刑事訴訟法 第297条
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- 裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、証拠調の範囲、順序及び方法を定めることができる。
- 2.前項の手続は、合議体の構成員にこれをさせることができる。
- 3.裁判所は、適当と認めるときは、何時でも、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、第一項の規定により定めた証拠調の範囲、順序又は方法を変更することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第297条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第297条の条文原文は「裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、証拠調の範囲、順序及び方法を定めることができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第297条は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第297条の前の条は刑事訴訟法第296条です。
- 刑事訴訟法第297条の次の条は刑事訴訟法第298条です。
- 刑事訴訟法第297条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第297条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第297条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/297
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法297条は、裁判所が当事者の意見を聴いて証拠調べの範囲・順序・方法を定めると規定する。決定権は裁判所にあるが意見聴取は義務で、3項によりいつでも変更できる。
Q · 証拠を調べる順番って、裁判官が勝手に決めるものなんですか?
裁判所が決めるが、当事者は意見を述べる正式な権利を持つ
刑事訴訟法297条により、裁判所は証拠調べの範囲・順序・方法を定める権限を持ちますが、決める前に検察官と被告人・弁護人の意見を聴くことが義務づけられています。つまり当事者には、どの証拠をどの順番でどう調べるかについて意見を述べる正式な機会が保障されています。さらに3項により、一度決めた順序や方法でも裁判所が適当と認めればいつでも変更できます。証拠調べの順序は裁判官の心証が形成される順序でもあるため、入口での意見が重要になります。
解説
刑事裁判の法廷で、検察官の証拠が次々と読み上げられていく順番。あれは偶然ではない。刑訴法297条が、裁判所に「証拠調べの範囲・順序・方法」を決める権限を与えている。だが見落としてはならないのは、その決定の前に裁判所は検察官と被告人・弁護人の意見を「必ず」聴かなければならない点だ。つまりあなた側にも、どの証拠を、どの順番で、どう調べるかについて意見を述べる正式な機会が法律上保障されている。さらに3項は、一度決めた順序や方法でも、裁判所が適当と認めれば何時でも変更できると定める。証拠調べの順序は、裁判官の心証が形成されていく順序でもある。検察官に有利な証拠から始まれば、裁判官の頭にはまず有罪の絵が描かれる。弁護側に有利な客観証拠を先に調べさせる意見を出せるかどうか、それが裁判の入口の攻防だ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法297条は証拠調べの指揮に関する規定であり、裁判所が検察官および被告人・弁護人の意見を聴いて証拠調べの範囲・順序・方法を定める権限と、その手続を合議体の構成員にさせ得ること、ならびに適当と認めるときは何時でもこれらを変更し得ることを定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.公判前整理手続の有無を真っ先に確認する 起訴されたら、まず本件が公判前整理手続(刑訴316条の2以下)に付されるかを確認する。付される場合、証拠調べの範囲・順序・方法の主張はこの段階でほぼ固まるため、公判初日を待たず弁護人と戦略を組む
- 2.客観証拠を先に調べさせる意見を準備する 検察側に有利な供述証拠から始まる流れを崩すため、防犯カメラ映像・現場記録・客観データを先に取調べるよう、なぜそれが公平な心証形成に必要かを法的根拠とともに意見書にまとめる
- 3.争点と無関係・重複する証拠の範囲限定を求める 検察側証拠が争点と無関係に膨らんでいる場合、刑訴297条の範囲決定を活用し、重複立証や無関係な取調べの範囲限定を求める意見を、証拠が法廷に入る前の早い段階で出す
- 4.審理がずれたら3項による変更を申し立てる 公判が長期化し当初の順序・方法が審理の実態に合わなくなった場合、刑訴297条3項により、審理の遅延防止・争点明確化・防御権といった裁判所が無視できない理由とともに変更を申し立てる
よくある質問 AI による整理
Q1証拠調べとは何ですか?
