少年法 第12条(緊急の場合の同行)
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- 家庭裁判所は、少年が保護のため緊急を要する状態にあつて、その福祉上必要であると認めるときは、前条第二項の規定にかかわらず、その少年に対して、同行状を発して、その同行をすることができる。
- 2.裁判長は、急速を要する場合には、前項の処分をし、又は合議体の構成員にこれをさせることができる。
この条文の基本情報
緊急の場合の同行とは何ですか?
定義緊急の場合の同行とは、少年法第12条に定められた規定で、「家庭裁判所は、少年が保護のため緊急を要する状態にあつて、その福祉上必要であると認めるときは、前条第二項の規定にかかわらず、その少年に対して、同行状を発して、その…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第12条(緊急の場合の同行)は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第12条の条文原文は「家庭裁判所は、少年が保護のため緊急を要する状態にあつて、その福祉上必要であると認めるときは、前条第二項の規定にかかわらず、その少年に対して、同行状を発して、その…」で始まります。
- 少年法第12条は第三節 調査及び審判に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第12条の前の条は少年法第11条です。
- 少年法第12条の次の条は少年法第13条です。
- 少年法第12条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第12条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第12条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/12
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法12条は、少年が保護のため緊急を要し福祉上必要なとき、家庭裁判所が呼出しを経ずに同行状を発して少年を同行できると定める。対象は少年本人に限られる。
Q · 呼出状が来ていないのに、家庭裁判所が子どもを連れて行くことはあるの?
ある。保護のため緊急を要し福祉上必要なら可能
少年法12条により、家庭裁判所は、少年が保護のため緊急を要する状態にあり、その福祉上必要と認めるときは、呼出しとその不応(11条2項)を経ずに同行状を発して少年を同行できます。対象は少年本人に限られます。同行後に観護措置をとる場合は、到着から24時間以内に行わなければならないため(17条2項)、付添人の選任と家庭での受け入れ策の準備を急ぐ必要があります。
解説
家庭裁判所は通常、少年本人を「呼び出す」ところから動く(少年法11条1項)。呼び出しに正当な理由なく応じなかったときに初めて、同行状(裁判所が出す、少年を指定の場所へ連れて行くことを認める令状)が出る(同条2項)。ところが12条は、この順序を飛ばせる例外を定めている。少年が保護のため緊急を要する状態にあり、その福祉のために必要と認められれば、呼び出しをせずにいきなり同行状を出せる。要件は「少年が逃げそうだから」ではない。「少年が危ないから」である。この条文は処罰のためではなく救出のための規定であり、対象は少年本人に限られ、保護者は含まれない。急ぐ場合は、合議体(複数の裁判官で審理する体制)の裁判長が単独で判断することも、構成員の裁判官に任せることもできる。ここを知っていれば、「いきなり子どもを連れて行かれた」という出来事を、罰ではなく保護の手続として読み解ける。その後に続く24時間以内の観護措置判断(17条2項)に向けて、何を準備すべきかも見えてくる。
法的な位置づけ
緊急同行とは、少年法12条に基づき、家庭裁判所が、保護のため緊急を要する状態にある少年について、その福祉上必要と認めるときに、同法11条2項の呼出し不応を要件とせずに同行状を発し、少年を指定の場所へ同行する手続をいう。対象は少年本人に限られ、急速を要する場合は裁判長が単独で処分できる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.示された書面が同行状か逮捕状かを確認 玄関で書面を示されたら、発行元が家庭裁判所か、少年の氏名、同行先、有効期間などの記載を確認する。家庭裁判所の同行状であれば、刑事手続の逮捕とは異なる保護手続として動いていることが分かる
- 2.付添人の選任に即日着手 少年事件に対応できる弁護士に連絡し、付添人(少年法10条)として選任する。弁護士会が当番付添人制度を設けている地域もあるため、地元の弁護士会に問い合わせる
- 3.24時間以内に家庭での受け入れ策を書面化 観護措置の判断前に、転居先、監護する親族、学校の協力など、家庭で少年の安全を確保できる具体策を書面にまとめ、付添人を通じて家庭裁判所に提出する
- 4.観護措置がとられた場合は異議を検討 観護措置決定が出た場合、付添人と協議のうえ、17条の2に基づく異議申立てを検討する。並行して、審判に向けた家庭環境の改善を続け、調査官の調査に協力する
よくある質問 AI による整理
Q1同行状とは何ですか?
