少年法 第35条(再抗告)
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- 抗告裁判所のした第三十三条の決定に対しては、憲法に違反し、若しくは憲法の解釈に誤りがあること、又は最高裁判所若しくは控訴裁判所である高等裁判所の判例と相反する判断をしたことを理由とする場合に限り、少年、その法定代理人又は付添人から、最高裁判所に対し、二週間以内に、特に抗告をすることができる。ただし、付添人は、選任者である保護者の明示した意思に反して、抗告をすることができない。
- 2.第三十二条の二、第三十二条の三、第三十二条の五第二項及び第三十二条の六から前条までの規定は、前項の場合に、これを準用する。この場合において、第三十三条第二項中「取り消して、事件を原裁判所に差し戻し、又は他の家庭裁判所に移送しなければならない」とあるのは、「取り消さなければならない。この場合には、家庭裁判所の決定を取り消して、事件を家庭裁判所に差し戻し、又は他の家庭裁判所に移送することができる」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
再抗告とは何ですか?
定義再抗告とは、少年法第35条に定められた規定で、「抗告裁判所のした第三十三条の決定に対しては、憲法に違反し、若しくは憲法の解釈に誤りがあること、又は最高裁判所若しくは控訴裁判所である高等裁判所の判例と相反する判…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第35条(再抗告)は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第35条の条文原文は「抗告裁判所のした第三十三条の決定に対しては、憲法に違反し、若しくは憲法の解釈に誤りがあること、又は最高裁判所若しくは控訴裁判所である高等裁判所の判例と相反する判…」で始まります。
- 少年法第35条は第四節 抗告に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第35条の前の条は少年法第34条です。
- 少年法第35条の次の条は少年法第36条です。
- 少年法第35条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第35条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第35条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/35
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法35条は、抗告審の決定に対し、憲法違反・憲法解釈の誤り・判例違反を理由とする場合に限り、少年側が2週間以内に最高裁へ再抗告できると定める。
Q · 高裁で抗告が棄却されたら、少年事件はもう最高裁で争えないの?
憲法違反か判例違反に限り、2週間以内なら最高裁へ出せる
少年法35条1項により、抗告審(高等裁判所)の決定に対しては、憲法違反、憲法解釈の誤り、または最高裁判所・控訴裁判所である高等裁判所の判例と相反する判断を理由とする場合に限り、少年、法定代理人、付添人が2週間以内に最高裁判所へ再抗告できます。事実誤認や処分の重さへの不満はそのままでは理由になりません。また再抗告をしても少年院送致などの執行は当然には止まりません(34条準用)。
解説
高裁で抗告が棄却された瞬間、家族の多くは「もう終わった」と思い込む。だが少年法には、最高裁へ通じる扉がもう一枚残っている。それが本条の再抗告である。ただし扉は極端に狭い。通れるのは、憲法違反、憲法解釈の誤り、最高裁判例(最高裁判例がなければ控訴審としての高裁判例)と食い違う判断、この三つを理由とする場合だけだ。「本当はやっていない」「少年院は重すぎる」という訴えは、そのままでは理由にならない。しかも期限は2週間しかない。再抗告をしても、少年院送致(家庭裁判所が少年を少年院へ送る保護処分)の執行は止まらない(34条準用)。勝負は、高裁の決定を受け取った直後の数日で、事実への不満を憲法と判例の言葉に言い換えられるかで決まる。この言い換えができる付添人(少年審判で少年を支える弁護士など)を今すぐ確保できるかどうかが、あなたに残された最大の一手である。
法的な位置づけ
少年法35条は再抗告を定める規定であり、抗告裁判所が少年法33条に基づいてした決定に対し、憲法違反、憲法解釈の誤り又は最高裁判所等の判例と相反する判断を理由とする場合に限り、少年、法定代理人又は付添人が2週間以内に最高裁判所へ特に抗告できる旨を規定する。少年保護手続における最終の不服申立て手段である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.抗告審決定の告知日を確定し期限を逆算する 高等裁判所の決定を受け取った日を記録し、2週間の申立期限から逆算して、判例調査・起案・家族との協議の日程を当日中に組む。初日算入の扱いと送達日との関係は付添人に確認する
- 2.申立人の名義を決める 少年本人、法定代理人、付添人のうち誰の名義で申し立てるかを決める。保護者が再抗告に明確に反対している場合、その保護者が選任した付添人は申し立てられないため、少年本人名義に切り替える
- 3.憲法違反・判例違反の理由を特定する 原決定のどの判断が憲法(31条の適正手続など)に反するか、またはどの最高裁判例・高裁判例と相反するかを具体的に特定し、判示内容と対比する。事実誤認の重大性も職権判断を促す事情として整理する
- 4.再抗告申立書を期限内に提出する 理由を明記した再抗告申立書を期限内に提出する。提出先や書式は少年審判規則と実務運用を付添人に確認する
- 5.執行停止の職権発動を促す申出を検討する 再抗告には執行停止効がないため、少年院への移送による学業・就労・家族関係への影響を具体的に示し、裁判所に執行停止の職権発動を促す申出をするかを申立てと同時に判断する
よくある質問 AI による整理
Q1少年事件の再抗告とは?
