相続又は遺贈(第二十一条の二第四項に規定する贈与を含む。以下この条において同じ。)によりこの法律の施行地外にある財産を取得した場合において、当該財産についてその地の法令により相続税に相当する税が課せられたときは、当該財産を取得した者については、第十五条から前条までの規定により算出した金額からその課せられた税額に相当する金額を控除した金額をもつて、その納付すべき相続税額とする。
要点相続税法 20 条の 2 は、国外財産に外国で相続税相当の税が課された場合、その税額を日本の相続税額から控除できると定める。控除額は在外財産の課税価格割合で計算した金額が上限となる。
Q · 海外にある財産を相続して現地で相続税を払ったら、日本の相続税から引けますか?
原則引けます。ただし控除には上限があり超過分は自己負担です
相続税法 20 条の 2 により、相続又は遺贈で日本の法施行地外にある財産を取得し、その地の法令で相続税に相当する税が課されたときは、第 15 条から前条までで算出した日本の相続税額から外国税額を控除できます。ただし同条ただし書きで、算出税額に「在外財産の価額 ÷ 課税価格に算入された取得財産の価額」を乗じた金額が控除の限度です。外国の実効負担がこの限度を超えると、超過部分は控除されず自己負担になります。
親が老後の楽しみに買ったハワイのコンドミニアムを、あなたが相続したとする。アメリカは連邦遺産税をかけ、日本もあなたに相続税をかける。同じ財産に二つの国が同時に手を伸ばす、これが国際相続の現実だ。相続税法 20 条の 2 は、この二重課税を和らげる。日本国外にある財産を相続し、その財産に現地の法令で相続税に相当する税が課されたとき、日本で算出した相続税額から外国で払った税額を差し引ける。ただし落とし穴がある。控除には上限があり、その外国財産に対応する日本の相続税額を超える分は控除されない。つまり外国の税率が日本より高ければ、はみ出た差額はあなたが飲み込むしかない。外国で払ったのだから日本ではゼロ、とはいかないのだ。この一条を使いこなせるかどうかで、あなたの手元に残る遺産が数百万円単位で変わる。
相続税法 20 条の 2 は外国税額控除を定める規定であり、相続又は遺贈により法施行地外にある財産を取得した者について、その地の法令により相続税に相当する税が課されたときは、第 15 条から前条までの規定により算出した金額から当該外国税額を控除した金額を納付すべき相続税額とする。控除額には在外財産の課税価格割合により算出される限度額が設けられる。
同一の財産に日本と外国の双方が相続税を課す二重課税を調整する制度です。相続税法 20 条の 2 が根拠で、外国で納付した相続税相当額を日本の算出税額から差し引きます。
対象になります。20 条の 2 の括弧書きは、相続税法 21 条の 2 第 4 項に規定する贈与を「相続又は遺贈」に含めています。相続税の課税価格に取り込まれる贈与財産も同様に扱われます。
現地税務当局の納税証明書、申告書の控え、納付を示す銀行送金記録などです。現地の弁護士・会計士による証明書を添える例もあります。訳文の添付を求められることがあります。
納付すべき日の為替相場によって邦貨換算するのが原則です。適用する相場の種類は相続税法基本通達 20 の 2-1 と国税庁の最新の取扱いをご確認ください。
米国の連邦遺産税は「その地の法令による相続税に相当する税」として控除対象と扱われるのが一般的です。ただし州の税や登録関連の課徴金は性質が異なるため個別に判断が必要です。
あります。在外財産に対する贈与税額の控除は相続税法 21 条の 8 が定めます。相続税の 20 条の 2 とは別条文なので、適用条文を取り違えないよう注意してください。
日米間には相続税に関する条約があり、国内法の外国税額控除とは別に二重課税の調整方法が用意されています。どちらが有利かは財産構成で変わるため、両方を並べて試算します。
その財産が法施行地外にあり、現地の法令で相続税に相当する税が課されていれば対象です。財産の所在の判定は相続税法 10 条の規定によります。
原則として両方に課税されます。米国は米国内資産に連邦遺産税を、日本は居住者であるあなたに全世界財産で相続税を課します。ただし相続税法 20 条の 2 で、米国で払った遺産税を日本の相続税額から控除できます。業界裏話ヒント:日米間には 1954 年発効の相続税条約があり、二重課税の調整方法が国内法の外国税額控除とは別に用意されている。条約と国内法のどちらが有利かはケースで変わるので、両方を並べて比較する専門家は意外と少ない
全額とは限りません。控除には上限があり(20 条の 2 ただし書き)、その外国財産に対応する日本の相続税額が限度です。外国の税率が日本より高ければ、超えた分は控除されず自己負担になります。業界裏話ヒント:この上限は取得者ごとに効くので、遺産分割で在外財産を『日本の相続税額が高い相続人』に寄せると控除枠を使い切れる。誰がどの財産を取るかで納税総額が変わるが、分割協議の場でここまで詰める人は稀
あきらめる必要はありません。いったん外国税額控除なしで期限内(10 か月)に申告・納税し、外国税額が確定してから更正の請求で払い過ぎを取り戻せます(相続税法 32 条の特則)。業界裏話ヒント:外国の相続手続き(プロベート等)は年単位でかかることが多く、日本の 10 か月に間に合わないのが通常。『間に合わないから控除できない』と誤解して放置すると、更正の請求の期限を過ぎて本当に取り戻せなくなる。確定したら即動く
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 控除の性質 | 20 条の 2:国際的二重課税を調整する外国税額控除 | — |
| 適用の前提 | 法施行地外の財産を取得し、その地の法令で相続税相当の税が課されたこと | — |
| 差し引く段階 | 15 条から前条までで算出した税額から最後に控除 | — |
| 上限の有無 | あり:在外財産の課税価格割合を乗じた金額が限度、超過分は切り捨て | — |
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