建築士法 第24条(建築士事務所の管理)
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- 建築士事務所の開設者は、一級建築士事務所、二級建築士事務所又は木造建築士事務所ごとに、それぞれ当該一級建築士事務所、二級建築士事務所又は木造建築士事務所を管理する専任の一級建築士、二級建築士又は木造建築士を置かなければならない。
- 2.前項の規定により置かれる建築士事務所を管理する建築士(以下「管理建築士」という。)は、建築士として三年以上の設計その他の国土交通省令で定める業務に従事した後、第二十六条の五第一項の規定及び同条第二項において準用する第十条の二十三から第十条の二十五までの規定の定めるところにより国土交通大臣の登録を受けた者(以下この章において「登録講習機関」という。)が行う別表第三講習の欄に掲げる講習の課程を修了した建築士でなければならない。
- 3.管理建築士は、その建築士事務所の業務に係る次に掲げる技術的事項を総括するものとする。
- 一受託可能な業務の量及び難易並びに業務の内容に応じて必要となる期間の設定
- 二受託しようとする業務を担当させる建築士その他の技術者の選定及び配置
- 三他の建築士事務所との提携及び提携先に行わせる業務の範囲の案の作成
- 四建築士事務所に属する建築士その他の技術者の監督及びその業務遂行の適正の確保
- 4.管理建築士は、その者と建築士事務所の開設者とが異なる場合においては、建築士事務所の開設者に対し、前項各号に掲げる技術的事項に関し、その建築士事務所の業務が円滑かつ適切に行われるよう必要な意見を述べるものとする。
- 5.建築士事務所の開設者は、前項の規定による管理建築士の意見を尊重しなければならない。
この条文の基本情報
建築士事務所の管理とは何ですか?
定義建築士事務所の管理とは、建築士法第24条に定められた規定で、「建築士事務所の開設者は、一級建築士事務所、二級建築士事務所又は木造建築士事務所ごとに、それぞれ当該一級建築士事務所、二級建築士事務所又は木造建築士事務所を管理す…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築士法第24条(建築士事務所の管理)は、日本の建築士法に含まれる条文です。
- 建築士法第24条の条文原文は「建築士事務所の開設者は、一級建築士事務所、二級建築士事務所又は木造建築士事務所ごとに、それぞれ当該一級建築士事務所、二級建築士事務所又は木造建築士事務所を管理す…」で始まります。
- 建築士法第24条は第六章 建築士事務所に置かれています。
- 建築士法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 建築士法第24条の前の条は建築士法第23条の10です。
- 建築士法第24条の次の条は建築士法第24条の2です。
- 建築士法第24条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第24条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000202 - 本サイト収録
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第24条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000202/24
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築士法24条は、建築士事務所の開設者に、事務所ごとに専任の管理建築士を置くことを義務づける。管理建築士は3年以上の実務と講習修了が必要で、技術的事項を総括する。
Q · 建築士事務所に必ず置かなければならない人は誰?
