少年法 第67条
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- 第四十一条及び第四十三条第三項の規定は、特定少年の被疑事件(同項の規定については、第二十条第一項又は第六十二条第一項の決定があつたものに限る。)については、適用しない。
- 2.第四十八条第一項並びに第四十九条第一項及び第三項の規定は、特定少年の被疑事件(第二十条第一項又は第六十二条第一項の決定があつたものに限る。)の被疑者及び特定少年である被告人については、適用しない。
- 3.第四十九条第二項の規定は、特定少年に対する被告事件については、適用しない。
- 4.第五十二条、第五十四条並びに第五十六条第一項及び第二項の規定は、特定少年については、適用しない。
- 5.第五十八条及び第五十九条の規定は、特定少年のとき刑の言渡しを受けた者については、適用しない。
- 6.第六十条の規定は、特定少年のとき犯した罪により刑に処せられた者については、適用しない。
- 7.特定少年である少年の刑事事件に関する次の表の上欄に掲げるこの法律の規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第67条は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第67条の条文原文は「第四十一条及び第四十三条第三項の規定は、特定少年の被疑事件(同項の規定については、第二十条第一項又は第六十二条第一項の決定があつたものに限る。」で始まります。
- 少年法第67条は第二節に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第67条の前の条は少年法第66条です。
- 少年法第67条の次の条は少年法第68条です。
- 少年法第67条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第67条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第67条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/67
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法67条は、18・19歳の特定少年について、逆送後の勾留制限や成人との分離、不定期刑、労役場留置の禁止などの少年特則を適用しないと定める。
Q · 19歳で逆送されたら、刑事手続は大人とどこまで同じになるの?
勾留・分離・刑の種類・仮釈放・資格まで、ほぼ成人と同じになる
少年法67条により、特定少年(18・19歳)は逆送決定の後、やむを得ない場合に限る勾留制限(43条3項・48条1項)や成人との分離(49条)が適用されません。判決でも不定期刑(52条)は使われず、罰金を払えなければ労役場留置(54条の禁止が外れる)となり、仮釈放の特則(58条・59条)や資格の特則(60条)もありません。ただし事件は全件家庭裁判所に送られ、逆送前の段階では少年としての保護が残ります。
解説
18歳と19歳は今も「少年」である。2022年4月の改正後も、少年法の対象から外れたわけではない。ところが第67条を読むと、その「少年」という看板の裏で、守りの壁が一枚ずつ外されていることが分かる。家庭裁判所が「刑事処分が相当」として事件を検察官に送り返す決定(逆送)をすると、その瞬間から二つの歯止めが消える。一つは、やむを得ない場合でなければ勾留できないという制限、もう一つは成人の被疑者と分けて扱う義務である。判決の段階でも、立ち直りを見込んで幅を持たせる刑(不定期刑)は使えない。罰金を払えなければ労役場に送られ、仮釈放を早める特則もない。刑を終えた後も、資格の制限は成人と同じように残る。刑事裁判の場に上がった特定少年は、手続でも刑でも前科の重さでも、ほぼ成人として扱われるのである。家族が逮捕されたとき最初に確かめるべきことは、事件がまだ家庭裁判所の段階にあるのか、それとも逆送された後なのか、この一点である。
法的な位置づけ
少年法67条は、特定少年(18歳以上20歳未満の少年)に関する刑事事件の特例を定める規定である。家庭裁判所が20条1項または62条1項により検察官送致を決定した後の被疑者・被告人について、勾留制限、成人との分離、不定期刑、換刑処分の禁止、仮釈放の特則、資格に関する特則などの少年特則の適用を排除する。
よくある質問 AI による整理
Q1特定少年とは何歳のことですか?
18歳以上20歳未満の少年を指します。2022年4月施行の改正で少年法第5章に位置付けられ、少年法の対象に残りつつ、一部で成人に近い扱いを受けます。
Q2逆送とはどういう意味ですか?
家庭裁判所が保護処分ではなく刑事処分が相当と判断し、事件を検察官に送り返す決定です(少年法20条1項・62条1項)。逆送後は原則として起訴されます。
Q3特定少年が原則逆送になるのはどんな事件ですか?
16歳以上で故意の犯罪により被害者を死亡させた事件に加え、死刑・無期または短期1年以上の刑にあたる事件が対象です(62条2項)。
Q4特定少年に不定期刑は使われますか?
