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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 8 分8 分8 分

刑事訴訟法 第299条

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  1. 検察官、被告人又は弁護人が証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の尋問を請求するについては、あらかじめ、相手方に対し、その氏名及び住居を知る機会を与えなければならない。証拠書類又は証拠物の取調を請求するについては、あらかじめ、相手方にこれを閲覧する機会を与えなければならない。但し、相手方に異議のないときは、この限りでない。
  2. 2.裁判所が職権で証拠調の決定をするについては、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第299条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第299条の条文原文は「検察官、被告人又は弁護人が証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の尋問を請求するについては、あらかじめ、相手方に対し、その氏名及び住居を知る機会を与えなければならない。」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第299条は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第299条の前の条は刑事訴訟法第298条です。
  7. 刑事訴訟法第299条の次の条は刑事訴訟法第299条の2です。
  8. 刑事訴訟法第299条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第299条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第299条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/299
裁判例 7件に引用されています

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わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法299条は、当事者が取調べを請求する証人の氏名・住居や証拠書類を、あらかじめ相手方に知り閲覧する機会を与えるよう義務づける。ただし開示対象は請求証拠に限られる。

Q · 起訴されたら、検察官は持っている証拠を事前に全部見せてくれるの?

いいえ、請求する証拠だけです

刑事訴訟法299条が保障するのは、検察官が法廷で取調べを請求する証人の氏名・住居と、証拠書類・証拠物を事前に閲覧する機会だけです。検察官の手元に残る、被告人に有利かもしれない証拠は本条の対象外です。より広く証拠を引き出すには、事件を公判前整理手続に付したうえで、類型証拠開示(刑訴316条の15)や主張関連証拠開示(同316条の20)を請求する必要があります。

解説

警察に逮捕され、起訴され、法廷に立つことになったとき、最初にあなたを襲う疑問はこうだ。検察官は、自分を有罪にしようとする手の内を、事前に全部見せてくれるのか。答えはノーに近い。刑事訴訟法299条が保障するのは、相手が法廷で取り調べを請求する証人の氏名と住所、そして使う予定の証拠書類や証拠物を事前に閲覧する機会、それだけだ。検察官の手元に眠る、あなたに有利かもしれない証拠は、この一条だけでは出てこない。長年、日本の名だたる冤罪事件の多くは、検察が握ったまま法廷に出さなかった証拠が原因だった。だからこそ本当の証拠開示の戦いは、299条の「相手が使うと決めた分」の先にある、公判前整理手続という別の戦場で起きる。この条文は、あなたの防御の最低ラインを示す地図の入口にすぎない。

法的な位置づけ

刑事訴訟法299条は証拠の事前開示を定める規定であり、当事者が証人等の尋問または証拠書類・証拠物の取調べを請求する場合に、相手方へその氏名・住居を知る機会または証拠を閲覧する機会を事前に与える義務を課す。開示範囲は取調べ請求の対象となる証拠に限定され、公判前整理手続における類型証拠開示・主張関連証拠開示とは区別される。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.弁護人と公判前整理手続の利用を協議 起訴されたら、まず弁護人と「事件を公判前整理手続に付すべきか」を協議する。これが299条の狭い開示を超えて類型証拠開示・主張関連証拠開示という武器を使う入口になる
  2. 2.検察官の請求証拠一覧を精査 299条により開示された検察官の証拠調べ請求一覧を精査し、請求されていない証拠の類型(捜査報告書、供述調書、実況見分調書、防犯カメラ映像等)を特定する
  3. 3.類型証拠開示を請求 刑訴316条の15に基づき、検察官請求証拠の証明力判断に必要な一定類型の証拠を特定して開示請求する。検察官が握る記録の山に最初の風穴を開ける段階
  4. 4.主張を明示し主張関連証拠開示を請求 被告人側の主張(アリバイ、正当防衛、犯人性の否認など)を明示したうえで、刑訴316条の20に基づき主張に関連する証拠の開示を請求し、有利な証拠をさらに引き出す
  5. 5.開示拒否なら裁判所へ裁定を請求 検察官が開示に応じない場合、刑訴316条の26に基づき裁判所に証拠開示の裁定(命令)を求める。開示された証拠に有利なものがあれば、間を置かず証拠調べを請求する

よくある質問 AI による整理

Q1証拠開示とは何ですか?

