労働組合法 第10条(解散)
クイックジャンプ
- 労働組合は、左の事由によつて解散する。
- 一規約で定めた解散事由の発生
- 二組合員又は構成団体の四分の三以上の多数による総会の決議
この条文の基本情報
解散とは何ですか?
定義解散とは、労働組合法第10条に定められた規定で、「労働組合は、左の事由によつて解散する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働組合法第10条(解散)は、日本の労働組合法に含まれる条文です。
- 労働組合法第10条の条文原文は「労働組合は、左の事由によつて解散する。」で始まります。
- 労働組合法第10条は第二章 労働組合に置かれています。
- 労働組合法の公布日は昭和24年6月1日です。
- 労働組合法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 労働組合法第10条の前の条は労働組合法第9条です。
- 労働組合法第10条の次の条は労働組合法第11条です。
- 労働組合法第10条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第10条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000174 - 本サイト収録
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第10条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000174/10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働組合法10条は、労働組合の解散事由を、規約所定事由の発生と、組合員4分の3以上の総会決議の二つに限定する。執行部の一存では解散できない。
Q · 労働組合って、執行部が決めれば解散できるの?
いいえ。規約所定の事由か、組合員4分の3の総会決議が必要です
労働組合法10条によれば、労働組合が解散するのは二つの場合に限られます。①規約で定めた解散事由が現実に発生したとき(1号)、②組合員または構成団体の4分の3以上の多数による総会の決議があったとき(2号)です。執行部の独断や単純過半数では解散できません。この『4分の3』は出席者ではなく全組合員を基準とする加重要件と解されており、少数組合員が組合を守る最後の砦になります。
解説
勤め先の労働組合。その存続を握っているのは、実は経営者でも委員長でもない。労働組合法10条は、組合が解散する事由をたった二つに限定している。一つは、組合の規約にあらかじめ書かれた解散事由が現実に発生したとき。もう一つは、組合員(または構成団体)の4分の3以上が総会で解散に賛成したとき。鍵を握るのは「4分の3」という数字だ。過半数では足りず、執行部の一存でも潰せない。つまり組合員のあなたが4分の1を超える仲間を確保していれば、組合は誰にも消せない。逆に、活動の止まった休眠組合を正式にたたみたいなら、この二つの入口のどちらかを通らない限り、登記上は永遠に「存在する組合」として残り続ける。解散は宣言ではなく、要件を満たして初めて起きる法的事実なのだ。
法的な位置づけ
労働組合法10条は、労働組合の解散事由を定める規定である。労働組合は、規約で定めた解散事由が発生した場合、または組合員もしくは構成団体の4分の3以上の多数による総会の決議があった場合に限り解散する。執行部の独断や単純多数決による解散を認めず、解散を加重要件の下に置く。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.解散の根拠を二択で特定する 解散の主張が出たら、根拠が『規約所定の解散事由(10条1号)』か『総会決議(10条2号)』のどちらかを確認する。規約を入手し、解散事由条項の有無と内容をチェックする
- 2.総会決議ルートなら全組合員の頭数を確定する 決議ルートの場合、『4分の3』は出席者ではなく全組合員を基準とする加重要件と解されている。組合員名簿の総数を確定し、必要賛成数(総数 × 3/4以上)を算出する
- 3.総会を招集し決議の成立を立証可能にする 総会を適法に招集し、賛成数が全組合員の4分の3以上に達したことを議事録・委任状で記録する。出席率の低い総会で薄い賛成多数を集めても要件未達なら決議は無効になる
- 4.法人組合は清算と解散登記まで完了する 解散が成立したら、法人である組合は清算人を選任し、債権債務の整理と残余財産の帰属処理を行う。組合等登記令に基づき遅滞なく解散の登記をする
よくある質問 AI による整理
Q1労働組合法10条の解散事由は何ですか?
二つです。①規約で定めた解散事由の発生、②組合員または構成団体の4分の3以上の多数による総会決議。この二つ以外の方法では解散しません。
Q2労働組合の解散決議は過半数でできますか?
