少年法 第17条の2(異議の申立て)
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- 少年、その法定代理人又は付添人は、前条第一項第二号又は第三項ただし書の決定に対して、保護事件の係属する家庭裁判所に異議の申立てをすることができる。ただし、付添人は、選任者である保護者の明示した意思に反して、異議の申立てをすることができない。
- 2.前項の異議の申立ては、審判に付すべき事由がないことを理由としてすることはできない。
- 3.第一項の異議の申立てについては、家庭裁判所は、合議体で決定をしなければならない。この場合において、その決定には、原決定に関与した裁判官は、関与することができない。
- 4.第三十二条の三、第三十三条及び第三十四条の規定は、第一項の異議の申立てがあつた場合について準用する。この場合において、第三十三条第二項中「取り消して、事件を原裁判所に差し戻し、又は他の家庭裁判所に移送しなければならない」とあるのは、「取り消し、必要があるときは、更に裁判をしなければならない」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
異議の申立てとは何ですか?
定義異議の申立てとは、少年法第17条の2に定められた規定で、「少年、その法定代理人又は付添人は、前条第一項第二号又は第三項ただし書の決定に対して、保護事件の係属する家庭裁判所に異議の申立てをすることができる。ただし、付添人…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第17条の2(異議の申立て)は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第17条の2の条文原文は「少年、その法定代理人又は付添人は、前条第一項第二号又は第三項ただし書の決定に対して、保護事件の係属する家庭裁判所に異議の申立てをすることができる。ただし、付添人…」で始まります。
- 少年法第17条の2は第三節 調査及び審判に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第17条の2の前の条は少年法第17条です。
- 少年法第17条の2の次の条は少年法第17条の3です。
- 少年法第17条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第17条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第17条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/17_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法17条の2は、少年鑑別所送致などの観護措置決定に対し、少年・法定代理人・付添人が家庭裁判所に異議を申し立てられると定める。非行事実がないことは理由にできない。
Q · 子どもが少年鑑別所に入れられたら、その決定に不服を申し立てる方法はありますか?
収容の必要性を争う異議は出せるが、無実は理由にできない
少年法17条の2により、少年本人、法定代理人、付添人は、鑑別所送致の観護措置決定とその更新決定に対して家庭裁判所に異議を申し立てられます。審理するのは原決定に関与していない裁判官3人の合議体です。ただし「非行をしていない」ことは異議の理由にできず(2項)、争点は逃亡や証拠隠滅のおそれ、家庭の監護環境など収容の必要性です。申立てに執行停止の効力はなく、審理中も収容は続きます。
解説
少年鑑別所に入れる決定は、審判より前に、裁判官一人が短い面接の後で下す。収容は原則2週間である。更新されれば4週間、重大事件で証拠調べが必要なら最長8週間まで延びる(17条3項・4項)。その間、学校も仕事も止まる。この決定に正式に異を唱える唯一のルートが17条の2の異議申立てである。申し立てられるのは少年本人、親権者などの法定代理人、付添人(少年審判で弁護士の役割を果たす人)の三者である。審理するのは、原決定に関わっていない裁判官3人の合議体だ。最初の判断を、別の目で洗い直させる仕組みである。ただし「そもそも非行をしていない」は異議の理由にならない(2項)。争うべきは、審判まで鑑別所に閉じ込めておく必要が本当にあるかどうかである。具体的には、逃亡や証拠隠滅のおそれ、家庭で監護できる環境、収容によって失うものの大きさだ。非行事実の疑いが薄いことをどこまで主張できるかは、実務上解釈が分かれている。土俵を取り違えた申立ては、中身が正しくても門前で退けられる。
法的な位置づけ
少年法17条の2は、観護措置に対する異議申立てを定める規定である。少年、法定代理人または付添人は、少年鑑別所送致の決定およびその更新決定に対し、保護事件が係属する家庭裁判所に異議を申し立てることができる。審判に付すべき事由がないことを理由とすることはできず、原決定に関与しない裁判官による合議体が決定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.付添人を選任し、家裁に届け出る 家裁送致の予定日を確認し、弁護士を付添人として選任する。捜査段階の弁護人は送致で地位を失うため、付添人選任届を家庭裁判所に改めて提出する(少年法10条)
- 2.観護措置決定の前に意見書を届ける 身柄事件では家裁到着から24時間以内に観護措置が決まる。決定前に付添人の意見書、保護者の監護計画、学校・職場の受入れ意思を裁判官に届け、在宅を求める
- 3.収容の必要性に絞って異議申立書を作る 決定が出たら、非行の有無には触れず、逃亡・証拠隠滅のおそれがないこと、家庭で監護できること、収容で失う学業・就労の具体的損失を示す異議申立書を作成する
- 4.家庭裁判所に異議を申し立てる 保護事件が係属する家庭裁判所に異議申立書を提出する。保護者が選任した付添人の場合は、選任者である保護者の反対がないことを事前に確認しておく
- 5.棄却後は更新前に状況の変化を示す 棄却決定の理由から裁判所の懸念を読み取り、引受先の確保や被害弁償を進める。更新決定が見込まれる時期の前に変化を書面で示し、更新決定が出たら同日中に異議を出せるよう準備する
よくある質問 AI による整理
Q1観護措置の異議申立てとは?
