地方税法 第22条の3(質問、検査又は領置等)
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- 当該徴税吏員(地方団体の長がその職務を定めて指定する徴税吏員をいう。以下この節において同じ。)は、地方税に関する犯則事件(第二十二条の七を除き、以下この款において「犯則事件」という。)を調査するため必要があるときは、犯則嫌疑者若しくは参考人(以下この項及び次条第一項において「犯則嫌疑者等」という。)に対して出頭を求め、犯則嫌疑者等に対して質問し、犯則嫌疑者等が所持し、若しくは置き去つた物件を検査し、又は犯則嫌疑者等が任意に提出し、若しくは置き去つた物件を領置することができる。
- 2.当該徴税吏員は、犯則事件の調査について、官公署又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
この条文の基本情報
質問、検査又は領置等とは何ですか?
定義質問、検査又は領置等とは、地方税法第22条の3に定められた規定で、「当該徴税吏員(地方団体の長がその職務を定めて指定する徴税吏員をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第22条の3(質問、検査又は領置等)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第22条の3の条文原文は「当該徴税吏員(地方団体の長がその職務を定めて指定する徴税吏員をいう。」で始まります。
- 地方税法第22条の3は第一章 総則に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第22条の3の前の条は地方税法第22条の2です。
- 地方税法第22条の3の次の条は地方税法第22条の4です。
- 地方税法第22条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第22条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第22条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/22_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法22条の3は、指定された徴税吏員が地方税の犯則事件の調査のため、嫌疑者等への出頭要求・質問・物件の検査・領置を任意で行えると定める。拒否に罰則はない。
Q · 県税事務所の職員に脱税の疑いで話を聞かれたら、答えないといけないの?
犯則調査なら任意で罰則なし。ただし供述は証拠になる
地方税法22条の3にもとづく犯則調査では、出頭、質問への回答、物件の検査、物件の提出はいずれも任意であり、拒否しても罰則はありません。ただし、拒めば22条の4の許可状による臨検・捜索・差押えに切り替わる可能性があります。また、話した内容や提出した資料は告発の証拠にも課税処分の資料にもなりえます。最初に調査の根拠条文を確認し、早めに弁護士と税理士へ相談することが重要です。
解説
税務署の調査と、自治体の「犯則調査」は別物である。普段の税務調査は税額を正しくするための手続で、質問に答えないと罰則がある。一方、本条の犯則調査は脱税を刑事事件として告発するための手続で、担当するのは首長が特に指定した徴税吏員だ。本条が認める出頭要求、質問、所持品の検査、任意提出物の領置(相手が自分から差し出した物を役所が預かって保管すること)は、いずれも任意である。断っても罰則はない。ただし「任意だから無害」と考えるのは危ない。拒んだ先には第22条の4の強制調査、つまり裁判官の許可状にもとづく臨検・捜索・差押えが控えている。さらに、あなたがここで話した内容や提出した帳簿は、告発の証拠にもなり、課税処分の資料にも使われうる。最初の面談で何を話し、何を渡すか。その時点で、刑事か、追徴課税だけで終わるかの分岐がもう始まっている。
法的な位置づけ
地方税法22条の3は、地方税の犯則事件に関する任意調査の規定である。地方団体の長が職務を定めて指定した徴税吏員は、犯則嫌疑者または参考人に対し、出頭要求、質問、所持物件または置き去り物件の検査、任意提出物件または置き去り物件の領置を行うことができる。あわせて、官公署や公私の団体に照会して報告を求める権限も定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.調査の根拠条文を確認する 徴税吏員が来訪したら、名刺を受け取り、根拠が各税目の質問検査権による税務調査か、地方税法22条の3の犯則調査かを確認する。対象事件と自分の立場が嫌疑者か参考人かも記録しておく
- 2.弁護士と税理士に同時に連絡する 犯則調査であれば、刑事事件に強い弁護士と税理士へその日のうちに連絡する。出頭は任意なので、日程は専門家と調整してから回答する
- 3.話す範囲と提出物の範囲を決める 事実関係が整理できるまでは推測で答えない。提出する物件は範囲を絞り、提出前にすべてコピーを取って提出物一覧を作る
- 4.領置の内容を記録する 任意提出に応じた場合、領置された物件の目録や控えの交付を求め、何を渡したかを手元で確認できる状態にする
- 5.強制調査と課税処分に備える 22条の4による許可状にもとづく臨検・捜索・差押えへの移行を見込み、修正申告や納付など情状面の準備を並行して進める
よくある質問 AI による整理
Q1地方税の犯則調査とは何ですか?