刑事裁判で証人尋問・証拠書類の朗読・証拠物の取調べなどを通じて事実を認定する手続です。刑訴297条はその範囲・順序・方法を裁判所が定めると規定します。
Q2証拠調べの順序は誰が決めるのですか?
決定権は裁判所にあります。ただし刑訴297条1項により、決める前に検察官と被告人・弁護人の意見を聴くことが義務づけられています。
Q3公判前整理手続とは何ですか?
公判前に争点と証拠を整理する手続です(刑訴316条の2以下)。裁判員裁判や複雑な事件では、証拠調べの範囲・順序はこの段階でほぼ固まります。
Q4証拠調べの方法にはどんな種類がありますか?
証人尋問、証拠書類の朗読(刑訴305条)、証拠物の展示などがあります。裁判所が刑訴297条に基づき意見を聴いて方法を定めます。
Q5刑事裁判で被告人は証拠調べに意見を言えますか?
言えます。刑訴297条1項は被告人・弁護人の意見聴取を義務づけており、範囲・順序・方法について正式に意見を述べる機会が保障されています。
Q6証拠調べの範囲はどうやって決まりますか?
裁判所が当事者の意見を聴いて定めます。争点と無関係・重複する証拠は、範囲の限定を求める意見によって絞り込める余地があります。
Q7裁判員裁判の証拠調べは普通の裁判と違いますか?
裁判員に分かりやすく伝わるよう、図表化・要約された証拠をどの順で示すかが重視されます。順序や方法は刑訴297条の決定で事前に設計されます。
Q8冒頭手続と証拠調べの違いは何ですか?
冒頭手続は起訴状朗読・罪状認否など審理の入口で、証拠調べはその後に事実を認定する段階です。刑訴297条は証拠調べの進め方を規律します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1証拠を調べる順番なんて、裁判官が勝手に決めるんじゃないんですか?
決定権は裁判所にありますが、刑訴297条1項は「検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き」と定め、意見聴取を義務づけています。意見を聴かずに決めれば手続違反です。実務のポイント:意見に拘束力はないが、「なぜその順序が公平な心証形成に必要か」を法的根拠とともに述べた記録を残すと、後の控訴審で訴訟手続の法令違反(刑訴379条)を主張する足場になる。意見は通らなくても、述べた事実が後で効く
Q2一度決まった証拠調べの順番、もう変えられないんですか?
変えられます。刑訴297条3項は、裁判所が適当と認めれば何時でも、意見を聴いた上で範囲・順序・方法を変更できると定めます。審理が当初の想定とずれたら申し立てる価値があります。実務のポイント:変更の鍵は「適当と認めるとき」という裁判所の裁量。だから単に「変えてほしい」では動かない。審理の遅延防止、争点の明確化、被告人の防御権といった裁判所が無視できない理由とセットで出すと、裁量が動きやすくなる
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば、証拠を調べる順番など些細な段取りに過ぎない。だが裁判官から見れば、それは心証が形成されていく順序そのものだ。最初に強烈な不利証拠を浴びた裁判官の頭には、後から出る有利証拠を「例外」として処理する枠ができてしまう。この落差を知らずに順序を相手任せにすると、中身で勝っていても入口で負ける
- 297条が「意見を聴く」と定めていることは多くの人が知っている。だが見落とされているのは、意見はあくまで意見であって、最終決定権は裁判所にあるという点だ。意見を述べる権利と、その通りに決まる権利は別物。だからこそ、なぜその順序が公平な審理に必要かを法的根拠とともに説得的に主張できるかが勝負になる
- 「証拠の順序は公判が始まってから法廷で決まる」と思われがちだが、裁判員裁判や複雑な事件では公判前整理手続(刑訴316条の2以下)の段階でほぼ固まる。公判初日に法廷で慌てて意見を述べても、もう枠は決まっている。勝負は公判前に動いている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 297条:証拠調べの範囲・順序・方法の決定 | 294条:公判期日における訴訟指揮全般 298条:当事者の証拠調べ請求権 |
