受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第281条の5

クイックジャンプ
  1. 被告人又は被告人であつた者が、検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧又は謄写の機会を与えた証拠に係る複製等を、前条第一項各号に掲げる手続又はその準備に使用する目的以外の目的で、人に交付し、又は提示し、若しくは電気通信回線を通じて提供したときは、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
  2. 2.弁護人(第四百四十条に規定する弁護人を含む。以下この項において同じ。)又は弁護人であつた者が、検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧又は謄写の機会を与えた証拠に係る複製等を、対価として財産上の利益その他の利益を得る目的で、人に交付し、又は提示し、若しくは電気通信回線を通じて提供したときも、前項と同様とする。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第281条の5は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第281条の5の条文原文は「被告人又は被告人であつた者が、検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧又は謄写の機会を与えた証拠に係る複製等を、前条第一項各号に掲げる手続又はその準備に使…」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第281条の5は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第281条の5の前の条は刑事訴訟法第281条の4です。
  7. 刑事訴訟法第281条の5の次の条は刑事訴訟法第281条の6です。
  8. 刑事訴訟法第281条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第281条の5
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第281条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/281_5

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法281条の5は、開示証拠の複製等を裁判手続・準備以外の目的で第三者に交付・提示・提供する行為を、一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金で処罰する規定である。

Q · 裁判で渡された証拠を SNS に上げたり他人に見せたりするのは犯罪になるの?

裁判準備以外の目的で開示証拠を他人に渡すと処罰される

刑事訴訟法281条の5により、検察官が開示した証拠の複製等を、裁判手続またはその準備に使用する目的以外の目的で他人に交付・提示・提供すると、一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金に処されます。無実を訴える目的でも、報道目的でも、裁判準備以外なら処罰対象です。第2項では、弁護人が金銭など財産上の利益を得る目的で証拠を流した場合も同じ刑で処罰されます。守られているのは被告人ではなく、証拠に登場する被害者・証人のプライバシーと安全です。

解説

刑事裁判の被告人になると、検察官が持つ証拠のコピーを手にする場面がある。被害者の供述調書、目撃者の住所、現場写真。自分の無実を証明するために渡されたものだ。ところが、その複製を裁判の準備以外の目的で誰かに渡したり、SNS に上げたり、メールで送ったりすると、それ自体が独立した犯罪になる。一年以下の拘禁刑、または五十万円以下の罰金。281条の5がそう定めている。さらに第2項は弁護人を名指しする。弁護人が証拠のコピーを金銭目的で第三者に売れば、同じ刑だ。ここで知っておくべきは、この条文が守っているのは被告人ではなく、証拠の中に登場する被害者や目撃者だという点。彼らのプライバシーと安全を人質に取らせないための歯止めが、この一条なのだ。

法的な位置づけ

刑事訴訟法281条の5は、証拠開示で交付された複製等の目的外使用を処罰する規定である。被告人または弁護人が、開示証拠の複製等を裁判手続およびその準備以外の目的で第三者に交付・提示・提供した場合に、一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金を科す。証拠開示制度の拡充に伴い、被害者・証人の情報流出を防ぐ安全装置として機能する。

よくある質問 AI による整理

Q1目的外使用罪とは何ですか?

検察官が開示した証拠の複製等を、裁判手続やその準備以外の目的で他人に交付・提示・提供する行為を処罰する罪です。刑事訴訟法281条の5が根拠で、一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金が科されます。

Q2証拠開示の「複製等」とは何を指しますか?

閲覧・謄写の機会を与えられた証拠のコピーや、それを基にした書面・データを指します。供述調書、目撃者リスト、現場写真の写しなどが典型で、原本だけでなく複製も規制対象です。

Q3目的外使用罪の公訴時効は何年ですか?

法定刑が一年以下の拘禁刑のため、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項)。起算点は目的外使用にあたる交付・提示・提供の行為時となります。

Q4開示証拠を第三者に提示しただけでも罪になりますか?

なり得ます。条文は交付だけでなく「提示」「電気通信回線を通じた提供」も対象としています。コピーを渡さず画面で見せるだけでも、目的外であれば処罰対象です。

Q5拘禁刑への変更はいつから適用されますか?

令和4年公布の刑事法改正で従来の「懲役」が「拘禁刑」に統合され、令和7年(2025年6月1日)から施行されています。それ以前の行為には旧法の懲役刑が適用されます。

Q6証拠を流出された被害者は何をすべきですか?

