少年法 第32条の5(抗告審における国選付添人)
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- 前条第三項の決定があつた場合において、少年に弁護士である付添人がないときは、抗告裁判所は、弁護士である付添人を付さなければならない。
- 2.抗告裁判所は、第二十二条の三第二項に規定する事件(家庭裁判所において第十七条第一項第二号の措置がとられたものに限る。)について、少年に弁護士である付添人がなく、かつ、事案の内容、保護者の有無その他の事情を考慮し、抗告審の審理に弁護士である付添人が関与する必要があると認めるときは、弁護士である付添人を付することができる。
この条文の基本情報
抗告審における国選付添人とは何ですか?
定義抗告審における国選付添人とは、少年法第32条の5に定められた規定で、「前条第三項の決定があつた場合において、少年に弁護士である付添人がないときは、抗告裁判所は、弁護士である付添人を付さなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第32条の5(抗告審における国選付添人)は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第32条の5の条文原文は「前条第三項の決定があつた場合において、少年に弁護士である付添人がないときは、抗告裁判所は、弁護士である付添人を付さなければならない。」で始まります。
- 少年法第32条の5は第四節 抗告に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第32条の5の前の条は少年法第32条の4です。
- 少年法第32条の5の次の条は少年法第32条の6です。
- 少年法第32条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第32条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第32条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/32_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法32条の5は、検察官の抗告受理申立てが受理された場合、弁護士付添人のいない少年に抗告裁判所が必ず弁護士付添人を付けると定める。一定の重大事件では裁量による選任もある。
Q · 少年事件で高裁まで争うとき、弁護士費用が払えなくても国選の付添人は付くの?
検察官の抗告受理なら必ず付き、少年側の抗告は裁量で付く
少年法32条の5第1項により、検察官の抗告受理申立てが受理された事件で少年に弁護士付添人がいなければ、抗告裁判所は必ず弁護士付添人を付けます。第2項では、22条の3第2項の事件で家裁が観護措置(少年鑑別所送致)をとったものに限り、事案の内容や保護者の有無などを考慮して、抗告裁判所が必要と認めれば付けることができます。第2項は裁量のため、必要性を具体的に伝えることが重要です。
解説
家庭裁判所の審判で決着したと思っても、検察官がそれを覆しにくる道が残っている。少年事件で非行事実の認定に不服がある検察官は、高等裁判所に「抗告審として受理してほしい」と申し立てられる(少年法32条の4)。高裁がこれを受理した瞬間、少年法32条の5第1項が発動する。少年に弁護士の付添人(少年の側に立って審判に関わる人。刑事裁判の弁護人にあたる)がいなければ、高裁は必ず弁護士を付けなければならない。国家の側がプロを立てて攻めてくる以上、少年の側にも必ずプロを立てる、という対等性の仕組みである。第2項はさらに踏み込む。重大事件(22条の3第2項の事件)で、家裁段階で少年鑑別所に送られた(観護措置がとられた)ケースなら、少年自身や親が抗告した場合でも、高裁は事情を見て国選の弁護士付添人を付けることができる。親が弁護士費用を払えないからといって、抗告審を少年一人で戦わせる必要はない。知っているかどうかで、高裁への最初の連絡の中身が変わる。
法的な位置づけ
少年法32条の5は、抗告審における国選付添人の選任を定める規定である。第1項は、検察官の抗告受理申立てを受理する決定があった場合に、抗告裁判所が弁護士付添人を付すことを義務付ける必要的選任を定める。第2項は、一定の重大事件で観護措置がとられた事件について、抗告裁判所が必要と認めるときに弁護士付添人を付することができる裁量的選任を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.家裁の決定内容と抗告期限を確認 家庭裁判所の決定書を確認し、告知日から2週間の抗告期限(少年法32条)を把握する。検察官関与決定があった事件かどうかも確認しておく
- 2.必要的選任か裁量的選任かを見分ける 高裁から届いた書類に検察官の抗告受理申立てを受理する決定があれば第1項(必ず付く)。少年側の抗告で、22条の3第2項の事件かつ観護措置がとられていれば第2項(裁量)の対象となる
- 3.家裁段階の付添人に継続関与を相談 家裁段階で付添人がいた場合、決定直後に連絡し、抗告審での継続関与や国選選任への協力を相談する。事件を把握した弁護士が関われば抗告理由書の準備が速くなる
- 4.付添人が必要な事情を書面で高裁へ伝える 第2項の対象事件では、抗告申立てと同時に、保護者の不在・病気、経済事情、事実認定の争点の複雑さ、少年の表現力の限界など、弁護士付添人が必要な具体的事情を書面にまとめて高裁に提出する
よくある質問 AI による整理
Q1抗告審の国選付添人とは?
