刑事訴訟法 第298条
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- 検察官、被告人又は弁護人は、証拠調を請求することができる。
- 2.裁判所は、必要と認めるときは、職権で証拠調をすることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第298条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第298条の条文原文は「検察官、被告人又は弁護人は、証拠調を請求することができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第298条は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第298条の前の条は刑事訴訟法第297条です。
- 刑事訴訟法第298条の次の条は刑事訴訟法第299条です。
- 刑事訴訟法第298条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第298条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第298条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/298
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法298条は、検察官・被告人・弁護人が証拠調べを請求できると定める。裁判所の職権による証拠調べは、必要と認めるときの補充にとどまる。
Q · 刑事裁判で、被告人や弁護人も自分から証拠を出せるの?
出せます。被告人・弁護人も証拠調べを請求できます
刑事訴訟法298条1項により、検察官だけでなく被告人・弁護人も証拠調べを請求できます。アリバイ証人、防犯カメラ映像、通信記録など、自分に有利な証拠を法廷に出すよう請求できるのです。日本の刑事裁判は当事者主義で動くため、請求しなければ有利な証拠は法廷に出てきません。裁判所が職権で証拠調べをするのは第2項「必要と認めるとき」の補充にすぎず、原則は当事者の請求で動きます。
解説
刑事裁判の被告人になったとき、証拠を法廷に出すのは検察官と裁判所の仕事で、自分は被告人席に座って判決を待つだけだ、と思っている人は多い。298条はその思い込みを根底から覆す。第1項は「検察官、被告人又は弁護人は、証拠調を請求することができる」と定める。つまり被告人側も、自分に有利な証人、書類、物証を、自分の判断で法廷に出すよう請求できる。これが日本の刑事裁判を支える当事者主義の入口だ。裁判所が職権で動くのは第2項「必要と認めるとき」の補充にすぎない。あなたが請求しなければ、あなたのアリバイを証明する友人も、あなたの無実を示すドライブレコーダーも、永遠に法廷に現れない。受け身でいることが、そのまま不利な証拠だけが残る法廷を作る。証拠を出すか黙っているかは、あなたと弁護人が一緒に握っているレバーである。
法的な位置づけ
刑事訴訟法298条は証拠調べの請求権の帰属を定める規定であり、第1項で検察官・被告人・弁護人に証拠調べを請求する権利を認め、第2項で裁判所が必要と認める場合に職権で証拠調べを行えるとする。当事者主義を原則とし、裁判所の職権証拠調べを補充的に位置づける構造を示す。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.起訴されたら有利な証拠を棚卸しする 弁護人と最優先で、アリバイ証人・防犯カメラ映像・通信記録・メッセージ履歴・診断書など、自分に有利な証拠をすべて洗い出す。これらは298条1項で請求可能
- 2.証拠調べ請求書で立証趣旨を明示する 請求する各証拠について、何を証明するための証拠か(立証趣旨)を明示して証拠調べ請求書を作成する。立証趣旨が不明確だと却下される。証人の場合は尋問事項も準備
- 3.検察官請求の供述調書への同意・不同意を決める 検察官が請求した供述調書に同意するか不同意かを判断する。不同意にすれば伝聞法則(320条)により供述者本人の証人尋問を求められ、法廷で矛盾を引き出せる
- 4.公判前整理手続では手続内で請求を出し切る 公判前整理手続に付された事件では、その手続の中で証拠請求をすべて出し切る。終了後の新たな請求はやむを得ない事由がない限り制限される(316条の32)
よくある質問 AI による整理
Q1証拠調べ請求とは何ですか?
当事者が裁判所に対し、証人尋問・書証・証拠物の取調べを求める申立てです。刑事訴訟法298条1項が根拠で、検察官・被告人・弁護人がそれぞれ請求できます。
Q2被告人は自分で証拠を出せますか?
出せます。298条1項により被告人・弁護人も証拠調べを請求できます。アリバイ証人や防犯カメラ映像など、有利な証拠を法廷に出すよう求められます。
Q3証拠調べ請求はいつまでにすべきですか?
一律の法定期限はありませんが、公判前整理手続に付された事件では手続終了後の請求はやむを得ない事由がない限り制限されます(316条の32)。早めの請求が安全です。
Q4職権による証拠調べとは何ですか?
裁判所が当事者の請求を待たず、自ら必要と認めて証拠を取り調べることです(298条2項)。あくまで補充的な例外で、原則は当事者の請求で動きます。
Q5証拠調べ請求は却下されることがありますか?