検察官や弁護人が持つ証拠を相手方が事前に見られるようにする制度です。刑訴299条は当事者が取調べを請求する証拠に限り、公判前整理手続ではより広い範囲が開示されます。

Q2公判前整理手続とは何ですか?

初公判の前に争点と証拠を整理する手続です(刑訴316条の2以下)。これに付されると類型証拠開示・主張関連証拠開示という強力な証拠開示制度が使えます。

Q3類型証拠開示はどうやって請求しますか?

公判前整理手続で、検察官請求証拠の証明力を判断するため必要な一定類型の証拠を特定し、刑訴316条の15に基づき開示請求します。検察官請求証拠の精査が前提です。

Q4主張関連証拠開示とは何ですか?

被告人側が自らの主張を明示したうえで、その主張に関連する証拠の開示を求める制度です(刑訴316条の20)。類型証拠開示より踏み込んだ開示が得られます。

Q5証拠開示請求はいつまでにすればいいですか?

299条自体に固有の期限はありませんが、公判前整理手続に付された事件では、争点・証拠の整理終了後はやむを得ない事由がない限り新たな請求ができません(刑訴316条の32)。

Q6検察官が証拠開示に応じない場合どうなりますか?

公判前整理手続では、裁判所に証拠開示の裁定(命令)を求めることができます(刑訴316条の26)。裁判所が開示を命じれば検察官は応じる必要があります。

Q7被告人本人も証拠を閲覧できますか?

299条の閲覧機会は当事者に与えられますが、実務では弁護人を通じて閲覧・謄写するのが通常です。開示証拠の目的外使用には制限があります(刑訴281条の4)。

Q8証拠開示の対象にならない証拠はありますか?

299条では当事者が取調べを請求しない証拠は対象外です。公判前整理手続でも、類型・主張関連のいずれにも当たらない証拠は開示されないことがあります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1検察官って、持っている証拠を全部こちらに見せる義務はないんですか?

ありません。299条が義務づけるのは、検察官が法廷で取り調べを請求すると決めた証拠(と証人の氏名・住所)を事前に見せることだけです。手元に眠る残りの証拠は対象外です。実務のポイント:その壁を破るのが公判前整理手続で、類型証拠開示(刑訴316条の15)と主張関連証拠開示(同316条の20)を使えば、検察手持ちの証拠を相当範囲で開示させられる。弁護人を選ぶとき、この手続を能動的に使う人かどうかで結果が変わる

Q2証人の名前と住所が相手に事前に分かったら、被害者が報復を恐れませんか?

その懸念に対し、299条の2で証人等への配慮要請、299条の4・299条の5で証人等特定事項(氏名・住所等)の秘匿措置が用意されています。氏名・住所を知る機会の保障と証人保護は、別々の仕組みで両立しています。実務のポイント:秘匿措置を求めるには、報復のおそれ等の具体的事情を検察官・裁判所に示す必要がある。漠然と『怖い』では認められにくいので、過去の接触・威迫の記録を残しておくことが効く

間違えやすい点 AI による整理

  • 「無実なら、検察が持つ自分に有利な証拠は当然出てくるはずだ」と考える人が多いが、その問いの立て方そのものが落とし穴である。299条は相手が使う証拠しか対象にしない。あなたに有利な証拠を出させるには、別の手続で能動的に請求しなければならず、検察が自発的に出さなくても、それ自体は違法ではない
  • 証拠開示の範囲が狭いことは知っていても、その狭さがどれほど致命的かを多くの人は知らない。検察は捜査で集めた膨大な記録のうち、有罪立証に使う一部だけを法廷に出す。残りの山に何が眠っているか、被告人の側からは見えない。この情報の落差こそが、戦後いくつもの冤罪を生んできた土壌である
  • 「証人の氏名・住所まで事前に教えるのは、被害者にとって酷ではないか」と思われがちだが、実際には299条の2以降で、証人の安全への配慮要請や、証人等特定事項(住所・氏名等)の秘匿措置が用意されている。相手に知る機会を与えることと、証人を守ることは、別々の仕組みで両立されている
比較の観点この条文ほかの条文
開示の対象299条:当事者が取調べを請求する証拠(証人の氏名・住居、証拠書類・証拠物)316条の15:検察官請求証拠の証明力判断に必要な一定類型の証拠
316条の20:被告人の主張に関連する証拠
適用の前提証拠調べ請求をすること(公判前整理手続の有無を問わない)事件が公判前整理手続に付されていること
公判前整理手続 + 被告人側の主張明示
被告人側の主導性相手が請求する分を受動的に閲覧能動的に類型を特定して請求
主張を示したうえで踏み込んで請求
拒否された場合原則として裁判所の訴訟指揮に委ねられる裁判所へ開示裁定を請求(316条の26)
裁判所へ開示裁定を請求(316条の26)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第33条

