建築士法 第24条の4(帳簿の備付け等及び図書の保存)
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- 建築士事務所の開設者は、国土交通省令で定めるところにより、その建築士事務所の業務に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載した帳簿を備え付け、これを保存しなければならない。
- 2.前項に定めるもののほか、建築士事務所の開設者は、国土交通省令で定めるところにより、その建築士事務所の業務に関する図書で国土交通省令で定めるものを保存しなければならない。
この条文の基本情報
帳簿の備付け等及び図書の保存とは何ですか?
定義帳簿の備付け等及び図書の保存とは、建築士法第24条の4に定められた規定で、「建築士事務所の開設者は、国土交通省令で定めるところにより、その建築士事務所の業務に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載した帳簿を備え付け、これを保存しなけ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築士法第24条の4(帳簿の備付け等及び図書の保存)は、日本の建築士法に含まれる条文です。
- 建築士法第24条の4の条文原文は「建築士事務所の開設者は、国土交通省令で定めるところにより、その建築士事務所の業務に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載した帳簿を備え付け、これを保存しなけ…」で始まります。
- 建築士法第24条の4は第六章 建築士事務所に置かれています。
- 建築士法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 建築士法第24条の4の前の条は建築士法第24条の3です。
- 建築士法第24条の4の次の条は建築士法第24条の5です。
- 建築士法第24条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第24条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000202 - 本サイト収録
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第24条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000202/24_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築士法24条の4は、建築士事務所の開設者に業務帳簿の備付け・保存と、設計図書等の保存を義務づける。範囲と期間は省令で定められ、いずれも15年保存とされる。
Q · 家を設計した事務所は、昔の図面や構造計算書をまだ持っているの?
15年間の保存義務あり。ただし施主への開示義務はない
建築士法24条の4により、建築士事務所の開設者は業務帳簿を備え付けて保存し、設計図書や構造計算書、工事監理報告書などの図書も保存しなければなりません。具体的な範囲と期間は建築士法施行規則21条で定められ、帳簿は事業年度末の閉鎖後15年、図書は作成日から15年とされています。ただし本条は保存を命じる規定で、施主に見せる義務までは定めていません。写しの交付は設計契約の内容によります。
解説
設計図の寿命は、建物の寿命よりずっと短く扱われがちだ。竣工すれば図面は段ボールに詰められ、事務所の移転や代替わりのときに処分される。建築士法24条の4は、その慣行に法律で歯止めをかけている。建築士事務所の開設者(事務所登録をしている経営者。建築士本人とは限らない)には、二つの保存義務がある。一つ目は業務の帳簿で、契約日、依頼者、業務の内容、報酬額、担当した建築士などを記録し、備え付けておく義務だ。二つ目は図書で、配置図、平面図、立面図、断面図、構造詳細図、構造計算書、工事監理報告書などを保存する義務だ。具体的な項目と期間は国土交通省令(建築士法施行規則21条)で決まっており、帳簿は事業年度末に閉鎖してから15年、図書は作成日から15年保存するとされている(最新の改正状況をご確認ください)。施主の立場で言えば、自宅の壁にひびが入った10年後でも、あの構造計算書は設計事務所に残っているはずだ、と考えてよい。事務所の立場で言えば、捨てた一冊が罰金と業務停止の理由になる。
法的な位置づけ
建築士法24条の4は、建築士事務所の開設者に帳簿および図書の保存義務を課す規定である。帳簿には契約日、委託者、業務内容、報酬額、担当建築士等の業務事項を記載し、図書には配置図、各種図面、構造計算書、工事監理報告書等が含まれる。具体的な範囲と保存期間は国土交通省令で定められる。
手順
- 1.建築計画概要書で設計者を特定する 市区町村や特定行政庁の窓口で建築計画概要書(建築基準法93条の2)を閲覧し、設計者と工事監理者、建築士事務所名を確認する
- 2.不具合の記録を整える ひび割れ、傾き、雨漏りなどの状況を日付入りの写真で記録し、設計契約書や売買契約書など手元の書類を一式まとめる
- 3.設計事務所に書面で保存状況を照会する 構造計算書や工事監理報告書が保存されているか、写しの提供が可能かを書面で問い合わせる。紛争の可能性がある旨を添えると、保存の事実を記録に残しやすい
- 4.回答がない場合は登録先と専門家に相談する 事務所が回答しない、または廃棄していた場合は、事務所を登録している都道府県(指定事務所登録機関)に相談し、損害賠償を視野に入れるなら期間制限を逆算して建築紛争に詳しい弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1設計図書の保存期間は何年ですか?
