地方税法 第72条の7(徴税吏員の事業税に関する調査に係る質問検査権)
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- 道府県の徴税吏員は、事業税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、次に掲げる者に質問し、又は第一号若しくは第二号の者の事業に関する帳簿書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。次条第一項第一号及び第二号、第七十二条の四十九の五第一項、第七十二条の四十九の六第一項第六号、第七十二条の四十九の十第一項第一号及び第二号、第七十二条の六十三第一項、第七十二条の六十三の二第一項第六号並びに第七十二条の六十四第一項第一号及び第二号において同じ。)その他の物件を検査し、若しくは当該物件(その写しを含む。)の提示若しくは提出を求めることができる。
- 一納税義務者又は納税義務があると認められる者
- 二前号に規定する者に金銭又は物品を給付する義務があると認められる者
- 三前二号に掲げる者以外の者で当該事業税の賦課徴収に関し直接関係があると認められる者
- 2.前項第一号に掲げる者を分割法人(分割によりその有する資産及び負債の移転を行つた法人をいう。以下この項及び第七十二条の四十九の五第二項において同じ。)とする分割に係る分割承継法人(分割により分割法人から資産及び負債の移転を受けた法人をいう。以下この項及び第七十二条の四十九の五第二項において同じ。)及び同号に掲げる者を分割承継法人とする分割に係る分割法人は、前項第二号に規定する金銭又は物品を給付する義務があると認められる者に含まれるものとする。
- 3.第一項の場合においては、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
- 4.道府県の徴税吏員は、政令で定めるところにより、第一項の規定により提出を受けた物件を留め置くことができる。
- 5.事業税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第七十二条の六十八第六項の定めるところによる。
- 6.第一項及び第四項の規定による道府県の徴税吏員の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
この条文の基本情報
徴税吏員の事業税に関する調査に係る質問検査権とは何ですか?
定義徴税吏員の事業税に関する調査に係る質問検査権とは、地方税法第72条の7に定められた規定で、「道府県の徴税吏員は、事業税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、次に掲げる者に質問し、又は第一号若しくは第二号の者の事業に関する帳簿書類(その…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第72条の7(徴税吏員の事業税に関する調査に係る質問検査権)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第72条の7の条文原文は「道府県の徴税吏員は、事業税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合においては、次に掲げる者に質問し、又は第一号若しくは第二号の者の事業に関する帳簿書類(その…」で始まります。
- 地方税法第72条の7は第二章 道府県の普通税に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第72条の7の前の条は地方税法第72条の6です。
- 地方税法第72条の7の次の条は地方税法第72条の8です。
- 地方税法第72条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第72条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第72条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/72_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法72条の7は、道府県の徴税吏員が事業税の調査のため、納税義務者や支払者等に質問し、帳簿書類の検査や提出を求められると定める。犯罪捜査目的は否定される。
Q · 県税事務所から事業税の調査を求められたら、応じないといけないの?
原則応じる必要あり。正当な理由のない拒否は罰則の対象
地方税法72条の7により、道府県の徴税吏員は事業税の調査のため、納税義務者や取引先に質問し、帳簿書類や電子データの検査、提示・提出を求めることができます。令状はなく物理的に強制されることもありませんが、正当な理由のない答弁拒否や検査拒否は72条の8の罰則の対象になりえます。一方、職員には証票の提示義務があり(第3項)、この権限を犯罪捜査に用いることは否定されています(第6項)。
解説
県税事務所から「事業税の件でお話を伺いたい」と電話が来たら、それは任意の世間話ではない。地方税法72条の7は、道府県の徴税吏員(都道府県の税金を集める職員)に、あなたへの質問、帳簿や会計ソフトのデータの検査、資料の提示・提出を求める権限を与えている。調べられるのはあなただけではない。あなたに報酬を支払う取引先にも質問できる(第2号)。一方で、この権限には限界がある。職員は身分証を携帯し、求められたら提示しなければならない。権限は犯罪捜査のためのものと解釈してはならない。令状も物理的な強制力もない。ただし、正当な理由なく拒めば72条の8の罰則が待っている。「断れない」と「力ずくでは来ない」。その両方を知っていれば、慌てて全部差し出すことも、意地を張って刑事罰を招くこともない。冷静に交渉する余地が生まれる。
法的な位置づけ
地方税法72条の7は、事業税に関する道府県の質問検査権を定める規定である。道府県の徴税吏員は、事業税の賦課徴収に関する調査に必要な場合、納税義務者、これに金銭等を給付する義務のある者、その他直接関係のある者に質問し、帳簿書類その他の物件の検査、提示・提出を求めることができる。権限は犯罪捜査のためのものと解釈してはならない。
手順
- 1.最初の連絡で調査範囲を確認・記録する 担当者名、部署、対象税目(法人事業税か個人事業税か)、対象年度、求める資料を確認してメモする。地方税には事前通知の明文規定がないため、最初に範囲を言語化させることが後の追加要求への足場になる
- 2.来訪時に証票の提示を求める 調査担当者が来訪したら、まず身分を証明する証票の提示を求める(第3項)。提示がなければ帳簿等を渡さない
- 3.資料を写しで準備し、原本の留め置きを回避する 求められた帳簿・契約書・電子データを整理し、写しでの提出を提案する。原本の留め置き(第4項)は繁忙期の業務停止につながるため、提出物件のリストを作成して控えを保管する
- 4.判断が分かれる論点は専門家を同席させる 業種認定、外形標準課税の計算、分割基準などの争点は税理士に同席を依頼する。刑事告発を前提とした動きが見える場合は第6項を踏まえて弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1事業税の質問検査権とは?
