風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第35条の3(受託接客従業者に対する拘束的行為の規制等)
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- 接客業務受託営業を営む者は、その営業に関し、次に掲げる行為をしてはならない。
- 一当該接客業務受託営業を営む者の使用人その他の従業者で第二条第十三項に規定する業務の一部に従事するもの(以下この節において「受託接客従業者」という。)に対し、受託接客従業者でなくなつた場合には直ちに残存する債務を完済することを条件として、その支払能力に照らし不相当に高額の債務を負担させること。
- 二その支払能力に照らし不相当に高額の債務を負担させた受託接客従業者の旅券等を保管し、又は第三者に保管させること。
この条文の基本情報
受託接客従業者に対する拘束的行為の規制等とは何ですか?
定義受託接客従業者に対する拘束的行為の規制等とは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第35条の3に定められた規定で、「接客業務受託営業を営む者は、その営業に関し、次に掲げる行為をしてはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第35条の3(受託接客従業者に対する拘束的行為の規制等)は、日本の風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に含まれる条文です。
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第35条の3の条文原文は「接客業務受託営業を営む者は、その営業に関し、次に掲げる行為をしてはならない。」で始まります。
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第35条の3は第五節 接客業務受託営業の規制に置かれています。
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の公布日は昭和23年7月10日です。
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第35条の3の前の条は風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第35条の2です。
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第35条の3の次の条は風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第35条の4です。
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第35条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)第35条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000122 - 本サイト収録
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)第35条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000122/35_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点風営法35条の3は、接客業務受託営業者が従業者に退職時の即時完済を条件として不相当に高額な債務を負わせることと、その旅券等を保管することを禁止している。
Q · ホステス派遣の業者に「辞めるなら借金を全額返せ」と言われてパスポートも預けたまま。これって違法じゃないの?
即時完済条件の高額債務と旅券保管は業者側の禁止行為
風営法35条の3は、接客業務受託営業者が受託接客従業者に対し、辞めた場合には直ちに残りの債務を完済することを条件として、支払能力に照らし不相当に高額な債務を負わせること(1号)、そしてその従業者の旅券等を保管し又は第三者に保管させること(2号)を禁じています。違反した業者は公安委員会による指示等の行政処分(35条の4)の対象となり、罰則も置かれています。借金の有効性自体も、民法90条により別途争える余地があります。
解説
ホステスやコンパニオンを店に送り込む「接客業務受託営業」(店から委託を受けて、客の接待業務の一部を担う人材を供給する業者)には、二つの手口がはっきり禁じられている。一つ目は、収入に見合わない高額の借金を背負わせたうえで、「辞めたら即日全額返済」という条件をつけることだ。二つ目は、そうして借金を負わせた人のパスポートなどを業者が預かること、または第三者に預けさせることである。どちらも、借金と身分証の二本の鎖で人を職場に縛り付ける、人身取引の典型的な手口に対応している。押さえておくべき点は、本条が問題にしているのが借金の「存在」ではなく、「辞めた瞬間に完済」という条件と、収入に比べて不相当に高い金額との組み合わせだということだ。寮費、衣装代、渡航費などの名目で膨らんだ借金を突きつけられ「返すまで辞められない」と言われている人は、法律上は業者の方が違反者である可能性が高い。違反には指示などの行政処分(35条の4)があり、罰則も置かれている(最新の改正状況をご確認ください)。
法的な位置づけ
風営法第35条の3は、接客業務受託営業者による受託接客従業者への拘束的行為を禁止する規定である。退職時の即時完済を条件として支払能力に照らし不相当に高額な債務を負担させる行為と、そのような債務を負わせた従業者の旅券等を保管し又は第三者に保管させる行為の二類型を禁止行為として定める。
手順
- 1.借金と条件付けの証拠を保存する 借用書、立替明細、給与明細、「辞めるなら全額返せ」と求めるLINEやメッセージを写真で保存し、家族やクラウドなど自分以外の場所にもバックアップする
- 2.旅券を預けた経緯を記録する パスポート等をいつ、誰に、どのような説明で渡したかをメモにまとめる。自分から希望したのか、求められたのかも正直に書き残す
- 3.警察・支援団体へ相談する 緊急時は110番、相談は#9110、法テラスや人身取引被害の支援団体に連絡する。業者と一対一で返還交渉する前に、第三者が関与した記録を作る
- 4.借金の有効性と返済方法を専門家と争う 借金が民法90条により無効となりうるか、返済方法をどうするかは、弁護士等を通じて業者と協議する。自分一人で分割返済や相殺に応じない
よくある質問 AI による整理
Q1接客業務受託営業とは何ですか?
