地方税法 第172条(環境性能割の重加算金)
クイックジャンプ
- 前条第一項の規定に該当する場合において、納税者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、かつ、その隠蔽し、又は仮装した事実に基づいて申告書、修正申告書又は第二十条の九の三第三項に規定する更正請求書(次項において「更正請求書」という。)を提出したときは、道府県知事は、政令で定めるところにより、前条第一項に規定する過少申告加算金額に代えて、その計算の基礎となるべき更正による不足税額又は修正申告により増加した税額に百分の三十五の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
- 2.前条第二項の規定に該当する場合(同項ただし書の規定の適用がある場合を除く。)において、納税者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、かつ、その隠蔽し、又は仮装した事実に基づいて、申告書の提出期限までに申告書を提出せず、又は申告書の提出期限後に申告書の提出をし、修正申告書を提出し、若しくは更正請求書を提出したときは、道府県知事は、同項に規定する不申告加算金額に代えて、その計算の基礎となるべき税額に百分の四十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算金額を徴収しなければならない。
- 3.前二項の規定に該当する場合において、次の各号のいずれか(第一項の規定に該当する場合にあつては、第一号)に該当するときは、前二項に規定する重加算金額は、これらの規定にかかわらず、これらの規定により計算した金額に、第一項の規定に該当するときは同項に規定する計算の基礎となるべき更正による不足税額又は修正申告により増加した税額に、前項の規定に該当するときは同項に規定する計算の基礎となるべき税額に、それぞれ百分の十の割合を乗じて計算した金額を加算した金額とする。
- 一前二項に規定する課税標準額の計算の基礎となるべき事実で隠蔽し、又は仮装されたものに基づき申告書の提出期限後の申告書の提出、修正申告書の提出又は第百六十八条第一項から第三項までの規定による更正若しくは決定があつた日の前日から起算して五年前の日までの間に、環境性能割について、不申告加算金等を徴収されたことがある場合
- 二申告書の提出期限後の申告書の提出、修正申告書の提出又は第百六十八条第一項から第三項までの規定による更正若しくは決定に係る環境性能割の納税義務が成立した日の属する年の前年及び前々年に納税義務が成立した環境性能割について、特定不申告加算金等を徴収されたことがあり、又は特定不申告加算金等に係る決定をすべきと認める場合
- 4.道府県知事は、前三項の規定に該当する場合において、申告書又は修正申告書の提出について前条第一項ただし書又は第六項に規定する理由があるときは、当該申告により納付すべき税額又は当該修正申告により増加した税額を基礎として計算した重加算金額を徴収しない。
- 5.道府県知事は、第一項又は第二項の規定により徴収すべき重加算金額を決定した場合には、遅滞なく、納税者に通知しなければならない。
この条文の基本情報
環境性能割の重加算金とは何ですか?
定義環境性能割の重加算金とは、地方税法第172条に定められた規定で、「前条第一項の規定に該当する場合において、納税者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、かつ、その隠蔽し、又は仮装した事実に基づ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第172条(環境性能割の重加算金)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第172条の条文原文は「前条第一項の規定に該当する場合において、納税者が課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、かつ、その隠蔽し、又は仮装した事実に基づ…」で始まります。
- 地方税法第172条は第二章 道府県の普通税に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第172条の前の条は地方税法第171条です。
- 地方税法第172条の次の条は地方税法第172〜177条です。
- 地方税法第172条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第172条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第172条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/172
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法172条は、環境性能割の申告で事実を隠蔽・仮装した場合、過少申告加算金に代えて不足税額の35%(無申告等は40%)の重加算金を課すと定める。
Q · 車の取得価額をごまかして申告したら、ペナルティはどれくらい?
隠蔽・仮装があれば不足税額の35%、無申告等は40%
地方税法172条により、環境性能割の申告で取得価額などの計算の基礎となる事実を隠蔽・仮装した場合、通常の過少申告加算金(10% 前後)に代えて不足税額の35% の重加算金が課されます。無申告・期限後申告などの場合は40% です。過去5年以内に不申告加算金等を課されていれば、さらに10% 上乗せされます。一方、正当な理由がある部分には課されません(同条4項)。
解説
車の取得価額を少なく見せた書類を出す。この場合、ペナルティは「少し重くなる」程度では済まない。最初から種類が変わる。ふつうの申告漏れなら過少申告加算金(前条171条)で済むところ、取得価額の計算の基礎となる事実を隠したり偽ったりして申告していれば、その加算金は丸ごと「重加算金」に差し替えられる。率は不足税額の35%、そもそも申告していなければ40% である。さらに、過去5年以内に同じような加算金を取られていれば、10% が上乗せされる。分かれ目は金額の大きさではない。「隠蔽・仮装(事実を隠す、または事実と違う外形を作ること)」があったかどうかである。値引きを装った架空の書類、二重の契約書、名義の付け替え。こうした「作られた事実」が一つでもあれば35% の世界に入る。逆に、正当な理由がある部分にはかからない(4項)。調査担当者が何を探しに来るのかを知っている人は、聞かれたときに答える順番が変わる。なお環境性能割は、令和8年度税制改正で廃止が決まったとされる。それでも、過去に取得した車への調査や更正は続きうる(最新の改正状況をご確認ください)
法的な位置づけ
地方税法172条は、環境性能割の重加算金を定める規定である。納税者が課税標準額の計算の基礎となる事実を隠蔽または仮装し、それに基づいて申告書等を提出した場合、過少申告加算金に代えて35%、不申告加算金に代えて40% の重加算金を課し、一定の反復者には10% を加算する。
よくある質問 AI による整理
Q1重加算金とは何ですか?
