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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 8 分8 分8 分

地方税法 第72条の48(分割法人の申告納付等)

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  1. 二以上の道府県において事務所又は事業所を設けて事業を行う法人(以下この条において「分割法人」という。)は、第七十二条の二十五、第七十二条の二十六(第五項を除く。)、第七十二条の二十八若しくは第七十二条の二十九の規定により事業税を申告納付し、又は第七十二条の三十一第二項若しくは第三項の規定により事業税を修正申告納付する場合には、当該事業に係る課税標準額の総額(第七十二条の二十四の七第一項第三号に掲げる法人で各事業年度の所得の総額が年四百万円(当該法人の当該事業年度が一年に満たない場合には、同条第六項の規定を適用して計算した金額。以下この項において同じ。)を超え年八百万円(当該法人の当該事業年度が一年に満たない場合には、同条第六項の規定を適用して計算した金額。以下この項において同じ。)以下のもの又は同条第一項第二号に掲げる法人で各事業年度の所得の総額が年四百万円を超えるものにあつては、当該各事業年度の所得の総額を年四百万円以下の部分の金額及び年四百万円を超える部分の金額に区分した金額とし、同項第三号に掲げる法人で各事業年度の所得の総額が年八百万円を超えるものにあつては、当該各事業年度の所得の総額を年四百万円以下の部分の金額、年四百万円を超え年八百万円以下の部分の金額及び年八百万円を超える部分の金額に区分した金額とする。以下法人の行う事業に対する事業税について同じ。)を分割基準により関係道府県ごとに分割し、その分割した額を課税標準として、関係道府県ごとに事業税額を算定し、これを関係道府県に申告納付し、又は修正申告納付しなければならない。この場合において、関係道府県知事に提出すべき申告書又は修正申告書には、総務省令で定める課税標準額の総額の分割に関する明細書を添付しなければならない。
  2. 2.分割法人の事業年度の期間が六月を超える場合(当該分割法人が通算子法人である場合には、当該事業年度開始の日の属する通算親法人事業年度が六月を超え、かつ、当該通算親法人事業年度開始の日以後六月を経過した日において当該分割法人に係る通算親法人との間に通算完全支配関係がある場合)には、当該分割法人が第七十二条の二十六第一項本文の規定により関係道府県に申告納付すべき事業税額又は当該申告納付に係る修正申告納付すべき事業税額は、前項の規定にかかわらず、関係道府県ごとの当該事業年度の前事業年度の事業税として納付した税額及び納付すべきことが確定した税額の合計額を当該事業年度の前事業年度の月数で除して得た額に中間期間の月数を乗じて計算した額に相当する額とする。ただし、当該分割法人の六月経過日の前日現在において関係道府県に所在する事務所若しくは事業所が移動その他の事由により当該事業年度の前事業年度の関係道府県に所在する事務所若しくは事業所と異なる場合又は六月経過日の前日現在における関係道府県ごとの分割基準の数値が当該事業年度の前事業年度の関係道府県ごとの分割基準の数値と著しく異なると認める場合には、当該分割法人が第七十二条の二十六第一項本文の規定により関係道府県に申告納付すべき事業税額又は当該申告納付に係る修正申告納付すべき事業税額は、当該事業年度の前事業年度の事業税として納付した税額及び納付すべきことが確定した税額の合計額の算定の基礎となつた課税標準額の総額を当該事業年度の前事業年度の月数で除して得た額に中間期間の月数を乗じて計算した額に相当する額を同項ただし書の規定による申告納付をする法人に準じて前項の規定により関係道府県ごとに分割した額を課税標準として算定した税額とすることができる。
  3. 3.前二項の「分割基準」とは、次の各号に掲げる事業の区分に応じ、当該各号に定めるところにより課税標準額の総額を関係道府県ごとに分割する基準をいう。
  4. 一製造業課税標準額の総額を申告書又は修正申告書に記載された関係道府県に所在する事務所又は事業所(以下この項から第五項までにおいて「事業所等」という。)の従業者の数に按分すること。
  5. 二電気供給業次に掲げる事業の区分に応じ、それぞれ次に定めるところにより課税標準額の総額を関係道府県ごとに分割すること。
  6. 一小売電気事業等課税標準額の総額の二分の一に相当する額を事業所等の数に、課税標準額の総額の二分の一に相当する額を事業所等の従業者の数に按分すること。
  7. 二電気事業法第二条第一項第八号に規定する一般送配電事業(第九項第一号及び第二号において「一般送配電事業」という。)、同条第一項第十号に規定する送電事業(第九項第一号及び第二号において「送電事業」という。)(これに準ずるものとして総務省令で定めるものを含む。)、同条第一項第十一号の二に規定する配電事業(第九項第一号及び第二号において「配電事業」という。)及び同条第一項第十二号に規定する特定送配電事業次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に定めるところにより課税標準額の総額を関係道府県ごとに分割すること。