店から委託を受け、客の接待業務の一部を担う人(ホステス、コンパニオン等)を店に送り込む営業です。定義は風営法2条13項にあります。
Q2風営法35条の3違反の罰則は?
公安委員会による指示等の行政処分(35条の4)の対象となり、罰則規定も置かれています(50条)。具体的な法定刑は最新の改正状況で確認が必要です。
Q3パスポートを取り上げられたらどこに相談する?
緊急時は110番、相談は警察相談専用電話#9110、法テラス、人身取引被害の支援団体へ。外国人は在留資格の相談も同時に行うと安心です。
Q4辞めたら借金を一括返済しろと言われた、払う必要ある?
即時完済を条件に不相当な債務を負わせること自体が本条の禁止行為です。返済方法や借金の有効性は、相談先を通じて争う余地があります。
Q5前借金は違法?
前借金そのものは直ちに違法ではありません。ただし収入に照らし不相当に高額で、退職時即時完済を条件とする場合は本条違反になりえます。
Q6業務委託契約でも風営法35条の3は適用される?
適用されます。本条は雇用か委託かを問わず「使用人その他の従業者」を対象としており、契約の名目では逃れられません。
Q7寮費や衣装代の立替は違法になる?
立替自体は禁止されていません。月収に比べ不相当に膨らみ、辞めたら直ちに完済という条件が付くと、本条1号の問題になりえます。
Q8旅券等の「等」には何が含まれる?
パスポートに限らず、本人の身分や移動を支える証明書類が想定されます。具体的範囲は法令の定義規定で確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1借金が残ってるのに辞めたら、詐欺とかで訴えられたりしないんですか?
辞めること自体は犯罪ではありません。本条1号は、辞めた時点で直ちに完済させる条件を付けて不相当な債務を負わせる業者側の行為を禁じています。借金が残っていても、それをどう返すかは民事の問題で、無効を争える場合もあります(民法90条)。実務のポイント:業者が「訴える」「家族に請求する」と言うのは、多くが辞めさせないための圧力です。家族に支払義務はなく、保証人でもない限り請求に応じる必要はありません
Q2パスポートは自分から預けてくださいって言ったんですけど、それでもダメなんですか?
本条2号は「保管し、又は第三者に保管させること」を禁じており、本人の同意があるかどうかで当然に適法になるわけではありません。高額の債務を負わせた相手の旅券等を保管している状態そのものが問題とされます。実務のポイント:「本人が希望した」という説明は業者側の典型的な言い分です。預けた経緯をメモしておけば、それが本当に自由な意思だったのか後で検証しやすくなります
Q3業者がこれに違反したら、実際どういう処分になるんですか?
公安委員会は違反した業者に対し、必要な指示などの行政処分をすることができます(35条の4)。さらに本条違反には罰則が設けられています(50条、最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:業者の取引先である店側にも、従業者への同種の拘束行為を禁じる規定があります(18条の2)。業者だけでなく派遣先の店も責任を問われうるため、店側が業者との関係を見直す引き金になることがあります
間違えやすい点 AI による整理
- 「借金がある以上、辞めたいなら先に返すのが筋だ」と本人も周囲も考えがちだが、本条が禁じているのは、まさに「辞めたら直ちに完済」という条件付けである。借金の返済義務がどこまで有効かは別に争う余地があり、収入に照らして不当な前借金は公序良俗違反(民法90条)として無効とされた最高裁判例もある(最判昭和30.10.7)。返済の話と、辞める自由の話は切り離して考えるべきだ
- パスポートを取り上げられたことの深刻さを、身分証を預けた程度に軽く見る人が多い。短期滞在など在留カードを持たない外国人には旅券の携帯義務があり(出入国管理及び難民認定法23条)、取り上げられた側は移動するだけで不安定な立場に追い込まれる。業者はその弱みを分かったうえで保管している
- 「雇用契約ではなく業務委託だから、労働基準法の前借金ルールは関係ない」という発想が業界にある。たしかに労働基準法17条の適用は労働者性の判断次第だが、本条は雇用か委託かを問わず「使用人その他の従業者」を広く対象にしている。契約書の名目を変えても、本条からは逃げられない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制対象者 | 風営法35条の3:接客業務受託営業者(人材を店に送り込む業者) | 風営法18条の2:風俗営業者(店側) 労働基準法17条:使用者(労働者性がある場合) |
| 保護される人 | 受託接客従業者(雇用・委託を問わない) | 店の接客従業者 労働基準法上の労働者 |
| 禁止される行為 | 即時完済条件付きの不相当な高額債務負担、旅券等の保管 | 接客従業者に対する同種の拘束的行為 前借金その他労働を条件とする前貸の債権と賃金との相殺 |