少年事件の抗告審(高等裁判所)で、裁判所が少年のために選任する弁護士の付添人です。少年法32条の5が根拠で、必要的選任と裁量的選任の2種類があります。
Q2少年事件の抗告 弁護士 必要?
法律上、少年本人や保護者だけでも抗告できます。ただし抗告審は法令違反や事実誤認の有無を審査する場なので、法律論を組み立てられる弁護士の関与が結果を大きく左右します。
Q3検察官の抗告受理申立て 受理されたらどうなる?
高裁が抗告審として事件を審理します。少年に弁護士付添人がいなければ、少年法32条の5第1項により、高裁は必ず弁護士付添人を付けなければなりません。
Q4少年事件 国選付添人 費用はかかる?
国選付添人の報酬は原則として国が負担します。家庭の経済事情で弁護士を頼めない場合でも、要件を満たせば費用の心配なく弁護士の関与を受けられます。
Q5抗告審で国選付添人を付けてもらう方法は?
第2項の対象事件なら、抗告申立てと同時に、保護者の不在や争点の複雑さなど付添人が必要な事情を書面で高裁に伝えます。選任するかは裁判所の判断です。
Q6少年法32条の5第2項の対象事件は?
22条の3第2項に規定する一定の重大事件のうち、家庭裁判所で観護措置(少年鑑別所送致)がとられた事件に限られます。対象外の事件では第2項の選任はありません。
Q7家裁の国選付添人は高裁でも続けてくれる?
家裁段階の選任は当然には抗告審に引き継がれません。抗告審で改めて選任される必要があるため、決定直後に家裁段階の弁護士へ継続関与を相談するのが実務的です。
Q8少年 抗告 いつまで?
少年側の抗告は決定の告知から2週間以内です(少年法32条)。検察官の抗告受理申立ても2週間以内(32条の4)。期間が短いため早めの準備が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1子どもが少年院送致になって抗告したいけど、弁護士費用が払えません。高裁でも国選ってあるんですか?
あります。少年法32条の5第2項により、22条の3第2項の重大事件で家裁が観護措置(鑑別所送致)をとった事件なら、高裁は国選付添人を付けることができます。ただし裁量なので、必ず付くわけではありません。実務のポイント:裁判所は「保護者の有無その他の事情」を見ます。親の就労状況や経済事情、少年が自分の言い分を書面にできない事情などを具体的に書いて出すことで、裁判所が判断しやすくなります
Q2家裁で不処分になったのに、検察が高裁に持ち込んだって本当にあるんですか?
