地方税法 第72条の12(法人の事業税の課税標準)
クイックジャンプ
- 法人の行う事業に対する事業税の課税標準は、次の各号に掲げる事業税の区分に応じ、当該各号に定めるものによる。
- 一付加価値割各事業年度の付加価値額
- 二資本割各事業年度の資本金等の額
- 三所得割各事業年度の所得
- 四収入割各事業年度の収入金額
この条文の基本情報
法人の事業税の課税標準とは何ですか?
定義法人の事業税の課税標準とは、地方税法第72条の12に定められた規定で、「法人の行う事業に対する事業税の課税標準は、次の各号に掲げる事業税の区分に応じ、当該各号に定めるものによる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第72条の12(法人の事業税の課税標準)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第72条の12の条文原文は「法人の行う事業に対する事業税の課税標準は、次の各号に掲げる事業税の区分に応じ、当該各号に定めるものによる。」で始まります。
- 地方税法第72条の12は第二章 道府県の普通税に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第72条の12の前の条は地方税法第72条の11です。
- 地方税法第72条の12の次の条は地方税法第72条の13です。
- 地方税法第72条の12には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第72条の12 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第72条の12(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/72_12
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法72条の12は、法人事業税の課税標準を付加価値額・資本金等の額・所得・収入金額の四つと定める。資本金1億円超の法人は原則として赤字でも付加価値割と資本割が課される。
Q · 赤字なのに法人事業税がかかるのはなぜ?
資本金1億円超なら付加価値割と資本割が赤字でもかかるため
地方税法72条の12は、法人事業税の課税標準を付加価値額・資本金等の額・所得・収入金額の四つと定めています。資本金1億円超の法人など外形標準課税の対象法人(72条の2)は、所得割に加えて付加価値割と資本割も課されます。付加価値額は報酬給与額・純支払利子・純支払賃借料に単年度損益を加減して算定し(72条の14)、資本割は資本金等の額が土台です。このため利益がゼロでも税額は生じます。
解説
赤字の決算書を出した年に、都道府県から数百万円単位の事業税の納付書が届く。経営者が悲鳴を上げるこの現象は、地方税法72条の12の四行から生まれている。法人事業税の課税標準(税額を計算する土台の金額)は一種類ではない。付加価値額、資本金等の額、所得、収入金額の四つがあり、どれを使うかは法人の区分で決まる。区分を定めるのは72条の2だ。普通の中小法人は所得割だけを払う。ところが資本金が1億円を超えると外形標準課税の対象になり、所得割に加えて付加価値割と資本割も払う。付加価値額の中心は給与、支払利子、支払賃料である(72条の14)。人を雇い、事務所を借り、資金を借りているだけで、利益がなくても税の土台は消えない。電気供給業、ガス供給業、保険業などは、売上にあたる収入金額が土台になる。増資や資本政策を決める前に、自社がどの課税標準の区分に入るかを確かめておく必要がある。この確認を省いた会社は、毎年数百万円を払い続けることになる。
法的な位置づけ
地方税法第72条の12は、法人の行う事業に対する事業税の課税標準を定める規定であり、付加価値割は各事業年度の付加価値額、資本割は資本金等の額、所得割は所得、収入割は収入金額をそれぞれ課税標準とする。いずれの区分の事業税が課されるかは、法人の資本金規模や業種に応じて同法第72条の2が定める。
よくある質問 AI による整理
Q1外形標準課税とは何ですか?
所得ではなく、給与・利子・賃料などの付加価値額や資本金等の額といった事業規模を土台に課す法人事業税の仕組みです。付加価値割と資本割がこれにあたります。
Q2付加価値額の計算方法は?
報酬給与額・純支払利子・純支払賃借料を合計した収益配分額に、単年度損益を加減して算定します(地方税法72条の14)。損益がマイナスならその分が差し引かれます。
Q3資本割の課税標準はどう決まる?
原則は法人税法上の資本金等の額ですが、それが資本金と資本準備金の合計額を下回る場合は合計額が土台になります(72条の21)。巨額部分には圧縮措置があります。
Q4中小企業も外形標準課税の対象になる?
資本金1億円以下の普通法人は原則として所得割のみで、外形標準課税の対象外です。ただし令和6年度改正で、減資法人や大企業の100%子法人には例外が設けられました。
Q5法人事業税の申告期限はいつまで?
