外国為替及び外国貿易法 第69条の5(外国執行当局への情報提供)
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- 財務大臣及び事業所管大臣は、この法律(第二十七条及び第二十八条に係る部分に限る。)に相当する外国の法令を執行する外国の当局(以下この条において「外国執行当局」という。)に対し、その職務(この法律の第二十七条及び第二十八条に規定する職務に相当するものに限る。次項において同じ。)の遂行に資すると認める情報の提供を行うことができる。ただし、当該情報の提供を行うことが、この法律の適正な執行に支障を及ぼし、その他我が国の利益を侵害するおそれがあると認められる場合は、この限りでない。
- 2.財務大臣及び事業所管大臣は、外国執行当局に対し前項に規定する情報の提供を行うに際し、次に掲げる事項を確認しなければならない。
- 一当該外国執行当局が、財務大臣及び事業所管大臣に対し、前項に規定する情報の提供に相当する情報の提供を行うことができること。
- 二当該外国において、前項の規定により提供する情報のうち秘密として提供するものについて、当該外国の法令により、我が国と同じ程度の秘密の保持が担保されていること。
- 三当該外国執行当局において、前項の規定により提供する情報が、その職務の遂行に資する目的以外の目的で使用されないこと。
- 3.第一項の規定により提供される情報については、次項の規定による同意がなければ外国における裁判所又は裁判官の行う刑事手続(同項において単に「刑事手続」という。)に使用されないよう適切な措置がとられなければならない。
- 4.財務大臣及び事業所管大臣は、外国執行当局からの要請があつたときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、第一項の規定により提供した情報を当該要請に係る刑事手続に使用することについて同意をすることができる。
- 一当該要請に係る刑事手続の対象とされている犯罪が政治犯罪であるとき、又は当該要請が政治犯罪について刑事手続を行う目的で行われたものと認められるとき。
- 二当該要請に係る刑事手続の対象とされている犯罪に係る行為が日本国内において行われたとした場合において、その行為が日本国の法令によれば罪に当たるものでないとき。
- 三日本国が行う同種の要請に応ずる旨の要請国の保証がないとき。
- 5.財務大臣及び事業所管大臣は、前項の同意をする場合においては、あらかじめ、同項第一号及び第二号に該当しないことについて法務大臣の確認を、同項第三号に該当しないことについて外務大臣の確認を、それぞれ受けなければならない。
この条文の基本情報
外国執行当局への情報提供とは何ですか?
定義外国執行当局への情報提供とは、外国為替及び外国貿易法第69条の5に定められた規定で、「財務大臣及び事業所管大臣は、この法律(第二十七条及び第二十八条に係る部分に限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 外国為替及び外国貿易法第69条の5(外国執行当局への情報提供)は、日本の外国為替及び外国貿易法に含まれる条文です。
- 外国為替及び外国貿易法第69条の5の条文原文は「財務大臣及び事業所管大臣は、この法律(第二十七条及び第二十八条に係る部分に限る。」で始まります。
- 外国為替及び外国貿易法第69条の5は第八章に置かれています。
- 外国為替及び外国貿易法の公布日は昭和24年12月1日です。
- 外国為替及び外国貿易法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 外国為替及び外国貿易法第69条の5の前の条は外国為替及び外国貿易法第69条の4です。
- 外国為替及び外国貿易法第69条の5の次の条は外国為替及び外国貿易法第69条の6です。
- 外国為替及び外国貿易法第69条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第69条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000228 - 本サイト収録
外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第69条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000228/69_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点外為法69条の5は、財務大臣と事業所管大臣が、対内直接投資等の審査を担う外国執行当局へ情報を提供できると定める。相互主義・秘密保持・目的外使用禁止の確認が前提となる。
Q · 日本に出した外為法の投資届出は、海外の審査当局に渡ることがあるの?
