以内に、登記事項証明書(新設合併なら定款の写しも)を添えて届け出る。登記完了日を起点に期限をカレンダーに固定する(本条3項)
- 6.クライアントごとに独立性とローテーションを再点検 合併後、同一法人が監査と非監査業務を同時提供していないか(24条の2関係)、担当社員の継続関与年数がローテーション期限に抵触しないかをクライアント単位で確認し、監査役会に説明する
よくある質問 AI による整理
Q1監査法人の合併とは?
二つ以上の監査法人が一つになる組織再編です。公認会計士法34条の19が根拠で、吸収合併と新設合併があり、総社員の同意と登記が必要です。
Q2監査法人 合併 届出 いつまで?
合併の日(登記で効力が生じた日)から2週間以内です。登記事項証明書、新設合併なら定款の写しも添えて内閣総理大臣に届け出ます(本条3項)。
Q3監査法人の合併はいつ効力が生じる?
存続法人または新設法人が主たる事務所の所在地で登記をした日です(本条2項)。合併契約の締結日や社員の同意日ではありません。
Q4監査法人の合併届出の提出先は?
法文上の届出先は内閣総理大臣です。法令上の権限委任により、実務上の窓口は金融庁となります。様式は施行規則で確認してください。
Q5監査法人の合併で債権者は何ができる?
債権者には異議を述べる手続が用意されています(公認会計士法34条の20)。法人側は公告・催告などの手続を履行する必要があります。
Q6監査法人の合併で監査契約はどうなる?
消滅法人の権利義務は存続法人等に包括承継されるため(本条4項)、監査契約上の地位も原則として存続側に移ると整理されます。
Q7監査法人の合併で社員の責任は引き継がれる?
法人の債務は存続法人に承継されます。社員は法人債務について個人責任を負いうる立場にあるため、合併前の債務の精査が欠かせません。
Q8監査法人は株式会社と合併できる?
本条1項は「他の監査法人と合併することができる」と定めており、合併の相手方は監査法人に限られます。株式会社とは合併できません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社員の大半が賛成してるのに、1人の反対で本当に止まるんですか?
止まる。本条1項は「総社員の同意」を要件としており、多数決で置き換えることは予定されていない。監査法人の社員は法人の債務について重い個人責任を負いうるため、組織の根幹を変える決定には全員の同意が必要とされている。実務のポイント:実務では反対派が脱退を選び、残りの社員全員で同意して合併を進める流れが多い。反対派にとっての勝負所は、脱退時の持分払戻しの条件をどこまで引き出せるかにある
Q2合併相手が金融庁から処分を受けてたら、うちも巻き込まれるんですか?
巻き込まれる。本条4項は、消滅法人が業務に関して行政庁の処分に基づいて有する権利義務も存続法人が承継すると明記している。業務改善命令に基づく報告や改善計画の履行義務は、合併後は存続法人の義務になる。実務のポイント:合併前のデューデリジェンスで見るべきなのは財務諸表より金融庁や公認会計士・監査審査会の検査結果である。検査で指摘を受けた事項の改善状況まで確認しないと、存続後に処分リスクを丸ごと抱えることになる
Q3監査法人が合併したら、うちの会社は株主総会で会計監査人を選び直さないといけないんですか?
