少年法 第27条(競合する処分の調整)
クイックジャンプ
- 保護処分の継続中、本人に対して有罪判決が確定したときは、保護処分をした家庭裁判所は、相当と認めるときは、決定をもつて、その保護処分を取り消すことができる。
- 2.保護処分の継続中、本人に対して新たな保護処分がなされたときは、新たな保護処分をした家庭裁判所は、前の保護処分をした家庭裁判所の意見を聞いて、決定をもつて、いずれかの保護処分を取消すことができる。
この条文の基本情報
競合する処分の調整とは何ですか?
定義競合する処分の調整とは、少年法第27条に定められた規定で、「保護処分の継続中、本人に対して有罪判決が確定したときは、保護処分をした家庭裁判所は、相当と認めるときは、決定をもつて、その保護処分を取り消すことができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第27条(競合する処分の調整)は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第27条の条文原文は「保護処分の継続中、本人に対して有罪判決が確定したときは、保護処分をした家庭裁判所は、相当と認めるときは、決定をもつて、その保護処分を取り消すことができる。」で始まります。
- 少年法第27条は第三節 調査及び審判に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第27条の前の条は少年法第26条の4です。
- 少年法第27条の次の条は少年法第27条の2です。
- 少年法第27条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第27条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第27条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/27
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法27条は、保護処分の継続中に有罪判決の確定や新たな保護処分があったとき、家庭裁判所が相当と認めれば保護処分を取り消せると定める。自動的には消えない。
Q · 保護処分の途中で刑事裁判の有罪が確定したら、保護処分はどうなるの?
自動では消えず、家庭裁判所が相当と認めたときに取り消される
少年法27条1項により、保護処分の継続中に本人の有罪判決が確定しても、保護処分は当然には消滅しません。保護処分をした家庭裁判所が「相当と認めるとき」に、決定で取り消すことができるにとどまります。また同条2項により、新たな保護処分がなされた場合は、新たな処分をした家庭裁判所が前の家庭裁判所の意見を聞いたうえで、いずれかの保護処分を取り消すことができます。拘禁刑が確定した場合は、少年法57条により刑の執行が先になります。
解説
「少年院や保護観察は、大人の刑事裁判とは別の世界の話だ」。多くの家族はそう信じている。だが少年法27条が定めているのは、その二つの世界がぶつかったときの整理のしかたである。保護処分(家庭裁判所が少年の立ち直りのために下す処分で、刑罰ではない。保護観察や少年院送致など)が続いている最中に、同じ本人の刑事裁判で有罪判決が確定することがある。別の非行で新しい保護処分が出ることもある。そのとき、処分を二重に続けるのか、一本にまとめるのかを決めるのが本条だ。押さえるべき点は二つある。第一に、1項の取消しは家庭裁判所が「相当と認めるとき」にできるだけで、自動的には消えない。第二に、2項では新しい処分をした家庭裁判所が、前の家庭裁判所の意見を聞いたうえで、古い処分と新しい処分のどちらを取り消してもよい。つまり、付添人(少年事件で少年を支える弁護士など)や家族が「本人の更生にはどちらの処分が役立っているか」を具体的に示せば、結論に影響を与えられる余地がある。何もしなければ、裁判所は記録だけで判断する。
法的な位置づけ
少年法27条は、保護処分の競合を整理する規定である。保護処分の継続中に本人への有罪判決が確定したときは、保護処分をした家庭裁判所が相当と認める場合に決定で当該処分を取り消すことができる。新たな保護処分がなされたときは、新たな処分をした家庭裁判所が前の家庭裁判所の意見を聞き、いずれかを取り消すことができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.保護処分の内容と経過を整理する 現在の保護処分の種類(保護観察・少年院送致など)、処分をした家庭裁判所、開始日と期間、面談や指導の経過を一覧にまとめる。新たな事件の手続が刑事裁判か少年審判かも確認する
- 2.付添人(弁護士)に経過をすべて共有する 整理した内容を付添人に渡し、前の処分をした家裁と今回の家裁が異なるかどうか、意見照会が行われる見込みかを確認する。付添人がいない場合は弁護士会の窓口に相談する
- 3.更生の実情を示す資料をそろえて上申する 就労・通学・家族の支援体制など、どちらの処分が本人の更生に役立っているかを示す資料を集め、付添人を通じて上申書として家庭裁判所に届ける。有罪判決の確定直後や新たな審判の前が目安
- 4.取消し決定の内容と今後の手続を確認する 家庭裁判所の決定でどちらの処分が残ったかを確認し、残った処分の期間・遵守事項を把握する。拘禁刑が確定している場合は、刑の執行が先になる点(少年法57条)も付添人と確認する
よくある質問 AI による整理
Q1少年法27条とは何ですか?
