地方税法 第74条の7(徴税吏員のたばこ税に関する調査に係る質問検査権)
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- 道府県の徴税吏員は、たばこ税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合には、次に掲げる者に質問し、又はその者の事業に関する帳簿書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。次条第一項第二号及び第三号において同じ。)その他の物件を検査し、若しくは当該物件(その写しを含む。)の提示若しくは提出を求めることができる。
- 一納税義務者又は納税義務があると認められる者
- 二小売販売業者
- 三第一号に掲げる者に金銭若しくは物品を給付する義務があると認められる者又は同号に掲げる者から金銭若しくは物品を受け取る権利があると認められる者(前号に掲げる者を除く。)
- 四前三号に掲げる者以外の者で当該たばこ税の賦課徴収に関し直接関係があると認められるもの
- 2.前項第一号に掲げる者を分割法人(分割によりその有する資産及び負債の移転を行つた法人をいう。以下本項において同じ。)とする分割に係る分割承継法人(分割により分割法人から資産及び負債の移転を受けた法人をいう。以下本項において同じ。)は前項第三号に規定する物品を受け取る権利があると認められる者に、同項第一号に掲げる者を分割承継法人とする分割に係る分割法人は同項第三号に規定する物品を給付する義務があると認められる者にそれぞれ含まれるものとする。
- 3.第一項の場合には、当該徴税吏員は、製造たばこについて、必要最少限度の分量を見本品として採取することができる。
- 4.前項の規定により採取した見本品に関しては、第七十四条の二、第七十四条の三及び第七十四条の十の規定は、適用しない。
- 5.第一項又は第三項の場合には、当該徴税吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
- 6.道府県の徴税吏員は、政令で定めるところにより、第一項の規定により提出を受けた物件を留め置くことができる。
- 7.たばこ税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第七十四条の二十七第六項の定めるところによる。
- 8.第一項、第三項又は第六項の規定による道府県の徴税吏員の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
この条文の基本情報
徴税吏員のたばこ税に関する調査に係る質問検査権とは何ですか?
定義徴税吏員のたばこ税に関する調査に係る質問検査権とは、地方税法第74条の7に定められた規定で、「道府県の徴税吏員は、たばこ税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合には、次に掲げる者に質問し、又はその者の事業に関する帳簿書類(その作成又は保存に代えて電…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第74条の7(徴税吏員のたばこ税に関する調査に係る質問検査権)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第74条の7の条文原文は「道府県の徴税吏員は、たばこ税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合には、次に掲げる者に質問し、又はその者の事業に関する帳簿書類(その作成又は保存に代えて電…」で始まります。
- 地方税法第74条の7は第二章 道府県の普通税に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第74条の7の前の条は地方税法第74条の6です。
- 地方税法第74条の7の次の条は地方税法第74条の8です。
- 地方税法第74条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第74条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第74条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/74_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法74条の7は、道府県の徴税吏員がたばこ税の調査のため、納税義務者・小売販売業者・取引先等に質問し帳簿や電磁的記録を検査できると定める。犯罪捜査目的の行使は禁止される。
Q · たばこ税を申告していない小売店でも、県税事務所の調査を受けるの?
