外国為替及び外国貿易法 第69条の4
クイックジャンプ
- 財務大臣及び事業所管大臣は、次の各号に掲げる対内直接投資等又は特定取得の区分に応じ、当該対内直接投資等又は特定取得が当該各号に定めるものに該当するかどうかを確認するため必要があると認めるときは、内閣総理大臣、外務大臣その他の関係行政機関の長の意見を求めなければならない。
- 一第二十七条第三項(第二十七条の四第二項において準用する場合を含む。)の規定による審査をする第二十七条第一項に規定する対内直接投資等国の安全等に係る対内直接投資等
- 二第二十八条第三項(第二十八条の四第二項において準用する場合を含む。)の規定による審査をする第二十八条第一項に規定する特定取得国の安全に係る特定取得
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 外国為替及び外国貿易法第69条の4は、日本の外国為替及び外国貿易法に含まれる条文です。
- 外国為替及び外国貿易法第69条の4の条文原文は「財務大臣及び事業所管大臣は、次の各号に掲げる対内直接投資等又は特定取得の区分に応じ、当該対内直接投資等又は特定取得が当該各号に定めるものに該当するかどうかを確認…」で始まります。
- 外国為替及び外国貿易法第69条の4は第八章に置かれています。
- 外国為替及び外国貿易法の公布日は昭和24年12月1日です。
- 外国為替及び外国貿易法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 外国為替及び外国貿易法第69条の4の前の条は外国為替及び外国貿易法第69条の3です。
- 外国為替及び外国貿易法第69条の4の次の条は外国為替及び外国貿易法第69条の5です。
- 外国為替及び外国貿易法第69条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第69条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000228 - 本サイト収録
外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第69条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000228/69_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点外為法第69条の4は、延長審査中の対内直接投資等・特定取得が国の安全等に係るか確認する必要があるとき、財務大臣等が関係行政機関の長の意見を求める義務を定める。
Q · 外資の出資審査って、財務省と事業所管省庁だけで決まるんですか?
延長審査に入った案件に限り、首相・外相等への意見照会が義務になる
外為法第69条の4により、財務大臣と事業所管大臣は、第27条第3項または第28条第3項の延長審査に付した案件が国の安全等に係るかを確認する必要があると認めるとき、内閣総理大臣、外務大臣その他の関係行政機関の長に意見を求めなければなりません。任意の相談ではなく義務です。ただし照会先や意見内容を届出者に開示する規定はなく、懸念は追加質問の形で返ってくるのが通常です。
解説
外国資本が日本企業に出資するとき、事前届出の審査窓口は財務省と事業所管省庁の二者だけに見える。しかし本条によって、裏側ではもっと多くの目が案件を見ている。財務大臣と事業所管大臣は、対内直接投資等(外国投資家による国内企業の株式取得など)や特定取得(外国投資家どうしで非上場株式をやり取りすること)が「国の安全等」に関わるかを確かめる必要があると考えたとき、内閣総理大臣や外務大臣などの関係行政機関の長に意見を求めなければならない。これは任意の相談ではなく義務である。つまり、第27条第3項や第28条第3項の延長審査に入った案件は、防衛・外交・経済安全保障の観点からも照会を受けうる。あなたが資金調達やM&Aのスケジュールを組む立場なら、「30日で終わるはず」という前提で投資契約を設計するのは危うい。審査がどの省庁まで広がるかを想定した人だけが、クロージング日を守れる。
法的な位置づけ
外為法第69条の4は、対内直接投資等および特定取得の審査における関係行政機関の長への意見照会義務を定める規定である。財務大臣および事業所管大臣は、延長審査の対象となった案件が国の安全等に係るかを確認する必要があると認めるとき、内閣総理大臣、外務大臣その他の関係行政機関の長の意見を求めなければならない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.指定業種と届出区分を確認する 投資先の事業が事前届出の対象業種にあたるか、対内直接投資等か特定取得かを確認する。延長審査の可能性を見積もる出発点になる
- 2.投資契約に審査延長条項を入れる 延長審査に入った場合のロングストップデートの延長、解除条件、費用負担を契約に書き込む。審査が長引いてからの交渉は不利になる
- 3.事前相談で安全保障上の論点を開示する 届出前に財務省・事業所管省庁へ事前相談し、最終受益者、機微技術との接点、役員派遣の有無などを自ら整理して示す。照会先省庁の懸念を先回りして潰す
- 4.延長審査中の追加質問に一貫して回答する 延長審査に入ったら回答窓口を一本化し、追加質問に迅速かつ矛盾なく回答する。必要に応じて機微情報へのアクセス制限などの誓約を提案する
よくある質問 AI による整理
Q1外為法の意見照会とは何ですか?