  8. 三発電事業等及び特定卸供給事業次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に定めるところにより課税標準額の総額を関係道府県ごとに分割すること。
  9. 三ガス供給業及び倉庫業課税標準額の総額を事業所等の固定資産の価額に按分すること。
  10. 四鉄道事業及び軌道事業課税標準額の総額を事業所等の所在する道府県における軌道の延長キロメートル数に按分すること。
  11. 五前各号に掲げる事業以外の事業課税標準額の総額の二分の一に相当する額を事業所等の数に、課税標準額の総額の二分の一に相当する額を事業所等の従業者の数に按分すること。
  12. 4.前項に規定する分割基準(以下この款において「分割基準」という。)の数値の算定については、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるところによる。
  13. 一従業者の数事業年度終了の日現在における数値。ただし、資本金の額又は出資金の額が一億円以上の製造業を行う法人の工場である事業所等については、当該数値に当該数値(当該数値が奇数である場合には、当該数値に一を加えた数値)の二分の一に相当する数値を加えた数値
  14. 二事業所等の数事業年度に属する各月の末日現在における数値を合計した数値(当該事業年度中に月の末日が到来しない場合には、当該事業年度終了の日現在における数値)
  15. 三電線路の電力の容量、固定資産の価額及び軌道の延長キロメートル数事業年度終了の日現在における数値
  16. 5.次の各号に掲げる事業所等については、当該各号に定める数(その数に一人に満たない端数を生じたときは、これを一人とする。)を前項第一号に掲げる従業者の数とみなす。
  17. 一事業年度の中途において新設された事業所等当該事業年度終了の日現在における従業者の数に、当該事業年度の月数に対する当該事業所等が新設された日から当該事業年度終了の日までの月数の割合を乗じて得た数
  18. 二事業年度の中途において廃止された事業所等当該廃止の日の属する月の直前の月の末日現在における従業者の数に、当該事業年度の月数に対する当該廃止された事業所等が当該事業年度中において所在していた月数の割合を乗じて得た数
  19. 三事業年度中を通じて従業者の数に著しい変動がある事業所等として政令で定める事業所等当該事業年度に属する各月の末日現在における従業者の数を合計した数を当該事業年度の月数で除して得た数
  20. 6.前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
  21. 7.第七十二条の二十六第一項ただし書の規定又は第二項ただし書の規定により申告納付すべき法人の中間納付額に係る分割基準について第四項の規定を適用する場合には、当該法人の中間期間を一事業年度とみなす。
  22. 8.分割法人が二以上の分割基準を適用すべき事業を併せて行う場合における当該分割法人の事業に係る課税標準額の総額の分割については、これらの事業のうち主たる事業について定められた分割基準によるものとする。
  23. 9.分割法人が電気供給業を行う場合において、当該電気供給業に係る分割基準が二以上であるときにおける当該分割法人の事業に係る課税標準額の総額の分割については、前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める分割基準によるものとする。
  24. 一一般送配電事業、送電事業又は配電事業と一般送配電事業、送電事業及び配電事業以外の事業とを併せて行う場合第三項第二号ロに定める分割基準
  25. 二発電事業(電気事業法第二条第一項第十四号に規定する発電事業をいう。以下この号において同じ。)と一般送配電事業、送電事業、配電事業及び発電事業以外の事業とを併せて行う場合第三項第二号ハに定める分割基準
  26. 三前二号に掲げる場合以外の場合電気供給業のうち主たる事業について定められた分割基準
  27. 10.前項の場合において、分割法人が電気供給業と電気供給業以外の事業とを併せて行うときにおける当該分割法人の事業に係る課税標準額の総額の分割については、前二項の規定にかかわらず、まず、電気供給業又は電気供給業以外の事業のいずれを主たる事業とするかを判定するものとし、当該判定により、電気供給業を主たる事業とするときは、前項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める分割基準によるものとし、電気供給業以外の事業を主たる事業とするときは、当該事業について定められた分割基準によるものとする。
  28. 11.分割法人が鉄道事業又は軌道事業とこれらの事業以外の事業とを併せて行う場合には、前三項の規定にかかわらず、鉄道事業又は軌道事業に係る部分についてはこれらの事業について定められた分割基準により、これらの事業以外の事業に係る部分についてはこれらの事業以外の事業のうち主たる事業について定められた分割基準により、政令で定めるところにより関係道府県ごとに当該分割法人の事業に係る課税標準額の総額を分割するものとする。
  29. 12.前各項に定めるもののほか、課税標準額の総額の分割について必要な事項は、総務省令で定める。