使われません。少年法67条4項により52条の不定期刑の規定が外れ、成人と同じく「懲役○年」のような定期の刑が言い渡されます。
Q5特定少年は少年刑務所に入りますか?
67条4項により、少年受刑者を成人と分けて執行する56条1項・2項が適用されません。成人と同じ規律で刑が執行されることになります。
Q6特定少年の仮釈放はいつから可能ですか?
少年の仮釈放の特則(58条)が67条5項で外れるため、成人と同じく刑法28条の基準(有期刑は刑期の3分の1経過など)が適用されます。
Q7少年法67条はいつから施行されていますか?
令和3年(2021年)改正で新設され、民法の成年年齢引下げと同じ令和4年(2022年)4月1日に施行されました。
Q8特定少年でも家庭裁判所に送られますか?
送られます。特定少年の事件も全件送致主義が維持されており、家庭裁判所が保護処分か逆送かを判断します。67条が働くのは主に逆送後です。
この条文についての質問 AI による整理
Q119歳の弟が逮捕されました。大人と同じように20日間も勾留されるんですか?
逮捕された直後は逆送前の被疑事件なので、勾留は「やむを得ない場合」に限られます(43条3項、48条1項)。しかし逆送された後は、67条によってこの制限が外れ、成人と同じように勾留されえます。実務のポイント:家庭裁判所に送られると、観護措置(17条)で少年鑑別所に移ることが多くあります。そこでの過ごし方と鑑別結果が、逆送するかどうかの判断に響きます
Q218歳で罰金刑になったら、前科って一生ついて回るんですか?
67条6項により資格に関する特則(60条)が外れるため、成人と同じ扱いになります。罰金なら納付から5年、拘禁刑なら執行を終えてから10年、罪を犯さずに過ごせば刑の言渡しは効力を失います(刑法34条の2)。実務のポイント:それでも検察庁の前科記録は消えず、再び事件を起こしたときの量刑で参照されえます。消えるのは資格制限などの法的な効力です
Q3起訴されたら、名前がニュースに出ちゃうんですか?
特定少年が起訴されて公開の裁判になれば、本人を特定できる報道の禁止(61条)が解除されます(68条)。略式手続の場合は解除されません。実務のポイント:実名を出すかどうかは、検察や報道機関がそれぞれ事件ごとに判断しており、法律上は解除されていても名前が出ない事件も多くあります。略式手続で終わるかどうかが、実名報道の分かれ目になりうるのです
間違えやすい点 AI による整理
- 「18歳で成人になったのだから、少年法はもう関係ない」という問いの立て方そのものが誤っている。特定少年の事件も、すべて家庭裁判所に送られる(42条)。保護処分で終わる可能性も残っている。67条が外すのは、主に逆送後の刑事手続と刑の執行に関わる保護であり、少年法の保護がすべてなくなるわけではない
- 逆送されれば成人と同じ扱いになる、ということは知っていても、前科の重さまでは意識されていないことが多い。資格に関する特則(60条)が67条6項で外れるため、刑の執行を終えても資格制限は成人と同じように残る。刑の効力が消える(刑法34条の2)まで待たなければならない
- 家族から見れば「まだ未成年のような扱いのはず」でも、法律は逆送の前と後をまったく別の段階として扱う。逆送前の被疑者段階では、勾留を「やむを得ない場合」に限る制限(43条3項、48条1項)がまだ効いている。この段階の違いを取り違えて弁護方針を誤ると、取り返しがつかない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する段階 | 少年法67条:逆送後の刑事手続・刑の執行・前科の効果 | 少年法62条:家庭裁判所が逆送するかどうかの判断 少年法64条:逆送しない場合の保護処分の内容 |
| 主な効果 | 勾留制限・分離・不定期刑・換刑禁止・仮釈放特則・資格特則を排除 | 刑事処分相当なら逆送、重大事件は原則逆送 6月・2年の保護観察または少年院送致を犯情の軽重に応じて選択 |
| 家族・弁護側の関わり方 | 成人と同じ土俵での弁護(準抗告・保釈・量刑) | 付添人による保護処分相当の主張が最大の分岐点 処分の種類・期間を争う(抗告) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は12歳以上18歳未満が少年で、18歳以上は成人として刑事手続に入る。日本の特定少年のような18・19歳の中間類型はない
