建築士法 第21条(その他の業務)
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建築士は、設計(第二十条の二第二項又は前条第二項の確認を含む。第二十二条及び第二十三条第一項において同じ。)及び工事監理を行うほか、建築工事契約に関する事務、建築工事の指導監督、建築物に関する調査又は鑑定及び建築物の建築に関する法令又は条例の規定に基づく手続の代理その他の業務(木造建築士にあつては、木造の建築物に関する業務に限る。)を行うことができる。ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。
この条文の基本情報
その他の業務とは何ですか?
定義その他の業務とは、建築士法第21条に定められた規定で、「建築士は、設計(第二十条の二第二項又は前条第二項の確認を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築士法第21条(その他の業務)は、日本の建築士法に含まれる条文です。
- 建築士法第21条の条文原文は「建築士は、設計(第二十条の二第二項又は前条第二項の確認を含む。」で始まります。
- 建築士法第21条は第四章 業務に置かれています。
- 建築士法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 建築士法第21条の前の条は建築士法第20条の3です。
- 建築士法第21条の次の条は建築士法第21条の2です。
- 建築士法第21条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第21条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000202 - 本サイト収録
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第21条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000202/21
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築士法21条は、建築士が設計・工事監理のほか、工事契約事務、工事の指導監督、建物の調査・鑑定、建築手続の代理などを行えると定める。他の法律で制限された業務は除かれる。
Q · 建築士って、設計以外に欠陥住宅の調査や確認申請の代理もやってくれるの?
できる。ただし報酬を得た示談交渉の代理は弁護士の領域
建築士法21条は、設計・工事監理に加えて、建築工事契約に関する事務、建築工事の指導監督、建築物に関する調査又は鑑定、建築関係法令に基づく手続の代理などを建築士の業務として定めています。欠陥住宅の建物調査や建築確認申請の代理はこれに含まれます。ただし書により、他の法律で制限された業務は除かれるため、報酬を得て示談交渉を代理すること(弁護士法72条)や不動産の価格の鑑定評価は行えません。木造建築士は木造建築物の業務に限られます。
解説
建築士の仕事は図面を引くことだけではない。条文は設計・工事監理に加えて、工事契約の事務、工事の指導監督、建物の調査・鑑定、建築確認などの手続代理まで、建築士が引き受けられる業務として並べている。つまり、家を建てる前から完成後の欠陥トラブルまで、あなたの側に立って技術面を支える専門家を一人つけられる。施工業者の見積書が妥当か、工事が図面どおりか、ひび割れが構造上の問題かといった判断を、業者自身ではなく第三者の建築士に頼める。ただし、ただし書が効いてくる。他の法律で制限されている業務、たとえば報酬を得て紛争の示談交渉を代理すること(弁護士法72条)や、土地・建物の価格を鑑定評価すること(不動産の鑑定評価に関する法律)は、建築士の資格だけでは行えない。頼む側がこの線引きを知っていれば、建築士には技術を、弁護士には交渉を、と最初から適切に振り分けられる。
法的な位置づけ
建築士法21条は、建築士の業務範囲を定める規定である。設計及び工事監理に加え、建築工事契約に関する事務、建築工事の指導監督、建築物に関する調査又は鑑定、建築関係法令又は条例に基づく手続の代理その他の業務を行うことができると規定する。木造建築士は木造建築物に関する業務に限られ、他の法律で業務が制限されている事項は除外される。
手順
- 1.欠陥の記録と業者とのやり取りを保全 不具合箇所を日付入りの写真・動画で記録し、施工業者との連絡はメールや書面で残す。口頭のやり取りは日時と内容をメモする
- 2.利害関係のない建築士を選定 施工業者と関係のない建築士を探し、建築士事務所登録の有無、資格区分(一級・二級・木造)が建物の構造に対応しているかを確認する
- 3.調査範囲と費用を書面で合意 目視調査か破壊調査か、測定方法、報告書の形式、費用を見積書と業務委託契約書で明確にする。交渉代理は依頼範囲に含めない
- 4.調査報告書を持って弁護士に相談 報告書を受け取ったら、補修請求や損害賠償の交渉は弁護士に依頼する。不適合を知った時から1年以内の通知(民法637条)を意識して動く
よくある質問 AI による整理
Q1建築士の業務範囲とは?
建築士法21条により、設計・工事監理のほか、工事契約事務、工事の指導監督、建物の調査・鑑定、建築関係法令の手続代理などが含まれます。
Q2建築士の調査・鑑定は建築士しかできない独占業務?
設計・工事監理と違い、調査・鑑定や契約事務は建築士の独占業務とはされていません。21条は建築士が行える業務を例示した規定と理解されています。
Q3建築士に欠陥住宅の調査を頼む方法は?