台湾は弁護人の訴訟記録(卷宗)閲覧・謄写権を中心に構成し、日本のような請求証拠単位の事前開示とはアプローチが異なる

韓国
대한민국 형사소송법 제266조의3

韓国は2007年改正で公判準備手続における証拠開示制度を導入。日本の公判前整理手続に近い枠組みを後発的に整備

ドイツ
StPO § 147

ドイツは弁護人の記録全面閲覧権(Akteneinsicht)を原則とし、当事者主義の日本より職権主義的だが開示は広い

アメリカ
Brady v. Maryland, 373 U.S. 83 (1972)・連邦刑事訴訟規則16条

米国は検察に被告人に有利な証拠(Brady material)の開示義務を憲法上課す点で、日本より能動的な開示義務が広い

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、無実なのに起訴されたとしたら? 検察官が法廷に出すと決めた証拠だけを見せられ、あなたを救うはずの目撃証言や監視カメラ映像が検察の手元に眠っていたとしたら、それを引きずり出せるのは299条ではなく、その先の開示手続だ。見えている証拠だけで反論しても、勝負はすでに半分ついている
  • あなたが痴漢で起訴された。検察が請求する証拠は被害者の供述だけ。だがホームの防犯カメラ映像を検察が握っているかもしれない。請求しなければ、その映像はこの世に存在しないも同然になる
  • 公判前整理手続の争点整理が終わりに近づいている。ここを過ぎると、原則として新たな証拠調べ請求も開示請求もできなくなる(刑訴316条の32)。残された時間で何を開示させるか、弁護人と詰める最後の局面に、あなたは立っている

取るべき行動

被害を受けた側:1. 事件の証人や被害者として、加害者側に氏名・住所を知られたくない場合、検察官に証人等特定事項の秘匿措置(刑訴299条の4、299条の5)を申し出る2. 配慮要請(299条の2)により、弁護人を通じてのみ連絡させる等の運用も求められる3. 被害者参加制度を使えば、手続の進行や証拠の概要を把握できる4. 報復の具体的なおそれがあれば、その事情を書面で検察官に伝え、記録に残す

訴えられた側:1. 起訴されたら、まず弁護人と「事件を公判前整理手続に付すべきか」を協議する。これが証拠開示を広げる入口2. 299条で開示された検察官の証拠調べ請求一覧を精査し、出てこない証拠の類型を特定3. 類型証拠開示請求(刑訴316条の15)で、検察手持ちの一定類型の証拠を引き出す4. 自らの主張を明示したうえで、主張関連証拠開示請求(316条の20)でさらに踏み込む5. 開示された証拠に有利なものがあれば、間を置かず証拠調べを請求する

時効(請求できる期限):299条の開示自体に固有の期限はないが、「あらかじめ」(証拠調べ請求に先立って)機会を与えることが要件である。公判前整理手続に付された事件では、争点・証拠の整理終了後は、やむを得ない事由がない限り新たな証拠調べ請求ができなくなる(刑訴316条の32)。開示を求めるなら整理手続の終了前が事実上のリミット

学説

通説(当事者主義・武器対等):299条の事前開示は当事者対等の出発点だが、開示範囲が請求証拠に限られるため不十分とされ、公判前整理手続の類型・主張関連証拠開示によって武器対等が実質化されると理解されている。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法制定。戦前の職権主義から米国型当事者主義へ転換し、当事者が請求する証拠の事前開示義務を299条に規定
  2. 2.平成16年(2004年) 改正:公判前整理手続(刑訴316条の2以下)を新設し、類型証拠開示・主張関連証拠開示という拡張された証拠開示制度を別建てで導入。299条の狭い開示を補強
  3. 3.平成28年(2016年) 改正:証人等の保護を強化する改正により、証人等への配慮要請や証人等特定事項の秘匿措置(299条の2以下)を整備

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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