少年法 第33条(抗告審の裁判)
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- 抗告の手続がその規定に違反したとき、又は抗告が理由のないときは、決定をもつて、抗告を棄却しなければならない。
- 2.抗告が理由のあるときは、決定をもつて、原決定を取り消して、事件を原裁判所に差し戻し、又は他の家庭裁判所に移送しなければならない。
この条文の基本情報
抗告審の裁判とは何ですか?
定義抗告審の裁判とは、少年法第33条に定められた規定で、「抗告の手続がその規定に違反したとき、又は抗告が理由のないときは、決定をもつて、抗告を棄却しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第33条(抗告審の裁判)は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第33条の条文原文は「抗告の手続がその規定に違反したとき、又は抗告が理由のないときは、決定をもつて、抗告を棄却しなければならない。」で始まります。
- 少年法第33条は第四節 抗告に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第33条の前の条は少年法第32条の6です。
- 少年法第33条の次の条は少年法第34条です。
- 少年法第33条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第33条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第33条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/33
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法33条は抗告審の裁判を定める。理由がなければ棄却、理由があれば原決定を取り消し、家庭裁判所へ差し戻すか移送する。高裁が自ら処分を決める自判はない。
Q · 少年院送致に抗告して高裁が「重すぎる」と認めたら、高裁が保護観察に変えてくれるの?
変えられない。取消し後、家裁が審判をやり直す
少年法33条2項により、抗告に理由があるとき高等裁判所ができるのは、原決定を取り消して原裁判所に差し戻すか、他の家庭裁判所に移送することだけです。刑事控訴審のような自判はなく、最終的な処分は差戻し又は移送を受けた家庭裁判所があらためて決めます。差戻し後の家裁は、取消しの理由となった高裁の判断に拘束されます(裁判所法4条)。なお抗告に執行停止効はありません(少年法34条)。
解説
高等裁判所には、少年の処分を自分で書き換える権限がない。少年法33条が抗告審(家庭裁判所の決定に不服を申し立てた後、高等裁判所で行う審理)に与えている選択肢は三つだけだ。抗告を退ける「棄却」、原決定を取り消して元の家庭裁判所へ戻す「差戻し」、別の家庭裁判所へ回す「移送」である。刑事裁判の控訴審なら、高裁が自分で判決を言い渡す「自判」ができる。少年事件の抗告審にはそれがない。「少年院送致はおかしい、保護観察にすべきだ」と高裁が判断しても、高裁は保護観察を言い渡せない。取り消して家庭裁判所に戻し、あらためて審判をしてもらうしかない。この仕組みを知っているかどうかで、抗告申立書の書き方が変わる。狙うのは「高裁に正しい処分を選んでもらうこと」ではない。「原決定のどこが壊れているかを証明すること」だ。そしてもう一つ覚えておくべきことがある。抗告をしても少年院送致の執行は原則として止まらない(34条)。結論を待つ間も、子どもは少年院の中で過ごすことになる。
法的な位置づけ
少年法33条は、保護処分決定等に対する抗告を受けた抗告裁判所の裁判の種類を定める規定である。抗告の手続が規定に違反する場合又は抗告に理由がない場合は決定で棄却し、理由がある場合は原決定を取り消したうえで、事件を原裁判所に差し戻すか他の家庭裁判所に移送する。抗告裁判所による自判は予定されていない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.決定の告知日と抗告期限を確定する 保護処分決定が告知された日を確認し、2週間の抗告期限(少年法32条)を付添人と家族で共有する。期限を過ぎた抗告は33条1項により手続違反として棄却される
- 2.抗告理由を三類型のどれで立てるか決める 法令違反、重大な事実誤認、処分の著しい不当のうち、原決定のどの欠陥を攻めるかを付添人と特定する。調査範囲は原則として抗告の趣意に限られる(32条の2)ため、主張は申立書に書き切る
- 3.申立権者と保護者の意思をそろえる 付添人が抗告する場合、保護者が明示的に反対していないかを確認する(32条ただし書)。申立権者でない者による申立ては中身を見る前に棄却されるため、名義を確認しておく
- 4.抗告申立書を提出し、執行停止を検討する 抗告申立書を原裁判所(家庭裁判所)に提出する。少年院送致の執行を止める必要があれば、34条ただし書に基づく執行停止を併せて求める
- 5.差戻し・移送に備えて受入れ体制を準備する 原決定が取り消された場合、家裁で審判がやり直される。高裁の取消し理由を軸に、受入先、就労先、家族の監督計画を資料化し、差戻し後の審判に備える
よくある質問 AI による整理
Q1少年法の抗告とは?