できません。労組法10条2号は『4分の3以上』を要件とします。過半数や3分の2では足りず、執行部や多数派の一存で組合をたためない仕組みです。
Q3休眠状態の労働組合はどうやってたためますか?
活動が止まっていても自動消滅はしません。規約所定事由がなければ総会で4分の3以上の解散決議を取り、法人組合なら清算手続と解散登記まで行う必要があります。
Q4労働組合を解散すると財産はどうなりますか?
残余財産の帰属は規約の定めに従います。定めがなければ総会で決定し、法人である組合は清算人を選任して債権債務を整理します。
Q5労働組合の解散登記は必要ですか?
法人である労働組合が解散したときは、組合等登記令に基づき遅滞なく解散の登記をする必要があります。登記を怠ると登記上は存続したままになります。
Q6会社が組合を勝手に解散させることはできますか?
できません。解散は組合内部の規約事由か4分の3決議でしか起きず、使用者側に解散権はありません。要件を欠く『解散済み』の主張は無効です。
Q7個人加盟ユニオンにも労組法10条は適用されますか?
適用されます。労働組合法上の組合であれば、フリーランスや一人加盟のユニオンも解散には同条の要件を満たす必要があります。
Q8労働組合の解散はいつ効力が生じますか?
規約所定事由による解散はその事由の発生時、総会決議による解散は要件を満たした決議の成立時に効力が生じます。宣言だけでは効力は発生しません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1組合員が3人しか来なかった総会で「解散」が決まったんですが、これ有効ですか?
おそらく無効です。労働組合法10条2号の要件は「組合員の4分の3以上の多数による総会の決議」で、これは出席者ではなく全組合員の4分の3を指すと解されています。組合員が100人なら75人以上の賛成が必要で、3人の総会では到底届きません。実務のポイント:会社側が御用化や解散を狙うとき、出席率の低い総会でこっそり決議を通そうとすることがあります。組合員名簿の総数と賛成数を突き合わせれば、その決議が無効かどうかは数字で一発で分かる。まず議事録の入手に動く。
Q2規約に解散のことが何も書いてないんですが、組合は永遠に解散できないんですか?
いいえ、解散できます。規約に解散事由がなくても、10条2号の総会決議ルート(全組合員の4分の3以上の賛成)があれば解散できます。規約所定事由は二つある入口の一つにすぎません。実務のポイント:逆に、活動実体のない休眠組合を放置すると、登記上は組合が存在し続け、不当労働行為の救済申立て資格などの扱いが宙に浮く面倒が残る。たたむなら総会決議で正式に解散し、清算・登記まで終わらせるのが実務の作法です。
Q3上部団体の労組が解散したら、うちの単位組合も自動的に消えるんですか?
消えません。上部団体(連合体)と傘下の単位組合は、それぞれ別個の労働組合として独立した人格を持ちます。上部団体が10条で解散しても、それは構成団体である単位組合の解散事由には当然にはなりません。実務のポイント:ただし自分たちの組合の規約に「上部団体の解散をもって本組合も解散する」と書いてあれば話は別。10条1号の『規約で定めた解散事由』に該当し、自動解散の引き金になる。規約の解散条項は、こうした連鎖を仕込める場所だと知っておく。
間違えやすい点 AI による整理
- 「組合の執行部が決めれば組合は解散できる」と思われがちだが、執行部にその権限はない。解散は規約所定事由の発生か、組合員4分の3の総会決議でしか起きない。委員長が一人で組合をたためるわけではない。
- 「解散には総会決議が要る」ことは知られているが、その決議要件が『出席者の』4分の3ではなく『全組合員の』4分の3だという深刻さは見落とされやすい。出席率の低い総会で薄い賛成多数をかき集めても、全組合員の4分の3に届かなければ解散決議は無効になる。
- 「組合を解散すれば、団体交渉で勝ち取った労働条件も白紙に戻る」と心配する人がいるが、問いの立て方が逆だ。守るべきは組合の生死そのものではなく、労働協約で定めた条件が各労働者の労働契約にどう根付いているか。協約失効後の効力(いわゆる余後効)をめぐっては実務上、解釈が分かれているが、すでに個別契約の内容になった部分は当然には消えない。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定する事項 | 労組法10条:組合の解散事由(規約事由 + 4分の3決議) | 労組法5条:規約の必要記載事項(解散事由の規約根拠) 労組法11条:法人である労働組合の法人格・設立登記 |