外資の出資審査で、財務大臣と事業所管大臣が内閣総理大臣や外務大臣など他の関係行政機関の長に意見を求める手続です。外為法第69条の4が根拠です。
Q2外為法の事前届出 審査期間はいつまで?
原則として受理日から30日間は投資を実行できません。延長審査に入ると最長4か月、勧告を行う場合は最長5か月まで延びうるとされます。
Q3外資審査の意見照会はすべての案件で行われますか?
行われません。第27条第3項・第28条第3項の延長審査に付され、国の安全等に係るか確認する必要があると認められた案件に限られます。
Q4意見照会の対象になる省庁はどこですか?
条文が明示するのは内閣総理大臣と外務大臣で、その他の関係行政機関の長も含まれます。どの省庁が照会先になるかは案件の内容によります。
Q5外為法 延長審査 通知が来たらどうする?
投資契約の期限条項を確認し、相手方と期限延長を協議します。並行して追加質問への回答体制を整え、資本構成や最終受益者の資料を準備します。
Q6特定取得とは何ですか?
外国投資家が他の外国投資家から国内の非上場会社の株式等を取得することです。国内当事者が関与しなくても届出・審査の対象になりえます。
Q7意見照会の結果は届出者に知らされますか?
本条には照会先や意見内容を届出者に開示する規定はありません。届出者は追加質問の内容から、どの観点で懸念が持たれているかを推測することになります。
Q8外為法の審査で勧告が出るのはどんな場合?
審査の結果、国の安全等に係る対内直接投資等に該当すると判断された場合、投資内容の変更や中止が勧告されえます。意見照会の結果はその判断材料になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1延長審査の通知が来たら、もう出資はダメってことですか?
そうではない。第27条第3項の延長は、審査のための時間を確保する措置であり、結論が不許可に決まったという意味ではない。延長審査の中で本条に基づく意見照会が行われ、その結果を踏まえて、問題なしで終わるか勧告に進むかが決まる。実務のポイント:追加質問への回答スピードと一貫性が、実際の審査期間を大きく左右する。回答担当者を一人に決めて、情報の食い違いをなくしておくことが重要である
Q2意見を求められた省庁の名前とか内容って教えてもらえるんですか?