条件付きで共有されうる。三つの確認と刑事利用の別途同意が要る
外為法69条の5第1項により、財務大臣と事業所管大臣は、27条・28条に相当する職務を行う外国執行当局に情報を提供できます。ただし我が国の利益を侵害するおそれがあれば提供しません。提供の際は、相互主義、同じ程度の秘密保持、目的外使用の禁止の三点を確認します(2項)。外国の刑事手続で使うには大臣の同意が必要です。政治犯罪の場合、双罰性がない場合、相互保証がない場合は同意できません(3項・4項)。
解説
日本の財務省に出した投資の事前届出は、日本の役所の中だけにとどまるとは限らない。外為法69条の5により、財務大臣と事業所管大臣(その事業を担当する省の大臣。例:半導体なら経済産業大臣)は、外国の当局に情報を渡すことができる。渡せる相手は、対内直接投資の審査(27条)や特定取得の審査(28条)にあたる仕事をしている当局に限られる。たとえば米国の CFIUS のような投資審査機関がこれにあたる。ただし、渡す前に三つの確認が必要である。相手国も同じように日本へ情報をくれること(相互主義)、日本と同じ程度に秘密が守られる法令があること、審査の目的以外に使わないこと。さらに、渡した情報を外国の刑事裁判で使うには、改めて日本の同意が必要になる。政治犯罪の場合や、日本では罪にならない行為の場合は、同意できない。複数の国で同時に審査を受けるなら、各国への説明の食い違いは当局どうしの照合で見つかりうる。その前提で書類を作ることになる。
法的な位置づけ
外為法69条の5は、財務大臣と事業所管大臣が、対内直接投資等および特定取得の審査に相当する職務を行う外国執行当局に対して情報を提供する権限と、その要件を定める規定である。提供には相互主義、秘密保持、目的外使用の禁止の確認が必要とされ、外国刑事手続での使用には、法務大臣と外務大臣の確認を経た同意が必要とされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.全法域の届出内容を一枚の事実表に統一 日本・米国・欧州など並行審査を受ける全法域について、最終受益者、議決権比率、技術情報へのアクセス範囲、役員派遣の有無を一覧化し、記載の食い違いをなくす
- 2.秘密情報の範囲を届出時に明示 営業秘密や技術情報のうち秘密として扱ってほしい部分を特定し、届出書の提出時にその旨と範囲を当局へ明示する。2項2号の秘密保持確認は秘密として提供された情報が対象となる
- 3.日本の利益に関わる事情を事前に伝達 情報提供が日本の審査の支障や国益の侵害につながりうる事情があれば、財務省と事業所管省に事前相談の段階で伝える。1項ただし書の判断材料となる
- 4.外国当局からの照会には回答を一本化 外国当局の質問票に日本の届出内容が引用されていたら、即座に否定せず、日本と外国の代理人を同時に動かして統一回答を作る。刑事手続に発展した場合は、4項の同意の有無と除外事由を確認する
よくある質問 AI による整理
Q1外為法69条の5とは何ですか?
財務大臣と事業所管大臣が、外国の投資審査当局へ情報を提供できると定めた規定です。相互主義、秘密保持、目的外使用禁止の確認が要件です。
Q2外国執行当局とはどこのことですか?
外為法27条・28条に相当する外国の法令を執行する当局です。たとえば米国CFIUSのような対内投資審査機関がこれにあたります。
Q3外為法の届出情報は海外にどんな条件で提供される?
我が国の利益を害さないこと、相手国が同様に情報をくれること、同程度の秘密保持が法令で担保されること、審査目的以外に使わないことが条件です。
Q4外為法の情報提供で財務大臣以外に関わる大臣は?
事業所管大臣が共同で行います。刑事利用への同意の前には、法務大臣と外務大臣の確認も必要です(5項)。
Q5外国当局に渡った届出情報は刑事裁判で使える?
日本の大臣の同意がなければ使えないよう措置をとる必要があります(3項)。同意は、4項の除外事由に当たらない場合に限り可能です。
Q6政治犯罪の捜査に外為法の届出情報は使われる?
使われません。対象犯罪が政治犯罪の場合や、政治犯罪を訴追する目的の要請の場合、大臣は刑事利用に同意できません(4項1号)。
Q7日本で罪にならない行為でも届出情報が外国で使われる?
刑事手続では使われません。日本国内で行われたとしても日本法上罪にならない行為なら、大臣は同意できません(4項2号・双罰性)。
Q8外為法の情報提供を事業者は拒否できますか?
条文上、事業者の同意や拒否権の定めはありません。日本の利益を害する事情があれば、所管省に事前に伝えておくのが現実的な対応です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1日本に出した外為法の届出って、アメリカの当局に勝手に見られるんですか?
勝手に、ではない。69条の5第1項で情報を渡せるのは、27条・28条にあたる職務を行う外国当局に限られる。さらに2項で、相互主義、同じ程度の秘密保持、目的外に使わないことの三点を確認しなければならない。日本の利益を害するおそれがあれば渡さない。実務のポイント:条文上、情報を渡したことを提出者に知らせる仕組みはない。共有されたかを気にするより、共有されても困らない書類を最初から作るほうが現実的である
Q2海外で刑事事件になったら、日本の届出書類が証拠に使われますか?