事務所ごとに一人の専任の管理建築士です
建築士法24条1項により、建築士事務所の開設者は、一級・二級・木造の事務所ごとに専任の管理建築士を置かなければなりません。管理建築士は建築士として3年以上の実務を経て、登録講習機関の講習を修了した者に限られます(2項)。受託量と期間の設定、担当者の選定配置、提携先の業務範囲、所属技術者の監督を総括し(3項)、開設者が別人の場合は意見を述べ、開設者はそれを尊重する義務を負います(4項・5項)。
解説
看板に「一級建築士事務所」とあっても、社長が建築士とは限らない。建築士法24条が求めているのは、事務所ごとに一人、その事務所に専任で常駐し、事務所全体の技術面を取り仕切る建築士を置くことである。この人を「管理建築士」と呼ぶ。資格を持っているだけでは務まらない。建築士として3年以上の実務を積み、国の登録を受けた機関が行う講習を修了していなければならない。さらに第3項で、管理建築士が引き受けてよい仕事の量と期間の設定、担当者の選定、外注先の範囲、所属技術者の監督を総括すると定めている。経営者が別にいる場合、管理建築士は経営者に意見を言う立場にあり、経営者はその意見を尊重しなければならない(第4項・第5項)。家を建てる施主から見ると、設計図に責任を持つ人の名前を確かめる手がかりがここにある。事務所で働く建築士から見ると、無理な受注に対して「待った」をかける根拠がここにある。
法的な位置づけ
管理建築士とは、建築士法24条に基づき建築士事務所ごとに置かれる専任の建築士をいう。建築士として3年以上の設計等の実務に従事した後、登録講習機関の講習を修了した者に限られ、受託業務の量と期間の設定、担当技術者の選定配置、提携先業務範囲の案の作成、所属技術者の監督という技術的事項を総括する。
手順
- 1.事務所の登録簿で管理建築士を確認する 設計契約の前に、都道府県の建築士事務所登録簿を閲覧し、事務所の種別(一級・二級・木造)と管理建築士の氏名・資格を確認する
- 2.閲覧書類で体制と実績を確認する 24条の6に基づき事務所に備え置かれる書類(業務実績、所属建築士の氏名等)を閲覧し、管理建築士が実際に事務所に所属し常勤しているかを確認する
- 3.重要事項説明で担当者と監督体制を聞く 24条の7の重要事項説明の場で、担当建築士の氏名と、管理建築士がこの案件をどう監督するかを質問し、回答を書面またはメールで残す
- 4.契約書面と記録を保管する 24条の8の契約時書面、重要事項説明書、やり取りの記録を一式で保管し、欠陥や紛争が生じた際に責任の所在をたどれるようにしておく
よくある質問 AI による整理
Q1管理建築士とは何ですか?
建築士法24条により建築士事務所ごとに置かれる専任の建築士です。3年以上の実務と講習修了が要件で、事務所の技術的事項を総括します。
Q2管理建築士の「専任」とはどういう意味ですか?
その事務所に常勤し、管理業務に専ら従事することを指します。他の事務所の管理建築士との兼任や、勤務実態のない名義だけの配置は認められません。
Q3管理建築士が退職したらどうなりますか?
後任を置かないまま業務を続けると監督処分(26条)の対象になりえます。後任の要件確認と、23条の5に基づく変更の届出を期限内に行う必要があります。
Q4管理建築士は複数の事務所を兼任できますか?
原則できません。24条1項は事務所ごとに「専任」の管理建築士を求めており、二つの事務所の管理建築士を兼ねることは専任要件と両立しません。
Q5管理建築士の名前はどこで確認できますか?
都道府県知事の建築士事務所登録簿で確認できます。閲覧窓口は都道府県や指定事務所登録機関(建築士事務所協会等)が担う場合があります。
Q6管理建築士を置かないと罰則はありますか?
管理建築士を欠く事務所は知事による戒告・閉鎖命令・登録取消などの監督処分(26条)の対象となり、罰則規定の適用もありえます。最新条文をご確認ください。
Q7二級建築士事務所の管理建築士は二級建築士でもいいですか?
はい。24条1項は、二級建築士事務所には専任の二級建築士、木造建築士事務所には専任の木造建築士を置くと定めています。講習修了要件は共通です。
Q8管理建築士講習はいつ受ければいいですか?
建築士として3年以上の実務を経た後に受講します。開催日程が限られるため、管理建築士の交代が見込まれる前に修了者を確保しておくのが実務上安全です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1管理建築士って、事務所の社長と同じ人じゃないといけないんですか?