あります。立証趣旨が不明確、関連性がない、時機に後れたなどの場合に却下されます。請求時は証明すべき事実を明示する必要があります。
Q6弁護人がいなくても証拠請求できますか?
できます。298条1項は被告人自身にも請求権を認めています。ただし証拠の選別や尋問技術は専門性が高いため、弁護人を通じるのが実務上有利です。
Q7検察官の証拠だけで裁判は進みますか?
被告人側が請求しなければ、検察官が選んだ証拠だけで審理が進みます。当事者主義のため、有利な証拠は自ら請求して初めて法廷に現れます。
Q8被害者は証拠調べを請求できますか?
被害者参加人には直接の請求権はありません(316条の33以下)。検察官に「この証拠を請求してほしい」と意見を述べる立場になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士に任せておけば、有利な証拠は全部勝手に出してくれるんですよね?
出してくれるとは限りません。298条1項で証拠を請求するのは弁護人ですが、どの証拠をどのタイミングで出すかは戦略判断で、あえて出さない選択もあります。実務のポイント:弁護人が「この証拠は出さない」と判断したときは、その理由を必ず聞くべきです。藪蛇になる証拠もあれば、単なる見落としや方針のずれのこともある。請求する、しないの判断に依頼者が関与できると知っている人は、自分の弁護に主体的に関われる
Q2検察官が出してきた供述調書、認めないとどうなるんですか?
あなた側(弁護人)が同意しなければ、その調書は原則として伝聞証拠で証拠能力が否定され(刑事訴訟法320条)、検察官は供述者本人を証人として法廷に呼ばねばなりません。298条の請求と320条の伝聞法則はセットで働きます。実務のポイント:調書に安易に同意するか、不同意にして証人尋問へ持ち込むかは、無罪を争う事件で勝敗を分ける分岐点。調書は綺麗にまとまっているが、生身の証人は法廷で矛盾を露呈する。経験ある弁護人ほど、不同意で証人を法廷に引きずり出す戦術を使う
Q3裁判所が職権で必要な証拠を調べてくれるなら、自分から請求しなくてもいいのでは?
それは危険な誤解です。298条2項の職権証拠調べは「必要と認めるとき」の補充的なもので、裁判所が積極的にあなたに有利な証拠を探してくれるわけではありません。原則は当事者主義で、請求しなければ証拠は出ません。実務のポイント:裁判所が職権で証拠調べに踏み込むのは例外的場面に限られる。「裁判官が真実を解明してくれる」という期待で受け身でいると、有利な証拠を出さないまま結審する。あなたの防御は、あなたの請求でしか作れない
Q4公判前整理手続って何ですか、出ないとダメなんですか?
重大事件などで、公判前に争点と証拠を整理する手続です(刑事訴訟法316条の2以下)。ここで証拠請求を出し切るのが原則で、終わった後は「やむを得ない事由」がないと新たな証拠を請求できません(316条の32)。実務のポイント:この手続で検察官の手持ち証拠の開示を求められるのが最大の利点で、被告人側は捜査記録の中身を一定範囲で見られる。整理手続を「面倒な前さばき」と思わず、防御の主導権を握る最大のチャンスと捉える弁護人が結果を出す
間違えやすい点 AI による整理
- 「証拠を集めて法廷に出すのは検察官と裁判所の仕事」と思われているが、第1項は被告人と弁護人にも対等な請求権を与えている。日本の刑事裁判は当事者主義で動くため、あなたの側が動かなければ、あなたに有利な証拠は法廷に一切出てこない
- 弁護人さえつければ証拠請求は自動的に万全だ、と安心している人が多い。だが弁護人がどの証拠をどのタイミングで請求するかは戦略判断であり、依頼者の認識と方針がずれることもある。請求するか否かの判断に自分が関与できると知っているかどうかで、防御の厚みが変わる
- あなたから見れば「裁判所が必要な証拠を職権で調べてくれるはず」だが、法廷から見れば職権証拠調べ(第2項)はあくまで補充的な例外であり、原則は当事者の請求で動く。この「誰かがやってくれる」という期待と現実の落差こそが、有利な証拠を出し損ねる典型的な原因になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 298条:証拠調べの請求権の帰属(誰が請求できるか) | 299条:請求に際しての証拠・証人の事前開示 320条:伝聞証拠の禁止(同意で証拠能力が左右) |
| 主体 | 検察官・被告人・弁護人(1項)+裁判所の職権(2項) | 請求する当事者が相手方に開示 当事者の同意・不同意が証拠能力を決める |