投稿・報道などの流出を発見したらスクリーンショットとURL・日時を保全し、担当検察官や警察に281条の5違反として通報します。並行して民事の損害賠償も検討できます。

Q7電気通信回線を通じた提供とは何を含みますか?

メール送信、SNS投稿、クラウド共有、メッセージアプリでの送付などインターネット経由のあらゆる送信を含みます。物理的に手渡さなくても処罰対象になります。

Q8目的外使用罪の処罰対象は誰ですか?

第1項は被告人または被告人であった者、第2項は弁護人または弁護人であった者です。第2項は弁護人が財産上の利益を得る目的で行った場合を特に名指しで処罰します。

この条文についての質問 AI による整理

Q1自分の無実を証明するために証拠をネットで公開するのも、本当にダメなんですか?

はい、ダメです。目的が無実の証明や世論喚起であっても、281条の4が許す「裁判手続とその準備」に当たらなければ、281条の5の処罰対象です。証拠の中に被害者や目撃者の個人情報が含まれているからこそ、用途が厳格に限られています。実務のポイント:弁護人は依頼人に最初にこのリスクを説明しますが、被告人が感情的になって独断で SNS に上げてしまう事故が後を絶ちません。無罪を争う事件で、この一投稿が二つ目の前科を生むと、本来の裁判の量刑にも響く。発信したい衝動が湧いたら、まず弁護人に相談を

Q2弁護士が証拠を週刊誌に売ったら、資格停止だけで済むんですか?

済みません。281条の5第2項は、弁護人が財産上の利益を得る目的で証拠の複製を第三者に渡す行為を、一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金で処罰します。弁護士会の懲戒(業務停止・除名)とは別に、刑事責任が問われます。実務のポイント:第2項がわざわざ弁護人を名指しで規定しているのは、過去に証拠が報道機関へ流出する事案があったからです。被告人側にとっては、自分の弁護人がこの誘惑に乗らない人物かどうかが死活問題。著名事件ほど、弁護人選びでこの一線を守れるかを見るべきです

Q3渡された証拠を家族に見せて相談するのも犯罪になりますか?

微妙な線です。裁判の準備のために弁護方針を家族と相談する範囲なら281条の4第1項の「準備」に含まれうるとの解釈もありますが、単なる興味本位の閲覧や拡散は目的外使用です。実務のポイント:条文は「裁判手続又はその準備に使用する目的以外」を禁じており、「準備」の範囲は実務上、解釈が分かれています。安全策は、家族への共有も弁護人を通すか、弁護人の了解の下で行うこと。グレーゾーンに自分から踏み込まない判断が、後で効いてくる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「開示された証拠は自分の裁判の資料だから、どう使おうと自由」と思いがちだが、使えるのは281条の4が定める裁判手続とその準備に限られる。それ以外の目的での交付・提示・提供は、目的が正当(報道、世論喚起、自己防衛)に見えても犯罪になる
  • あなたから見れば「真実を世に知らせる正義の行為」でも、法律から見れば「保護されるべき被害者・証人のプライバシーを、被告人という立場を利用して流出させた行為」。この視角の落差が、あなたを加害者の側に立たせる
  • 弁護人がこの条文の対象だと知っている人は多い。だが第2項の射程の深刻さを知る人は少ない。弁護人が金銭目的で証拠を流せば、弁護士会の懲戒だけでなく刑事罰、つまり前科がつく。資格停止では済まない次元の話だ
比較の観点この条文ほかの条文
規定の役割281条の5:目的外使用に対する罰則(制裁規定)281条の4:目的外使用の禁止そのもの(実体規定)
316条の14:検察官請求証拠の開示手続(開示規定)
規律する局面開示後、複製等を裁判外で流出させた段階開示証拠の使用目的を一般的に限定する段階
そもそも証拠を開示するかどうかの段階
効果一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金禁止規範(違反すると281条の5で処罰)
開示義務の発生(不開示は争訟事由)
名宛人被告人・弁護人(第2項で弁護人を特定)開示を受けた者全般
検察官

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
刑事訴訟法第245條(偵查不公開)・個人資料保護法

台湾には開示証拠の目的外使用を正面から処罰する規定はなく、偵査不公開原則と個資法の流出規制で類似の機能を分担している。被告閲卷権(第33条)の拡大とあわせ規律構造が異なる。