本条は意見照会を義務づけているが、照会先や意見の内容を届出者に開示する規定は置いていない。届出者は、追加質問の内容から照会先の関心を推し量ることになる。実務のポイント:質問の中に防衛装備、サプライチェーン、個人データといった言葉が出てきたら、どの省庁の関心事項かはおおよそ見当がつく。論点ごとに裏付け資料を用意しておくと、やり取りの回数を減らせる
間違えやすい点 AI による整理
- 事前届出の審査は財務省と事業所管省庁の二者で完結すると思われがちだが、国の安全等に関わるかを確かめる必要があると判断された案件では、関係行政機関の長への意見照会が義務になる。審査に関わる主体は、届出書の宛先より広い
- 「意見照会があっても形式的な手続にすぎない」と軽く見る人がいる。実際には、照会先の省庁が抱く懸念はそのまま審査期間の延長や追加質問として返ってくる。最終的に勧告(投資内容の変更や中止を求めるもの)が出るかどうかの判断材料にもなりうる。照会を受けたという事実だけで、案件の重さが一段変わったと受け止めるべきである
- 問いの立て方そのものがずれている場合がある。「届出が受理されたか」ではなく「延長審査に入ったか」が本当の分岐点である。本条の意見照会は、第27条第3項・第28条第3項の審査に入った案件で動く仕組みだからだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 第69条の4:延長審査案件の関係行政機関の長への意見照会義務 | 第27条:対内直接投資等の事前届出・待機期間・延長審査 第28条:特定取得の事前届出・審査 |
| 確認対象 | 対内直接投資等は「国の安全等」、特定取得は「国の安全」に係るか | 国の安全等に係る対内直接投資等に該当するか 国の安全に係る特定取得に該当するか |
| 関与する主体 | 財務大臣・事業所管大臣+内閣総理大臣・外務大臣その他の関係行政機関の長 | 財務大臣・事業所管大臣 財務大臣・事業所管大臣 |
| 届出者から見える形 | 照会の事実・内容の開示規定なし。追加質問として間接的に現れる | 届出受理、延長通知、勧告 届出受理、延長通知、勧告 |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾は外国人投資を経済部投資審議委員会が審査・許可する。国家安全に関わる案件では関係機関と協議する運用がとられる
韓国は国家安全保障に支障を及ぼすおそれのある外国人投資について、関係部処の協議を経て審査する仕組みを持つ
中国は国家発展改革委員会と商務部が主導する工作機制で外商投資の安全審査を行い、関係部門の意見を踏まえて判断する
ドイツは連邦経済省が審査を担い、公の秩序・安全への影響を評価する。関係省庁との調整を経て制限措置を決定する
フランスは経済大臣が事前許可制で審査し、国防・公の秩序・安全に関わる分野の外国投資を統制する
米国は財務長官を議長とし国防・国務・商務など複数省庁で構成する CFIUS が審査する。多省庁が最初から審査主体となる点で、照会方式の日本と構造が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 海外VCからシリーズBの出資を受ける予定のスタートアップ。事業がソフトウェア開発で指定業種にあたり、事前届出を出した。通常なら30日の待機で済むと聞いていたが、延長審査の通知が来た。払込期日まであと3週間、投資契約のロングストップデート(期限日)を延ばす交渉を今週中に始めなければならない
- 外国企業の立場で、半導体関連の日本の非上場企業を買収する計画を立てている。財務省との事前相談は順調だったのに、なぜ審査が長引くのか? 本条に基づき、防衛や外交を所管する省庁にも意見照会が回っている可能性がある。自社の資本関係や過去の取引先について、追加質問への回答を準備しておく必要がある
- 外国ファンドが保有する日本の非上場企業株式を、別の外国ファンドへ譲る案件。国内の当事者が関与しなくても、特定取得として届出と審査の対象になりうる
取るべき行動
被害を受けた側:出資を受ける日本企業、または株式の売り手の立場の場合:1. 自社の事業が指定業種(対内直接投資等に関する告示で定めるもの)にあたるかを確認する2. 投資契約に、審査が延長されたときの期限延長条項と解除条件を入れる3. 投資家側の資本構成や最終受益者の情報を早めに集め、事前相談で使えるようにしておく4. 外為法の実務に通じた弁護士に、届出書の記載内容を確認してもらう
訴えられた側:審査を受ける外国投資家の立場の場合:1. 届出前に財務省・事業所管省庁へ事前相談し、安全保障上の論点を自分から整理して示す2. 追加質問には迅速かつ一貫した回答を用意する(照会先の省庁からの懸念が質問の形で届くことがある) 3. 必要であれば、役員派遣をしない、機微情報へのアクセスを制限するといった自主的な誓約を提案する4. 勧告が出た場合に備えて、受け入れるか反論するかの方針を前もって決めておく
時効(請求できる期限):事前届出の受理日から30日間は、投資の実行が禁止される(第27条第2項)。審査の必要があると判断されると、この期間は最長4か月まで延長され(同条第3項)、勧告を行う場合は最長5か月まで延長されうる。本条の意見照会はこの延長期間の中で行われる(最新の改正状況をご確認ください)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める