都道府県の徴税吏員が事業税の調査のため、事業者や取引先に質問し、帳簿や電子データを検査・提出要求できる権限です。根拠は地方税法72条の7です。
Q2県税事務所の調査は何年分さかのぼる?
更正・決定の期間は原則として法定納期限の翌日から5年、偽りその他不正の行為がある場合は7年です(地方税法17条の5)。調査範囲もこの期間が目安になります。
Q3個人事業税の業種認定で調査されることはある?
あります。法定業種にあたるかどうかは事業税の賦課そのものに関わるため、契約書・請求書・業務内容の説明などを求められることがあります。
Q4取引先として県から照会が来たら回答義務はある?
あります。納税義務者に金銭等を支払う義務がある者は第1項第2号の対象で、質問や帳簿の検査を受けうる立場です。照会事項の範囲で回答し記録を残すのが基本です。
Q5県税の調査で会計ソフトのデータも見せる必要がある?
対象になります。第1項は帳簿書類に代えて作成・保存された電磁的記録を明記しており、会計ソフトや電子保存データも検査や提出要求の対象です。
Q6県に提出した帳簿は返してもらえる?
徴税吏員は政令の定めに従い提出物件を留め置くことができます(第4項)。業務に支障がある場合は、写しでの提出を提案するのが現実的です。
Q7県税事務所の職員が本物か確かめる方法は?
身分を証明する証票の提示を求めてください。徴税吏員は証票を携帯し、関係人の請求があれば提示する義務があります(第3項)。
Q8外形標準課税の調査では何を見られる?
付加価値割の基礎となる給与・支払利子・賃借料の内訳、資本割の資本金等の額、複数県にまたがる場合の分割基準(従業者数など)の根拠資料が中心になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1県税の調査って、断ったらどうなるんですか?
正当な理由なく質問に答えない、虚偽の答弁をする、検査を拒む、といった行為は、地方税法72条の8により1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象となる(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:実際の運用では、即座に告発されるより「協力が得られないので推計で課税する」という流れになりやすい。推計課税は納税者側に不利な数字になりがちなので、拒否の代償は罰則より税額で払うことが多い
Q2税務署の調査とは何が違うんですか?
国税の調査は国税通則法74条の2以下に根拠があり、事前通知(74条の9)や調査終了時の手続(74条の11)が法定されている。地方税法72条の7には、これに相当する事前通知の明文規定がない。実務のポイント:自治体によっては内部要領で国税に準じた事前連絡をしているが、法的義務ではない。だからこそ最初の連絡で範囲と年度を確認し、記録しておく価値が国税調査より大きい
Q3県の職員に話した内容が、他の役所や警察に流れることはありますか?
徴税吏員には守秘義務があり、調査で知った秘密を漏らすと地方税法22条で処罰される。第6項は、調査権限を犯罪捜査のためのものと解釈してはならないと定めている。実務のポイント:ただし最高裁(最決平成16.1.20)は、税務調査で得た資料が後に刑事事件の証拠として使われうることが想定できたとしても、それだけで直ちに違法な調査になるわけではないと判断している。悪質な所得隠しが疑われる局面では、最初から弁護士を入れる判断が重要になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「令状がないから断っても大丈夫」と考える人がいるが、質問検査は罰則の威嚇で受忍を求める間接強制の仕組みになっている。最高裁(川崎民商事件、最大判昭和47.11.22)は、こうした税務上の質問検査が令状なしでも憲法35条に反しないと判断している。物理的に押し入られることはないが、正当な理由のない拒否は刑事罰の対象になりうる
- 事業税は「法人税の申告に連動して自動計算されるから、県が独自に調べることはない」と思われがちである。法人の所得割は確かに法人税の結果に連動するが、外形標準課税の付加価値割・資本割や、個人事業税の業種認定、複数の都道府県にまたがる分割基準(従業者数など)は、都道府県が独自に確認する領域である。連動していない部分こそ調査の的になる
- 調査のとき問題になるのは「見せるか、見せないか」の二択ではない。どの資料が「事業に関する」帳簿書類にあたるか、提出か提示か、原本か写しかを選ぶ余地がある。第1項は「その写しを含む」と明記しており、原本を留め置かれる(第4項)前に写しでの対応を提案する選択肢がある。問いの立て方を変えるだけで、業務への影響は大きく変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 目的 | 地方税法72条の7:事業税の賦課徴収に関する調査 | 地方税法72条の68:事業税の滞納処分に関する調査 国税通則法74条の2:国税(所得税・法人税等)の調査 |
| 調査主体 | 道府県の徴税吏員 | 道府県の徴税吏員 国税庁・国税局・税務署の当該職員 |
