労働組合法 第32条の2
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の過料に処する。
- 一正当な理由がないのに、第二十七条の七第一項第一号(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の規定による処分に違反して出頭せず、又は陳述をしない者
- 二正当な理由がないのに、第二十七条の七第一項第二号(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の規定による処分に違反して物件を提出しない者
- 三正当な理由がないのに、第二十七条の八(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の規定による処分に違反して宣誓をしない者
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働組合法第32条の2は、日本の労働組合法に含まれる条文です。
- 労働組合法第32条の2の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の過料に処する。」で始まります。
- 労働組合法第32条の2は第五章 罰則に置かれています。
- 労働組合法の公布日は昭和24年6月1日です。
- 労働組合法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 労働組合法第32条の2の前の条は労働組合法第32条です。
- 労働組合法第32条の2の次の条は労働組合法第32条の3です。
- 労働組合法第32条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第32条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000174 - 本サイト収録
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第32条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000174/32_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働組合法32条の2は、労働委員会の出頭・物件提出・宣誓の命令に正当な理由なく違反した者を30万円以下の過料に処す。過料は前科のつかない秩序罰である。
Q · 労働委員会の出頭命令を無視したら、本当に過料を取られるの?
正当な理由がなければ取られる。前科のつかない過料です
労働組合法32条の2により、不当労働行為の審査で労働委員会の出頭命令・物件提出命令・宣誓命令に正当な理由なく違反した者は、30万円以下の過料に処せられます。過料は刑罰ではなく秩序罰のため前科はつかず、地方裁判所が非訟事件手続で処理します。ただし前科がつかないからと侮ると、現実に30万円を支払うことになります。出頭できない事情があるなら、当日の無断欠席ではなく、事前に書面で正当な理由を疎明することが重要です。
解説
会社に労働組合ができ、団体交渉を拒んだり組合員を不利益に扱ったりした。組合はこれを「不当労働行為」として労働委員会に申し立てる。すると労働委員会は事実を調べるため、関係者に出頭を命じ、証言を求め、社内文書の提出を命じることができる。労働組合法32条の2は、この命令を「正当な理由なく」無視した者に30万円以下の過料を科す。ここで多くの人が誤解する。過料は罰金ではない。前科はつかず、刑事手続でもなく、地方裁判所が非訟事件として処理する。だが軽く見て呼び出しを無視すれば、現実に30万円が飛ぶ。逆に言えば、この過料という仕掛けがあるからこそ、労働委員会の調査は空文にならず、組合側が単独では握れない社内証拠を引き出す力になる。あなたが呼ばれた側なら「正当な理由」に当たるかを、申し立てた側なら相手の不出頭をどう詰めるかを、まず考えることになる。
法的な位置づけ
労働組合法32条の2は、不当労働行為の審査手続における調査協力義務違反に対する制裁規定である。労働委員会の出頭命令・陳述命令(27条の7)、物件提出命令、宣誓命令(27条の8)に正当な理由なく違反した者を、30万円以下の過料に処する。刑罰ではなく秩序罰として、審査の実効性を担保する。
よくある質問 AI による整理
Q1労働委員会の過料とは何ですか?
不当労働行為の審査で出頭・文書提出・宣誓の命令に正当な理由なく違反した者に科される、30万円以下の秩序罰です。労働組合法32条の2が根拠で、刑罰ではありません。
Q2過料を払わないとどうなりますか?
督促を経て、最終的に財産の強制執行(差押え)の対象になります。役所の呼び出しに強制力はないと放置すると、過料は払うまで追ってきます。
Q3不当労働行為の調査を拒否できますか?
正当な理由があれば拒めますが、なければ過料の対象です。全面拒否ではなく、企業秘密部分の非公開取扱いを委員会に求めるのが実務的です。
Q4出頭命令の正当な理由とは何ですか?