保護処分の継続中に有罪判決が確定したり、新たな保護処分が出たりした場合に、家庭裁判所が処分を取り消して整理できると定めた規定です。
Q2保護観察中に再犯したら前の保護処分はどうなる?
新たな保護処分が出た場合、新しい処分をした家庭裁判所が前の家庭裁判所の意見を聞き、どちらの処分を取り消すかを判断します(少年法27条2項)。
Q3保護処分の取消しは誰が決めるの?
有罪判決確定の場面では保護処分をした家庭裁判所、新たな保護処分の場面では新たな処分をした家庭裁判所が、決定で取り消すかどうかを判断します。
Q4保護処分の取消しを家族が申し立てできる?
本条には正式な申立権の定めはなく、家庭裁判所の職権判断です。実務上は付添人を通じて上申書や生活状況の資料を届ける方法がとられます。
Q5保護処分の取消しで前歴は消える?
27条の取消しは処分の継続を終わらせて整理するためのものであり、非行事実や過去の審判の記録そのものを消す制度ではありません。
Q6特定少年の保護観察はいつまで続く?
18・19歳の特定少年の保護観察は、6か月または2年の期間で言い渡されます(少年法64条)。20歳を過ぎても続く場合があります。
Q7前の処分と今回の審判で家裁が違う場合は?
新たな処分をした家庭裁判所は、前の処分をした家庭裁判所の意見を聞く必要があります。管轄が別の県でも意見照会を経て判断されます。
Q8保護処分が終わった後でも27条で取り消せる?
できません。27条の取消しは「保護処分の継続中」が前提です。処分終了後の取消しは、審判権がなかった場合を扱う27条の2の領域です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保護観察中の子が刑事裁判で執行猶予になりました。保護観察って二重に続くんですか?
続く可能性があります。少年法27条1項は、有罪判決の確定後に家庭裁判所が「相当と認めるとき」に取り消せると定めているだけで、自動的には消えません。実務のポイント:裁判所は主に記録で判断します。現在の生活状況を示す資料を付添人経由で上申すると、どう整理されるかに影響しうる
Q2前の保護処分がそもそも間違いだった場合も、27条で取り消してもらえますか?