高裁の抗告審決定に対し、最高裁へ申し立てる最終の不服申立てです。少年法35条が根拠で、理由は憲法違反と判例違反に限られます。
Q2再抗告の期限はいつまで?
抗告審決定から2週間以内です(少年法35条1項)。期限を過ぎた申立ては不適法として退けられるため、日数計算は付添人に必ず確認してください。
Q3少年院送致の決定は最高裁で争える?
抗告が棄却された後、憲法違反や判例違反を理由とする場合に限り再抗告で争えます。処分が重すぎるという主張だけでは理由になりません。
Q4再抗告は誰ができる?
少年本人、法定代理人、付添人です。検察官には再抗告の申立権がなく、保護者が選任した付添人は保護者の明示の意思に反して申し立てられません。
Q5再抗告中に少年院へ移されるのはなぜ?
抗告には執行停止の効力がなく、この規定が再抗告にも準用されるためです(34条準用)。裁判所が決定で執行を停止した場合に限り止まります。
Q6再抗告が認められると事件はどうなる?
最高裁は抗告審の決定を取り消し、さらに家庭裁判所の決定も取り消して家裁に差し戻すか、他の家裁へ移送することができます(35条2項の読み替え)。
Q7再抗告が棄却されたらもう争えない?
不服申立てとしては最後ですが、非行事実がなかったことを示す新たな資料が見つかれば、保護処分の取消し(27条の2)を求める別の道があります。
Q8被害者は再抗告できる?
できません。申立権は少年、法定代理人、付添人に限られます。被害者は家裁段階の意見陳述や審判結果等の通知の申出など、別の制度を使います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1高裁で負けたんですけど、最高裁で「本当はやってない」って言えば聞いてもらえますか?
それだけでは理由にならない。本条が認める理由は、憲法違反、憲法解釈の誤り、判例違反に限られる(35条1項)。事実誤認の主張は、たとえば証拠の扱いが適正手続(憲法31条)に反するといった形に組み直す必要がある。実務のポイント:最高裁が職権で原決定を取り消す余地は判例上残っている(最決昭和58.9.5参照)。そのため実務では、形式上の理由に加えて、事実誤認がどれほど重大かも申立書に丁寧に書き込むのが定石である
Q2親が「もう争うな」って言ったら、付添人の先生は何もできなくなるんですか?
保護者が選んだ付添人は、その保護者がはっきり示した意思に反して再抗告できない(35条1項ただし書)。ただし、少年本人と法定代理人には独自の申立権がある。実務のポイント:最悪なのは、家族会議で結論が出ないまま期限を迎えるパターンである。誰の名義で申し立てるかを最初の数日で決めておくことが、実質的な勝負になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「最高裁で事実をもう一度見直してもらえるか」という問いの立て方自体がずれている。再抗告の審理は事実を調べ直す場ではなく、理由は憲法違反と判例違反に限られる。ただし判例上、最高裁は申立ての理由に当たらない場合でも、重大な事実誤認などで原決定を維持すると著しく正義に反するときは、職権で取り消せる余地を認めている(最決昭和58.9.5参照)。実務でこれが適用されるのはごくまれである。問うべきは「見直してもらえるか」ではなく、「どの形式で扉を叩き、職権で動いてもらう余地をどう示すか」である
- 執行が止まらないことは知っていても、その重さまでは知られていない。最高裁の審理中も少年院での処遇は進み、取消しの判断が出た時点で数か月が過ぎていることもある。執行停止(34条準用による裁判所の職権判断)を促すかどうかを申立てと同時に検討しなければ、勝っても失われた時間は戻らない
- 家族から見れば、付添人は「味方の弁護士」である。だが本条から見ると、保護者が選んだ付添人は、選んだ保護者がはっきり示した意思に縛られる存在である。家族の意見が割れた瞬間、付添人の手は止まる。申立権を持つ少年本人の存在を忘れると、扉は内側から閉じられてしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 申立先 | 35条 再抗告:最高裁判所 | 32条 抗告:高等裁判所 32条の4抗告受理申立て:高等裁判所 |
| 申立理由 | 憲法違反・憲法解釈の誤り・判例違反に限る | 決定に影響を及ぼす法令違反、重大な事実誤認、処分の著しい不当 非行事実の認定に関する法令違反または重大な事実誤認 |