地方税で、事実の隠蔽・仮装に基づく申告があった場合に、通常の加算金に代えて課される重い加算金です。環境性能割では地方税法172条が根拠です。
Q2重加算金の税率は何%ですか?
過少申告の場合は不足税額の35%、無申告・期限後申告の場合は40% です。過去5年以内に不申告加算金等を課されていれば、さらに10% 加算されます。
Q3中古車の売買価格を安く書いたら違法?
実際より低い価格で契約書を作り直して申告すれば、仮装と評価されるおそれがあります。その場合、不足税額の35% の重加算金の対象になります。
Q4重加算金の通知はいつ届く?
道府県知事が重加算金額を決定した場合、遅滞なく納税者に通知されます(地方税法172条5項)。調査を経て、更正・決定と併せて届くのが一般的です。
Q5重加算金は払わないとどうなる?
地方税の滞納と同様に督促を受け、延滞金が生じ、最終的には財産の差押えなど滞納処分の対象となりえます。不服がある場合は、期限内に審査請求を検討します。
Q6重加算金に不服申立てはできる?
できます。処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に審査請求できます(行政不服審査法18条)。隠蔽・仮装の有無が主な争点になります。
Q7重加算金が課されない場合はある?
申告や修正申告について正当な理由がある場合、その部分には課されません(同条4項)。また、隠蔽・仮装がなければ、通常の加算金にとどまります。
Q8環境性能割の重加算金は何年前まで遡る?
偽りその他不正の行為がある場合、更正・決定ができる期間は法定納期限から最長7年に延びます(地方税法17条の5)。最新の改正状況を確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1業者に任せた書類が勝手に安い価格になってたんですけど、それでも重加算金ですか?
環境性能割の納税者は取得者であるあなたなので、通知はまずあなたに届きます(地方税法172条5項)。ただ、代理人の隠蔽・仮装を納税者本人に帰責できるかについては、国税の判例(最判平成18.4.20)に帰責を否定した例があり、実務上、解釈が分かれています。実務のポイント:自分が知らなかったことを示す客観的な証拠(実際の支払額の振込記録など)があるかどうかで、反論が通る見込みは大きく変わります。業者との LINE やメールは消さないこと
Q2重加算金を取られたら、前科がつくんですか?
重加算金は行政上の制裁金であり、刑罰ではありません。前科にはなりません。ただし、同じ事実が刑事手続の対象になる可能性まで否定されるわけではなく、両者は別の手続として並行することがあります。実務のポイント:重加算金の決定を争うときに述べた内容は、記録として残ります。「どうせ行政の話だから」と軽く考えて不正確な説明をすると、自分に跳ね返ってきます
Q3環境性能割はなくなるって聞いたけど、もう関係ないですよね?