実務上は、存続法人が会計監査人の地位を承継するものとして扱い、適時開示や臨時報告書で異動を開示する例が多い。ただし個別の事情によって取扱いが変わる余地があるため、監査役会と顧問弁護士で事前に確認すべき論点である(本条4項)。実務のポイント:見落とされやすいのは手続より日程だ。登記日が決算期末の直前や直後にあたると、監査報告書の署名法人名が変わる。監査報告書の日付と法人名を誰がどう確認するかを、早めに監査法人と決めておく
間違えやすい点 AI による整理
- 「合併契約に署名した日が合併の日」と考えがちだが、2項は登記をもって効力が生じると定めている。署名から登記までの間、二つの法人は法的には別々のままである。その期間に結ばれた監査契約や受けた処分がどちらに帰属するかは、日付を一つずつ確認しないと判断を誤る
- 合併で存続法人が権利義務を承継すること自体は、会社法の知識があれば誰でも知っている。見落とされやすいのは4項の括弧書きの重さだ。行政庁の処分に基づく権利義務まで明文で承継対象に含まれている。処分を受けた法人を吸収して看板を掛け替えても、処分に伴う義務は消えない
- 監査を受ける会社から見れば「監査法人の名前が変わっただけ」に映る。法律と監査規制の側から見ると、同じパートナーの継続関与年数、非監査業務との独立性、監査契約の承継関係が問題になる。どれも合併の瞬間に再点検が必要な論点だ。この認識の差を放置すると、ローテーション期限の見落としや独立性違反が後から発覚する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定内容 | 34条の19:合併の要件・効力発生・届出・承継 | 34条の18:合併を含む解散事由 34条の20:合併時の債権者異議手続 |
| 誰の利益を守るか | 社員個人の意思(全員一致)と行政監督の連続性(処分の承継) | 法人の存続・消滅の明確化 法人の債権者 |
| 実務上のタイミング | 同意→登記で効力発生→2週間以内に届出 | 合併の効力発生により消滅法人が解散 登記前に手続を完了させる必要 |
| 株式会社との違い | 総社員の同意(全員一致) | 解散事由も法人法上の固有ルール 会社法の債権者保護手続に相当 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は法人會計師事務所制度を設けているが、合併の要件を本条のように全員一致として明文化しているかは条文の確認が必要
韓国は会計法人(회계법인)制度を持ち、金融当局の監督下に置く点で日本と構造が近い
ドイツの監査法人(WPG)は会社形態をとり、合併は組織再編法(UmwG)の一般ルールに従う。監査法人固有の全員一致要件は置かれていない
米国では会計事務所の多くが LLP 等の形態をとり、合併要件は各州のパートナーシップ法や事務所の契約に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 中堅監査法人の社員会議で、大手との合併案に賛成の手が次々と挙がる。あなただけが手を挙げない。本条1項のもとでは、その沈黙がそのまま拒否権になる。残る問題は、その1票を条件交渉にどう使うかだ
- 合併の相手方が半年前に金融庁から業務改善命令を受けていたら、どうなる? 存続法人は4項により、その命令に基づく義務まで引き継ぐ。報告義務や改善計画の履行が、昨日まで無関係だったあなたの法人の宿題になる
- あなたは上場会社の経理部長。会計監査人である監査法人から「来月、他法人と合併します」と一通の書面が届いた。適時開示と臨時報告書の要否を、取締役会と監査役会の日程から逆算して判断しなければならない。決算発表まで残り6週間
- 合併登記は完了した。ところが総務担当が金融庁への届出を失念している。2週間の期限はあと3日
- あなたが合併する側の法人の監査担当パートナーだったとしよう。相手方の法人がクライアントにコンサルティング業務を提供していた場合、合併によって同一法人が監査と非監査業務を同時に担う形になりうる。大会社等の監査では独立性規制に抵触するおそれがあり、合併前の洗い出しが欠かせない
取るべき行動
被害を受けた側:合併の影響を受ける監査クライアントの立場なら、次の順で動く。1. 監査法人に合併の効力発生予定日、つまり登記予定日を書面で確認する2. 担当パートナーの継続関与年数と、合併相手の法人による非監査業務提供の有無を照会する3. 監査役会で会計監査人の異動に該当するかを検討し、適時開示・臨時報告書の要否を証券代行や主幹事と詰める4. 存続法人が業務改善命令などの処分を引き継いでいる場合は、監査品質への影響について説明を求める
訴えられた側:合併を進める監査法人の側なら、次の順で備える。1. 社員全員の書面同意を取り付け、議事録に残す。1人でも欠ければ1項の要件を満たさない2. 相手方の行政処分歴、係属中の訴訟、監査調書の保存状況を精査する。4項によりすべて承継されるからだ3. 34条の20の債権者異議手続を履行する4. 登記完了日から2週間以内の届出期限をカレンダーに固定する5. 独立性とローテーションの抵触をクライアントごとに洗い出す
時効(請求できる期限):合併の届出は合併の日(登記により効力が生じた日)から2週間以内(本条3項)。債権者異議手続の期間は34条の20の定めによる。合併に起因する損害賠償請求などの私法上の請求には、一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、または行使できる時から10年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:監査法人は社員が法人債務について個人責任を負いうる人的色彩の強い法人であり、組織の根幹を変える合併には全員一致が求められる。4項の括弧書きは、合併を利用した行政処分の潜脱を防ぐ趣旨と理解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和41年(1966年) 新設:公認会計士法改正により監査法人制度が創設され、監査法人の合併に関する規定が設けられた
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