| 強制の程度 | 罰則(72条の8)による間接強制のみ、物理的強制なし | 滞納処分の例による財産調査で、より強い手段が及びうる 罰則による間接強制(国税通則法127条) |
| 事前通知 | 明文規定なし、運用は自治体ごとに異なる | 明文規定なし 国税通則法74条の9で原則として事前通知を法定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は国税・地方税を通じて稅捐稽徵法が調査権を一括規定し、調査拒否には行政罰(罰鍰)を科す。日本の地方税法のように税目ごとに質問検査権を置く構造とは異なる
韓国は地方税の共通手続を지방세기본법に集約し、세무공무원の質問・検査権を規定する
ドイツは租税通則法(AO)が営業税(Gewerbesteuer)を含む租税全般の調査協力義務を定め、外部調査(Außenprüfung)には事前の調査命令を要する
米国連邦税では IRS が帳簿の検査や証人の召喚(summons)を行える。州税の調査権限は州法ごとに定められる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- デザイナーとして独立して3年目。個人事業税の通知が届き、「自分の仕事は課税対象の業種じゃないはずだ」と県税事務所に電話したところ、逆に業務内容を詳しく聞きたいと言われた。業種の認定(法定業種かどうか)はまさに事業税の賦課に関する調査であり、契約書や請求書の提出を求められる流れになる
- 取引先のフリーランスへの支払明細について、県から照会が来たらどうなる? あなたの会社は第2号の「金銭を給付する義務があると認められる者」にあたり、質問を受ける立場にある。相手との関係を気にして回答を放置すると、自社が罰則のリスクを抱えることになる
- 外形標準課税の対象になる資本金1億円超の会社で、付加価値割の計算根拠を県に問われた。給与・支払利子・賃借料の内訳資料を、来週中に提出するよう求められている。経理担当者に残された時間は5営業日しかない
- 自宅に「県税事務所の者です」と名乗る人物が来た。身分証を見せてほしいと頼んだところ、口ごもった。本物の徴税吏員なら証票を提示する義務がある(第3項)。提示しない相手に帳簿を渡す理由はない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 調査の連絡を受けたら、担当者名、部署、対象税目(法人事業税か個人事業税か)、対象年度、求める資料を確認してメモする2. 来訪時は証票の提示を求める(第3項)。提示されなければ応じる必要はない3. 原本ではなく写しで対応できないか提案する4. 業種認定や外形標準課税の計算など判断が分かれる論点は、税理士に同席を依頼する5. 調査内容が刑事告発を前提とした動きに見えたら、第6項を踏まえて弁護士に相談する
訴えられた側:1. 正当な理由のない答弁拒否、虚偽答弁、検査拒否は72条の8の罰則対象になりうるので、感情的な全面拒否はしない2. 応じられない理由(資料の所在不明、業務上の支障、日程)は具体的に伝え、代替日程や代替資料を提示する3. 取引先として照会を受けた場合も同様に、回答範囲を照会文書の記載事項に限定して記録を残す4. 誤りが見つかったら、更正を待つより自ら修正申告したほうが延滞金や加算金の面で有利になる場合がある
時効(請求できる期限):質問検査そのものに期限の定めはないが、都道府県が更正・決定できる期間は原則として法定納期限の翌日から5年、偽りその他不正の行為がある場合は7年(地方税法17条の5)。法人税の更正に連動する事業税の更正には別途特例がある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:税務上の質問検査は任意調査であるが、罰則による間接強制を伴う。相手方は受忍義務を負う一方、調査は必要性と私的利益との衡量において社会通念上相当な限度にとどまるべきとされる。
手続保障強化論:国税では平成23年改正で事前通知や調査終了手続が法定されたのに対し、地方税には同等の明文がない。納税者の予測可能性確保のため、地方税にも同水準の手続規定を整備すべきとの指摘がある。
改正沿革 AI による整理
- 平成23年(2011年)12月改正(要検証) 国税通則法の税務調査手続の整備にあわせ、物件の提示・提出要求、電磁的記録の明記、提出物件の留置き(第4項)などが整備されたとみられる。改正年と項ごとの新設・改正の区別は人的検証が必要
- 令和4年(2022年)刑法等改正、令和7年(2025年6月1日)施行 関連罰則(72条の8)の懲役が拘禁刑に置き換えられた。本条の文言自体の変更ではない
- 地方税法 第72条の8質問検査拒否等に対する罰則
- 地方税法 第72条の68事業税の滞納処分に関する調査の特則
- 地方税法 第22条徴税吏員の秘密漏えいに関する罪
- 地方税法 第17条の5更正・決定の期間制限
- 国税通則法 第74条の2国税側の同型の質問検査権、比較対照
- 国税通則法 第74条の9国税調査の事前通知、地方税に明文なし
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