同条3項により、日本の同意がなければ外国の刑事手続で使われないよう措置をとる必要がある。政治犯罪の場合、日本法では罪にならない行為の場合、日本からの同種の要請に応じる保証がない場合は同意できない。同意の前には法務大臣と外務大臣の確認も要る(4項・5項)。実務のポイント:この除外事由は国際捜査共助の制限事由とよく似た型である。共助の実務に詳しい弁護士ほど、どの壁が使えるかを早く見抜く
間違えやすい点 AI による整理
- 「日本の届出は日本国内で秘密が守られるのか」という問いの立て方が、そもそもずれている。情報は相互主義と秘密保持の確認を経て、当局間で共有されうる。本当に問うべきなのは、各国に出した説明が互いに矛盾していないかである
- 秘密保持の確認があるから安心、と考えるのは浅い。確認されるのは「相手国で日本と同じ程度の秘密保持が法令で担保されているか」であり、「情報が渡らないこと」ではない。第三者への漏えいは防がれても、外国当局の手元では、審査に使うことを前提に読まれる
- 外国当局に渡った情報は、そのまま外国の刑事訴追に使われると恐れる人がいる。しかし3項により、日本の同意なしに刑事手続で使われないよう措置をとる必要がある。同意の前には法務大臣と外務大臣の確認も要る。ただし除外事由に当たらなければ同意は出うるので、刑事利用の可能性はゼロではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 69条の5:審査で得た情報の外国当局への提供 | 27条:対内直接投資等の事前届出と審査 28条:特定取得の事前届出と審査 |
| 主な名宛人 | 財務大臣・事業所管大臣(提供する側) | 外国投資家(届け出る側) 外国投資家(届け出る側) |
| 事業者への影響 | 提出情報が国外の審査・刑事手続に回る可能性 | 取引禁止期間、変更・中止勧告 取引禁止期間、変更・中止勧告 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は投資審議会が外国人投資を審査する。外国当局との審査情報共有について、本条のような明文の要件規定があるかは要確認
EU 加盟国間と欧州委員会のあいだで、投資審査情報を交換する協力メカニズムが制度化されている
FIRRMA により CFIUS が同盟国の政府と審査情報を共有できる規定が設けられ、秘密保持を条件としている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 外国ファンドの担当者として、日本の上場半導体関連会社の株を1% 以上取得しようとしている(最新の改正状況をご確認ください)。同じ案件は米国でも審査中だ。日本に出した届出の中身が米国の当局に回ったらどうなる? 三つの確認を経ていれば、それは本条がもともと想定している動きである
- クロージングまで残り2週間。日本の事前届出には「技術情報へのアクセスなし」と書いた。ところが欧州当局への提出書類には、共同開発チームを派遣する計画が載っていた。当局どうしで情報が共有されれば、どちらの国でもこの矛盾の説明を求められる。今夜のうちに記載をそろえ、必要なら訂正の相談を入れるしかない
- 日本では罪にならない行為を、外国が刑事訴追しようとして日本の届出情報を求めてきた。日本の大臣は同意できない。4項2号が壁になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 複数国で審査を受ける案件では、各国届出の記載(最終受益者、議決権比率、技術へのアクセス、役員派遣)を一覧にして矛盾をなくす2. 秘密として扱ってほしい営業秘密は、届出の段階でその旨と範囲を当局に明示する3. 外国当局から日本の届出内容に触れた照会が来たら、とっさに否定しない。日本と外国の代理人を同時に動かし、回答を一本化する4. 情報提供が日本の利益を害しうる事情があれば、財務省や所管省に事前に伝えておく
訴えられた側:1. 外国の刑事手続で日本発の情報が使われたら、日本の同意(4項)を経たものかを外国の弁護人に確認させる2. 対象行為が日本法では犯罪にならない場合や、政治的な訴追の色合いがある場合は、同意の除外事由に当たると主張する材料を集める3. 日本側でも27条・28条違反や措置命令のリスクがないか並行して点検する4. 各国の窓口を一人の統括弁護士に集約し、供述の食い違いを防ぐ
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効や期限はない。関連する実務上の期限として、対内直接投資等の事前届出は取引日前6か月以内に行い、受理から原則30日間は取引が禁止される(27条2項。短縮・延長あり。最新の改正状況をご確認ください)
- 外国為替及び外国貿易法 第27条対内直接投資の届出・審査、提供情報の源
- 外国為替及び外国貿易法 第28条特定取得の届出・審査、提供情報の源
- 外国為替及び外国貿易法 第29条無届等投資への措置命令(現行効力を要確認)
- 外国為替及び外国貿易法 第1条法目的、国際社会の平和と安全の維持
- 金融商品取引法 第189条外国金融当局への情報提供、同型の規定
- 国際捜査共助等に関する法律 第2条政治犯罪・双罰性による共助制限の原型
- 個人情報の保護に関する法律 第69条行政機関等の保有個人情報の提供制限
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