受ける。小売販売業者は1項2号で調査対象に名指しされている
地方税法74条の7第1項は、たばこ税の調査対象として、納税義務者のほか小売販売業者(2号)、納税義務者と金銭・物品をやり取りする取引先(3号)、課税に直接関係がある者(4号)を挙げています。小売店は納税義務がなくても、卸売業者の申告を裏付けるために仕入伝票やPOSデータの提示を求められる場合があります。調査は任意調査ですが、正当な理由なく拒否すると次条の罰則の対象になります。
解説
県税事務所の職員がたばこの帳簿を見せてほしいとやって来る相手は、たばこ税を納めている会社だけではない。地方税法74条の7は、道府県の徴税吏員(県税を集める権限を持った職員)が質問や帳簿検査、物件の提出要求をできる相手を四つに分けている。納税義務者、小売販売業者、納税義務者と金銭や物品をやり取りしている取引先、その他たばこ税の課税に直接関係がある者である。つまり、たばこ税を一円も申告していないコンビニのオーナーでも、仕入伝票の提示を求められる側に入る。しかも対象は紙の帳簿に限らず、POS データや会計ソフトのデータ(電磁的記録)にも及ぶ。ここで押さえておくべき点が二つある。第一に、この調査は任意調査(相手の同意を前提にした調査)であり、職員は鍵を壊して入ることも、強制的に持ち去ることもできない。第二に、正当な理由なく拒めば別の条文(次条)による刑罰の対象になる。拒否する自由はないが、身分証の提示を求める権利(5項)、提出物の留め置きを記録させる権利(6項)は手元にある。対応の仕方ひとつで、調査が半日で終わるか何週間も続くかが変わる。
法的な位置づけ
地方税法74条の7は、たばこ税に関する道府県の徴税吏員の質問検査権を定める規定である。調査対象を納税義務者、小売販売業者、取引先、その他直接関係者の四類型とし、帳簿書類と電磁的記録の検査、物件の提示・提出要求、製造たばこの見本品採取、提出物件の留め置きを認める。身分証の携帯・提示義務を課し、犯罪捜査目的での行使を否定している。
手順
- 1.身分証の提示を求め、氏名と所属を記録する 調査の冒頭で徴税吏員に身分証明の証票の提示を求め(5項)、氏名・所属・来訪日時をメモする。後で留め置き物件の返還を求めたり、調査範囲について照会したりするときの起点になる
- 2.調査の目的・対象期間・必要書類を確認する どの取引先・どの期間の何を確認したいのかを質問し、提示する帳簿を必要な範囲に絞る。小売店の場合は卸売業者の申告を照合する反面調査であることが多い
- 3.電磁的記録は必要期間だけ抽出して写しで渡す POSや会計ソフトのデータは、対象期間分を抽出して写し(1項は写しの提出も認める)で提出する方法を提案する。システムごと持ち出される事態を避けられる
- 4.提出物件と見本品の記録・預り証を受け取る 留め置かれる物件(6項)は品名・冊数・期間を書面で確認して預り証を受け取る。見本品を採取される場合(3項)は、銘柄と本数を職員と一緒に確認して記録する
- 5.犯則調査の兆候があれば専門家に相談する 調査中に「告発」「犯則」などの言葉が出た場合や申告漏れが判明しそうな場合は、追加の資料を出す前に弁護士・税理士に相談し、修正申告の要否も検討する
よくある質問 AI による整理
Q1たばこ税の質問検査権とは何ですか?
地方税法74条の7に基づき、県の徴税吏員がたばこ税の調査のために関係者へ質問し、帳簿や物件を検査・提出要求できる権限です。
Q2県税事務所の調査 断るとどうなる?
正当な理由なく質問に答えなかったり検査を拒んだりすると、地方税法74条の8の罰則の対象になり得ます。物理的な強制はされませんが、拒否にはリスクがあります。
Q3反面調査 小売店 拒否できる?
小売販売業者は74条の7第1項2号で調査対象とされているため、原則として拒否できません。ただし調査範囲はたばこ税の賦課徴収に必要な範囲に限られます。
Q4税務調査 身分証 見せてもらえる?
見せてもらえます。74条の7第5項により、徴税吏員は身分証明の証票を携帯し、関係人の請求があれば提示しなければなりません。
Q5提出した帳簿はいつ返ってくる?
6項の留め置きは政令の手続による一時的な保管で、留め置く必要がなくなれば返還されます。預り証を受け取り、返還時期を確認しておくのが実務上の基本です。
Q6たばこ税の調査でパソコンのデータも見られる?
見られます。1項は帳簿書類に電磁的記録を含めており、会計ソフトやPOSのデータも検査・提出要求の対象です。ただし事業に関するものに限られます。
Q7会社分割した後もたばこ税の調査は来る?
来る可能性があります。74条の7第2項により、分割承継法人や分割法人は1項3号の取引関係者に含まれるため、組織再編後も調査対象から外れません。
Q8たばこ税の滞納で財産を調べられるのは何条?
