少年法 第60条(人の資格に関する法令の適用)
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- 少年のとき犯した罪により刑に処せられてその執行を受け終り、又は執行の免除を受けた者は、人の資格に関する法令の適用については、将来に向つて刑の言渡を受けなかつたものとみなす。
- 2.少年のとき犯した罪について刑に処せられた者で刑の執行猶予の言渡を受けた者は、その猶予期間中、刑の執行を受け終つたものとみなして、前項の規定を適用する。
- 3.前項の場合において、刑の執行猶予の言渡を取り消されたときは、人の資格に関する法令の適用については、その取り消されたとき、刑の言渡があつたものとみなす。
この条文の基本情報
人の資格に関する法令の適用とは何ですか?
定義人の資格に関する法令の適用とは、少年法第60条に定められた規定で、「少年のとき犯した罪により刑に処せられてその執行を受け終り、又は執行の免除を受けた者は、人の資格に関する法令の適用については、将来に向つて刑の言渡を受けなかつたも…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第60条(人の資格に関する法令の適用)は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第60条の条文原文は「少年のとき犯した罪により刑に処せられてその執行を受け終り、又は執行の免除を受けた者は、人の資格に関する法令の適用については、将来に向つて刑の言渡を受けなかつたも…」で始まります。
- 少年法第60条は第三節に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第60条の前の条は少年法第59条です。
- 少年法第60条の次の条は少年法第61条です。
- 少年法第60条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第60条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第60条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/60
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法60条は、少年のとき犯した罪で刑に処せられた者が刑の執行を終えたとき、資格に関する法令の適用上、刑の言渡しを受けなかったものとみなす規定。18・19歳の罪には適用されない。
Q · 未成年のときの罪で刑を受けたら、資格や就職の制限はずっと続くの?
犯行時17歳以下なら、刑の執行を終えた時点で資格制限は外れる
少年法60条1項により、少年のとき犯した罪で刑に処せられた者は、刑の執行を終えるか執行の免除を受けた時点から、資格に関する法令の上では刑の言渡しを受けなかったものとみなされます。執行猶予なら猶予期間中から同様の扱いです(2項)。ただし効果は資格法令の適用に限られ、前科の記録や損害賠償責任は残ります。また2022年4月以降、18歳・19歳のときの罪には本条は適用されません(少年法67条)。
解説
刑を終えた日に、資格の上では「刑を言い渡されなかった人」に戻る人たちがいる。少年のときの罪で刑を受けた者である。成人の場合、拘禁刑の執行を終えても、その後10年間罰金以上の刑を受けずに過ごさなければ、刑の言渡しは効力を失わない(刑法34条の2)。教員や弁護士のように「拘禁刑以上の刑に処せられた者」を一律に排除する資格では、その10年が丸ごと空白になる。欠格事由とは、法律が「この事情があれば資格を与えない」と定める理由のことだ。少年法60条は、少年にはこの待機期間を課さない。執行を終えた時点から、執行猶予なら猶予期間中から、資格に関する法令の上では刑の言渡しを受けなかったものとみなされる。ただし効く範囲は「資格」に限られる。前科の記録そのものは消えず、被害者への賠償責任も残る。さらに2022年4月以降、18歳・19歳(特定少年)のときの罪には本条が適用されない(少年法67条)。あなたや家族がどちら側にいるのかは、まず事件当時の年齢で決まる。
法的な位置づけ
少年法60条は、少年のとき犯した罪により刑に処せられた者について、刑の執行終了または執行免除の時点から、人の資格に関する法令の適用上、将来に向かって刑の言渡しを受けなかったものとみなす特例である。執行猶予の言渡しを受けた者は猶予期間中も同様に扱われ、猶予が取り消されたときは、その時点で刑の言渡しがあったものとみなされる。
よくある質問 AI による整理
Q1少年法60条とは何ですか?
少年のとき犯した罪で受けた刑について、執行を終えた時点から資格に関する法令の上では刑の言渡しがなかったものとみなす特例です。
Q2少年の前科は消える?
記録そのものは消えません。60条は資格法令の適用に限った擬制であり、検察庁の前科記録は残り、再犯時の量刑でも考慮されえます。
Q3特定少年 資格制限 どうなる?
18歳・19歳のときの罪には少年法67条により60条が適用されません。成人と同じく刑法34条の2の刑の消滅を待つことになります。
Q4少年のときの罰金刑でも資格に影響する?