地方税の脱税などの犯則事件について、刑事告発を視野に事実を調べる手続です。地方税法22条の3以下に規定され、首長が指定した徴税吏員が担当します。
Q2犯則調査の出頭要求は断れますか?
断れます。22条の3の出頭要求は任意で、拒否への罰則はありません。ただし強制調査(22条の4)に移る可能性は残ります。
Q3領置とはどういう意味ですか?
相手が任意に提出した物や置き去った物を、役所が預かって保管することです。強制的に取り上げる差押えとは区別されます。
Q4県税事務所の調査 犯則調査かどうか見分け方は?
根拠条文を職員に直接確認するのが確実です。各税目の質問検査権による税務調査か、22条の3による犯則調査かで、拒否した場合の扱いが変わります。
Q5地方税の脱税 告発されるとどうなる?
徴税吏員の告発を受けて検察が捜査し、起訴されれば刑事裁判になります。並行して重加算金を含む追徴課税が行われることもあります。
Q6軽油引取税の脱税は誰が調査する?
課税する都道府県の徴税吏員です。不正軽油の路上抜取検査などを端緒に、犯則調査として帳簿等の任意提出を求められることがあります。
Q7税務署以外が銀行口座を調べることはある?
あります。地方税法22条の3第2項により、自治体の徴税吏員は銀行などの団体に照会して報告を求められます。本人への事前通知は要件ではありません。
Q8犯則調査に弁護士は同席できますか?
任意調査なので、同席を求めたり、同席できる日程に調整したりする交渉は可能です。応じられない場合は出頭を見合わせる選択肢もあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1県の人が来て質問されたんですけど、答えないとまずいんですか?
本条の犯則調査であれば、回答は任意で、拒否しても罰則はない。普通の税務調査(各税目の質問検査権)では拒否に罰則があるので、どちらの調査なのかを最初に確認することが決定的に重要だ。実務のポイント:現場の職員は「ご協力を」としか言わないことが多い。根拠条文を聞かれて初めて、調査の性格を説明するのが実情である
Q2犯則調査で出した帳簿って、税金の追徴にも使われますか?
使われうる。国税の分野では、犯則調査で集めた資料を課税処分に使うことを最高裁が認めている(最判昭和63.3.31)。地方税でも同じ扱いになると考えるべきだ。実務のポイント:逆方向、つまり税務調査の資料を犯則事件に流用することは「犯罪捜査のためと解してはならない」との規定で制限されている。それでも判例は、結果として使われうることを直ちに違法とはしていない(最決平成16.1.20)。どちらの調査で出しても、資料は両方に流れると考えて準備する
Q3銀行に勝手に照会されることってあるんですか?
ある。本条2項により、徴税吏員は官公署や公私の団体に照会して報告を求められ、銀行もこの「団体」に含まれうる。本人への事前通知は要件になっていない。実務のポイント:照会への回答は任意だが、多くの金融機関は公的照会に応じる運用をとっている。あなたのところへ職員が来た時点で、口座の動きはすでに調べられていることが多いと考えておくべきだ
間違えやすい点 AI による整理
- 「任意なら協力しないと印象が悪くなるだけ」と考えがちだが、事態はもっと重い。任意調査を拒めば、役所は第22条の4にもとづいて裁判官に許可状を求め、強制調査へ切り替えられる。かといって全面協力すれば、自分で差し出した資料が告発の証拠になる。協力するかどうかではなく、何をどの範囲で、誰の助言を受けて出すかが本当の論点である
- 自分から見れば「税金の話」でも、法律から見ればこれは刑事手続の前段階である。最高裁(最判昭和59.3.27)は、国税の犯則調査での質問に憲法38条1項の供述拒否権の保障が及ぶと判断した。地方税の犯則調査も構造は同じだと考えられる。自分に不利なことは話さなくてよい。この落差を知らずに「税務調査と同じ」と思って全部話すと、自分で自分を追い込むことになる
- 「犯則調査は国税、つまり税務署と国税局の話で、自治体には関係ない」と思われているが、誤りである。軽油引取税、ゴルフ場利用税、住民税の特別徴収分など、地方税にも脱税の罪があり、都道府県や市町村の徴税吏員がそれを調べる権限を持っている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 調査の性質 | 地方税法22条の3:任意調査(出頭要求・質問・検査・領置・照会) | 地方税法22条の4:裁判官の許可状による強制調査(臨検・捜索・差押え) 国税通則法131条:国税の犯則事件の任意調査 |
