刑事訴訟法 第350条の4
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第三百五十条の二第一項の合意をするため必要な協議は、検察官と被疑者又は被告人及び弁護人との間で行うものとする。ただし、被疑者又は被告人及び弁護人に異議がないときは、協議の一部を弁護人のみとの間で行うことができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第350条の4は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第350条の4の条文原文は「第三百五十条の二第一項の合意をするため必要な協議は、検察官と被疑者又は被告人及び弁護人との間で行うものとする。ただし、被疑者又は被告人及び弁護人に異議がないとき…」で始まります。
- 刑事訴訟法第350条の4は第一節 合意及び協議の手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第350条の4の前の条は刑事訴訟法第350条の3です。
- 刑事訴訟法第350条の4の次の条は刑事訴訟法第350条の5です。
- 刑事訴訟法第350条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第350条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第350条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/350_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法350条の4は、日本版司法取引の協議を検察官・被疑者(被告人)・弁護人の三者で行うと定める。弁護人の関与は必要的で、被疑者が単独で検察官と取引することはできない。
Q · 日本の司法取引って、弁護士なしで検察官と直接交渉できるの?
できません。弁護人なしの協議は法律上無効です
刑事訴訟法350条の4により、合意のための協議は検察官・被疑者(被告人)・弁護人の三者間で行います。被疑者が単独で検察官と取引することは認められず、弁護人の関与は必要的です。私選弁護人を雇えない場合は国選弁護人や当番弁護士を使えます。なお当事者に異議がなければ、機微な部分の協議を弁護人のみで先行させることもできます(同条但書)。検察官という相手と人生最大の決断を丸腰で向き合わせないための仕組みです。
解説
日本に司法取引はない、と思っていないだろうか。2018年6月から、ある。会社ぐるみの贈収賄に巻き込まれた、組織的な詐欺の末端を担わされた、薬物事件で上の人間を知っている。そんなとき、あなたは検察官と「協議」のテーブルに着き、他人の犯罪について供述や証拠を提供する見返りに、自分は不起訴、あるいは軽い求刑を引き出せる。これが協議・合意制度だ。350条の4はその交渉の入口を定める。決定的なのは、この協議には弁護人が必ず立ち会うという点。あなた一人で検察官と取引することは法律上できない。さらに、機微な部分はあなたを外して弁護士だけで先に交渉することも許される。なぜこの仕組みがあるのか。検察官という百戦錬磨の相手と、人生最大の決断を、丸腰で向き合わせないためだ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法350条の4は、協議・合意制度における協議の当事者を定める規定である。350条の2第1項の合意のため必要な協議は、検察官と被疑者または被告人および弁護人との間で行うものとされ、弁護人の関与が必要的とされる。ただし当事者に異議がない場合、協議の一部を弁護人のみとの間で行うことが認められる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.何よりまず弁護人を選任する 協議は弁護人なしでは始まらない。私選を雇えなければ当番弁護士・国選弁護人を使う。導入から日が浅い制度のため、弁護士会の刑事専門窓口で合意制度の経験者を指名するのが賢い
- 2.提供できるカードと求める見返りを棚卸しする 弁護士と「何を提供できるか(他人の犯罪の供述・証拠)」「見返りに何を求めるか(不起訴・軽い求刑・特定訴因)」を整理する。自分の供述が立件に不可欠な段階ほど見返りは大きくなる
- 3.検察が他ルートで立件する前に協議を申し入れる 弁護人を通じて検察官に協議を申し入れる。早いほど有利で、検察が代わりの証拠を揃えた瞬間、あなたのカードは価値を失う。タイミングが取引価格そのものを決める
- 4.但書を使い機微な交渉を弁護士だけで先行させる 350条の4但書により、当事者に異議がなければ協議の一部を弁護人のみで行える。自分が不利な発言をするリスクを避けつつ、検察の出方や見返りの相場を弁護士に探らせる
- 5.合意内容を書面化し離脱条件を確認する 合意は書面で行う(350条の3)。約束された見返りの範囲を誤解しないよう、合意からの離脱要件(350条の10)や虚偽供述の処罰(350条の15)まで弁護士と確認する
よくある質問 AI による整理
Q1日本に司法取引はありますか?