家庭裁判所の保護処分決定に不服がある場合に、少年本人、法定代理人又は付添人が高等裁判所に申し立てる不服申立てです(少年法32条)。期間は告知から2週間です。
Q2少年事件の抗告が棄却されたらどうなる?
原決定がそのまま維持されます。高裁の決定に対しては、憲法違反又は判例違反を理由とする場合に限り、2週間以内に最高裁判所へ再抗告できます(少年法35条)。
Q3少年事件の差戻しとは?
高裁が原決定を取り消し、事件を元の家庭裁判所に戻すことです(少年法33条2項)。家裁は高裁の取消し理由に拘束されたうえで、あらためて審判を行います。
Q4抗告中も少年院に行かなければならない?
原則として行きます。抗告に執行停止の効力はありません(少年法34条本文)。原裁判所又は抗告裁判所が決定で執行を停止した場合に限り、送致が止まります。
Q5少年事件の被害者は抗告できる?
できません。抗告権者は少年本人、法定代理人、付添人に限られます(少年法32条)。被害者は記録の閲覧・謄写や意見陳述の申出など、別の制度を利用します。
Q6保護観察処分に抗告できる?
できます。保護観察も保護処分であり、少年法32条の抗告の対象です。法令違反、重大な事実誤認、処分の著しい不当のいずれかを理由として主張する必要があります。
Q7逆送決定に抗告できる?
判例上できないとされています。検察官送致決定(少年法20条)は保護処分ではないため、32条の抗告の対象外と解されています。争う場は家裁の審判段階が中心です。
Q8少年事件の抗告理由はどう書く?
法令違反、重大な事実誤認、処分の著しい不当のどれに当たるかを特定し、原決定のどの判断が誤りかを具体的に示します。抗告審の調査は原則として趣意の範囲に限られます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1高裁で勝ったら、子どもはすぐ家に帰れますか?
自動的には帰れません。33条2項で原決定が取り消されると事件は家庭裁判所に戻り、家裁があらためて審判をします。その間の身柄は、観護措置(17条)を取るかどうかなどを差戻し後の家裁が判断します。実務のポイント:差し戻された家裁は、取消しの理由となった高裁の判断に拘束されます。高裁決定の理由をよく読めば、差戻し審判で何が争点になるかがほぼ分かります
Q2抗告って、審判の証拠をもう一回全部出し直すんですか?
いいえ。抗告審は審判のやり直しではなく、原決定に32条の三つの理由があるかを審査する場です。調査は原則として抗告の趣意に含まれた事項に限られます(32条の2)。必要があれば事実の取調べもできます(32条の3)。実務のポイント:申立書に書かなかった論点は職権調査に期待するしかありません。「とりあえず出して、後で補充」という感覚で臨むと、その論点は審理の対象にならないおそれがあります
Q3家裁の審判がうちの地元の裁判官だと不安です。移送って選べるんですか?
当事者が移送を選ぶことはできません。差戻しにするか、他の家庭裁判所へ移送するかは、33条2項に基づき抗告裁判所が判断します。移送は、少年の生活の本拠が変わった場合など、別の家裁で審判する方が適切な事情があるときに使われます。実務のポイント:転居先に受入先があるなど、別の土地で立ち直る具体的な計画が抗告審の段階で示されていれば、移送を選ぶ判断材料になりえます
間違えやすい点 AI による整理
- 「高裁に抗告すれば、高裁がもっと軽い処分を決めてくれる」と思われがちだが、33条は自判を予定していない。認められても結果は取消しと差戻し(または移送)であり、最終的な処分は家庭裁判所がもう一度決める。勝った瞬間に処分が軽くなるわけではない
- 抗告すれば少年院送致は一旦止まる、と期待する保護者は多い。だが刑事の控訴と違い、抗告に執行停止の効力はない(34条本文)。原裁判所か抗告裁判所が決定で停止しない限り、少年はそのまま少年院に送られる。抗告は「送られないための手段」ではなく「送られた後に取り消させる手段」である
- 「抗告のやり方が多少まずくても、中身が正しければ高裁は聞いてくれる」という感覚は危険だ。33条1項は、手続が規定に違反した抗告を、中身を見る前に棄却すると定めている。2週間の期限切れ、抗告権のない人による申立て、保護者の明示した意思に反する付添人の抗告(32条ただし書)はいずれも、主張がどれほど正しくても門前払いになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 少年法33条:抗告裁判所がどう裁判するか | 少年法32条:誰が、何を理由に、いつまでに抗告できるか 少年法35条:抗告審決定に対する最高裁への再抗告 |