滞納処分に関する調査は74条の7ではなく、同条7項が指す74条の27第6項の定めによります。賦課徴収の調査と滞納処分の調査は根拠条文が別です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちは小売だけで、たばこ税なんて申告してないのに、なんで調べられるんですか?
本条1項2号が小売販売業者を調査対象として名指ししているからである。たばこ税は卸売業者などが小売店に売り渡した時点で課税されるため、小売側の仕入記録は卸の申告を照合する材料になる。実務のポイント:調査対象はあなたではなく卸であることが多い。最初に「どの取引先の調査ですか」と尋ねると、見せる範囲を必要な部分に絞りやすい
Q2POS のデータまで見せないといけないんですか?
見せる必要がある。1項は帳簿書類に電磁的記録を含めており、売上・仕入データも検査対象になる。ただし対象は「事業に関する」記録に限られ、たばこ税と無関係な個人のデータまで出す義務はない。実務のポイント:画面を見せながら必要な期間だけ抽出して写しを渡す方法をこちらから提案すると、システムごと持ち出したいと言われる事態を避けやすい
Q3職員が持っていったたばこの代金って、払ってもらえるんですか?
3項の見本品採取は、調査に必要な最少限度の量に限って認められた権限である。4項により、採取した見本品には74条の2などの課税関係の規定が適用されないため、その分が課税対象の売渡しとして扱われることはない。代金の補償について本条に定めはない。実務のポイント:採取の際は銘柄と本数を職員と一緒に確認し、記録に残しておく。在庫と帳簿の数字がずれる原因を自分で説明できるようにしておくためである
Q4協力したら、それが脱税の証拠として警察に回されたりしませんか?
8項は、質問検査権を犯罪捜査のために使うことを禁じている。しかし最高裁(最決平成16.1.20)は、得られた資料が後に犯則調査で使われる可能性があっても、それだけで質問検査が違法になるわけではないとした。実務のポイント:調査中に「告発」「犯則」といった言葉が出たら、それは任意調査とは別の手続に移る合図である。その時点で一度手を止め、弁護士に相談すべきである
間違えやすい点 AI による整理
- 「税金を払っていないから調査は来ない」と考えがちだが、本条は小売販売業者を独立した号(1項2号)で名指ししている。納税義務と調査を受ける義務は別物で、たばこを扱っているという事実だけで調査対象になる
- 任意調査なのだから断っても構わない、という理解は半分しか正しくない。職員が物理的に強制できないという意味では任意である。しかし正当な理由なく答えなかったり、検査を拒んだり、虚偽の帳簿を見せたりすれば、次条の罰則(1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金。最新の改正状況をご確認ください)の対象になる。強制力がないことと、拒否してもリスクがないことは違う
- 8項の「犯罪捜査のためと解釈してはならない」を、ここで出した資料は刑事事件で使われないという保証だと受け取るのは誤りである。最高裁(最決平成16.1.20)は、質問検査で得た資料が後に犯則調査に使われる可能性があっても、そのこと自体で質問検査が違法になるわけではないと判断している。8項が禁じているのは、捜査を目的として質問検査権を使うことであり、出した資料の行き先までは守っていない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 調査の目的 | 74条の7:たばこ税の賦課徴収(税額の確認) | 74条の27第6項:たばこ税に係る滞納処分(財産の調査) |
| 主な調査対象 | 納税義務者、小売販売業者、取引先、その他直接関係者 | 滞納者とその財産に関係する者(同項の定めによる) |
| 関係の整理 | 7項で滞納処分調査は本条1項によらないと明記 | 滞納処分の局面で本条に代わって適用される |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾でも税捐稽徴機関は課税資料の調査のため関係機関・団体・個人に資料の提示を求めることができ、正当な理由なく拒否すれば過料の対象となる
ドイツでは租税通則法(AO)が納税者と第三者の情報提供義務、税務調査での協力義務を一般的に定める。たばこ税は連邦税である