この条文の基本情報

分割法人の申告納付等とは何ですか?

定義分割法人の申告納付等とは、地方税法第72条の48に定められた規定で、「二以上の道府県において事務所又は事業所を設けて事業を行う法人(以下この条において「分割法人」という。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 地方税法第72条の48(分割法人の申告納付等)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
  2. 地方税法第72条の48の条文原文は「二以上の道府県において事務所又は事業所を設けて事業を行う法人(以下この条において「分割法人」という。」で始まります。
  3. 地方税法第72条の48は第二章 道府県の普通税に置かれています。
  4. 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
  5. 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 地方税法第72条の48の前の条は地方税法第72条の47です。
  7. 地方税法第72条の48の次の条は地方税法第72条の48の2です。
  8. 地方税法第72条の48には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第72条の48
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226
  • 本サイト収録地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第72条の48(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/72_48

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点地方税法72条の48は、複数の都道府県に事業所を持つ法人が、法人事業税の課税標準総額を業種別の分割基準で各県に按分し、県ごとに申告納付することを定める。

Q · 東京と大阪と福岡に拠点がある会社の法人事業税は、どこに払うの?

分割基準で県別に按分し、各県へ申告納付します

地方税法72条の48により、二以上の都道府県に事務所や事業所を持つ法人(分割法人)は、課税標準額の総額を分割基準で関係する都道府県ごとに分け、県ごとに税額を計算して申告納付します。分割基準は業種で決まっており、製造業は従業者数、小売・サービス業などは事業所数と従業者数で半分ずつ按分します。申告書には課税標準の分割に関する明細書の添付が必要です。

解説

東京本社、大阪支店、福岡の小さな営業所という三拠点の会社を考える。この会社の法人事業税は、一か所の県にまとめて払えば済むものではない。所得や付加価値などの課税標準の総額を、まず「分割基準」という物差しで都道府県ごとに切り分ける。そのうえで各県に別々に申告し、納付する。この手順を定めているのが本条である。物差しは業種によって違う。製造業は従業者数、ガス供給業と倉庫業は固定資産の価額、鉄道は線路の延長キロ数で分ける。それ以外のサービス業や小売業は、総額の半分を事業所の数で、残りの半分を従業者の数で配る。見落とされやすい点が二つある。一つは、事業所の数が毎月末の数を一年分合計して数えられること。もう一つは、資本金一億円以上の製造業の工場では従業者を一・五倍で数えることだ。さらに、東京都など一部の都府県は大法人に超過税率(標準より高い税率)を課している。そのため、どの県に何割を振るかで納税の総額そのものが変わる。按分は単なる事務作業ではなく、税額を決める計算の一部である。