あります。検察官関与決定(22条の2)がされた事件では、非行事実の認定に法令違反や重大な事実誤認があるとして、検察官が抗告受理を申し立てられます(32条の4)。受理されれば、少年に弁護士付添人がいない限り高裁は必ず付けます(32条の5第1項)。実務のポイント:申立てがあっても受理されるとは限りません。受理決定の有無が、必要的選任が作動するかどうかの分かれ目です
間違えやすい点 AI による整理
- 「国選付添人は家裁の審判で終わり。高裁まで争うなら私選弁護士しかない」と考える親は多い。実際は抗告審にも固有の国選付添人の規定がある。検察官の抗告受理が決まった場合は必要的選任(裁判所が必ず付ける)、一定の重大事件で少年側が抗告した場合は裁量的選任(裁判所の判断で付ける)である
- 第2項の選任を国の親切だと思って待っているだけなら、それは誤りである。条文は「事案の内容、保護者の有無その他の事情を考慮し」、裁判所が「必要がある」と認めたときに付けるとしている。受け身で待つ家族と、必要性を具体的に書いて申し出る家族とでは、裁判所に届く材料がまったく違う
- 親の目には「子どもの人生を守るための手続」に見える。一方、制度の上では抗告審は「家裁の決定に法令違反や事実誤認があるか」を点検する場である(33条)。新しい言い分を感情で訴えても届きにくく、法律論に翻訳できる弁護士がいるかどうかで結果が大きく変わる。この落差を知らずに少年一人で臨むのが最も危険である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続段階 | 少年法32条の5:抗告審(高等裁判所) | 少年法22条の3:家庭裁判所の審判段階 少年法32条の4:検察官の抗告受理申立て |
| 選任の性質 | 第1項は必要的選任、第2項は裁量的選任 | 検察官関与事件は必要的、一定の重大事件は裁量的 付添人の規定ではなく、第1項発動の前提となる申立て手続 |
| 発動のきっかけ | 抗告受理決定(第1項)、または観護措置がとられた重大事件の抗告審(第2項) | 検察官関与決定、または観護措置がとられた重大事件 検察官が家裁決定の非行事実認定に不服がある場合 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では一定の重罪事件や経済的困窮の場合に、少年法院が輔佐人を指定する仕組みがある。抗告審での扱いは個別に確認が必要
韓国も少年保護事件に国選補助人制度を設け、鑑別所委託時などに法院が選任する
ドイツ少年裁判所法は、一定の場合に弁護人の関与を必要的とする必要的弁護の制度を置く
米国連邦最高裁は、少年手続にも弁護人依頼権を含む適正手続の保障が及ぶと判断した
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 家裁で「非行事実なし」として保護処分に付さない決定が出た。息子は帰宅し、家族は胸をなで下ろした。ところが数週間後、高裁から、検察官の抗告受理申立てが受理されたとの連絡が届く。私選の弁護士は家裁段階で契約が終わっている。この場面で高裁は、弁護士付添人を必ず付けなければならない(32条の5第1項)
- 少年院送致の決定に納得できず、親が抗告した。ところが家裁段階の国選付添人の役目は審判で終わっており、私選弁護士を頼む貯金もない。抗告できる期間は決定から2週間しかない(32条)。重大事件で鑑別所に入っていたケースなら、高裁に国選付添人の選任を求める道がある
- 付添人を付けるかどうか、高裁に選ばれる側の少年が決められるのか? 第2項の選任は裁判所の裁量である。事案の内容や保護者の有無を見て判断されるため、「必要だ」と理由を書いて伝えるかどうかで結果が動きうる
取るべき行動
被害を受けた側:少年本人・保護者の立場の場合:1. 検察官の抗告受理申立てが「受理」されたかどうかを確認する。受理なら弁護士付添人は必ず付く(32条の5第1項) 2. 少年側から抗告する場合、決定から2週間以内に申立て(32条)。重大事件で鑑別所送致があった事件なら、国選付添人を求める事情を書面で伝える3. 家裁段階の付添人に、継続して関わってもらえるか早めに相談する
訴えられた側:被害者・遺族の立場で抗告審の行方を見守る場合:1. 少年側に弁護士が付くのは手続の対等性のためであり、被害軽視ではないと理解しておく2. 被害者等には、記録の閲覧・謄写や審判状況の説明を求める制度がある(少年法5条の2、22条の6)。窓口の家裁・高裁に確認する3. 被害者支援に詳しい弁護士や被害者支援センターに、抗告審での関わり方を相談する
時効(請求できる期限):少年側の抗告は決定の告知から2週間以内(少年法32条)。検察官の抗告受理申立ても2週間以内(同32条の4第1項)。本条による付添人選任そのものには独立の期限規定はないが、抗告審は短期間で進むため、選任の必要性は申立てと同時に伝えるのが実務的である(最新の改正状況をご確認ください)
- 少年法 第32条の4検察官の抗告受理申立て、第1項の発動要件
- 少年法 第22条の3家裁段階の国選付添人、第2項事件の定義元
- 少年法 第22条の2検察官関与決定、抗告受理申立ての前提
- 少年法 第32条少年側の抗告、申立期間2週間
- 少年法 第17条観護措置、第2項の選任要件
- 総合法律支援法 第38条国選付添人候補の指名手続(現行効力を要確認)
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