労働組合法 第27条の16(再審査と訴訟との関係)
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中央労働委員会は、第二十七条の十九第一項の訴えに基づく確定判決によつて都道府県労働委員会の救済命令等の全部又は一部が支持されたときは、当該救済命令等について、再審査することができない。
この条文の基本情報
再審査と訴訟との関係とは何ですか?
定義再審査と訴訟との関係とは、労働組合法第27条の16に定められた規定で、「中央労働委員会は、第二十七条の十九第一項の訴えに基づく確定判決によつて都道府県労働委員会の救済命令等の全部又は一部が支持されたときは、当該救済命令等について、再…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働組合法第27条の16(再審査と訴訟との関係)は、日本の労働組合法に含まれる条文です。
- 労働組合法第27条の16の条文原文は「中央労働委員会は、第二十七条の十九第一項の訴えに基づく確定判決によつて都道府県労働委員会の救済命令等の全部又は一部が支持されたときは、当該救済命令等について、再…」で始まります。
- 労働組合法第27条の16は第二節 不当労働行為事件の審査の手続に置かれています。
- 労働組合法の公布日は昭和24年6月1日です。
- 労働組合法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 労働組合法第27条の16の前の条は労働組合法第27条の15です。
- 労働組合法第27条の16の次の条は労働組合法第27条の17です。
- 労働組合法第27条の16には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第27条の16 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000174 - 本サイト収録
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第27条の16(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000174/27_16
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働組合法27条の16は、救済命令の取消訴訟で確定判決が命令を支持したとき、その部分について中央労働委員会は再審査できないと定める。司法判断が行政の再審査に優先する。
Q · 会社が裁判で負けて救済命令が確定したら、まだ中央労働委員会に再審査を申し立てられるの?
支持された部分は再審査できません
労働組合法27条の16により、救済命令の取消訴訟(27条の19第1項)の確定判決が命令の全部または一部を支持したときは、その支持された部分について中央労働委員会は再審査をすることができません。会社が裁判所で争って敗れ判決が確定すれば、行政内部の再審査でやり直すことはできず、命令はその部分について揺るがなくなります。ただし判決が取り消した部分は対象外で、なお争う余地が残ります。
解説
労働組合に入ったことを理由に解雇された、団体交渉を会社が拒んだ。そんなとき労働者や組合は、都道府県労働委員会に救済を申し立てる。委員会が「不当労働行為だ、原職に戻せ」と救済命令を出したとする。だが負けた会社には、不服を申し立てる二つのルートが用意されている。一つは中央労働委員会への再審査の申立て、もう一つは裁判所への取消訴訟だ。多くの人はこの二重構造を知らない。27条の16が決めているのは、その二本のルートが衝突したときの優先順位である。会社が裁判所で争い、判決が確定して救済命令の全部または一部が「正しい」と支持されたら、その部分について中央労働委員会はもう再審査できない。裁判所の最終判断が出た以上、行政機関がそれをやり直してひっくり返すことは許されない。つまり、あなたが勝ち取った命令は、裁判所のお墨付きが付いた瞬間、行政の世界でも揺るがなくなる。
法的な位置づけ
労働組合法27条の16は、不当労働行為事件における中央労働委員会の再審査権限を制限する規定である。都道府県労働委員会の救済命令等が、取消訴訟の確定判決によって全部または一部支持された場合、その支持された部分について行政機関である中央労働委員会は再審査を行えない。司法判断の終局性を確保する趣旨に基づく手続規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.救済命令を勝ち取ったら相手の不服ルートを早期に把握 都道府県労働委員会で救済命令を勝ち取ったら、会社が再審査(27条の15)と取消訴訟(27条の19)のどちらを動かすかを早めに確認する。順番が結末を左右するため、最初に見通しを設計する
- 2.取消訴訟で命令を防衛し確定を優先 会社の取消訴訟で命令を防衛しきり判決を確定させることを優先する。確定すれば27条の16によりその部分の再審査が封じられ、命令が行政の世界でも揺るがなくなる
- 3.命令の効力を前倒ししたいなら緊急命令を検討 確定前でも命令の実効性を確保したい場合、裁判所への緊急命令(27条の20)の申立てを検討する。違反には過料の制裁が及ぶ
- 4.一部支持・一部取消しなら主文を仕分け 確定判決が一部支持・一部取消しなら、主文に線を引いて『支持された部分(再審査不可)』と『取り消された部分(なお争える)』を切り分け、それぞれの次の手を設計する
よくある質問 AI による整理
Q1中央労働委員会の再審査とは何ですか?