法的な位置づけ

地方税法第72条の48は、二以上の道府県に事務所又は事業所を設けて事業を行う分割法人について、法人事業税の課税標準額の総額を分割基準により関係道府県ごとに分割し、その分割額を課税標準として各道府県に申告納付させる規定である。分割基準は業種別に法定され、数値の算定時点や新設・廃止事業所の月数按分も同条が定める。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.主たる事業と適用する分割基準を確定する 自社の事業が製造業、ガス供給業・倉庫業、鉄道・軌道事業、電気供給業、その他のいずれに当たるかを判定する。複数事業を営む場合は本条8項〜11項に従い主たる事業を決め、適用する物差しを一つに絞る
  2. 2.各月末時点の事業所等一覧を作る 事業年度の各月末に実在した事務所・事業所を都道府県別に一覧化し、月末ごとの数を合計する。期中に開設・閉鎖した拠点は開設日・廃止日を必ず記録する
  3. 3.従業者数を算定し補正する 期末現在の事業所別従業者数を給与台帳から集計する。資本金1億円以上の製造業の工場は1.5倍に補正し、新設・廃止事業所は月数按分、1人未満の端数は1人とする
  4. 4.課税標準を県別に按分し税額を計算する 課税標準額の総額を分割基準の数値で各県に按分し、県ごとの税率(超過税率の有無を含む)を掛けて税額を算出する。中間申告では前期実績基準か新配分かも検討する
  5. 5.分割明細書を添付して各県に申告納付する 総務省令の様式による分割明細書を作成し、関係する全都道府県に申告書とともに提出・納付する。eLTAX を使えば複数県への電子申告と納付をまとめて行える

よくある質問 AI による整理

Q1分割法人とは何ですか?

二以上の都道府県に事務所や事業所を設けて事業を行う法人のことです。地方税法72条の48が定義し、法人事業税を県ごとに分割して申告納付します。

Q2法人事業税の分割基準の計算方法は?

業種ごとに決まった物差しで課税標準の総額を按分します。小売・サービス業なら総額の半分を事業所数、残り半分を従業者数で各県に配分します。

Q3分割基準 製造業 従業者1.5倍とは?

資本金1億円以上の製造業の工場では、期末の従業者数にその2分の1を加えて数えます。奇数なら1を足してから半分にします(本条4項1号)。

Q4事業所数は期末の数で数えていい?

いいえ。事業所数は事業年度の各月末時点の数を合計した数値です。期中に閉鎖した拠点は、所在していた月末の分だけ数えます(本条4項2号)。

Q5期中に新設した支店の従業者数はどう数える?

期末の従業者数に、事業年度の月数に対する新設日から期末までの月数の割合を掛けます。1人未満の端数は1人に切り上げます(本条5項)。

Q6複数の事業をしている会社の分割基準はどれ?

原則として主たる事業の分割基準で全体を分割します(本条8項)。ただし鉄道・軌道事業や電気供給業を併せて行う場合は特則があります。

Q7分割明細書を添付しないとどうなる?

本条1項は申告書に総務省令で定める分割明細書の添付を義務付けています。不備があれば各県から補正や照会を受け、調査で問題視されやすくなります。

Q8分割基準を間違えたら修正できる?

できます。払いすぎた県には更正の請求、不足した県には修正申告をします。片方だけ直すと延滞金が膨らむため、同時に手続きするのが基本です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1出向で来ている人や派遣さんも、従業者に数えるんですか?

