要点弁護士法 79 条の 2 は、弁護士法人の社員または清算人が登記懈怠・違法分配・虚偽記載等を行った場合に、三十万円以下の過料を科す秩序罰の規定である。
Q · 弁護士法人で登記を忘れたり、清算でお金を先に分けたら、誰が罰せられるの?
法人ではなく、社員や清算人個人が三十万円以下の過料を負います
弁護士法 79 条の 2 により、弁護士法人の社員または清算人が、政令に基づく登記の懈怠、合併手続違反、電子公告調査の懈怠、会計帳簿・貸借対照表の虚偽記載、破産手続開始申立ての懈怠、債務弁済前の財産分配などを行った場合、三十万円以下の過料に処せられます。過料は刑罰ではない秩序罰ですが、名宛人は法人ではなく行為した社員・清算人個人であり、支払わなければ財産執行の対象になります。
弁護士法人を立ち上げた、あるいは畳もうとしているあなたへ。第79条の2が狙うのは法人という箱ではない。その社員、つまり経営に関わる弁護士個人、そして解散時の清算人だ。登記を怠った、合併の手続を飛ばした、会計帳簿に虚偽を記載した、債務を返す前に残余財産を山分けした。これらをやると、法人ではなくあなた個人の財布から最大三十万円の過料(刑罰ではなく、裁判所が直接命じる行政上の制裁)が出ていく。前科はつかないが、放置すれば財産差押えもありうる。注目すべきは、この条文が中身をほとんど会社法の持分会社ルールから借りている点だ。弁護士法人は名前こそ特別だが、その経営規律は一般の合名会社と同じ厳しさで縛られる。プロの法律家の集団であっても、いや、だからこそ、自分たちの法人運営に一切の言い訳が効かない。
弁護士法 79 条の 2 は、弁護士法人の運営に関する秩序罰を定める規定である。社員または清算人が、政令に基づく登記の懈怠、合併手続違反、会計帳簿への虚偽記載、破産手続開始申立ての懈怠、債務弁済前の財産分配等を行った場合に、三十万円以下の過料を科す。会社法の持分会社・清算に関する規定の準用違反を制裁する役割を担う。
過料は刑罰ではなく、裁判所が非訟手続で直接命じる秩序罰です。前科はつきませんが、支払わなければ財産執行の対象になります。
出資して経営に関わる弁護士のことで、従業員ではありません。弁護士法人の社員は無限責任を負い、79 条の 2 の過料の名宛人にもなります。
会社法の準用により、債務の弁済を先に行い、残余財産の分配は最後にする義務があります。順序を誤ると過料に加え弁済責任も負います。
弁護士法 79 条の 2 の過料は三十万円以下です。違反の態様や是正の有無、故意の有無により裁判所が金額を裁量で決めます。
債権者保護のための公告・催告(30 条の 28)と、会社法 941 条準用の電子公告調査が必要です。これを怠ると過料の対象になります。
会社法 656 条準用により、清算人は遅滞なく破産手続開始の申立てをする義務があります。申立てを怠ると 79 条の 2 の過料の対象です。
弁護士法人は会計・合併・清算のルールの多くを会社法の持分会社規定からそのまま借りています。借りた条文の違反が過料に直結します。
まず違反事実を確認し、登記懈怠なら直ちに是正します。過料には裁量があるため、是正済み・故意なし・軽微であることを疎明すると減額や不処罰もありえます。
過料は行政上の秩序罰で刑罰ではないため、前科にはなりません。弁護士の懲戒とも別系統です。ただし第79条の2の過料は社員個人に科され、支払わなければ財産執行の対象になります。業界裏話ヒント:過料そのものは登録に直接響かなくても、登記懈怠や会計の不備が常態化していると、弁護士会の調査で品位を欠く行為として懲戒の入口になりうる。過料を軽く見て放置するのが一番危ない
債務を完済する前に残余財産を分配すると、会社法664条の準用に違反し、清算人に過料が科されます(第30条の30第2項)。債権者保護が清算手続の核心だからです。業界裏話ヒント:弁護士法人の社員は無限責任を負うため、違法分配で債権者が損をすれば、過料とは別に社員個人が弁済責任を追う。『法人を畳めば債務も消える』は完全な誤解で、清算の順序を一つ間違えると個人資産まで届く
はい。この法律に基づく政令(組合等登記令)の登記を怠ると、それだけで第79条の2第1号の過料の対象です。期限(多くは二週間)を過ぎた時点で違反が成立します。業界裏話ヒント:実務では、忘れていた登記をまとめて申請したタイミングで裁判所に通知が回り、過料の審尋が届くことがある。『今さら直したら逆に過料がバレる』と放置する人がいるが、是正の有無は処分の軽重に効くので、気づいたら直すのが正解
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