少年鑑別所への収容を決めた観護措置決定に対し、少年・法定代理人・付添人が家庭裁判所へ見直しを求める手続です(少年法17条の2)。
Q2観護措置の異議は誰が申し立てられる?
少年本人、親権者などの法定代理人、付添人の三者です。保護者が選任した付添人は、その保護者が明示的に反対すると申し立てられません。
Q3観護措置の更新にも異議はできる?
できます。17条3項ただし書による更新決定も、それだけで異議の対象です。更新前に引受先や監護環境の変化を揃えておくと効果的です。
Q4観護措置の異議申立てに期限はある?
法定の期限はありません。ただし観護措置が終われば申立ての利益が失われるため、決定後できるだけ早く出すのが実務の鉄則です。
Q5異議が認められたらすぐ鑑別所から出られる?
合議体が原決定を取り消し、必要があれば改めて裁判をします(33条の読替準用)。取消しで収容の根拠がなくなれば、鑑別所から出られます。
Q6観護措置の異議は誰が判断する?
保護事件が係属する家庭裁判所のうち、原決定に関与していない裁判官3人による合議体が判断します(17条の2第3項)。
Q7観護措置の異議で無実を主張できる?
できません。2項は、審判に付すべき事由がないことを理由とする異議を禁じています。無実の主張は審判本番で行うべきものです。
Q8観護措置の異議は弁護士なしでもできる?
少年本人や法定代理人も自ら申し立てられます。ただ争点を収容の必要性に絞った書面作りは専門性が高いため、付添人弁護士への依頼が現実的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1異議を出したら、どれくらいで結果が出るんですか?
法律に審理期限の定めはない。ただ身柄拘束の是非を争う手続なので、合議体は比較的短い期間で判断するのが通常である。審理中も収容は続く(34条準用、執行停止効なし)。棄却決定には、憲法違反などを理由に最高裁へ特別抗告できる(17条の3)。実務のポイント:棄却された場合でも、決定理由には裁判所が何を懸念しているかがにじむ。それを潰していくことが、更新阻止と審判本番の準備を兼ねる
Q2逮捕のときに頼んだ弁護士さんが、そのまま動いてくれるんですよね?
家裁送致の時点で、捜査段階の弁護人としての地位は終わる。異議を出せるのは少年・法定代理人・付添人に限られる(17条の2第1項)。そのため、改めて付添人選任届を家裁に出す必要がある(10条、弁護士なら許可は不要)。実務のポイント:送致日を弁護士と共有し、選任届を当日に出せる状態にしておく。そうすれば、24時間以内に決まる観護措置の前に意見書を差し込める
間違えやすい点 AI による整理
- 「息子はやっていないのだから、異議で出してもらえるはず」という問いの立て方自体がずれている。2項は、非行事実がないことを異議の理由にすることを禁じている。異議で問われるのは有罪か無罪かではなく、審判までの間、鑑別所に置く必要があるかどうかである。無実の主張は審判本番で行うもので、異議とは別の手続である
- 異議を出せば結論が出るまで帰宅できると思われがちだが、異議申立てに執行停止の効力はない(34条準用)。審理中も収容は続く。その間、鑑別所での数週間は、出席日数、内定、アルバイト先との関係を静かに削っていく。異議の準備は日単位で結果を左右する
- 親から見れば、付添人は子の味方をする弁護士である。しかし法律上、保護者が選任した付添人は、その保護者が明示的に反対すれば異議を出せない(1項ただし書)。家族の中で方針が割れていると、いちばん動ける人の手が縛られる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる裁判 | 少年法17条の2:観護措置(鑑別所送致)決定とその更新決定 | 少年法17条の3:異議申立てに対する家裁の決定 刑事訴訟法429条:成人の勾留などに関する裁判官の裁判 |
| 申立先・判断者 | 係属する家庭裁判所の合議体(原決定関与の裁判官は除外) | 最高裁判所(特別抗告) 裁判官所属の裁判所の合議体(準抗告) |
