少年法 第27条の2(保護処分の取消し)
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- 保護処分の継続中、本人に対し審判権がなかつたこと、又は十四歳に満たない少年について、都道府県知事若しくは児童相談所長から送致の手続がなかつたにもかかわらず、保護処分をしたことを認め得る明らかな資料を新たに発見したときは、保護処分をした家庭裁判所は、決定をもつて、その保護処分を取り消さなければならない。
- 2.保護処分が終了した後においても、審判に付すべき事由の存在が認められないにもかかわらず保護処分をしたことを認め得る明らかな資料を新たに発見したときは、前項と同様とする。ただし、本人が死亡した場合は、この限りでない。
- 3.保護観察所、児童自立支援施設、児童養護施設又は少年院の長は、保護処分の継続中の者について、第一項の事由があることを疑うに足りる資料を発見したときは、保護処分をした家庭裁判所に、その旨の通知をしなければならない。
- 4.第十八条第一項及び第十九条第二項の規定は、家庭裁判所が、第一項の規定により、保護処分を取り消した場合に準用する。
- 5.家庭裁判所は、第一項の規定により、少年院に収容中の者の保護処分を取り消した場合において、必要があると認めるときは、決定をもつて、その者を引き続き少年院に収容することができる。但し、その期間は、三日を超えることはできない。
- 6.前三項に定めるもののほか、第一項及び第二項の規定による第二十四条第一項の保護処分の取消しの事件の手続は、その性質に反しない限り、同項の保護処分に係る事件の手続の例による。
この条文の基本情報
保護処分の取消しとは何ですか?
定義保護処分の取消しとは、少年法第27条の2に定められた規定で、「保護処分の継続中、本人に対し審判権がなかつたこと、又は十四歳に満たない少年について、都道府県知事若しくは児童相談所長から送致の手続がなかつたにもかかわらず、保護…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第27条の2(保護処分の取消し)は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第27条の2の条文原文は「保護処分の継続中、本人に対し審判権がなかつたこと、又は十四歳に満たない少年について、都道府県知事若しくは児童相談所長から送致の手続がなかつたにもかかわらず、保護…」で始まります。
- 少年法第27条の2は第三節 調査及び審判に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第27条の2の前の条は少年法第27条です。
- 少年法第27条の2の次の条は少年法第28条です。
- 少年法第27条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第27条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第27条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/27_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法27条の2は、保護処分に誤りがあったと認め得る明らかな資料を新たに発見したとき、家庭裁判所が職権で取り消す規定。処分終了後も本人生存中なら可能。
Q · 少年院送致が間違いだったと分かったら、後から取り消してもらえるの?
明らかな新資料があれば、処分終了後でも取り消せる
少年法27条の2により、保護処分に誤りがあったと認め得る明らかな資料を新たに発見したときは、処分をした家庭裁判所が決定で保護処分を取り消します。第2項により、処分終了後でも本人が生存していれば取消しの対象になります。ただし本人や親に正式な申立権はなく、裁判所の職権発動を促す「申出」という形をとります。取消しの決定・不取消しの決定には抗告の余地があります。
解説
「保護処分は刑罰ではないから、仮に間違っていても傷は浅い」。そう考える大人は多い。だが、少年院で過ごした一年は、刑務所の一年と同じように二度と戻らない。少年法27条の2は、条文上は「再審」と名乗っていないが、少年審判で再審に近い役割を果たす規定である。文言は「審判権がなかったこと」と狭く見える。しかし最高裁(最決昭和58.9.5、いわゆる柏の少女殺し事件)は、非行事実そのものがなかったと認めうる明らかな資料が新たに見つかった場合も、これに含まれると解した。さらに平成12年(2000年)改正で第2項が加わり、保護処分が終わった後でも、本人が生きている限り取消しの道が開かれた。あなたが押さえるべき点は、本人や親に法律上の「申立権」がないことである。家庭裁判所が自分の判断で動く(職権発動)のを「申出」で促すしかない。だから勝負を決めるのは、声の大きさではない。新しい証拠を「明らかな資料」の形に整えて届けられるかどうかである。
法的な位置づけ
少年法27条の2は保護処分の取消しを定める規定であり、審判権の不存在、児童福祉機関からの送致手続の欠如、または審判に付すべき事由の不存在を認め得る明らかな資料が新たに発見された場合に、保護処分をした家庭裁判所が職権により決定で当該処分を取り消す制度である。少年審判における再審に相当する救済手段として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.新しい資料を特定して保全する 真犯人の供述や有罪判決、アリバイ記録、鑑定結果、年齢を証明する公的書類など、審判時に出ていなかった資料を集め、原本やコピーを確保する
- 2.少年事件に詳しい弁護士に依頼する 付添人経験のある弁護士に相談し、当時の事件記録の閲覧・謄写を家庭裁判所に求める。記録のどの証拠と新資料が矛盾するかを整理する
- 3.家庭裁判所へ取消しの申出をする 処分をした家庭裁判所に、職権発動を促す申出書と資料を提出する。新資料が「明らか」で「新たに発見」されたものであることを、対照表で示す
- 4.収容中なら施設長にも資料を示す 本人が少年院などに収容中の場合、施設長に資料を提示し、第3項に基づく家庭裁判所への通知を促す。公的機関の通知が加わると職権発動の可能性が高まる
- 5.決定後の対応を決める 取り消されなかった場合は抗告の可否と期間を弁護士と確認する。取り消された場合は少年補償の対象になるか確認し、年齢超過が理由なら検察官送致に備える
よくある質問 AI による整理
Q1保護処分の取消しとは何ですか?