罰金も刑なので「罰金以上の刑」を欠格とする資格に触れえますが、罰金を納め終えれば60条1項により資格上は言渡しがなかった扱いになります。
Q5執行猶予が取り消されたら資格はどうなる?
60条3項により、取り消された時点で刑の言渡しがあったものとみなされ、資格制限が再び及びます。
Q6少年のときの実刑でも弁護士になれる?
犯行時17歳以下なら、刑の執行を終えた時点で60条1項により資格法令上は言渡しがなかったものとされ、欠格事由の適用が外れます。
Q7少年法60条の「少年のとき」は何歳基準?
犯行時の年齢が基準です。判決時や刑の執行時に成人していても、犯行時に少年であれば本条の対象になりえます。
Q8少年法60条は民事責任にも効く?
効きません。本条は資格法令の適用に限った規定であり、被害者への損害賠償責任(民法709条)は影響を受けません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1少年院に入ってたこと、履歴書の賞罰欄に書かなきゃダメですか?
少年院送致は保護処分であり刑罰ではないため、法律上の前科には当たらない。60条が問題になるのは、検察官に送致されて刑を言い渡された場合だけである。ただし、民間企業の採用で何を申告すべきかを60条が直接決めているわけではなく、実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:賞罰欄の「罰」は確定した刑事罰を指すと理解されるのが一般的だ。ただし、面接で経歴を具体的に質問されたときの答え方次第で、経歴詐称と評価されるリスクは変わる
Q2執行猶予中でも公務員になれるって本当ですか?
少年のときに犯した罪であれば、猶予期間中も刑の執行を受け終わったものとみなされる(60条2項)。そのため、国家公務員法38条や地方公務員法16条の欠格には当たらない扱いになる。ただし、事件当時18・19歳だった場合は特例が使えない(67条)。実務のポイント:採用側の人事担当者でもこの条文を知らないことは珍しくない。書類の段階で門前払いされたと感じたら、根拠条文を示して照会する価値がある
Q3事件を起こしたのは17歳で、判決が出たのは20歳を過ぎてから。それでも特例は使えますか?
使える。60条は「少年のとき犯した罪」と定めており、基準は犯行時の年齢である。判決時や刑の執行時の年齢ではない。同じように、67条が特例を外すのも「特定少年のとき犯した罪」に限られる。実務のポイント:事件が深夜にまたがり、18歳の誕生日の前後で行為が分かれる場合、どの行為をいつの犯行と認定するかが資格の将来を分ける。起訴状の日時の記載は必ず確認すべき一行である
間違えやすい点 AI による整理
- 「少年時代の前科は消えるのか」という問いの立て方がそもそもずれている。60条は記録を消す条文ではない。資格に関する法令を当てはめる場面に限って「刑の言渡しを受けなかったものとみなす」という擬制(事実とは別に、法律上そう扱うという取り決め)である。検察庁の前科記録は残り、後に罪を犯した場合の量刑や執行猶予の判断では、少年時の刑も考慮されうる
- 少年院送致を前科だと思っている人は多いが、実際は違う。少年院送致は保護処分であり、刑罰ではない。60条が問題になるのは、家庭裁判所から検察官に送致され、刑事裁判で刑を言い渡された一部の事件だけである
- 18歳・19歳も少年法上の「少年」だと知っている人は多い。だが、2022年4月施行の改正によって特定少年には60条が適用されなくなったこと(少年法67条)の重さまでは知られていない。少年であることに変わりはないのに、資格の場面では成人と同じく刑の消滅(刑法34条の2)を待つルールに戻る。17歳と18歳の差が、職業人生の10年を左右しうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 少年法60条:犯行時18歳未満の罪で刑に処せられた者 | 少年法67条:犯行時18歳・19歳(特定少年)の罪で刑に処せられた者 刑法34条の2:刑に処せられた者一般(成人を含む) |
| 資格制限が外れる時期 | 刑の執行終了・執行免除の時点(執行猶予なら猶予期間中から) | 60条の特例なし。成人と同じ扱い 拘禁刑以上は執行終了後10年、罰金以下は5年、罰金以上の刑を受けずに経過 |
| 効果の範囲 | 人の資格に関する法令の適用に限った擬制 | 資格上の特例を排除 刑の言渡しの効力そのものが失われる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では少年時の刑や保護処分の執行終了後、一定の要件のもとで前科記録を塗銷する仕組みがあり、記録自体を残す日本より踏み込んだ設計とされる。
韓国少年法も、少年のとき犯した罪の刑について資格法令の適用上刑の言渡しがなかったものとみなす規定を持ち、日本の本条と構造が近い。