事業年度終了日の翌日から2か月以内に申告納付します(地方税法72条の25)。一定の場合には申告期限の延長が認められます。最新の要件は都道府県で確認してください。
Q6収入割がかかるのはどんな会社?
電気供給業、ガス供給業、保険業など、所得より売上規模で担税力を測る業種です。事業区分により収入割と他の割の組合せが変わります(72条の2)。
Q7法人事業税は損金に算入できる?
できます。法人事業税は法人税の計算上、原則として申告書を提出した日の属する事業年度の損金に算入されます。付加価値割・資本割も同様です。
Q8所得割の所得は法人税の所得と同じ?
原則として法人税の課税標準である所得の計算の例によります(72条の23)。ただし地方税法独自の加算・減算項目があり、完全には一致しません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うち赤字なのに、なんで事業税をこんなに払うんですか?
資本金が1億円を超えていて、外形標準課税の対象になっているからだと考えられる。72条の12により、付加価値割は付加価値額、資本割は資本金等の額を課税標準にしており、どちらも利益とは連動しない。実務のポイント:付加価値額は単年度損益がマイナスならその分が差し引かれる。さらに収益配分額に占める報酬給与額の割合が70%を超える会社は、雇用安定控除(72条の20)で土台を削れる。申告書の別表でこの控除が抜けている例は少なくない
Q2資本金を1億円に減資すれば、外形標準課税から外れられますよね?
以前は多くの場合それで外れられたが、令和6年度改正で状況が変わった。前事業年度に外形対象だった法人は、減資後も資本金と資本剰余金の合計が10億円を超えると、引き続き対象になる(72条の2、2025年4月1日以後開始事業年度から)。実務のポイント:減資の登録免許税や債権者保護手続の費用をかけたのに、税負担が変わらないこともある。株主総会に議案を出す前に、資本剰余金の取り崩しまで含めて試算しておくべきである(最新の改正状況をご確認ください)
Q3電力会社や保険会社の事業税って、普通の会社と計算の仕方が違うんですか?
違う。72条の12第4号の収入割は、電気供給業、ガス供給業、保険業などに適用され、所得ではなく収入金額が課税標準になる(72条の2、72条の24の2)。電気供給業では、令和2年度以降の改正で、発電・小売と送配電で課税標準の組合せが分かれた。実務のポイント:新電力のように、同じ電気の事業者でも事業区分によって課税標準の組合せが変わる。事業を兼業している場合は、事業ごとに経理を区分しておかないと過大課税になりやすい(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「税金は儲かったときだけ払うもの」という感覚は、法人税と所得割には当てはまる。しかし付加価値割と資本割は利益と連動しない。資本金1億円超の法人は、赤字でも給与・利子・賃料と資本の大きさに応じて課税される
- 外形標準課税が赤字でもかかることは知っていても、その重さまで把握している経営者は少ない。報酬給与額が大きい労働集約型の会社では、付加価値割が法人税額を上回る年もある。雇用安定控除(72条の20)が使えるかどうかで、税額は大きく変わる
- 「資本金を1億円以下にすれば外形標準課税から外れられるか」と問う前に、確かめるべきことがある。判定に使う数字は、もはや資本金だけではない。令和6年度改正で、減資した法人や100%子法人には資本剰余金を含めた基準が加わった。問いを立てる段階で、すでに古い地図を見ていることになる(最新の改正状況をご確認ください)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 地方税法72条の12:四つの区分ごとの課税標準(物差し)を定める | 地方税法72条の2:どの法人にどの区分を課すかを定める 地方税法72条の14・72条の21:付加価値額・資本金等の額の具体的な算定方法を定める |
| 利益との連動 | 所得割は連動、付加価値割・資本割は非連動、収入割は売上連動 | 法人の資本金規模・業種で課税区分が決まり、利益の有無は判定に無関係 付加価値額は単年度損益を加減するため一部連動、資本金等の額は非連動 |
| 実務で確認すべき点 | 自社にどの課税標準が適用されるか | 期末資本金、令和6年度改正の資本剰余金基準、100%子法人要件 報酬給与額・純支払利子・純支払賃借料の集計、資本金と資本準備金の合計額との比較 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾には都道府県レベルの法人事業税がなく、法人の所得は国税の営利事業所得税、取引規模は営業税で課税される。金融業などの非加値型営業税は売上総額が土台で、日本の収入割に近い発想