| 298条との関係 | 請求権そのものの根拠条文 | 298条の請求を実効化する開示の手続 298条で請求された調書の証拠能力を制約 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も当事者の証拠調べ申請を認めつつ、裁判所の職権調査を併存させる。2003年改正で当事者主義的要素を強化した点が日本と共通する
韓国も当事者の証拠申請権を定め、職権証拠調べを補充的に置く。日本法を母体としつつ戦後独自の修正を加えた構造で、日本と近似する
ドイツは職権探知主義(Untersuchungsgrundsatz)が基調で、裁判所が真実解明義務を負う点が日本の当事者主義と対照的。被告人の証拠申請権(Beweisantragsrecht)は手厚いが、構造は職権主義寄り
米国は徹底した当事者主義で、被告人に証拠提出権・証人喚問権を憲法上保障する。日本の現行刑訴はこの米国モデルを1948年に継受した
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 痴漢冤罪で起訴された。あなたには当日の改札通過記録、同僚との LINE、駅構内の防犯カメラ映像という武器がある。だがこれらは検察官が代わりに出してくれない。298条1項に基づき弁護人を通じて証拠調べを請求して初めて、法廷で取り調べられる。請求しなければ、検察官が選んだ被害者供述だけで裁判が進んでいく
- もし、あなたの弁護人が「証拠請求は最小限でいい」と言ったら、どうする。証拠を絞る戦略は確かに存在するが、出すべき有利な証拠をあえて出さない判断は、後で「なぜあのとき出さなかったのか」と悔やむ最大の原因になる。請求するかしないかは弁護人任せにせず、理由を聞いて一緒に決める領域だ
- 目撃者があなたの無実を知っている。だがその人を法廷に立たせるには、証人尋問の請求が要る。黙っていれば、その証言は存在しないのと同じだ。
- 公判前整理手続に付された事件で、争点と証拠を整理する期日まであと一週間。ここで請求しそびれた証拠は、後の公判で原則として請求できなくなる(刑事訴訟法316条の32、やむを得ない事由による制限)。あなたの有利な証拠を出す窓は、思っているより早く閉じる
- あなたが被害者参加制度で刑事裁判に関わるとき、証拠調べを直接請求する権限は当事者(検察官、被告人、弁護人)にあり、被害者参加人にはない。あなたは検察官に「この証拠を請求してほしい」と意見を述べる立場になる。この役割分担を知らないと、なぜ自分が直接動けないのか分からず苛立つことになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害者参加制度(刑事訴訟法316条の33)を利用する場合でも、証拠調べを直接請求できるのは検察官であり、あなたは検察官に「この証拠を請求してほしい」と意見を伝える立場になる2. 提出を望む証拠(被害状況の記録、診断書、被害感情を示す資料)は早めに検察官に渡し、公判前整理手続の段階で請求してもらえるよう働きかける3. 損害回復は刑事とは別軌道(民法709条)だが、刑事手続中の損害賠償命令申立で簡略化できる場合がある
訴えられた側:1. 起訴されたら弁護人と最優先で「有利な証拠の棚卸し」をする。アリバイ証人、防犯カメラ、通信記録、メッセージ履歴、すべて298条1項で請求可能だ2. 検察官請求の供述調書に安易に同意せず、争うべきものは証人尋問を請求して法廷で崩す(刑事訴訟法320条と連動) 3. 公判前整理手続に付された事件は、その手続内で証拠請求を出し切る。後出しは原則制限される(316条の32) 4. 証拠が検察官の手元にあって入手できないときは、299条や316条の開示請求とセットで動く
時効(請求できる期限):証拠調べ請求自体に一律の法定期限はないが、公判前整理手続に付された事件では、手続終了後の新たな証拠請求は「やむを得ない事由」がない限り制限される(刑事訴訟法316条の32)。通常の公判でも、証拠調べが終わった後の請求は時機に後れたものとして却下されうる。請求の窓は審理の進行とともに着実に狭まる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:298条1項は当事者主義の中核をなす証拠調べ請求権を定め、第2項の職権証拠調べは補充的・例外的なものと解する。裁判所は当事者が請求しない有利な証拠を積極的に探索する義務を負わない、というのが一般的理解である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定により、英米法の当事者主義を取り入れ、検察官・被告人・弁護人に対等な証拠調べ請求権を明文化。職権主義的だった旧刑訴からの転換点となった。
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