| 申立権者 | 少年、法定代理人、付添人 | 少年、法定代理人、付添人 検察官(検察官関与決定があった事件) |
| 期間と執行停止 | 2週間以内/執行停止効なし(34条準用) | 2週間以内/執行停止効なし(34条) 2週間以内 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では少年法院の裁定に対する抗告は認められるが、抗告法院の裁定に対する再抗告は認められていない。最高裁判所まで争える日本の制度は、少年側にとって一段多い救済ルートといえる
韓国も抗告棄却決定に対し大法院への再抗告を認めるが、理由は法令違反に限定されており、日本と同じく事実審の繰り返しを予定していない
ドイツは少年事件の上訴を制限し、控訴と上告のいずれか一つしか選べない仕組みを採る。手続の迅速性を重視する点で日本と共通する
米国では少年手続にも適正手続の保障が及ぶことが連邦最高裁で確認された。上訴の範囲は州法ごとに異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 高裁の抗告棄却決定が金曜日に届いたら、残り時間はどう数える? 期限は2週間である。土日を挟み、付添人との打ち合わせ、判例調査、申立書の起案を考えると、実際に使えるのは10日前後しかない。週明けまで待つ余裕はない
- あなたは、親に選ばれた弁護士付添人である。少年本人は最高裁まで争いたいと言う。ところが父親は「これ以上騒ぎを大きくするな」とはっきり言った。この場合、付添人の名義では再抗告できない(本条1項ただし書)。一方、少年本人には独自の申立権がある。本人名義の申立てを支える形に切り替えるのが、実務上の筋である
- 少年院送致が決まり、再抗告を出した。それでも翌週、息子は少年院へ移された。再抗告を出しただけでは、執行は止まらない。
取るべき行動
被害を受けた側:被害者側には再抗告の申立権がなく、最高裁の審理で当事者として意見を出す仕組みもない。できることは、家庭裁判所段階で意見陳述(9条の2)や記録の閲覧・謄写(5条の2)の結果が記録に残っているかを確認し、審判結果等の通知(31条の2)を申し出ておくことである。損害賠償は、保護事件の結論とは別に民事で請求できる(民法709条)。時効は損害と加害者を知った時から3年、生命・身体の侵害なら5年である
訴えられた側:1. 抗告審決定を受け取った日を確定し、2週間の期限から逆算する2. 付添人と、決定のどの判断が憲法(31条の適正手続など)や最高裁判例に反するのかを特定する3. 保護者と少年本人の意向を早めにすり合わせ、割れる場合は少年本人名義での申立てに切り替える4. 執行停止を促す申出を申立書と同時に出すか検討する5. 退けられた後でも新しい証拠が出れば、27条の2の保護処分取消しを視野に入れる
時効(請求できる期限):抗告審(高等裁判所)の決定から2週間以内(本条1項)。決定の告知を基準に初日を算入せずに数えるのが一般的な扱いだが、送達日との関係は少年審判規則と実務運用を付添人に必ず確認すること。期限を過ぎた申立ては不適法として退けられる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:再抗告は刑事訴訟法の特別抗告・上告と同じく、最高裁の法令解釈統一機能を守るため理由を憲法違反と判例違反に限定したもの。個別の誤判救済は職権取消しと保護処分取消し(27条の2)で補完されると解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行少年法の制定に伴い、抗告審の決定に対する最高裁判所への再抗告制度を新設
- 2.平成12年(2000年) 改正:検察官関与・抗告受理申立て制度の導入に伴い、再抗告に準用する規定の範囲を整備
- 少年法 第32条抗告の理由と2週間の期間
- 少年法 第33条抗告審の裁判、再抗告の対象となる決定
- 少年法 第34条抗告に執行停止効がない旨の準用
- 少年法 第32条の4検察官の抗告受理申立て、再抗告権との対比
- 少年法 第27条の2確定後の保護処分取消しという別ルート
- 刑事訴訟法 第433条特別抗告の一般規定、同型の限定理由
- 刑事訴訟法 第411条職権破棄の趣旨、判例上の準用(現行効力を要確認)
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