ドイツは少年裁判所の決定により前科の汚点を除去する制度を設け、裁判所の判断を介する点で日本の自動的な擬制と異なる。
米国は州ごとに少年記録の封印・抹消を定め、申立てを要する州と自動的に封印する州がある。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 17歳のときの傷害事件で検察官送致(家庭裁判所から刑事裁判に回されること)となり、執行猶予付きの判決を受けた。猶予期間中の今、公務員試験を受けられるのか? 60条2項により、猶予期間中でも資格法令の上では執行を受け終わったものとして扱われる。成人なら猶予期間中は欠格となる場面でも、道は閉じていない
- 判決の言渡しまで、あと二週間。息子は事件当時19歳で、弁護人からは「特定少年なので60条の特例は使えない」と説明された。看護師を目指していたなら、保健師助産師看護師法の相対的欠格(罰金以上の刑を理由に免許を与えないことがある)が成人と同じ条件で立ちはだかる。罰金か拘禁刑か、執行猶予が付くかどうか。量刑の一つ一つが、将来の免許審査にそのまま響く
- 少年院を出た友人が「前科がついた」と落ち込んでいる。保護処分は刑罰ではない。そもそも前科ではない
- あなたは自治体の人事担当者だ。採用予定者の経歴確認で、16歳のときの事件により実刑を受け、すでに刑期を終えていることが分かった。地方公務員法16条の欠格を理由に内定を取り消せば、60条1項を見落とした違法な判断になりうる。取り消す前に、事件当時の年齢と刑の執行状況を確認する必要がある
- 娘を傷つけた加害少年が、数年後に国家資格を取って就職したと知った。60条は加害者の資格を回復させるが、あなたの損害賠償請求権まで消すわけではない。民事の請求は刑事とは別の軌道で生き続ける
取るべき行動
被害を受けた側:1. 加害者の資格回復と、あなたの請求権は別物だと理解する。民事の損害賠償(民法709条)は60条の影響を受けない2. 少年事件では、家庭裁判所に記録の閲覧・謄写(少年法5条の2)や意見の陳述(同9条の2)を申し出られる3. 判決などの債務名義(強制執行の根拠となる文書)を取っておけば、加害者が就職した後に給与を差し押さえる道が残る
訴えられた側:1. 事件当時の年齢を確認する。18歳未満なら60条の特例、18・19歳なら67条により特例なし2. 刑の執行終了日や執行猶予判決の確定日を示す書類を保管する3. 資格申請で欠格を指摘されたら、60条1項・2項を示して再審査を求める。拒否処分(役所が申請を認めないという決定)には審査請求や取消訴訟で争う余地がある4. 猶予期間中に再び罪を犯せば、3項により資格制限が一気に戻る
時効(請求できる期限):特定の時効はない。1項の効果は刑の執行終了時または執行免除時から、2項の効果は執行猶予の猶予期間中を通じて生じる。執行猶予が取り消されれば、その時点で刑の言渡しがあったものとみなされる(3項)。比較として、成人の刑の消滅は、拘禁刑以上なら執行終了後10年、罰金なら5年、罰金以上の刑を受けずに経過することが要件である(刑法34条の2)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条は資格法令の適用に限った擬制であり、刑の言渡しの事実や前科記録を消滅させるものではない。再犯時の量刑判断などで少年時の刑が考慮されることは妨げられないと解されている。
改正沿革 AI による整理
- 令和3年(2021年)改正、令和4年(2022年)4月1日施行 本条の文言ではなく、新設された67条により、特定少年(18歳・19歳)のときに犯した罪で刑に処せられた者には本条を適用しないこととされた。本条自体の改正の有無は要検証
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行少年法(昭和23年法律第168号)の制定により、少年のとき犯した罪に係る刑について資格法令上の特例を定める本条が設けられた。
- 2.令和3年(2021年) 改正:少年法改正(2022年4月1日施行)で67条が新設され、特定少年(18歳・19歳)のとき犯した罪で刑に処せられた者には本条を適用しないこととされた。本条の文言自体の改正の有無は要検証。
- 少年法 第67条特定少年の罪には本条を適用しない特例
- 少年法 第20条検察官送致、刑事処分となる入口
- 少年法 第1条健全育成の目的、本条の立法趣旨
- 少年法 第61条推知報道の禁止、社会復帰保護の併用
- 刑法 第34条の2成人の刑の消滅、本条はその特則
- 刑法 第27条猶予期間経過の効果、2項と対比
- 国家公務員法 第38条欠格条項、本条の適用対象の典型
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