韓国
대한민국 형사소송법(証拠開示制度)

韓国も2007年改正で証拠開示制度を導入したが、目的外使用に対する罰則の有無・条文は要検証のため確定的な対応条文の特定は留保する。

ドイツ
StPO § 32f

ドイツは電子記録による記録閲覧(Akteneinsicht)で取得したデータに目的拘束を課す。刑罰よりも手続的・職業倫理的なサンクションが中心となる点が日本と異なる。

アメリカ
Federal Rules of Criminal Procedure Rule 16(d)

米国は裁判所の発するprotective orderによって開示物の使用範囲を制限する。違反は法廷侮辱等で制裁されるが、独立の刑事犯として類型化する日本の方式とは構造が異なる。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 被告人が、証拠開示で得た被害者の供述調書を「こいつは嘘をついている」と怒り、その一部を SNS に投稿した。被害者の実名や住所が映り込んでいた。無実を訴えたつもりが、281条の5違反で新たに立件されうる。本来の裁判とは別の刑事事件が一つ増える
  • もし、あなたが被告人として開示された目撃者リストを、知人の記者に「面白いネタがある」と見せてしまったとしたら? 報道のためでも、裁判準備以外の目的なら一年以下の拘禁刑。示談交渉の真っ最中なら、これが発覚した瞬間、検察官の心証は最悪に振れ、量刑にも跳ね返る
  • 弁護人が、ある芸能人の刑事事件で開示された証拠を週刊誌に売って金銭を得た。これは281条の5第2項のど真ん中。弁護士会の懲戒だけでは終わらず、刑事罰、つまり前科が待っている
  • 被告人本人が「応援してほしい」と証拠のコピーを親戚に配った。裁判準備以外の目的での交付。善意であっても、条文の文言上は処罰対象に入りうる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 流出の事実(SNS投稿、報道、第三者への提示)を発見したら、即座にスクリーンショット・URL・日時を保全。削除されると立証が困難になる2. 担当検察官・警察に通報し、281条の5違反として捜査を求める。あなたは目的外使用の被害者だ3. 並行してプライバシー侵害・名誉毀損として民事の損害賠償(民法709条、710条)も検討4. 身の危険を感じる場合は被害者支援制度や証人保護の措置を検察官に相談する

訴えられた側:1. すでに証拠のコピーを第三者に渡した、SNS に上げた疑いがあるなら、まず弁護人に正直に話す。隠すと裁判全体の心証を壊す2. 投稿・送信したものは速やかに削除し拡散の停止に動く。ただし証拠隠滅と取られない範囲で3. 目的が281条の4第1項各号(裁判手続・その準備)に該当しないか弁護人と精査、該当すれば不処罰の余地4. 弁護人が第2項(金銭目的)で疑われている場合は、その弁護人とは別に独立した刑事弁護を立てることを考える

時効(請求できる期限):本罪は法定刑が一年以下の拘禁刑であり、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。起算点は目的外使用(交付・提示・提供)の行為時。継続的に提供している場合は最後の行為時から進行する(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:本条が許容するのは281条の4第1項各号が定める裁判手続およびその準備に限られ、報道・世論喚起・自己防衛などの目的は『目的外』にあたるとする。もっとも『準備』の範囲(家族や支援者との相談を含むか)については実務上解釈が分かれており、安全策は弁護人を通じた取扱いとされる。

改正沿革 AI による整理

  • 平成16年(2004年) 公判前整理手続と証拠開示制度の拡充に伴い新設。広がる証拠開示の副作用として被害者・証人情報の流出を防ぐため、目的外使用の禁止(281条の4)とセットで罰則を創設した
  • 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 「懲役」を「拘禁刑」に統合する刑事法改正に伴い、法定刑の表記を一年以下の拘禁刑に変更

改正の年表

  1. 1.平成16年(2004年) 新設:公判前整理手続と証拠開示制度の拡充に伴い新設。広がる証拠開示の副作用として被害者・証人情報の流出を防ぐため、目的外使用の禁止(281条の4)とセットで罰則を創設した。
  2. 2.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年6月1日)施行 改正:『懲役』を『拘禁刑』に統合する刑事法改正に伴い、法定刑の表記を一年以下の拘禁刑に変更した。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

刑事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第一節 公判準備及び公判手続

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›