| 申立て理由の制限 | 審判に付すべき事由がないことは理由にできない | 憲法違反・憲法解釈の誤り・判例違反に限られる 勾留には犯罪の嫌疑がないことを理由にできない(刑訴420条3項の準用) |
| 申立人 | 少年、法定代理人、付添人(保護者の明示の反対があれば付添人は不可) | 少年、法定代理人、付添人 被疑者・被告人、弁護人など |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では少年法院の収容裁定に対し、少年や法定代理人などが抗告できる。日本の異議のように同じ裁判所の別の合議体が見直す仕組みではない
韓国では少年分類審査院への委託が臨時措置として位置付けられ、日本の鑑別所送致に相当する
ドイツでは少年の未決勾留は比例原則により厳しく制限され、施設収容などの代替措置が優先される
米国連邦最高裁は、手続保障を条件に少年の審判前の予防的身柄拘束を合憲とした
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 16歳の息子が万引きの共犯として逮捕され、観護措置が決まったらどうなるか。本人は「見張りなんてしていない」と言っている。だが異議に「やっていない」と書けば、2項で退けられる。書くべきは、家に監護できる親がいて、逃げも隠れもしないという事実の方である
- 2週間の観護期間が切れる3日前、付添人は更新があり得ると感じ取った。今週中に雇用主の引受け上申書と、学校の受入れ意思を揃える必要がある。更新決定が出たら、その日のうちに異議を出す段取りまで組んでおかなければ間に合わない
- 異議を書き上げた付添人の弁護士に、選任した母親から電話が入った。「しばらく中で反省させたい」。明示の反対がある以上、その異議は出せない。
取るべき行動
被害を受けた側:少年・家族の側なら、次の順で動く。1. 家裁送致の予定日を確認し、弁護士を付添人として選任届を出す(10条) 2. 観護措置決定の前に、監護計画、学校・職場の受入れ、引受人を書面にして裁判官へ届ける3. 決定後は、非行の有無ではなく収容の必要性に絞って異議を出す4. 棄却されたら、決定理由を環境調整の宿題リストとして使い、更新前に再度状況の変化を示す
訴えられた側:被害者や学校など、少年の早期帰宅に不安がある側の場合。異議手続の当事者にはなれないが、被害者等の申出による意見聴取(少年法9条の2)で心情や安全上の懸念を裁判所に伝えられる。接近の不安が具体的にあるなら、日時・場所・経緯を記録し、警察や付添人を通じて示談条件の中に接触禁止を入れるよう求める
時効(請求できる期限):異議申立て自体に法定の期限はない。ただし観護措置が続いている間でなければ、申し立てる意味(申立ての利益)が失われる。収容は原則2週間、更新で4週間、特別更新で最長8週間(17条3項・4項)。異議を退ける決定に憲法違反・判例違反があれば、最高裁への特別抗告ができる(17条の3、期間は5日。最新の改正状況をご確認ください)
学説
2項の射程をめぐる解釈:非行事実がないことを直接の理由とする異議は禁じられる。一方で、嫌疑の存在は観護措置の要件でもあるため、嫌疑が薄いことを収容の必要性判断の一事情として主張できるかについては、実務上見解が分かれている
改正沿革 AI による整理
- 平成12年(2000年)少年法改正 観護措置の特別更新(最長8週間)の導入と併せて新設された。収容期間延長への歯止めとして、不服申立ての道を設けたもの。その後の改正の有無は要確認
改正の年表
- 1.平成12年(2000年) 新設:少年法改正で観護措置の特別更新(最長8週間)が導入されたのと併せて新設。収容期間の延長に対する不服申立ての道として設けられた
- 少年法 第17条観護措置の要件と期間、異議の対象
- 少年法 第17条の3異議決定に対する特別抗告
- 少年法 第10条付添人の選任、申立人資格の前提
- 少年法 第33条抗告審の裁判、読替えて準用
- 少年法 第34条執行停止効なし、準用規定
- 刑事訴訟法 第420条勾留抗告で嫌疑なし理由禁止の同型規定
- 刑事訴訟法 第429条勾留裁判への準抗告との対比
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