それは27条ではなく27条の2の問題です。審判権がなかったことを示す明らかな資料が新たに見つかれば、家庭裁判所は取り消さなければなりません。判例(最決昭和58.9.5)は、非行事実がなかった場合もこれに含まれると解しています。実務のポイント:処分が終わった後でも、本人が死亡した場合を除いて取消しの道があります(同条2項)
間違えやすい点 AI による整理
- 刑事裁判で有罪が確定すれば、少年時代の保護処分は自動的に消えると思われがちだ。だが条文は「取り消すことができる」と書いているだけである。家庭裁判所が相当と認めなければ、保護処分は続く。拘禁刑が確定した場合は、少年法57条によって刑の執行が先になる
- 家族の目には、二つの処分が重なることが「罰の上乗せ」に見える。しかし法律から見れば、保護処分は罰ではなく立ち直りのための手段である。だから取消しの基準は「重すぎるかどうか」ではなく、「本人の更生にとってどちらが意味を持つか」になる。罰の重さだけを訴える主張は、判断の軸から外れてしまう
- 「間違った保護処分を取り消してほしい」と考えて27条を調べる人がいるが、問いの立て方がずれている。審判権がなかった場合(判例上、非行事実がなかった場合も含むと解されている)の取消しは27条の2の領域であり、要件を満たせば「取り消さなければならない」義務規定になっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる場面 | 27条:保護処分の継続中に有罪判決の確定または新たな保護処分 | 27条の2:審判権がなかったことを示す明らかな資料の発見 57条:保護処分の継続中に刑が確定した場合の執行順序 |
| 取消しの性質 | 裁量的(「取り消すことができる」) | 義務的(「取り消さなければならない」) 取消しではなく、刑の執行を先にするという順序の定め |
| 時的範囲 | 保護処分の継続中に限る | 処分終了後も可能(本人死亡の場合を除く) 保護処分の継続中に刑が確定した場面 |
| 判断の軸 | 本人の更生にとってどちらの処分が意味を持つか | 審判権(非行事実を含む)の有無 刑と保護処分の執行の調整 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も保護処分中に刑の宣告が確定した場合の取消しと、保護処分が重なった場合の整理を少年法院の裁定に委ねており、日本の27条と構造が近い
韓国も保護処分中の有罪判決と保護処分の競合を別条で規定し、少年部判事が一方を取り消す仕組みをとる
ドイツ少年裁判所法は複数の非行について統一的な処分を言い渡す考え方をとり、以前の判断を新たな判断に取り込む点で整理の発想が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 19歳のとき、特定少年として2年の保護観察を受けた息子が、20歳を過ぎてから起こした事件で起訴され、執行猶予付きの有罪判決が確定した。保護観察官との面談はこのまま続くのか? 家庭裁判所が相当と認めれば取り消されるが、何もしなければ続く可能性もある。付添人を通じて今の生活状況を伝える道が残っている
- 保護観察中に別の非行で捕まったら、前の処分はどうなる? 新しい審判で少年院送致が決まった場合、どちらの処分を取り消すかを決めるのは新しい処分をした家庭裁判所だ。前の家庭裁判所の意見を聞いてから判断する
- 新しい非行の審判まであと2週間。前の保護処分は大阪家裁、今回は名古屋家裁と管轄が分かれている。付添人に前の処分の経過を伝えていなければ、二つの家裁の意見照会は家族の知らないところで進む
取るべき行動
被害を受けた側:1. 加害少年が保護処分中に別の事件を起こした場合、自分の事件がどの手続(刑事裁判か少年審判か)で進んでいるかを警察・検察・家庭裁判所に確認する2. 少年審判では、記録の閲覧・謄写(少年法5条の2)や意見陳述(同9条の2)を申し出られる3. 加害者が保護観察中なら、保護観察所を通じて気持ちを伝える制度(更生保護法65条)がある4. 損害賠償は保護処分とは別に、民事で請求する
訴えられた側:1. 有罪判決の確定や新しい保護処分が見込まれる段階で、前の保護処分の内容と経過を付添人(弁護士)にすべて伝える2. どちらの処分を残すほうが更生に役立つかを、生活・就労・通学の資料で具体的に示す3. 前の処分をした家裁と今回の家裁が違う場合は、意見照会が行われることを前提に準備する4. 拘禁刑が確定した場合は刑の執行が先になる(少年法57条)。その後に保護処分がどう扱われるかまで見通しておく
時効(請求できる期限):本条に固有の期限はない。ただし取消しができるのは「保護処分の継続中」に限られ、処分が終われば本条は使えない。保護観察の期間は原則として20歳まで(20歳まで2年未満なら2年)。特定少年は6か月または2年(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行少年法の制定とともに、保護処分の継続中に有罪判決の確定または新たな保護処分があった場合の取消しを規定
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める