韓国の地方法人課税は法人地方所得税として所得を土台とし、日本の付加価値割・資本割のような外形基準は採用していない
ドイツの営業税は営業収益を土台としつつ、支払利子・賃料の一部を加算する。利益以外の要素を土台に取り込む点で日本の付加価値割と共通する
フランスは企業の付加価値を土台とする地方税CVAEを設けてきたが、段階的な廃止が進められている(最新の改正状況の確認が必要)
米国では州ごとに、所得税に加えて売上や純資産を土台とするフランチャイズ税・グロスレシート税を課す例がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- シリーズBで5億円を調達し、資本金にそのまま全額を計上した。翌期は赤字だったのに、付加価値割と資本割で数百万円の事業税がかかった。資本準備金への振り分けを検討していれば、資本割の負担を減らせた可能性はあった
- 業績が悪化した老舗メーカーが、資本金を1億円まで減資して外形標準課税から外れようとした。しかし令和6年(2024年)度改正で、前事業年度に外形対象だった法人は、減資後も資本金と資本剰余金の合計が10億円を超えると対象に残る。税理士がこの改正を知らなければ、減資の手続費用だけが無駄になる(最新の改正状況をご確認ください)
- 事業年度が終わってから二か月以内に事業税を申告・納付しなければならない(72条の25)。決算担当者が「うちは赤字だから事業税はゼロ」と思い込み、申告書の付加価値割の欄を空けたまま期限が近づいている
- 正社員を減らして派遣に切り替えれば、付加価値割を圧縮できるのではないか? 実際には、派遣先が支払う派遣料金の75%は報酬給与額に加算される(72条の15)。切り替えても税の土台はほとんど減らない
- 親会社の資本金等の額が50億円を超えるグループで、100%子会社の資本金を1億円以下に抑えていた。令和6年度改正により、一定の要件を満たす100%子法人も外形標準課税の対象に入る。子会社の経理担当者が、県税事務所からの照会で初めてこの改正を知る(最新の改正状況をご確認ください)
取るべき行動
被害を受けた側:過大に納税した疑いがある場合:1. 外形対象か否かの判定根拠を確認する。期末の資本金と、令和6年度改正の資本剰余金基準を見る2. 報酬給与額に役員報酬、退職金、派遣料の75%が正しく入っているかを点検する3. 雇用安定控除と賃上げの特例を適用し忘れていないかを確認する4. 誤りがあれば、更正の請求(地方税法20条の9の3)を都道府県に提出する
訴えられた側:県税事務所の調査で付加価値額などの算定誤りを指摘された場合:1. 指摘が報酬給与額、純支払利子、純支払賃借料のどの項目にあたるかを特定する2. 出向者の給与負担金や派遣料などの区分について、契約書をもとに反論できるかを検討する3. 複数の都道府県に事務所がある場合は、分割基準(72条の48)の誤りが他の都道府県の税額にも波及するので、全体を再計算する4. 更正処分(税務署や県税事務所が税額を改める決定)に不服があれば審査請求を検討する
時効(請求できる期限):申告納付期限は事業年度終了日の翌日から2か月以内(地方税法72条の25)。納税者からの更正の請求は、法定納期限から原則5年以内(同法20条の9の3)。課税庁による更正は、原則5年以内で、偽りその他不正の行為があった場合は7年以内(同法17条の5ほか)。更正処分に対する審査請求は、処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
応益課税説(通説):法人事業税は、法人が都道府県の行政サービスを受けて事業を営むことに対する応益的な負担であり、所得だけでなく事業規模を示す外形基準で課税することに合理性があるとする考え方。外形標準課税導入の理論的根拠とされる
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)改正、平成16年(2004年)4月施行 資本金1億円超の法人を対象に外形標準課税を導入し、従来の所得・収入金額に加えて付加価値割と資本割の課税標準を設けた。本条の文言変更の正確な履歴は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 改正:外形標準課税の導入に伴い、付加価値割・資本割・所得割・収入割の四区分ごとに課税標準を定める現行の枠組みが整備された(平成16年4月1日以後開始事業年度から適用)。文言変更の正確な履歴は人的検証が必要
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