本条4項は「従業者の数」を基準にしているが、誰を従業者に含めるかは条文に書かれていない。具体的な線引きは総務省の取扱通知で決められている。基本的な考え方は、その事業所で働き、給与の支払いを受けている人を数えるというもので、出向者は給与を誰が負担しているかで判断が分かれる。実務のポイント:出向者の給与負担の割合を契約書で曖昧にしている会社ほど、調査で数え方を争われやすい

Q2うちは赤字だから、分割なんて関係ないですよね?

そうとは限らない。資本金1億円超の法人には外形標準課税(付加価値割・資本割)がかかり、所得がゼロでもこれらは課税標準額の総額として本条で分割される(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:中間申告は前期に各県へ払った税額を基準に計算する(本条2項)。赤字の年に分割を誤ると、その配分が翌期の中間納付にそのまま引き継がれてしまう

Q3中間申告は前期の半額を各県にそのまま払えばいいんでしょう?

原則としてはそうで、各県ごとに「前期の税額 ÷ 前期の月数 × 6」を納める(本条2項本文)。ただし拠点が移動した場合や、分割基準の数値が前期と著しく異なる場合は、新しい配分で計算し直すことが認められている(同項ただし書)。実務のポイント:期中に大きな拠点を閉鎖したのに前期の配分のまま払うと、閉鎖した県に資金を半年間寝かせることになる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「分割は県同士の取り分の話で、会社が払う総額は変わらない」と考える経理担当者は多い。しかし東京都や大阪府など一部の都府県は、大法人に超過税率を課している。税率の高い県への配分が増えれば、総額も増える。分割基準の誤りは県の取り分だけでなく、自社の納税額にも直結する
  • 「各支店に何人いるか」だけを数えればよい、という発想そのものがずれている。製造業以外の業種では、配分の半分が事業所の数で決まり、その数は各月末時点の合計で数える。社員2人の出張所も従業者500人の本社も、事業所数のほうでは同じ「1」として毎月カウントされる
  • 経理から見れば、分割明細書は申告書に付ける添付資料の一つにすぎない。一方で県税事務所から見れば、それは自県の税収を他県と取り合う根拠書類である。そのため明細書の数字は、主たる事務所がある県の知事による修正の対象になる。添付資料だからと軽く扱うと、調査のときに真っ先に突かれる
比較の観点この条文ほかの条文
対象となる税72条の48:法人事業税57条:道府県民税の法人税割
72条の26:事業税の中間申告納付
分割の物差し業種別(製造業=従業者数、その他=事業所数1/2+従業者数1/2など)従業者数
分割法人は本条2項により前期の県別納付実績を基準に計算
数値の算定時点従業者数は期末、事業所数は各月末の合計期末の従業者数
6か月経過日の前日現在の拠点・分割基準と前期の比較
実務上の落とし穴工場従業者の1.5倍補正漏れ、閉鎖拠点の月数過大計上事業税と物差しが違うのに同じ配分を流用
拠点が大きく動いたのに前期配分のまま納付