韓国は少年法の適用対象を19歳未満とする。19歳は成人扱いで、中間類型はない
ドイツは18〜21歳の Heranwachsende に、成熟度に応じて少年刑法を適用できる。年齢層を中間的に扱う点で日本の特定少年と発想が近い
米国では少年事件を成人裁判所に移送する waiver 制度があり、移送には適正手続が要求される。移送後は成人と同じ手続になる点で逆送に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 19歳の息子が、特殊詐欺の受け子として友人と一緒に逮捕された。家庭裁判所が逆送を決め、起訴された。息子は20代の主犯格と同じ法廷で裁かれる。少年の被告事件は手続を分けるという配慮(49条2項)が、特定少年には適用されないからだ
- 18歳のときにバイク事故を起こし、過失運転致傷で罰金刑を受けた。払えなかったらどうなる? 少年なら労役場留置は禁止されている(54条)。しかし特定少年にはこの禁止が外れているため、罰金を日額で換算し、労役場で働いて払うことになる
- 19歳のあなたは逆送された後に勾留が決まった。検察官が起訴するかどうかを決めるまで、残りは最長20日である。この間に作られた供述調書は、成人と同じ刑事裁判の証拠になる
- 看護学生の19歳に、執行猶予付きの拘禁刑判決が出た。18歳未満のときの事件なら、資格の上では「刑の言渡しを受けなかった」とみなされる余地があった。特定少年ではその特則がなく、免許の欠格事由(保健師助産師看護師法9条)が現実の壁になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 家庭裁判所の段階では、事件記録の閲覧・謄写(少年法5条の2)や意見陳述(9条の2)を申し出る2. 逆送されて起訴された場合、対象事件であれば被害者参加制度(刑事訴訟法316条の33)を使い、成人事件と同じように公判に関わる3. 損害賠償は刑事手続とは別に民法709条で請求する。特定少年本人に加え、親の監督に落ち度があれば親自身の不法行為責任も検討する
訴えられた側:1. 逮捕されたらすぐに当番弁護士を呼ぶ。家庭裁判所に送られた後は、同じ弁護士を付添人に選ぶ2. 逆送前が最大の分岐点である。被害弁償、就学先や就職先の確保、家族が監督する体制を資料にまとめ、保護処分が相当だと主張する3. 逆送後は勾留の制限がなくなるため、準抗告や、起訴後の保釈請求を早めに検討する4. 罰金が見込まれるなら納付するお金を準備し、労役場留置を避ける
時効(請求できる期限):本条そのものに固有の期限はない。逆送後の被疑者は成人と同じく、逮捕から最大72時間、勾留10日と延長10日の間に起訴するかどうかが判断される(刑事訴訟法205条、208条)。逆送事件で犯罪の嫌疑が十分なら、検察官には原則として起訴が義務付けられる(少年法45条5号)。判決に対する控訴期間は14日である(刑事訴訟法373条)
学説
立法趣旨(二段構え論):特定少年は民法上の成年として責任ある主体である一方、成長途上で可塑性もある。そこで保護処分か刑事処分かの入口判断は家庭裁判所に残し、刑事処分を選んだ後は成人と同じ規律を及ぼすという整理がとられた
改正沿革 AI による整理
- 令和3年(2021年)改正、令和4年(2022年)4月1日施行 民法の成年年齢引下げに合わせ、第5章「特定少年の特例」の新設とともに本条を新設した。18歳・19歳が逆送されて刑事手続に入った後は、少年に対する手続上・刑罰上の特則の多くを適用しないこととした
- 令和4年(2022年)刑法等改正(令和7年(2025年)6月1日施行) 拘禁刑の創設に伴い、関係条文や本条7項の読替え表の文言が整理された可能性がある(人的検証が必要)
改正の年表
- 1.令和3年(2021年) 新設:少年法等の一部を改正する法律により、第5章「特定少年の特例」とともに本条を新設。令和4年(2022年)4月1日施行
- 少年法 第62条特定少年の逆送(原則逆送を含む)
- 少年法 第64条特定少年の保護処分の特例
- 少年法 第68条起訴後の推知報道禁止の解除
- 少年法 第60条資格制限の特則、本条6項で排除
- 少年法 第54条労役場留置の禁止、本条4項で排除
- 刑事訴訟法 第208条勾留期間の一般原則が適用される
- 刑法 第18条罰金不納付時の労役場留置が適用される
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