| 場面 | 組合を消滅させる入口(いつ解散するか) | 組合を設計する段階(何を規約に書くか) 組合が権利義務の主体になる段階(法人格の取得) |
| 鍵となる要件 | 全組合員の4分の3以上の総会決議または規約所定事由 | 解散事由を含む規約の作成・届出 資格証明と法人登記 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も会員大会の議決等による自主解散を定める。組合自治に解散を委ねる点で日本と共通する。
韓国も規約所定事由・総会の解散決議を解散事由とする。決議要件は『재적조합원 과반수 출석・출석조합원 3분의 2 이상』で日本の4分の3と数値が異なる。
ドイツの労組は権利能力なき社団として社団法を準用。社団の解散決議には出席会員の4分の3を要し、日本の加重要件と発想が一致する。
米国は組合の解散要件を統一的に法定せず、各組合の規約(constitution / bylaws)に委ねる。連邦法は内部運営の透明性・民主性を規律するにとどまる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 会社が御用組合化した組合をこっそり潰そうとしている。執行部だけで「解散届」を出せるのか? 出せない。組合員の4分の3の総会決議か、規約所定の事由がなければ、その解散は無効だ。あなたが4分の1超を固めれば、組合は生き残る。
- あなたは組合の委員長。組合員が激減し活動は実質停止。正式に解散したい。だが規約に解散事由を書いていなければ、頼れるのは総会決議だけ。全組合員の4分の3を集められるか、そこが勝負になる。
- 親会社による吸収合併まであと2か月。合併で組合員が別組合へ移り、組織の実体が消える。規約に「構成員の消滅」を解散事由と書いてあれば自動的に解散へ向かい、書いていなければ宙に浮く。今のうちに規約を確認しないと、清算手続を始められない。
- あなたは産業別労組の傘下にある単位組合の役員。上部団体が4分の3決議で解散したら、構成団体としてのあなたの組合はどうなる? 上部の解散は、傘下組合の自動解散を意味しない。両者は別人格だ。
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず組合の規約を入手し、解散事由の条項と総会の定足数・決議要件を確認する2. 会社や執行部が「解散済み」と主張するなら、その根拠(規約所定事由か、総会決議か)を文書で求める3. 総会決議による解散なら、賛成が『全組合員の4分の3』に達していたかを議事録で検証する。出席者の4分の3では足りない4. 要件を満たさない解散は無効。労働委員会への相談や、組合員4分の1超による反対意思の結集で対抗する
訴えられた側:1. 解散の根拠を二択で固める。規約に解散事由があるならその発生を立証、なければ総会決議ルートへ2. 総会を招集し、全組合員の4分の3以上の賛成を確保する。委任状の有効性と頭数を事前に精査3. 決議が成立したら、法人である組合は清算手続へ(清算人の選任、債権債務の整理、組合等登記令に基づく解散登記) 4. 残余財産の帰属は規約の定めに従い、定めがなければ総会で決定、各段階で議事録を残す
時効(請求できる期限):解散そのものに特定の期限はないが、法人である労働組合が解散したときは遅滞なく清算手続に入り、組合等登記令に基づき解散の登記をしなければならない。総会決議による解散は要件を満たした決議の成立時に、規約所定事由による解散はその事由の発生時に効力が生じる(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説:10条2号の『4分の3以上』は全組合員(構成団体)を分母とすると解する。解散は全組合員の交渉基盤を一挙に失わせる重大な効果を持つため、過半数ではなく加重要件を課し、執行部や多数派による安易な解散から少数派の団結権を保護する趣旨と理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和20年(1945年) 新設:旧労働組合法を制定。戦後の労働三権保障の中核として、労働組合の組織・運営・解散の基本枠組みを定める。
- 2.昭和24年(1949年) 改正:労働組合法を全部改正(現行法)。米国 Wagner 法の影響を受けつつ、解散事由を規約所定事由と4分の3決議の二つに整理する現行10条の構造が確立。
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