| 権限の主体 | 裁判所(合議体の構成員に行わせ得る) | 裁判長 検察官・被告人・弁護人 |
| 意見聴取 | 当事者の意見聴取が義務 | 裁判長の権限として随時行使 当事者自身が請求の主体 |
| 変更・撤回 | 3項により適当と認めればいつでも変更可 | 訴訟指揮として随時行使・変更 請求の追加・撤回が可能 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も証拠調べの順序を法廷で整序する仕組みを持ち、近年の改正で当事者主義的要素を強化。裁判所の職権証拠調べは補充的位置づけとされる
韓国も証人尋問・証拠書類の取調べ等の証拠調べ手続を定め、当事者の신청(請求)と裁判所の決定の関係は日本と類似する
ドイツは職権主義が強く、§ 244により裁判所が真実発見のため職権で証拠調べを行う義務を負う。当事者の意見聴取を前提とする日本とは主導権の所在が異なる
米国は当事者主義が徹底し、証人尋問・証拠提示の方式と順序を裁判所が「合理的に管理」する。証拠の提示自体は当事者主導で、日本より当事者の主導権が大きい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが痴漢で起訴され否認している。検察側は被害者供述から証拠調べを始めたがっている。その順番のまま進めば、裁判官の頭にはまず証言の生々しさが刻まれる。第一回公判まであと10日、弁護人と「先に防犯カメラ映像と現場の人流データを調べさせる」意見を出すかどうかを決めなければならない。順序の一手が、心証の入口を変える
- もし、検察官が争点と無関係な証拠や同趣旨の立証を次々と積み上げてきたら? 297条は証拠調べの「範囲」も裁判所が決められると定める。重複立証や無関係な取調べは、範囲の限定を求める意見で削れる。不利な情報をだらだらと法廷に流し込まれるのを止める弁を、あなた側は持っている
- 公判が長期化し、当初決めた証拠調べの順序が審理の実態に合わなくなった。3項は、裁判所が適当と認めればいつでも順序や方法を変更できると定める。停滞した審理を立て直す主張は、終盤でも遅くない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害者参加制度(刑訴316条の33以下)で公判に関与する場合、証拠調べの順序や方法は担当検察官を通じて意見を反映してもらう2. 被害状況の写真など心情に関わる証拠がどの段階で出るか、検察官と事前に確認しておく3. 二次被害を避けるため、証人尋問の方法について遮へい措置やビデオリンク方式等の証人保護措置を求める意見を出せる4. 進行に疑問があれば、参加を許可された弁護士を通じて裁判所に意見を述べる
訴えられた側:1. 起訴されたら、公判前整理手続の有無をまず確認、ある場合は証拠調べの順序・範囲・方法の主張をその段階で固める2. 検察側に有利な証拠から始まる流れを崩すため、映像や記録など客観証拠を先に調べさせる意見を弁護人と準備する3. 争点と無関係・重複した検察側証拠は、範囲の限定を求める意見で削る4. 公判が始まった後でも3項により順序・方法の変更を求められる、停滞や不公平が生じたら遅滞なく申し立てる
時効(請求できる期限):297条自体に時効はない。だが実務上の急所は公判前整理手続にある。整理手続が終結すると、原則としてやむを得ない事由がなければ新たな証拠調べ請求ができなくなる(刑訴316条の32)。証拠の順序・範囲への意見は、この終結前に出すのが鉄則。公判開始後の変更は裁判所が「適当と認めるとき」に限られる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:297条の証拠調べの範囲・順序・方法の決定権は裁判所にあるが、1項の意見聴取は手続上の義務であり、これを欠く決定は訴訟手続の法令違反となり得る。3項の変更権は「適当と認めるとき」という裁量に服するが、防御権や審理の公正を理由とする変更申立ては考慮されるべきと解されている。
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