米国では内国歳入庁(IRS)が帳簿の検査と証人の召喚を行う権限を持ち、第三者への召喚状(summons)も認められる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 個人経営のたばこ店に、県税事務所の職員が二人来た。「卸売業者さんの申告と突き合わせたいので、今年の仕入伝票を見せてください」。あなたの店は納税義務者ではない。それでも本条1項2号の「小売販売業者」に当たるので、質問に答え、帳簿を見せる立場にある
- 職員に「確認用にこの箱から一本いただきます」と言われ、製造たばこを持っていかれたらどうなる? 3項の見本品採取は「必要最少限度の分量」に限られている。一カートン丸ごと持ち去るのは、この上限を超えていると問題にできる
- あなたは卸売業者の経理担当者だ。月末の申告期限まであと五日という時期に調査通知が届き、過去三年分の売渡しデータを CSV で出してほしいと言われた。電磁的記録も検査対象なので、紙の帳簿しか出さないという対応では済まない。システム担当者との段取りを今日中に決めておく必要がある
- 取引先のたばこ卸が会社分割で事業を新会社に移した。旧会社と取引していたあなたの会社にも反面調査(取引先に対して行う裏付け調査)が来た。2項により、分割承継法人は「物品を受け取る権利がある者」として扱われるので、組織再編を挟んでも調査の網からは外れない
- 店長から相談された。「税務の人に帳簿を持っていかれたけど、返ってこない。これって没収?」。没収ではない。6項の留め置きは政令の手続に沿った一時的な保管であり、返還を求めることができる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 調査を受ける側として、まず身分証の提示を求め、氏名と所属を控える(5項) 2. 調査の目的と対象期間、必要な書類を質問し、手帳にメモする3. 提出する物件は写しで足りるか確認する(1項は写しの提出も認めている) 4. 原本を留め置かれる場合は預り証を受け取る5. 見本品の採取量が多すぎると感じたら、その場で記録し、後日税務署ではなく県税事務所に照会する。税理士への相談も、調査の早い段階ほど効果が大きい
訴えられた側:1. 調査を拒否したり、虚偽の帳簿を示したりすると、それだけで次条の罰則の対象になる。誤りが見つかっても隠さず、事実を説明する2. 申告漏れが判明しそうなら、更正(役所が税額を訂正する決定)を受ける前の修正申告を検討する。加算金の負担が軽くなる場合がある3. 刑事事件に発展しそうな気配を感じたら、資料を出す前に弁護士に相談する。最決平成16.1.20のとおり、出した資料は後の犯則調査に使われ得る
時効(請求できる期限):質問検査そのものに時効はない。ただし調査の結果としての更正・決定には期間制限があり、原則として法定納期限の翌日から5年、偽りその他不正の行為による場合は7年である(地方税法17条の5。最新の改正状況をご確認ください)。徴収権の消滅時効は法定納期限の翌日から5年(同法18条)
学説
通説:税務の質問検査は任意調査であり、相手方の承諾なしに物理的強制はできないが、罰則による間接強制を伴う。調査の必要性と相手方の私的利益との衡量により、社会通念上相当な限度で行使されるべきとされる
改正沿革 AI による整理
- 改正時期要確認 物件の提示・提出要求と、提出物件の留め置き(6項)の規定は、国税通則法の質問検査権の整備に合わせて地方税法へ取り込まれたと考えられるが、改正年と条番号の変遷は人による検証が必要である
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:地方税法(昭和25年法律第226号)の制定。たばこ税に関する質問検査規定の条番号・文言の変遷は人による検証が必要
- 地方税法 第74条の8質問検査拒否・虚偽答弁等の罰則
- 地方税法 第74条の2たばこ税の課税客体、見本品の適用除外先
- 地方税法 第74条の27滞納処分調査の別建て規定(現行効力を要確認)
- 地方税法 第17条の5調査後の更正決定の期間制限
- 国税通則法 第74条の8国税の質問検査権も犯罪捜査不可とする並行規定
- たばこ事業法 第22条小売販売業の許可制、2号対象者の範囲
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