| 判断の選択肢・要件 | 棄却、又は原決定取消し+差戻し/移送(自判なし) | 法令違反・重大な事実誤認・処分の著しい不当の三つ 憲法違反・判例違反に限定 |
| 期間 | 定めなし(抗告裁判所の審理) | 決定の告知から2週間 抗告審決定から2週間 |
| 執行への影響 | 取消し決定までは原決定の執行が続きうる | 抗告申立て自体に執行停止効なし(34条) 再抗告も同様に執行停止効なしが原則 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も少年保護事件の裁定に対する抗告制度を置く。抗告審の裁判方法は刑事訴訟法の抗告規定との関係で整理されており、日本との異同は条文で要確認
韓国も抗告に理由があれば原決定を取り消し、原少年部への差戻し又は他の少年部への移送とする構造で、日本と近い
ドイツは少年刑事手続の中で上訴を制限する方式をとり、保護処分に特化した抗告審という日本型の構造とは異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 息子の少年院送致が決まった。付添人(少年事件で少年の側に立つ弁護士)から抗告できると聞いたが、期限は決定の告知から2週間しかない(32条)。明日から数えて残り13日。何を理由に書けばいいのか、今夜のうちに付添人と方針を決めなければ間に合わない
- もし高裁が「処分が重すぎる」と認めてくれたら、その場で保護観察に変わるのか? 変わらない。原決定が取り消されて家庭裁判所に差し戻され、家庭裁判所がもう一度審判をやり直す。その間、少年の身柄がどうなるかは差戻し後の家裁の判断次第である
- あなたは付添人として抗告申立書を書いている。「処分が重い」とだけ書いても通らない。抗告理由は法令違反、重大な事実誤認、処分の著しい不当の三つに限られる(32条)。どれに当たるかを特定しない申立書は、33条1項の「理由のない」抗告として棄却される
- 少年審判で、娘に暴行した少年が保護観察になった。軽すぎると感じ、被害者として抗告したい。だが抗告できるのは少年本人、法定代理人、付添人だけである
- 非行事実を争う検察官関与事件(検察官が審判に立ち会う重大事件)で、家裁は非行なしと判断した。検察官は抗告受理の申立て(32条の4)を行い、高裁が受理すると、抗告があったものとみなされて33条の枠組みで審理が進む。少年側から見れば、一度終わったと思った事件が高裁で再び動き出すことになる
取るべき行動
被害を受けた側:被害者側に抗告権はない(32条)。使える手段は別にある。家庭裁判所への記録の閲覧・謄写の申出(5条の2)、意見陳述の申出(9条の2)、一定の重大事件での審判傍聴の申出(22条の4)、審判結果の通知の申出(31条の2)である。少年側が抗告して差戻しになった場合も、差戻し後の審判で意見陳述などを改めて申し出られるか、家庭裁判所に確認する。損害賠償は少年手続とは別に、民法709条・714条に基づき民事で請求する
訴えられた側:1. 決定の告知日を確認し、2週間の期限を付添人と共有する2. 抗告理由を法令違反、重大な事実誤認、処分の著しい不当の三つのどれとして組み立てるか決める3. 付添人が抗告する場合、保護者として反対の意思を明示しないよう方針をそろえる4. 34条ただし書による執行停止の申立てを検討する5. 差戻しになった場合に備え、受入先や監督体制の資料を並行して準備する
時効(請求できる期限):抗告は保護処分決定の告知から2週間以内(少年法32条)。検察官の抗告受理申立ても2週間以内(32条の4)。高裁の決定に対する再抗告は、憲法違反・判例違反を理由とする場合に限り、2週間以内に最高裁へ行う(35条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:少年事件の抗告審は事後審であり、原決定の当否を32条の三つの抗告理由に照らして審査する。処遇選択は調査官の社会調査や鑑別結果を持つ家庭裁判所の専門判断に委ねるべきとの考えから、33条は自判を置かず差戻し・移送に限定したと説明される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行少年法(昭和23年法律第168号)の制定により、抗告審の裁判を棄却と取消し(差戻し・移送)に限定する規定として設けられた
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