施工業者と利害関係のない、建築士事務所登録のある建築士に依頼し、調査範囲・方法・費用を書面で確認したうえで、調査報告書の形で受け取ります。
Q4建築士が示談交渉を代行するのは違法?
報酬を得て業として示談交渉を代理すると、弁護士法72条の非弁行為にあたる可能性があります。21条ただし書により建築士業務から除かれます。
Q5建築士事務所登録なしで調査を受けられる?
他人の求めに応じ報酬を得て設計等を業として行うには、建築士事務所の登録が必要です(建築士法23条)。無登録業務は23条の10で禁止されています。
Q6木造建築士はどこまで業務ができる?
21条括弧書きにより、木造建築士の業務は木造の建築物に関するものに限られます。鉄骨造やRC造の調査・監理は一級・二級建築士に依頼します。
Q7建築士は建物の価格を鑑定できる?
建物の技術的な調査・鑑定はできますが、価格を鑑定評価する業務は不動産の鑑定評価に関する法律で不動産鑑定業者に限られており、21条ただし書で除かれます。
Q8工事監理と工事の指導監督の違いは?
工事監理は工事を設計図書と照合し確認する建築士の独占業務です。工事の指導監督は21条が例示する付随業務で、施工全般への技術的助言を含みます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1建築確認の申請って、行政書士じゃなくて建築士に頼んでも大丈夫なんですか?
大丈夫です。建築士法21条は、建築物の建築に関する法令・条例に基づく手続の代理を建築士の業務として明記しており、建築確認申請の代理は建築士が担うのが通常です。実務のポイント:ただし、同じ敷地でも農地転用の許可など建築法令以外の手続は行政書士の領域とされることが多く、どこまでが「建築に関する法令」かは実務上、解釈が分かれる部分があります。手続が複数ある計画では、最初に誰がどの申請を担当するか切り分けておくと二度手間になりません
Q2欠陥住宅の調査を建築士に頼むと、いくらくらいかかって、裁判で使えるんですか?
費用は建物の規模や調査範囲で大きく変わり、目視中心か、壁を開ける破壊調査かで桁が変わります。報告書は私的鑑定として証拠に出せますが、相手方は依頼者寄りだと反論してきます。実務のポイント:裁判になると、裁判所が建築の専門家を専門委員(民事訴訟法92条の2)として関与させることがあります。最初の調査報告書で、測定方法と判断基準を誰が検証しても再現できる形で書いてもらうと、後で専門委員に見られても崩れにくくなります
Q3知り合いの建築士が、工務店との示談交渉もやってあげるって言ってくれてるんですが、頼んでいいですか?
無報酬の付き添い程度ならともかく、報酬を払って交渉や和解の代理を任せるのは危険です。建築士法21条ただし書は他の法律で制限された業務を除外しており、弁護士法72条は弁護士でない者が報酬を得て法律事件を扱うことを禁じています。実務のポイント:非弁行為が絡んだ和解は、後から効力を争われることがあります。せっかくまとまった示談が無効を主張されて振り出しに戻るリスクがあるので、交渉の場には弁護士を立て、建築士には技術説明役として同席してもらう形が最も強い
間違えやすい点 AI による整理
- 「建築士は設計する人」というイメージが強く、家が建ったあとは用がないと思われがちだが、条文は調査・鑑定、工事の指導監督、契約事務まで建築士の業務として明記している。施工業者と対立したとき、技術面で最初に頼るべき相手は実は建築士である
- 建築士に欠陥調査を頼めば、業者との交渉も含めて全部片付くと期待する施主は多い。だが問いの立て方そのものがずれている。建築士が出せるのは技術的な事実と評価であり、損害賠償をいくら請求するか、どう和解するかという法律判断・交渉代理は、ただし書により原則として弁護士の領域だ。依頼の時点で「調査」と「交渉」を分けて考える必要がある
- 建築士本人から見れば「頼まれて手伝っただけ」でも、法律から見れば「報酬を得て他人の法律事件を扱った」になりうる。建物の価格を数字で示す鑑定評価も同様で、不動産鑑定士の業務と衝突する。技術者としての親切心と、他の法律が引いた業務の線、その落差に気付かないまま処罰される建築士は少なくない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定する内容 | 建築士法21条:設計・工事監理以外も含む建築士の業務範囲 | 建築士法3条:一級建築士でなければ設計・工事監理できない建築物 建築士法23条:報酬を得て業とする場合の事務所登録 |
| 独占性 | 調査・鑑定・契約事務などは独占業務ではない | 一定規模以上の設計・工事監理は一級建築士の業務独占 無登録での業務は禁止(23条の10) |
| 誰が問題になりやすいか | 業務範囲を越えて交渉代理・価格鑑定に踏み込む建築士 | 資格区分を超えた設計をする建築士 事務所登録なしで副業的に有料業務を受ける建築士 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は調査・測量・設計・監造・估價・検査・鑑定など建築師の受託業務を一条で列挙し、日本より業務範囲の列挙が具体的