| 拒否した場合 | 罰則なし。ただし強制調査へ移行しうる | 許可状にもとづき強制的に実施される 罰則なし(本条と同じ構造) |
| 担当者 | 地方団体の長が指定した徴税吏員 | 同じく指定された徴税吏員(許可状が必要) 国税庁・国税局・税務署の当該職員 |
| 対象となる税 | 軽油引取税・ゴルフ場利用税など地方税の犯則事件 | 地方税の犯則事件 法人税・所得税・消費税など国税の犯則事件 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では税捐稽徴機関が調査・備詢を求められ、逃漏税の犯罪嫌疑がある場合は司法機関の搜索票を得て搜索・扣押を行う。日本の任意調査と強制調査の二段構造に近い
韓国も租税犯則事件の調査を一般の税務調査と区別し、強制処分には令状を要する構造をとる
ドイツではSteuerfahndungが租税犯の捜査を担い、刑事訴訟法の規律に服する。課税庁が刑事捜査機関の役割を兼ねる点が日本より明確
米国ではIRS Criminal Investigationが租税犯を捜査する。summonsは強制力を伴い、日本の任意調査とは性格が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 軽油を扱う運送会社の倉庫に、県税事務所の職員が「少しお話を」とやって来た。不正軽油(灯油を混ぜた軽油)の疑いである。普通の税務調査だと思って帳簿を全部渡すと、それがそのまま告発資料の束になる
- 取引先が地方税の脱税を疑われ、あなたに参考人として出頭を求める通知が届いたらどうするか? 出頭は任意だが、あなたの供述は取引先の刑事責任を左右する。自社の帳簿についても質問が及ぶ可能性がある
- ゴルフ場の経営者であるあなたは、利用者数を少なく申告していた。ある朝、徴税吏員が来て「任意で」帳票の提出を求めた。断ってもいいのか、断ったら何が起きるのか。今夜中に税理士と弁護士の両方に連絡するべき場面である
- メインバンクの担当者から「県から照会が来ています」と知らされた。第2項にもとづき、役所は銀行などの公私の団体に必要事項の報告を求められる。あなたが知らないうちに、口座の動きはもう調べられているかもしれない
取るべき行動
被害を受けた側:取引先の脱税に巻き込まれた参考人や、照会を受けた団体の立場なら、1. 出頭要求や照会の根拠条文と対象事件を書面で確認する2. 出頭は任意なので、日程は弁護士と調整してから決めてよい3. 自社の帳簿を提出する場合はコピーと提出物の一覧を残す4. 自社の課税関係に話が及んだら、その場で答えず持ち帰る
訴えられた側:1. 調査の根拠が本条の犯則調査かどうかを確認する。犯則調査であれば、刑事事件に強い弁護士と税理士へ同時に連絡する2. 質問には供述拒否権の保障が及ぶと考えられるので、事実関係が整理できるまでは推測で答えない3. 任意提出は範囲を絞り、コピーを残す4. 第22条の4の強制調査への移行も見込んで、修正申告や納付による情状面の準備を並行して進める
時効(請求できる期限):調査自体に特定の期限はない。対象となる地方税の脱税の罪は刑事訴訟法250条の公訴時効に服し、年数は法定刑によって異なる。課税面では、偽りその他不正の行為による税額は、法定納期限から7年まで更正・決定されうる(地方税法17条の5。最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:犯則調査は実質的に刑事手続の前段階であり、任意調査であっても供述拒否権の保障が及ぶ。そのため本条は拒否に罰則を置かず、強制が必要な場面は許可状による司法審査(22条の4)を経る二段構造をとっている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成29年(2017年) 新設:国税犯則取締法の廃止と国税通則法への編入にあわせ、従来は国税犯則取締法の準用によっていた地方税の犯則調査手続を、地方税法の中に独自の規定として整備(2018年4月1日施行)
- 地方税法 第22条の4許可状による臨検・捜索・差押え(現行効力を要確認)
- 地方税法 第22条徴税吏員の秘密漏えいに対する罰則
- 地方税法 第17条の5不正行為による税額の更正期間7年
- 国税通則法 第131条国税の犯則調査における同種の任意調査規定
- 刑事訴訟法 第250条地方税の脱税の罪の公訴時効
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