同じ人である必要はない。建築士法24条は開設者に資格を求めず、事務所ごとに専任の管理建築士を置くことを求めている。別人の場合、管理建築士は開設者に意見を述べ、開設者はそれを尊重しなければならない(第4項・第5項)。実務のポイント:社長と管理建築士が別人の事務所では、誰が工期や人員配置を決めたかが紛争時の焦点になる。契約前に「この案件の技術責任者は誰か」を書面で確認しておくと、後の責任追及が格段にしやすくなる
Q2知り合いに名前だけ管理建築士になってもらうのって、やっぱりまずいですか?
まずい。24条は「専任」の管理建築士を求めており、勤務実態のない名義だけの配置は要件を満たさない。事務所は知事による監督処分(建築士法26条)を受けうるし、名前を貸した建築士本人も懲戒処分の対象になりうる。実務のポイント:名義貸しが発覚するきっかけは、行政の立入検査より、欠陥住宅の施主が登録簿を調べて通報する場合のほうが多い。トラブルが起きた案件から過去にさかのぼって調べられると考えておくべきである
Q3管理建築士になるには、一級建築士の資格だけで足りますか?
足りない。第2項により、建築士として3年以上の設計などの実務を経たうえで、国土交通大臣の登録を受けた講習機関の管理建築士講習を修了する必要がある。二級・木造の事務所なら、それぞれの資格の建築士が管理建築士になる。実務のポイント:講習は開催日程が限られている。管理建築士の退職が決まってから講習を探しても間に合わないことがある。事務所内に修了者をもう一人確保しておくのが、実務上の保険である
間違えやすい点 AI による整理
- 「建築士事務所の社長は建築士」と思われがちだが、法律は開設者に資格を求めていない。資格と講習を求めているのは管理建築士である。設計の責任者を確認したいなら、社長の名刺ではなく登録簿の管理建築士欄を見るべきである
- 管理建築士は名義上の肩書きだと受け止められがちだが、その重さは想像以上である。2005年の耐震偽装事件の後、平成18年改正で3年以上の実務と講習修了が要件になり、技術的事項を総括する立場が明記された。名前を貸すだけの管理建築士は、事務所に対する監督処分だけでなく、本人の建築士としての懲戒処分の対象にもなりうる
- 第4項・第5項は管理建築士に意見を言う権利を与えただけだと読まれやすいが、法律の見方は違う。経営者から見れば「部下の進言」でも、法律上は開設者に意見の尊重義務がかかる。意見を無視して事故が起きた場合、管理体制の不備として開設者の責任が問われる材料になる
- 管理建築士がいれば、その人がすべての図面を自分で描いていると思うのは前提から誤っている。管理建築士の役割は総括と監督であり、個々の設計は担当建築士が行う。施主が確認すべきなのは、担当者が誰で、管理建築士がどう監督しているかという体制のほうである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 24条:事務所ごとに専任の管理建築士を置く義務 | 24条の2:建築士事務所の名義貸しの禁止 23条の5:登録事項(管理建築士を含む)変更時の届出 |
| 義務を負う者 | 建築士事務所の開設者(管理建築士は総括・意見陳述) | 建築士事務所の開設者 建築士事務所の開設者 |
| 違反時の典型的帰結 | 監督処分(26条)、名義だけの管理建築士本人の懲戒の可能性 | 監督処分(26条) 届出懈怠による監督処分等 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は建築師個人の開業証書制度が中心で、事務所は開業建築師が主宰する構造。資格を持たない経営者と管理者を分離する日本型の管理建築士制度とは設計思想が異なる
韓国は建築士事務所の開設を建築士に結びつけて規律しており、事務所運営と資格者の関係を法律で管理する点で日本と共通する
ドイツは州法で建築家の登録と建築事務所(Gesellschaften)の要件を規律し、資格者による経営関与を求める州が多い
米国は州ごとに firm registration を定め、責任ある監督(responsible control)を行う登録建築士の配置を求めるのが一般的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 注文住宅の設計を頼んだ事務所の登録簿を都道府県の建築士事務所協会で見たら、管理建築士は遠方に住む高齢の建築士で、打合せには一度も出てこなかった。専任であるべき管理建築士が実際には名前を貸しているだけなら、事務所の登録そのものが揺らぐ。欠陥が見つかったとき、交渉の材料になる