| 違反時の効果 | 指示等の行政処分(35条の4)+罰則 | 風俗営業者への行政処分+罰則 労働基準法上の罰則 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は不当な債務による拘束や重要文書の扣留を人口販運の手段として規定し、雇用主による外国人の旅券留置も就業服務法で禁止している。業種横断で規律する点が日本の業法型規制と異なる
韓国は性売買に関連する不法原因による債権を無効と明文化し、債務による拘束を私法面から断つ構造をとる
ドイツは人身取引・強制労働を刑法で包括的に処罰し、債務による搾取も構成要件に取り込む
米国は人身取引を助長する目的での旅券等の没収・隠匿を独立の連邦犯罪としており、日本の本条2号と問題意識が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 派遣元から「渡航費と寮費で300万円の立替がある、辞めるなら明日までに全額返せ」と言われた。月収は手取り20万円前後。その条件の付け方自体が本条1号の禁止行為にあたりうる
- もし、入店初日に「紛失防止のため」とパスポートを事務所の金庫に入れられ、借金が残っていると言われたらどうなる? 本人が頼んで預けたのでない限り、業者側が本条2号違反を問われうる
- あなたは小さなキャスト派遣会社の経営者で、新人に衣装代や美容代を立て替えている。立替額が月収の数か月分に膨らみ、退職時に一括清算する規約を作っていた。善意のつもりでも、その規約が違法の入口になる
- 週明けには地方の別の店へ移るよう指示された。あと三日で、パスポートを取り戻さないまま見知らぬ土地へ連れて行かれる。動けるのは今だけだ
- 同郷の友人から「借金があるから警察には行けない」と LINE が来た。返せない借金があることと、通報できないことは、法律上まったく別の話である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 借用書、立替明細、給与明細、退職時完済を求める LINE やメッセージを写真で保存し、自分以外の場所(家族、クラウド)にも保管する2. パスポートを預けた日時、誰に渡したかをメモする3. 警察(緊急時は110、相談は #9110)、法テラス、人身取引被害の支援団体に相談する。外国人の場合は在留資格の相談も同時に行う4. 借金の有効性(民法90条)と返済方法は、自分一人で業者と交渉せず、相談先を通じて争う
訴えられた側:1. 従業者への立替金の総額と、本人の月収との比率を一覧化する2. 退職時に一括清算を求める規約や誓約書があれば、直ちに分割返済や相殺しない形に改める3. 保管している旅券等があれば本人に返却し、受領の記録を残す4. 公安委員会から指示(35条の4)を受けた場合は、改善内容を書面で整え、弁護士と対応を協議する。刑事事件化が見込まれる場合は早期に弁護人を選任する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。不当に支払った金銭の返還や損害賠償には、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)や不法行為の時効(民法724条、知った時から3年)が適用される。刑事の公訴時効は法定刑により決まる(刑事訴訟法250条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解:本条は立替や貸付そのものではなく、不相当な高額債務・退職時即時完済条件・旅券等保管という離脱の自由を奪う組み合わせを狙い撃ちにする行政規制であり、債務の私法上の効力は民法90条により別途判断される。
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)前後 人身取引対策の一環として、接客業務受託営業に対する拘束的行為の規制が設けられたとみられるが、新設時期と以後の改正内容は人的検証が必要
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第2条13項で接客業務受託営業を定義
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第18条の2風俗営業者側の拘束的行為禁止
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第35条の4違反業者への指示等の行政処分
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第50条本条違反の罰則(現行効力を要確認)
- 労働基準法 第17条前借金と賃金の相殺禁止
- 労働基準法 第5条精神・身体拘束による強制労働禁止
- 売春防止法 第9条売春目的の前貸等の処罰
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