家庭裁判所が発する、少年や保護者を指定の場所へ連れて行くことを認める書面です。通常は呼出しに応じない場合に出ますが(少年法11条2項)、12条の緊急時は呼出しなしで出せます。
Q2少年法12条の緊急同行の要件は?
少年が「保護のため緊急を要する状態」にあり、かつ家庭裁判所が「その福祉上必要」と認めることの二つです。逃亡のおそれではなく、少年の身に迫る危険が起点です。
Q3緊急同行状は保護者にも出せますか?
出せません。12条の対象は少年本人に限られます。保護者については、呼出しに正当な理由なく応じない場合などに11条2項の通常の同行状が問題になります。
Q4同行状は誰が執行するのですか?
原則として家庭裁判所調査官が執行し、警察官などに執行させることもできます(少年法13条)。制服の警察官が来ても、刑事手続の逮捕とは限りません。
Q5同行されたら、いつ家に帰れますか?
観護措置をとるかどうかは到着から24時間以内に判断されます(17条2項)。とられなければ帰宅の可能性があり、とられれば原則2週間の収容となり、更新もあり得ます。
Q6裁判長だけで同行状を出せるのはどんなとき?
急速を要する場合です(12条2項)。合議体で審理している事件でも、裁判長が単独で処分するか、構成員の裁判官に処分させることができます。
Q7緊急同行に不服を申し立てられますか?
同行状そのものへの独立した不服申立ての明文規定はありません。その後に観護措置がとられた場合は、17条の2の異議申立てで争うのが中心になります。
Q8緊急同行のあとの手続はどう進みますか?
家庭裁判所で観護措置の要否が判断され、その後、調査官の調査、少年鑑別所での鑑別などを経て審判に進むのが一般的な流れです。付添人の関与が早いほど主張の余地が広がります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1呼び出しもなしに子どもを連れて行くなんて、違法じゃないんですか?
通常は呼び出して応じない場合に同行状を出すが(少年法11条2項)、12条は保護のため緊急を要し福祉上必要と認められるときに限り、呼び出しを経ずに同行状を出すことを認めている。裁判所の判断に基づく令状なので、それだけで違法にはならない。実務のポイント:争点になるのは同行したこと自体より、その後の観護措置の必要性である。付添人の働きどころは24時間の内側にある
Q2家出した子を探して連れ戻してほしいとき、家庭裁判所に頼めますか?
12条は家裁に係属している少年事件の手続として使われる権限と解されており、単なる家出の捜索を頼む窓口ではない。事件になっていない段階では、警察への行方不明者届や、児童相談所による一時保護(児童福祉法33条)が現実的な手段である。実務のポイント:すでに事件が係属しているなら、居場所の情報を調査官へ具体的に伝えることが、緊急同行を検討してもらうための最短ルートになる
間違えやすい点 AI による整理
- 「同行状が出たのは、うちの子が逃げると疑われたからだ」と受け止める保護者は多い。しかし12条の要件は「保護のため緊急を要する状態」と「福祉上の必要」であり、発想の起点は逃亡防止ではなく保護である。裁判所が何を危険と見たのかを付添人を通じて確かめることが、その後の審判での主張の出発点になる
- 同行状と聞けば手錠をかけられる逮捕と同じだと思いがちだが、それ以上に見落とされているのは、その後に続く時間の短さである。同行された少年については、観護措置(少年鑑別所に収容するなどの措置)をとるなら到着から24時間以内に行わなければならない(17条2項)。保護者が「落ち着いてから弁護士を探そう」と構えているうちに、収容の判断が終わってしまう
- 「家出した子を連れ戻してほしいなら家庭裁判所に頼めばいい」という発想には、前提の誤りがある。12条は家庭裁判所に事件が係属していることを前提とする手続上の権限と解されており、事件と無関係の家出を探し出す仕組みではない。まだ事件になっていない段階の緊急保護は、主に警察や児童相談所の一時保護(児童福祉法33条)が担う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発令の前提 | 少年法12条:保護のため緊急を要し福祉上必要(呼出し不要) | 少年法11条2項:呼出しに正当な理由なく応じない等 少年法17条:同行後に観護措置の要否を判断 |
| 対象者 | 少年本人のみ | 少年および保護者 少年本人 |