病気・遠隔地・期日の重複など客観的な事情です。当日の無断欠席ではなく、事前に診断書等を添えて書面で疎明すると認められやすくなります。
Q5労働委員会の文書提出命令を拒否したら過料ですか?
正当な理由なく拒めば過料の対象です(32条の2第2号)。企業秘密は一律の拒否理由にならず、範囲を限定し非公開を求めるのが適切です。
Q6宣誓を拒否すると過料になりますか?
正当な理由なく宣誓を拒めば過料の対象です(32条の2第3号)。ただし自己負罪など証言を拒める正当な理由があるかは専門家に確認すべきです。
Q7当事者でない第三者も出頭義務がありますか?
あります。事件の当事者でない証人や、文書を持つ第三者にも命令は及び、正当な理由なく応じなければ過料の対象になります。
Q8過料に時効はありますか?
条文上、特定の時効は明示されていません。重要なのは時効より期日で、指定日時までに出頭するか事前の不出頭届を出すことです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1労働委員会の呼び出しを無視したら、本当に30万円取られるんですか?
正当な理由がなければ取られます。ただし即座に確定するわけではなく、労働委員会からの通知を受けて地方裁判所が非訟事件として過料の裁判を行います(労働組合法32条の2)。実務のポイント:多くの人が「役所の呼び出しに強制力はない」と高をくくるが、過料は払うまで督促が来る。一方、出頭できない正当な理由を事前に示せば過料を免れる。鍵は「無視」ではなく「事前の説明」にある
Q2過料って罰金ですよね、前科がつくんですか?
つきません。過料は刑罰ではなく秩序罰で、刑事手続も経ず前科にもなりません。罰金は刑法上の刑罰で前科がつく、ここが決定的に違います。実務のポイント:弁護士は過料と罰金を厳密に区別するが、一般の人はほぼ混同している。前科がつかないと分かると安心しすぎて無視する人がいるが、それでも30万円は現実に飛ぶ。前科がない=軽い、ではない
Q3会社の機密文書を出せと命じられました、拒否したら過料ですか?
「正当な理由」なく拒めば過料の対象になりますが、企業秘密が拒否理由として一律に通るわけではありません。全面拒否ではなく、範囲を限定し非公開の取扱いを求めるのが実務上の対応です(労働組合法27条の7、27条の8関連)。実務のポイント:「企業秘密だから出せない」は、それだけでは正当な理由として弱い。どの部分がなぜ秘密かを委員会に具体的に疎明し、外部に出さない配慮を求める方が、過料も回避でき秘密も守れる
間違えやすい点 AI による整理
- 「過料30万円なら罰金と同じで前科がつく」と思われがちだが、過料は刑罰ではない。前科はつかず、刑事訴訟法も適用されず、地方裁判所が非訟事件として処理する。ただし前科がつかないからと侮ると、現実に30万円を支払うことになる
- 労働委員会の出頭命令を「任意のお願い」程度には知っていても、その深刻度までは知らない人が多い。正当な理由のない不出頭、不提出、宣誓拒否は、それぞれ独立して過料の対象になり、別々の違反が重なれば負担も積み上がる
- 「自分は当事者の会社でも組合でもないから関係ない」と問いを立てる人がいる。だがこの過料は、当事者でない第三者の証人や、文書を持つ第三者にも及ぶ。事件の外にいるつもりでも、証拠を握っているだけで命令の対象になりうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 32条の2:調査協力義務違反への制裁(過料) | 27条の7:出頭・陳述・物件提出命令の根拠 27条の8:宣誓命令の根拠 |
| 対象となる人 | 命令に正当な理由なく違反した者(当事者・証人・第三者) | 証人・参考人・物件の所持者 証言を求められた証人・参考人 |
| 効果・制裁 | 30万円以下の過料(秩序罰) | 出頭・物件提出を命じる調査処分 宣誓による真実陳述の担保 |
