要点相続税法 11 条の 2 は、無制限納税義務者は取得した全財産、制限納税義務者は日本国内にある財産のみを合計して相続税の課税価格とすると定める。区分は 1 条の 3 による。
Q · 海外にある親の口座や不動産にも、日本の相続税ってかかるんですか?
日本在住の相続人なら海外財産も課税対象になります
相続税法 11 条の 2 は、納税義務者の区分によって課税価格の範囲を分けます。1 条の 3 第 1 項第 1 号・第 2 号に該当する無制限納税義務者は、相続や遺贈で取得した財産の全部(国外財産を含む)の価額の合計額が課税価格になります。第 3 号・第 4 号に該当する制限納税義務者は、この法律の施行地、つまり日本国内にある財産の価額の合計額だけが課税価格です。財産が海外にあること自体は、非課税の理由になりません。
シンガポールに口座を持っている、ハワイにコンドミニアムを買った、ネット証券で海外ETFを積み上げてきた。こうした国外財産に日本の相続税がかかるかどうかを決めるのが、この一本の条文だ。相続税法11条の2は、財産を取得した人を二つのグループに切り分ける。第1条の3第1項第1号・第2号に当たる人(無制限納税義務者)は、世界中どこにある財産でも合計して課税価格に入れられる。第3号・第4号に当たる人(制限納税義務者)は、日本国内、つまりこの法律の施行地にある財産だけが課税対象になる。あなたが日本に住み続けているなら、原則として全世界の財産が課税される。だが、あなたと被相続人がともに一定期間を超えて海外に住んでいれば、国外財産は日本の課税から外れることがある。この線引きが、海外資産を持つ家族の相続税額を数千万円単位で動かす。
相続税法 11 条の 2 は、相続税の課税価格の範囲を納税義務者の区分に応じて定める規定である。1 条の 3 第 1 項第 1 号・第 2 号該当者については取得財産の全部(国外財産を含む)の価額の合計額を、第 3 号・第 4 号該当者についてはこの法律の施行地にある財産の価額の合計額のみを課税価格とする。財産が施行地にあるか否かの判定は同法 10 条による。
相続税法 1 条の 3 第 1 項第 1 号・第 2 号に該当する者で、国内外を問わず取得した全財産に相続税が課される区分です。11 条の 2 第 1 項が課税価格の範囲を定めています。
相続税法 1 条の 3 第 1 項第 3 号・第 4 号に該当する者で、この法律の施行地、つまり日本国内にある財産だけが課税価格に算入されます(11 条の 2 第 2 項)。
取得者ごとに、区分に応じた範囲の財産を 22 条の時価で評価して合計します。無制限なら全世界財産、制限なら国内財産のみ。ここから債務控除(13 条)を行います。
相続税法 10 条が財産の種類ごとに所在を定めています。不動産はその所在地、預貯金は受入れをした営業所の所在地など、財産ごとに基準が異なります。
相続の開始があったことを知った日の翌日から 10 か月以内です(相続税法 27 条)。国外財産があると残高証明や評価資料の取得に時間がかかり、実質の準備期間は短くなります。
相続税法 22 条の時価によります。国内のような路線価がないため、現地の売買実例や鑑定評価、現地の公的評価額などを用いるのが実務です。円換算は相続開始日の為替が基準です。
できますが範囲が限定されます。相続税法 13 条は、制限納税義務者について国内財産に係る債務など一定のものに控除を絞る特則を置いています。
被相続人が保険料を負担していた生命保険金や死亡退職金は、みなし相続財産として課税価格に算入されます(相続税法 3 条)。非課税枠は 12 条に定めがあります。
あなたが日本に住む相続人(無制限納税義務者)なら、かかります。相続税法11条の2第1項により、無制限納税義務者は国内外を問わず取得した全財産の合計額が課税価格になります。海外にあること自体は非課税の理由になりません。業界裏話ヒント:2018年以降、CRS(共通報告基準)で世界各国の金融口座情報が国税庁へ自動的に共有されています。海外口座はバレないという前提はすでに崩れており、申告に含めない選択のリスクは年々上がっている。
条件を満たせば国外財産は課税対象から外れますが、その条件は厳しい。被相続人と相続人の双方が、原則として一定年数を超えて日本に住所を持たないことが必要です(1条の3、11条の2第2項)。片方でも要件を欠けば無制限納税義務者となり全世界課税に戻ります。業界裏話ヒント:この居住年数要件は近年の改正で延長され、短期移住による節税が封じられてきた。今から数年の移住では効かない前提で設計されている。(最新の改正状況をご確認ください)
その親が制限納税義務者(1条の3第1項第3号・第4号)に該当するなら、相続税法11条の2第2項により、課税対象はこの法律の施行地、つまり日本国内にある財産だけです。海外の財産は日本の相続税の外にあります。業界裏話ヒント:財産が国内にあるかどうかの判定は相続税法10条が細かく定めており、不動産はその所在地、預金は受入れ金融機関の所在地で決まる。同じ現金でも、どこの銀行に置いてあるかで課税対象かどうかが分かれる。
課税価格の合計が遺産に係る基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人の数、相続税法15条)以下なら、原則として相続税はかからず申告も不要です。ただし国外財産を足すと基礎控除を超えることは珍しくない。業界裏話ヒント:小規模宅地等の特例などで課税価格を下げて初めて基礎控除以下になる場合は、税額がゼロでも申告が必要。税金が出ないから申告しなくていいと自己判断して特例を使い損ねる失敗が多い。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 相続税法 11 条の 2:区分ごとに課税価格の範囲を決める | — |
| 判定の対象 | 取得財産の合計額(全世界か国内のみか) | — |
| 適用の順番 | 2 番目:区分が決まって初めて範囲が定まる | — |
| 間違えたときの影響 | 課税価格そのものが過大・過少になり税額が全面的にずれる | — |
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