あります。2018年6月施行の協議・合意制度(刑訴350条の2以下)が日本版司法取引です。ただし他人の犯罪に協力する捜査・公判協力型で、自分だけの単独犯では使えません。
Q2司法取引はいつから始まりましたか?
平成28年(2016年)改正で新設され、平成30年(2018年)6月1日に施行されました。比較的新しい制度のため、実務経験を持つ弁護士はまだ限られています。
Q3司法取引で自分の罪も認めれば軽くなりますか?
日本の制度はアメリカ型の自己負罪型ではありません。他人の犯罪について供述・証拠を提供する見返りに、自分が不起訴や軽い求刑を得る協力型です。単独犯には使えません。
Q4司法取引はどんな事件で使えますか?
対象は特定の財政経済犯罪(贈収賄・脱税・独禁法違反など)や薬物・銃器犯罪などに限定されます。すべての刑事事件で使えるわけではありません。
Q5司法取引に弁護士は必要ですか?
必須です。刑訴350条の4により弁護人なしの協議は法的に無効です。私選を雇えない場合は国選弁護人や当番弁護士制度を利用できます。
Q6司法取引を申し入れるタイミングはいつがいいですか?
検察が他ルートで証拠を固める前ほど価値が上がります。被疑者段階(逮捕後最大23日の勾留期間内)の早期着手が実務上は決定的とされます。
Q7共犯者に先に司法取引されたらどうなりますか?
差し出される側になり不利です。取調べ方針の急変などの兆候を見逃さず、合意内容書面の証拠調べ(350条の7以下)で供述の信用性を徹底的に争う必要があります。
Q8司法取引の供述は信用できますか?
見返り欲しさの虚偽供述(引き込みの危険)が制度の弱点です。客観証拠との矛盾を突き、合意による供述の信用性を慎重に検討する必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1日本でも司法取引で罪が消せるって本当ですか?
本当ですが誤解があります。2018年導入の協議・合意制度(350条の2以下)は、自分の罪を認めるだけで軽くなるアメリカ型ではなく、他人の犯罪に協力する見返りに自分が優遇される仕組みです。単独犯は対象外、特定の財政経済・薬物銃器犯罪などに限られます。実務のポイント:検察は「大物を獲るための駒」として末端を使う。だから組織の上層部ほど、部下に先を越されると一気に不利になる。立場が下の者ほど、この制度では交渉力を持ちうる
Q2弁護士を頼むお金がなくても協議はできますか?
できます。協議には弁護人が必須(350条の4)で、私選を雇えない場合は国選弁護人や当番弁護士制度を使えます。むしろ弁護人なしの協議は法的に無効なので、検察官の側もあなたに弁護人を付けさせる必要があります。実務のポイント:合意制度に精通した弁護士はまだ少ない。導入から日が浅く、経験を持つ弁護士は限られる。同じ制度でも、慣れた弁護士かどうかで引き出せる見返りが変わる。弁護士会の刑事専門窓口で経験者を指名するのが賢い
間違えやすい点 AI による整理
- 「日本に司法取引はない」と思っている人がほとんどだが、2018年6月から協議・合意制度として実在する。ただしアメリカ型の「自分の罪を認めれば軽くなる」自己負罪型ではなく、他人の犯罪に協力する捜査・公判協力型に限られる。自分だけの単独犯では使えない、ここを取り違えると入口で躓く
- 弁護士が立ち会うことは知っていても、その弁護士が「いなければ協議そのものが成立しない」という強制力までは知られていない。これは任意の同席ではなく必要的弁護。検察官がいくら誘っても、弁護人不在の取引は法的に無効。この一点が、密室での不当な誘導からあなたを守る最後の壁だ
- あなたから見れば「正直に協力して罪を軽くしてもらう」美談だが、検察から見れば「より大物を仕留めるための駒を一つ確保した」だけ。この落差を理解せずに供述すると、約束された見返りの範囲を誤解し、想定より重い処分に怒り狂うことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 350条の4:協議の当事者(検察官・被疑者/被告人・弁護人)と必要的弁護を定める | 350条の2:合意の内容と対象となる特定犯罪を定める 350条の3:合意の方式(書面化・弁護人の同意) |