| 制度の性格 | 危険にさらされた少年の緊急保護のための例外手続 | 出頭確保のための原則手続 身柄の保全と心身鑑別のための措置(同行後は24時間以内に判断) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も原則は合法な呼出し(傳喚)に不応の場合に同行書を発するが、但書で一定の場合に呼出しを経ず逕発できる。ただし但書の要件は刑事訴訟法の逮捕事由を準用するもので、日本の「保護の緊急性」とは発想が異なる
韓国は少年本人の保護のため緊急措置が必要なとき、召喚なしに同行令状を発付できると定め、日本の12条と構造が近い
ドイツでは危険にさらされた児童・少年の緊急保護は少年局(Jugendamt)の行政上の保護措置が中心で、裁判所の同行とは制度設計が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 家裁に事件が係属している(家庭裁判所が事件を扱っている状態の)16歳の娘が家出し、SNS で知り合った成人男性の部屋にいると分かった。次の呼出期日まで待っていられるのか? 呼び出しを経ずに同行状を出せる根拠が12条である。担当の家庭裁判所調査官に居場所の情報を今日中に伝えるかどうかで、保護のスピードが変わる
- 早朝、調査官と警察官が玄関に来て、息子への同行状を示した。呼出状は一通も届いていない。違法ではないのかと頭が真っ白になるが、緊急同行は事前の呼び出しを要件としていない。まず同行状の記載事項を確認し、付添人(少年事件で少年を支える弁護士などの立場)の選任に動く
- あなたは付添人として動いている。依頼者の少年が同行された。残り時間は24時間。観護措置をとるかどうかの判断が迫っており、その前に家庭環境の改善策を裁判所に届けられるかどうかが勝負になる
取るべき行動
被害を受けた側:子の身に危険が迫っている保護者の立場なら、1. 家裁に事件が係属しているかを確認する2. 係属中なら、担当の調査官へ居場所・同居者・危険の具体的事実を伝え、記録に残す3. 係属していない、または一刻を争う場合は、警察への通報と児童相談所への相談(児童福祉法33条の一時保護)を並行する4. 同行後の審判を見据え、家庭で子を受け入れる具体策を用意する
訴えられた側:同行される少年や保護者の立場なら、1. 同行状の記載(少年の氏名、同行先、有効期間など)を確認する2. 付添人(10条)の選任を急ぐ。弁護士会の当番付添人制度を用意している地域もある3. 観護措置の判断が出るまでの24時間以内に、家庭環境の改善策を書面で出す4. 観護措置がとられた場合は、異議申立て(17条の2)を検討する。同行状そのものに対する独立した不服申立ての明文規定はなく、争い方は付添人と協議する
時効(請求できる期限):特定の時効はない。ただし同行された少年について観護措置をとるなら、到着から24時間以内に行わなければならない(少年法17条2項)。観護措置の期間は原則2週間で、更新があり得る(同条3項、4項。最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的な解釈:12条は家庭裁判所に事件が係属していることを前提とする手続上の権限と解されており、事件化していない家出少年の捜索・保護は、警察や児童相談所の一時保護(児童福祉法33条)が担うと整理される
保護主義からの理解:要件が逃亡防止ではなく「保護のための緊急性」と「福祉上の必要」に置かれている点から、本条は少年の身体・生命への危険に対応する救出的規定と位置付けられ、発令後の観護措置の24時間制限と一体で運用が抑制される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行少年法の制定時に、呼出しを経ない緊急の同行を認める規定として設けられた。その後の項構成の変遷は e-Gov の改正履歴で要確認
- 少年法 第11条呼出しと通常の同行状、本条の原則規定
- 少年法 第13条同行状の執行者(調査官・警察官等)
- 少年法 第17条同行後24時間以内の観護措置
- 少年法 第17条の2観護措置決定に対する異議申立て
- 少年法 第3条審判に付すべき少年(虞犯を含む)の範囲
- 児童福祉法 第33条児童相談所長による一時保護、福祉側の緊急保護
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