誤った保護処分を、明らかな新資料の発見を理由に家庭裁判所が決定で取り消す制度です。少年法27条の2が根拠で、少年審判の再審に相当します。
Q2少年院送致の冤罪は取り消せる?
非行事実がなかったと認め得る明らかな資料を新たに発見すれば取り消せます。処分終了後でも、本人が生きていれば第2項により対象となります。
Q3保護処分の取消し 期限はいつまで?
申出そのものに期限はありません。処分継続中は第1項、終了後は第2項で扱われ、本人が死亡するまで取消しの道が残ります。
Q4本人が亡くなった後でも保護処分を取り消せる?
できません。第2項ただし書により、本人が死亡した場合は取消しの対象外です。遺族による名誉回復の手段としては使えません。
Q5年齢を偽っていた少年の保護処分はどうなる?
送致時に20歳以上だったと判明すれば審判権がなかったことになり、取消しの対象です。取消し後は19条2項準用で検察官送致となりえます。
Q6保護処分が取り消されたら補償金はもらえる?
非行事実の不存在が理由なら、少年の保護事件に係る補償に関する法律による補償の対象になりえます。支給要件は最新の運用を確認してください。
Q7取消しが認められなかったら不服申立てできる?
第6項で保護処分事件の手続の例によるとされ、抗告(少年法32条)を検討できます。期間は原則2週間とされるため、早めに弁護士と相談を。
Q8少年院の職員は冤罪を疑ったらどうすべき?
第3項により、第1項の事由を疑うに足りる資料を発見した施設長は、家庭裁判所へ通知する義務があります。判断を先送りしてはなりません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1息子はもう30歳で普通に働いています。今さら取り消してもらう意味ってあるんですか?
あります。第2項により、処分が終わった後でも取消しは可能です。非行事実がなかったことを理由に取り消されれば、少年補償の対象になる余地もあります。実務のポイント:保護処分歴は前科ではありません。しかし家庭裁判所や捜査機関の記録には残り、将来別の事件に巻き込まれた際に参照されることがあります。取消しは、その記録が持つ意味そのものを書き換えます。
Q2親が家庭裁判所に「取り消してください」と申し立てることはできますか?