| 弁護人の位置づけ | 協議の必要的当事者。不在なら協議無効。但書で弁護人のみの先行協議も可 | 対象犯罪に該当するかの判断局面 合意書面への弁護人の連署・同意が要件 |
| 守る利益 | 密室での不当な誘導から被疑者を守る最後の壁 | 制度の適用範囲を限定し濫用を防ぐ 合意内容の明確化と事後の紛争防止 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は污點證人(協力者)の刑の減免と、別途の協商程序を持つ。協力型に近いのは證人保護法第14條
中国の認罪認罰従寛は自己の罪を認めることを中心とする自己負罪型寄りで、日本の協力型とは類型が異なる
ドイツの Verständigung(合意)は主に自己の事件の処理に関する公判での協議で、他人の犯罪への協力を主眼とする日本型とは射程が異なる
米国は plea bargaining が広く運用され、cooperation agreement と substantial assistance による減刑が一般的。日本はこれを参照しつつ協力型に限定した
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 会社の経理部にいたあなたが、上司の指示で粉飾に加担していた。ある日、特捜部から任意聴取の連絡が来たら、どう動く? 350条の4の協議で、上司や役員の犯罪を供述する代わりに、自分は不起訴を狙える。だが動くなら、検察が他のルートから証拠を固める前だ
- 薬物の運び屋として捕まったあなた。背後の組織を知っている。逮捕後の勾留は最大23日、その時計はもう動き出している。弁護人を通じて協議を申し入れるか、黙秘で押し通すか。協議に乗るなら早いほど価値が高い、検察が組織を別ルートで立件した瞬間、あなたのカードは紙くずになる
- 共犯者があなたより先に検察と協議を始めた。向こうはあなたを差し出す側、あなたは差し出される側。先に動いた方が助かる、それが合意制度の冷酷さだ
取るべき行動
被害を受けた側:(協力を検討する被疑者・被告人として) 1. 何よりまず弁護人を選任、協議は弁護人なしでは始まらない、当番弁護士・国選でも可2. 弁護士と「何を提供できるか(他人の犯罪の供述・証拠)」「見返りに何を求めるか(不起訴・軽い求刑・特定訴因)」を棚卸し3. 検察が他ルートで立件する前に、弁護人を通じて協議を申し入れる、早いほど有利4. 但書を使い、機微な交渉は弁護士だけで先行させ、自分の発言リスクを抑える
訴えられた側:(取引で名前を出される側として) 1. 共犯者が先に協議に入った兆候(取り調べ方針の急変、自分への質問の精度上昇)を見逃さない2. 合意による供述は虚偽の危険があるため、合意内容書面の証拠調べ(350条の7以下)で信用性を徹底的に争う3. 相手の供述が見返り欲しさの作り話でないか、客観証拠との矛盾を突く4. 自分も協力カードがあるなら遅れて協議に乗る選択肢も検討、ただし二番手は価値が下がる
時効(請求できる期限):協議の申入れ自体に法定期限はないが、起訴前なら不起訴も狙える一方、起訴後は量刑への影響に限られる。捜査の進行と共に交渉価値は刻々と下がるため、実務上は被疑者段階(逮捕後最大23日の勾留期間内)の早期着手が決定的(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成28年(2016年)新設、平成30年(2018年6月1日)施行 刑事訴訟法等の一部を改正する法律により協議・合意制度を新設。350条の4は合意のための協議の当事者を定め、弁護人の必要的関与と、但書による弁護人のみとの部分的協議を明文化した
改正の年表
- 1.平成28年(2016年) 新設:刑事訴訟法等の一部を改正する法律により協議・合意制度を新設。350条の4は合意のための協議の当事者を定め、弁護人の必要的関与と但書による弁護人のみとの部分的協議を明文化した
- 2.平成30年(2018年) 改正:2018年6月1日に協議・合意制度が施行され、日本版司法取引の運用が開始された
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