都道府県労働委員会の救済命令に不服がある当事者が、上級機関である中央労働委員会に審理のやり直しを求める手続です。命令交付から15日以内に申し立てる必要があります(27条の15)。
Q2救済命令の取消訴訟はどこに起こしますか?
救済命令の取消しを求める訴え(27条の19)は、被告となる労働委員会の所在地を管轄する地方裁判所に提起します。行政事件訴訟法に基づく抗告訴訟の一種です。
Q3不当労働行為の救済命令に従わないとどうなりますか?
確定した救済命令に従わない使用者には過料の制裁があり、緊急命令(27条の20)が出ていれば違反に対し過料が科されます。命令の実効性は司法で担保されています。
Q4一部支持・一部取消しの判決が出たらどうなりますか?
支持された部分は27条の16で再審査が封じられ確定しますが、取り消された部分は対象外で、差戻し後の審理などでなお争う余地が残ります。
Q5緊急命令とは何ですか?
取消訴訟の係属中に、裁判所が使用者へ救済命令の全部または一部に従うよう命じる制度です(27条の20)。命令確定前でも実効性を確保できます。
Q6再審査の申立期限はいつまでですか?
初審の救済命令等の交付の日から15日以内です(27条の15第2項)。天災その他やむを得ない理由がある場合の例外を除き、この期間を過ぎると取消訴訟のみとなります。
Q7労働者個人も救済を申し立てられますか?
不当労働行為の救済は労働組合だけでなく、解雇など不利益取扱いを受けた労働者個人も申し立てられます(27条、7条)。
Q8救済命令が確定するとどんな効力がありますか?
使用者は履行義務を負い、従わなければ過料の対象となります。27条の16により司法が支持した部分は、行政の再審査でも覆りません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社が労働委員会で負けたあと、裁判と再審査の両方で同時に争うことはできるんですか?
できます。再審査の申立て(27条の15、命令交付から15日以内)と取消訴訟(27条の19)は別ルートで、並行して進められます。ただし27条の16により、裁判が先に確定して救済命令が支持されると、その部分の再審査はそこで打ち切られます。実務のポイント:会社側は時間稼ぎのため両方を出すことがあるが、裁判所は労働委員会の専門的判断を尊重する傾向が強く、命令は支持されやすい。二重に争っても結局覆らないことが多く、その間も命令の効力は緊急命令(27条の20)で前倒しされうる
Q2救済命令が裁判で確定したら、もう絶対に覆らないんですか?
27条の16が封じるのは「中央労働委員会の再審査」というルートです。裁判で支持され確定した部分について、行政側のやり直しはできません。ただし支持されなかった部分は別で、なお争う余地が残ります。実務のポイント:「全部又は一部」という条文の言葉が鍵。命令が一部支持・一部取消しで確定するケースは多く、生き残った部分と消えた部分とで打てる手が変わる。確定判決の主文を一行ずつ突き合わせて切り分けるのが専門家の仕事
間違えやすい点 AI による整理
- 会社側から見れば「裁判でも委員会でも、争える場を全部使えば一つくらい勝てる」と映る。だが法律から見れば、裁判所が命令を支持して確定した瞬間、行政の再審査という土俵そのものが消える。争う場の数を頼りにする発想が、この条文の前で崩れる
- 「再審査と取消訴訟は、どちらかを選ぶ二者択一だ」という前提で考えている人がいる。実は両方を並行して走らせられる。問われるのは「どちらか」ではなく「どちらが先に決着するか」であり、その順番が結末を左右する
- 再審査が制限されること自体は知っていても、それが命令の「全部」ではなく「支持された一部」にだけ及ぶ、という精度を見落としやすい。一部支持・一部取消しで確定した判決では、生き残った部分だけ再審査が封じられ、残りはなお動かせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 機能 | 27条の16:確定判決が支持した部分の再審査を制限 | 27条の15:中央労働委員会への再審査の申立て 27条の19:救済命令等の取消しの訴え |
| 主体 | 中央労働委員会(再審査が不可になる) | 救済命令に不服のある当事者 救済命令に不服のある当事者 |
| タイミング | 取消訴訟の確定判決が出た後 | 命令交付の日から15日以内 法定の出訴期間内 |