本条には申立権の定めがなく、取消しは家庭裁判所の職権で行われます。親や本人ができるのは、職権発動を促す申出です。実務のポイント:申出書が一枚だけでは、裁判所は動きにくいのが現実です。付添人を通じて当時の事件記録の閲覧・謄写を求め、どの証拠と新資料が矛盾するのかを表にして示すと、「明らかな資料」かどうかの審査に乗りやすくなります。
間違えやすい点 AI による整理
- 「保護処分に再審請求はできますか」とよく聞かれるが、問いの立て方がずれている。少年法には刑事訴訟法のような再審の規定がない。使える道は本条の取消しだけであり、しかも正式な申立権ではなく、裁判所の職権発動を促す申出という形をとる。必要なのは請求書ではなく、裁判所を動かせるだけの資料の束である。
- 「やっていない」という本人の訴えが強ければ取り消されると期待しがちだが、要件の厳しさを甘く見ている。求められるのは、処分に誤りがあったと認めうる「明らかな資料」を「新たに発見した」ことである。審判の段階で出ていた言い分を繰り返すだけでは、扉はほぼ開かない。
- 「終わった処分は、もう取り消せない」と思われているが、平成12年(2000年)改正の第2項で、終了後の取消しも可能になった。ただし本人が亡くなると取消しはできない(第2項ただし書)。遺族が故人の名誉を回復する手段としては、本条は使えないという空白が残っている。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の性格 | 少年法27条の2:誤った保護処分の取消し(職権) | 少年法32条:保護処分決定に対する抗告 刑事訴訟法435条:確定判決に対する再審 |
| 開始のきっかけ | 家庭裁判所の職権(本人・親は申出で促すのみ) | 少年・法定代理人・付添人の申立て 有罪の言渡しを受けた者などの請求 |
| 期間の制限 | 期限なし(処分終了後は本人生存中に限る) | 原則2週間以内 期限なし(本人死亡後も一定の親族が請求可) |
| 要件 | 明らかな資料の新たな発見 | 決定に影響を及ぼす法令違反、重大な事実誤認、処分の著しい不当 無罪等を言い渡すべき明らかな証拠の新たな発見など |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は保護処分確定後に新証拠などがある場合の「重新審理」を明文で定め、少年審判の再審手続を条文上用意している点で日本より明確
韓国は保護処分後に年齢超過などが判明した場合の取消しを定める。日本と同じく少年保護手続内部の是正制度
ドイツは少年裁判所法が一般刑事手続を補充的に準用し、再審(Wiederaufnahme)の規定が少年事件にも及ぶ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 十年前、中学生だった息子が放火の非行事実で少年院送致になった。最近、別件で逮捕された男がその放火を自供したと報じられた。処分はとっくに終わっているのに、今から息子の汚名を消せるのか? 第2項により、本人が生きている限り、処分をした家庭裁判所に取消しを求める道は残っている。
- 少年院の職員であるあなたが在院者の書類を整理していたところ、本国の出生証明書が出てきた。記載どおりなら、送致の時点で本人はすでに20歳を超えていた。第3項に基づき、院長は家庭裁判所へ通知しなければならない。握りつぶせば職務上の重大な問題になる。
- 少年院に収容中の娘について保護処分の取消しが決まった。家庭裁判所は必要があれば引き続き収容できるが、その期間は最長3日である(第5項)。残り72時間のうちに、迎え、住む場所、学校や児童相談所との調整を家族が段取りしなければならない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 新しい資料を特定して保全する(真犯人の供述や判決、アリバイの記録、鑑定結果、年齢を証明する公的書類など)。2. 少年事件の付添人経験がある弁護士に依頼し、処分をした家庭裁判所へ、取消しを求める申出書と資料を提出する。3. 本人が収容中であれば、施設長にも資料を示し、第3項の通知を促す。4. 取り消されなかった場合は、抗告(第32条)ができるかを弁護士と検討する。5. 取り消された場合は、少年補償の対象になるかを確認する。
訴えられた側:取消しを申し出られる側が施設職員であれば、第1項の事由を疑わせる資料を見つけた時点で、第3項に基づき家庭裁判所へ通知する。判断を先送りしてはならない。本人の年齢超過が理由で取り消される見込みがある場合、第19条第2項の準用により検察官送致になりうる。刑事手続に備えて、早めに弁護人を確保しておく。
時効(請求できる期限):取消しの申出そのものに期限はない。第1項は保護処分の継続中、第2項は処分の終了後でも本人が生存している限り使える(死亡後は不可)。取消し・不取消しの決定に対する抗告は、第6項により保護処分事件の手続の例によるとされ、原則として2週間以内(第32条。実務上の扱いは要確認)。第5項による継続収容は最長3日。
学説
判例・通説:少年審判には再審規定がないため、本条の取消しが実質的な再審の役割を担う。第1項の文言は狭いが、非行事実の不存在も取消事由に含まれると解されている
改正沿革 AI による整理
- 平成12年(2000年)改正 保護処分の終了後でも、審判に付すべき事由がなかったことを認めうる明らかな資料を新たに発見したときは取り消せるとする第2項(本人死亡の場合を除く)を加える改正。関連条項の整備も含めた改正の総数は要検証
改正の年表
- 1.平成12年(2000年) 改正:保護処分の終了後でも、審判に付すべき事由の不存在を認め得る明らかな資料を新たに発見したときは取り消せるとする第2項を追加(本人死亡の場合を除く)
- 少年法 第3条14歳未満の少年の送致要件と審判の対象
- 少年法 第18条取消し時に準用される児童福祉機関への送致
- 少年法 第19条年齢超過が判明した場合の検察官送致(第2項準用)
- 少年法 第24条取消しの対象となる保護処分の決定
- 少年法 第32条保護処分事件の決定に対する抗告
- 少年の保護事件に係る補償に関する法律 第2条非行事実不存在による身柄拘束の補償(現行効力を要確認)
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