ドイツは建築家の職業規律を州法で定め、報酬は連邦の HOAI が規律する二層構造
フランスは建築を公益と位置づけ、一定規模以上の建築許可申請に建築家の関与を義務付ける
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 注文住宅の引渡し直後に床が傾いている気がする。施工した工務店は「許容範囲です」の一点張り。そこで利害関係のない建築士に建物調査を依頼する。建築士法21条の「建築物に関する調査又は鑑定」がその根拠であり、建築士の調査報告書は、その後の住宅紛争処理や訴訟で技術的な裏付けになる
- あなたが一級建築士で、欠陥調査を受けた施主から「ついでに業者との話し合いも全部やってほしい、報酬は上乗せする」と頼まれた。技術的な意見を述べる程度なら問題になりにくいが、報酬を得て示談交渉の代理に踏み込めば弁護士法72条の非弁行為(弁護士でない者が報酬目的で法律事件を扱う違法行為)にあたりうる。善意で引き受けた結果、刑事罰を受けるおそれがある
- もし、建築士の資格はあるが建築士事務所の登録をしていない知人が、副業で中古住宅の調査を有料で受け始めたらどうなる? 他人の求めに応じ報酬を得て調査・鑑定を業として行うには、建築士事務所の登録が必要である(建築士法23条)。資格があることと、それを仕事として受けられることは別の話だ
- 中古マンションの売買契約まであと10日。重要事項説明の前にインスペクション(既存住宅状況調査)を入れたい。調査できるのは、所定の講習を修了した建築士だけである。今日中に依頼先を決めないと、調査結果が出る前に決済日が来てしまう
- 木造二階建ての増築を木造建築士に頼んだら、鉄骨のガレージも一緒に見てほしいと言いたくなった。木造建築士が扱えるのは木造の建築物に関する業務に限られる。鉄骨部分は別の建築士に頼む必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 欠陥らしき箇所を日付入りの写真と動画で記録し、施工業者とのやり取りはメールや書面で残す2. 施工業者と利害関係のない、建築士事務所登録のある建築士に建物調査を依頼し、報告書の形で受け取る3. 調査報告書をもとに、損害賠償や補修請求の交渉は弁護士に頼む。建築士に交渉の代理を頼まない4. 新築住宅なら、住宅紛争処理支援センターの相談や住宅紛争審査会のあっせん・調停も選べる
訴えられた側:建築士の立場で業務範囲を問われた場合:1. 引き受けた業務が技術的な調査・意見にとどまり、示談交渉の代理や価格の鑑定評価に入っていないかを確認する2. 報酬を得て業として受けているなら建築士事務所登録の有無を確かめ、未登録なら直ちに受注を止める3. 依頼者との契約書に業務範囲を明記し、法律判断や交渉が必要な部分は弁護士へ引き継ぐ旨を書面に残す
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。建築士の調査で施工業者の契約不適合が判明した場合、注文者は不適合を知った時から1年以内にその旨を通知しないと請求できなくなる(民法637条)。新築住宅の構造耐力上主要な部分などは引渡しから10年の担保責任がある(住宅の品質確保の促進等に関する法律94条)。調査は早いほど有利である
学説
一般的理解:21条が列挙する設計・工事監理以外の業務は建築士の業務独占ではなく、建築士が専門性を生かして行える業務を確認的に例示したものと理解されている。ただし報酬を得て業とする場合は事務所登録(23条)が問題となる
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)改正(要人的検証) 耐震偽装事件を受けた建築士法改正で構造設計一級建築士・設備設計一級建築士の制度が設けられ、本条の「設計」に第二十条の二第二項及び前条第二項の確認を含める括弧書きが整備されたとみられる。改正年と文言の対応は要確認
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:建築士法の制定により、建築士の業務範囲を定める規定として設けられた
- 建築士法 第3条一級建築士の設計・工事監理の業務独占
- 建築士法 第20条の2構造設計一級建築士による法適合確認
- 建築士法 第23条報酬を得て業とする場合の事務所登録
- 建築士法 第23条の10無登録での設計等業務の禁止
- 弁護士法 第72条非弁行為の禁止、ただし書の代表例
- 不動産の鑑定評価に関する法律 第36条不動産鑑定業者以外の鑑定評価業の制限
- 宅地建物取引業法 第34条の2媒介契約時の建物状況調査のあっせん
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