令和8年度税制改正で廃止が決まったとされていますが、廃止前に取得した車の納税義務と加算金のルールは、遡って消えるわけではありません。不正行為があれば更正の期間が最長7年に延びるため(地方税法17条の5)、過去の取得分への調査は当面続きえます(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:制度が終わる時期は、過去分を整理する調査が集中しやすい時期でもあります
間違えやすい点 AI による整理
- 「少額のごまかしなら加算金も少しで済む」と思われがちだが、重加算金の要件に金額の基準はない。不足額が数万円でも、隠蔽・仮装があれば率は35% で固定される。問われるのは規模ではなく行為の性質である
- あなたから見れば「業者がやったこと」でも、法律から見れば納税者は車の取得者であるあなた自身だ。この落差がつらい。代理人の隠蔽・仮装を納税者に帰責できるかについては、国税の判例(最判平成18.4.20)が帰責を否定した例があるなど、実務上、解釈が分かれている。それでも、最初に通知が来るのはあなたのところである
- 「申告さえしなければ発覚しない」という発想は、問いの立て方そのものが誤っている。環境性能割は、自動車の登録と結びついた税である。登録の記録が残る以上、無申告は記録とのずれとして浮かび上がる。しかも隠していれば率は40%、直前2年にも不申告加算金を取られていれば50% と、加算金の中で最も重い階層に入る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動要件 | 172条:隠蔽・仮装した事実に基づく申告等 | 171条1項:過少申告(修正申告・更正) 171条2項:期限後申告・無申告(決定) |
| 基本の率 | 35%(過少申告型)/40%(不申告型) | 10%(一定額を超える部分は加重) 15%(一定額を超える部分は加重) |
| 反復時の加重 | 過去5年以内の加算金歴等で +10% | 本条ほどの加重構造はない 一定の反復無申告で加重あり(要確認) |
| 免除・除外 | 正当な理由がある部分は徴収しない(4項) | 正当な理由がある場合は課さない(ただし書) 正当な理由がある場合は課さない(ただし書) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では詐術等による逃税は刑事罰の対象となり、行政上の加算金とは別建てで、各税法の漏報罰則が併存する。
韓国も地方税で不正行為による過少申告に40% の加算税を課し、日本と近い構造をもつ。
ドイツには日本型の重加算金はなく、脱税罪と脱税利息(Hinterziehungszinsen)で対応する。
米国は民事詐欺ペナルティとして不足税額の75% を課し、日本より率が高い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 中古車を知人から買い、登録のときの申告書に、実際より大幅に安い売買価格を書いた。後日、県税事務所から照会が届く。もし手元の「売買契約書」が申告用に作り直したものだったら、どうなるか。単なる誤りではなく仮装と見られ、不足税額の35% が重加算金として乗る
- あなたは中古車販売店の経営者で、顧客の負担を減らそうと、値引きの体裁をとった書類で取得価額を圧縮して登録手続を代行した。重加算金を課されるのは顧客(納税者)のほうで、怒った顧客から損害賠償を求められるのはあなたである
- 重加算金決定の通知が届いた日から、審査請求の期限まで残り3か月。「隠蔽・仮装」の認定に反論するなら、当時のやり取りの記録を今週中に集めないと間に合わない
- 法人の社用車を複数台取得したが、申告していなかった。単なる失念ではなく、取得の事実がわからないように帳簿を処理していた。税率は40%。直前2年にも不申告加算金を取られていれば50% になる
- 友人から「重加算金って脱税で捕まるってこと?」と聞かれた。重加算金は行政上の制裁であり、刑事罰とは別の手続である。ただし、同じ事実が別途刑事事件として扱われる可能性がゼロだとは言えない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 重加算金の決定通知(5項)を受け取ったら、まず何が「隠蔽・仮装」とされたのかを特定する。単なる記載ミスなのに仮装と扱われていないかを確かめる2. 当時の見積書・振込記録・業者とのメールを集め、意図的な事実の作出がなかったことを示す3. 正当な理由(4項)にあたる事情があれば書面で主張する4. 不服があれば、通知を受けた日の翌日から3か月以内に道府県知事へ審査請求する
訴えられた側:1. 調査の通知が来る前なら、自主的な修正申告を最優先で検討する2. 調査が始まったら、事実と違う説明を重ねない。仮装の上塗りは認定を固めるだけである3. 業者が書類を作った場合は、その経緯を記録しておき、自分の関与の程度を整理する(帰責については実務上、解釈が分かれている) 4. 業者に責任がある場合は、別途民法709条や415条に基づく損害賠償を検討する5. 税理士への相談は早いほど選べる手が増える
時効(請求できる期限):審査請求は、処分(重加算金の決定通知)があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。取消訴訟は原則として裁決を経てから6か月以内(行政事件訴訟法14条)。偽りその他不正の行為がある場合、更正・決定ができる期間は法定納期限から最長7年に延びる(地方税法17条の5、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:重加算金は、隠蔽・仮装という行為の性質に着目した行政上の制裁であり、刑罰とは別の手続である。過少申告そのものとは区別された隠蔽・仮装行為の存在が要件とされ、国税の重加算税と同様の枠組みで解釈される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.令和元年(2019年) 新設:自動車取得税の廃止と環境性能割の導入(2019年10月施行)に伴い、環境性能割の重加算金規定として整備された。
- 地方税法 第171条過少申告・不申告加算金、本条が代替する基礎
- 地方税法 第168条更正・決定、重加算金の計算起点
- 地方税法 第20条の9の3更正の請求、仮装した更正請求書の対象
- 地方税法 第17条の5不正行為時の更正期間延長(現行効力を要確認)
- 国税通則法 第68条国税の重加算税、同構造の制度モデル
- 行政不服審査法 第18条重加算金決定への審査請求期間
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める