他国ではどう定めているか 5 か国

台湾
財政収支劃分法

台湾では営利事業所得税・営業税が国税であり、企業が地方別に課税標準を分割して申告する制度はない。地方への税収配分は国の統籌分配で行われる

韓国
지방세법 제89조

韓国の法人地方所得税は、複数の事業場がある場合に従業員数と建物延床面積で事業場所在地の自治体ごとに按分する。日本の分割基準と発想が近い

中国
跨地区经营汇总纳税企业所得税征收管理办法

中国では本社が企業所得税を一括計算し、分支機構へ営業収入・職工薪酬・資産総額の比率で分配する。国税の地域間配分である点が日本と異なる

ドイツ
Gewerbesteuergesetz §§ 28–34

ドイツの営業税は、複数のゲマインデに事業所がある場合、税額基準額を原則として賃金総額の比率で分割する。地方の事業課税を分割する点で本条に最も近い

アメリカ
UDITPA / Multistate Tax Compact Art. IV

米国の州法人所得税は、資産・給与・売上の要素で所得を州に配分する。近年は売上単一要素へ移行する州が多い

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 経理担当になって初めて迎える決算。前任者の分割明細書を開くと、去年の夏に閉鎖した名古屋営業所が、事業所数として丸一年分計上されていた。事業所の数は各月末の時点で実在していたものしか数えない(本条4項2号)。申告期限まであと10日しかない。関係する全県の配分を組み直す必要がある
  • もし東京本社の管理部門を半分ほど地方拠点へ移したら、会社の事業税はどうなるのか。課税標準の総額を各県に割り振り直すことになるため、超過税率の高い都への配分が減れば、全体の税額が下がることもある。ただし書類上だけ移して実態が伴わない数字は、事実と異なる分割基準として知事による修正の対象になる
  • 資本金1億2000万円の部品メーカーが、工場の従業者300人をそのまま300人と書いて申告した。正しくは1.5倍の450人であり、工場のある県への配分が足りていない
  • 起業仲間から「大阪にシェアオフィスの席を一つ借りて支店にした。税金は何か変わる?」と聞かれた。人と設備をそろえて継続的に事業をしているなら、事業所等に当たる可能性がある。その場合は大阪府にも事業税の申告が必要になり、法人住民税の均等割(所得に関係なくかかる定額部分)も加わる

取るべき行動

被害を受けた側:ある県に払い過ぎていたと気付いた場合の手順である。1. 分割明細書、各月末時点の事業所等の一覧、給与台帳から出した従業者数を突き合わせる。2. 誤りが確定したら、払い過ぎた県には更正の請求(地方税法20条の9の3)を、足りなかった県には修正申告(同法72条の31)を同時に出す。3. 片方だけ直すと、還付が戻るまでの間に、追徴される側の延滞金だけが膨らんでいく

訴えられた側:県税事務所から分割基準の誤りを指摘された場合の手順である。1. 指摘された拠点が事業所等の要件(人と設備がそろい、継続的に事業をしていること)を満たすかを事実で確認する。満たさないなら、その根拠を書面で示す。2. 争点が、1.5倍ルールや月数按分といった計算規則の当てはめミスなのか、事実認定の食い違いなのかを切り分ける。3. 修正の処分に不服があるなら、審査請求の期間(処分を知った日の翌日から3か月、行政不服審査法18条)を逃さない

時効(請求できる期限):確定申告は原則として事業年度終了の日から2か月以内(地方税法72条の25、延長制度あり)。中間申告は事業年度開始の日から6か月を経過した日から2か月以内(同法72条の26)。払い過ぎた税の更正の請求は、原則として法定納期限から5年以内(同法20条の9の3)(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:分割基準は、各道府県が提供する行政サービスと企業活動の量的関係を業種ごとの外形指標で近似するものであり、受益に応じた税源配分の技術と位置付けられる。指標を法定することで企業の恣意的な配分を排除している。

改正沿革 AI による整理

  • 平成17年(2005年)改正 製造業以外の事業の分割基準を、事業所数2分の1と従業者数2分の1の組み合わせに改めたとされる(人的検証要)
  • 令和2年(2020年)改正 グループ通算制度の導入に伴い、2項に通算子法人の中間申告に関する文言を加えた

改正の年表

  1. 1.昭和25年(1950年) 新設:現行地方税法の制定により、複数道府県で事業を行う法人の事業税を分割基準で按分する仕組みが置かれた
  2. 2.令和2年(2020年) 改正:グループ通算制度の導入に伴い、2項に通算子法人の中間申告に関する文言が加えられた

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地方税法の全文を見る所属する編章節を開く:第二章 道府県の普通税

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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