| 手続の性質 | 非訟事件として地方裁判所が処理(前科なし) | 労働委員会の行政調査処分 労働委員会の行政調査処分 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も裁決手続で当事者・関係人の不出頭・資料不提出に罰鍰を科し、調査の実効性を担保する点で機能的に共通する。
韓国も労働委員会の調査における出席・資料提出の不応に過料を科す枠組みを持ち、米国型の独立委員会構造を共有する。
ドイツは労働裁判所手続で証人の不出頭等に Ordnungsgeld(秩序金)を科し、手続協力を担保する。行政委員会型でなく裁判所型である点が異なる。
米国は NLRB の証言・文書提出命令の不遵守を、連邦裁判所による強制(contempt)で担保する。本制度の祖型にあたる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 会社の組合潰しを労働委員会に訴えたが、肝心の人事部長が「予定がある」と出頭を渋り続ける。あなたは委員会に対し、正当な理由のない不出頭として過料を含む対応を促すことができる。30万円の現実味が、渋っていた相手を出頭の席に着かせる
- もし労働委員会から出頭命令が届いて、忙しいからと放置したらどうなる? 正当な理由のない不出頭は、それ自体が30万円以下の過料の対象になる。役所の呼び出しに強制力はないと高をくくった瞬間が、最も危ない
- 社内のメール記録を出せと命じられた。「企業秘密だから」は正当な理由になるとは限らない。守りたいなら、全面拒否ではなく非公開の取扱いを委員会に求める
- 出頭期日まであと5日。体調不良で行けないなら、当日に黙って欠席するのではなく、診断書を添えて事前に不出頭の届けを出す。事前の連絡があるかないかで、「正当な理由」の認定は大きく変わる
- あなたが組合の書記長として証言を求められた。会社側が委員会経由で内部資料の提出や宣誓を迫ってきたとき、宣誓拒否や提出拒否もこの過料の対象だと知っておけば、どこまで応じ、どこから争うかの線を自分で引ける
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手が出頭や文書提出を渋るなら、まず労働委員会の審査担当に「正当な理由のない不出頭・不提出だ」と具体的に指摘し、過料を含む対応を求める2. 必要な社内文書は早い段階で物件提出命令の対象として特定し申し立てる、証拠が消える前に動く3. 相手の不協力の経緯(渋り、虚偽の理由)を時系列で記録、後の審査・訴訟で「不誠実な対応」として効く4. 過料はあくまで間接的な圧力、本丸の救済命令を取るための材料と位置づける
訴えられた側:1. 命令の無視は最悪手、まず「正当な理由」に当たる事情があるかを冷静に検討する2. 体調、遠隔地、重複期日などの事情があるなら、当日欠席ではなく事前に書面と疎明資料(診断書等)を提出3. 文書に企業秘密や第三者のプライバシーが含まれるなら、全面拒否ではなく、非公開や範囲限定の取扱いを委員会に求める4. 宣誓を求められた場合、拒否ではなく、証言を拒める正当な理由(自己負罪等)があるかを専門家と確認する
時効(請求できる期限):過料に特定の時効は条文上明示されていない。過料の裁判は非訟事件手続法に基づき地方裁判所が行う(同法の過料事件の規定、最新の改正状況をご確認ください)。重要なのは時効より期日であり、出頭命令で指定された日時までに出頭するか事前の不出頭届けを行うこと。その期日を過ぎた後の対応は「正当な理由」と認められにくい
学説
通説(秩序罰説):本条の過料は刑罰ではなく行政上の秩序罰であり、刑法総則・刑事訴訟法は適用されず、原則として非訟事件手続法に基づき地方裁判所が科す。前科を生じない点で罰金・科料と区別される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和24年(1949年) 新設:現行労働組合法(昭和24年法律第174号)の制定に伴い、不当労働行為審査制度の実効性を担保する罰条として整備。労働委員会の調査命令違反を過料で担保する構造を採用。
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