- 社長から「来月までに5件まとめて確認申請を出せ」と言われた。所属の建築士は2人しかいない。あなたが管理建築士なら、受託量と期間の設定はあなたが総括する事項であり、書面で意見を出せば社長には尊重義務がかかる
- 今月末で管理建築士が退職するのに、後任が決まっていないとしたら? 管理建築士を欠いたまま事務所が業務を続ければ、知事による監督処分(戒告、閉鎖命令、登録取消)の対象になりうる。変更の届出期限も迫っている。講習を修了した後任候補がいるか、今すぐ確認すべきである
- 工務店の経営者であるあなたは建築士の資格を持っていない。それでも、講習を修了した管理建築士を専任で迎えれば、建築士事務所を開設できる。逆に言えば、その一人が辞めた瞬間に設計部門が止まる
- 副業で設計を請け負っている知人が、本業の事務所の管理建築士も兼ねていると話した。二つの事務所で管理建築士を兼ねることは、専任要件と正面からぶつかる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 都道府県の建築士事務所協会などで事務所の登録簿を閲覧し、管理建築士の氏名と登録内容を確認する2. 24条の6に基づく閲覧書類と、重要事項説明書(24条の7)、契約時の書面(24条の8)を手元にそろえる3. 管理建築士が実際には常駐していない疑いがあれば、勤務実態の資料を集めて都道府県の建築士事務所担当窓口に情報を提供する4. 欠陥による損害は、設計契約の債務不履行と不法行為の両面から、建築紛争に詳しい弁護士と組み立てる
訴えられた側:1. 事務所の開設者として、管理建築士の専任性(他事務所との兼任なし、常勤の実態)と講習修了を書類で示せるようにしておく2. 管理建築士の意見を受けた記録と、それへの対応を残す3. 管理建築士が退職するときは、後任の要件確認と変更の届出を期限内に行う(最新の改正状況をご確認ください) 4. 処分の通知を受けたら、聴聞・弁明の機会で専任の実態を示す資料を出し、行政書士または弁護士に相談する
時効(請求できる期限):24条そのものに時効の定めはない。施主の請求は、設計契約上の債務不履行なら民法166条(知った時から5年、権利を行使できる時から10年)、不法行為なら民法724条(知った時から3年、行為時から20年)。新築住宅の構造耐力上主要な部分などの瑕疵は、住宅の品質確保の促進等に関する法律により引渡しから10年の担保責任がある(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)改正 構造計算書偽装事件を受けた改正で、管理建築士に3年以上の実務経験と講習修了を求め、技術的事項の総括と開設者への意見陳述を定めたとされる(改正内容の細部は要確認)
- 平成30年(2018年)改正 管理建築士が総括する技術的事項を各号に列挙し、開設者による意見尊重義務を明記したとされる(施行時期と改正範囲は要確認)
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 改正:構造計算書偽装事件を受けた建築士法改正により、管理建築士に建築士としての実務経験と管理建築士講習の修了を求める要件が導入された
- 2.平成26年(2014年) 改正:建築士法改正により、書面による契約締結の義務化や名義貸しの禁止とあわせ、管理建築士の責務(技術的事項の総括、開設者への意見陳述と尊重義務)が明確化された
- 建築士法 第23条の5管理建築士変更時の届出義務
- 建築士法 第24条の2名義貸しの禁止
- 建築士法 第24条の6事務所書類の閲覧義務
- 建築士法 第24条の7契約前の重要事項説明義務
- 建築士法 第26条事務所に対する監督処分
- 建築基準法 第5条の6建築士による設計・工事監理の義務付け
- 住宅の品質確保の促進等に関する法律 第94条新築住宅の10年瑕疵担保の特則
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