| 効果 | 司法判断の終局性を確保し再審査を打ち切る | 行政内部での審理のやり直し 裁判所による命令の適法性審査 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は2011年施行の不当労働行為裁決機制を持つ。勞動部の裁決決定に対し行政訴訟が可能で、司法判断との関係を規律する点で機能的に類似するが、再審査という中間審級は置かない
韓国も地方労働委員会の救済命令に対し中央労働委員会への再審、さらに行政訴訟という二層構造を持つ。日本の制度と最も近い
米国はNLRBが不当労働行為命令を発し、連邦控訴裁判所が enforcement / review を行う。日本の制度はこの NLRB モデルを占領期に継受したもので、確定判決後の終局性という発想も共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 組合つぶしの解雇をされ、都道府県労働委員会で救済命令を勝ち取った。会社は往生際悪く取消訴訟を起こしたが、地裁も高裁も命令を支持して確定。それでも会社はまだ中央労働委員会に再審査を申し立てられるのか。27条の16の答えは「支持された部分については、もう無理」だ
- もし会社の立場で、都道府県労働委員会の救済命令に納得できないとしたら、再審査と取消訴訟のどちらを先に動かすべきか。両方を並行して争えるが、裁判が先に確定して命令が支持されると、その部分の再審査の道は閉じる。順番と見通しを最初に設計しないと、争う土俵を自分で潰しかねない
- 救済命令を受け取った会社に残された再審査の申立期間は、命令の交付からわずか15日(27条の15)。この短い窓を逃すと不服ルートは取消訴訟の一本になる。そして裁判で命令が支持され確定すれば、もはや行政側のやり直しはない。最初の15日の判断が、その後の選択肢の幅を決める
取るべき行動
被害を受けた側:1. 都道府県労働委員会で救済命令を勝ち取ったら、会社が再審査(27条の15)と取消訴訟(27条の19)のどちらを動かすかを早めに把握する2. 会社の取消訴訟で命令を防衛しきり、判決を確定させることを優先する。確定すれば27条の16でその部分の再審査は封じられる3. 命令の効力を前倒ししたいなら緊急命令(27条の20)の申立てを検討する4. 一部支持・一部取消しでの確定なら、支持された部分の確定を足場に、残りの争い方を切り分ける
訴えられた側:1. 救済命令に不服なら、再審査の申立期限(命令交付から15日、27条の15)をまず死守する。逃すと取消訴訟の一本になる2. 再審査と取消訴訟は並行できるが、裁判が先に確定して命令が支持されると、その部分の再審査は27条の16で打ち切られると理解しておく3. 勝ち筋が薄いなら、命令の履行と和解(27条の14)のコストを早期に試算する4. どの部分を本気で争い、どの部分を受け入れるか、確定前に方針を固める
時効(請求できる期限):再審査の申立ては、初審の救済命令等の交付の日から15日以内(27条の15第2項、天災その他やむを得ない理由がある場合の例外あり)。救済命令の取消訴訟には別途出訴期間の定めがあるため、最新の規定をご確認ください。27条の16が働くのは、その取消訴訟の確定判決が出た後の場面である
学説
通説:27条の16の趣旨は、確定判決の既判力と司法権の終局性を不当労働行為救済手続に貫徹させる点にある。行政機関である中央労働委員会が、裁判所が支持した命令を再審査で覆すことを認めれば、紛争が無限に蒸し返され司法権の終局性が損なわれるため、これを排除する
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)労働組合法改正(要検証) 不当労働行為事件の審査手続の抜本的改革により、27条の2以下の現行体系が整備され、本条もこの再編の中で現在の形になったと考えられる。改正回数・原始規定の正確な沿革は人的検証を要する
改正の年表
- 1.昭和24年(1949年) 改正:労働組合法全部改正。労働委員会による不当労働行為救済制度を整備し、救済命令・再審査・取消訴訟の三層構造の原型を確立
- 2.平成16年(2004年) 改正:不当労働行為事件の審査手続の抜本改革(平成16年法律第140号、翌年施行)。27条の2以下の現行体系が整備され、本条もこの再編の中で現在の条番号・文言になった。詳細な沿革は人的検証を要する
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