建築士法施行規則21条により、図書は作成日から15年間保存とされています。帳簿は各事業年度末に閉鎖してから15年間です(最新の改正状況をご確認ください)。
Q2建築士事務所の帳簿には何を書く?
契約を結んだ日、委託者、業務の種類と概要、報酬額、担当した建築士の氏名、再委託先などの業務事項です。項目は施行規則21条で定められています。
Q3保存しなければならない図書とは?
配置図、平面図、立面図、断面図、構造詳細図、構造計算書、工事監理報告書などです。具体的な範囲は建築士の資格区分や建物の種類に応じて省令で定められています。
Q4設計図書は電子保存でもいい?
施行規則上、ファイルに記録し必要なときに画面表示や印刷ができる状態であれば、電子保存で代えることが認められています。作成日と内容が確認できることが前提です。
Q5帳簿・図書の保存義務を負うのは誰?
建築士事務所の開設者です。事務所登録をしている経営者を指し、建築士本人とは限りません。法人が開設者であれば、その法人が義務を負います。
Q6設計事務所が廃業したら図面はどうなる?
廃業後の引継ぎ先を定めた明文規定は本条にはありません。実務上は承継者への引継ぎを書面で決めておくことが望ましく、施主は廃業前に写しを確保しておくのが確実です。
Q7図書を保存していないと違法?
違法です。帳簿・図書の不保存は建築士法上の罰金の対象とされ、都道府県知事による戒告や事務所閉鎖命令などの監督処分(26条)につながることもあります。
Q8建築士事務所の立入検査では何を見られる?
建築士法26条の2に基づく検査で、帳簿の記載項目の抜けや図書の保存状況が確認されます。不足があれば、理由と是正策を説明できるよう準備しておくことが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1設計事務所に昔の図面を見せてって頼んだら断られた。違法じゃないの?
24条の4が定めるのは保存の義務で、施主に見せる義務までは含まない。そのため、断られたこと自体はすぐに違法とは言えない。ただ、契約で成果物の引渡しを約束していれば、その契約に基づいて求められる。実務のポイント:役所の建築計画概要書(建築基準法93条の2)で設計者と工事監理者の名前を確認し、紛争の可能性を伝えて書面で依頼すると、事務所側も保存の事実を否定しにくくなる
Q2紙の図面を全部スキャンしてPDFにすれば、原本は捨てていいですか?
施行規則21条は、ファイルに記録し必要なときに表示できる状態であれば、電子保存で帳簿や図書に代えることを認めている(最新の改正状況をご確認ください)。重要なのは、作成日と内容が後から確認できることだ。実務のポイント:スキャンのファイル名に物件名と作成日を入れ、年度ごとのフォルダに分けておく。立入検査で指定された図書を数分で出せる事務所は、それだけで管理体制がしっかりしていると評価される
Q3帳簿を付けてなかったら、実際どれくらいの罰がありますか?
帳簿を備えない、記載しない、虚偽の記載をする、帳簿や図書を保存しないといった違反は、罰金の対象とされている(建築士法41条、最新の改正状況をご確認ください)。それとは別に、都道府県知事が戒告、事務所の閉鎖命令、登録取消しといった監督処分を行うこともある(26条)。実務のポイント:罰金よりも怖いのは監督処分の公表だ。取引先の行政や大手ゼネコンは、処分歴を入札や外注先選びの基準にしている
間違えやすい点 AI による整理
- 「保存義務があるのだから、施主は図面の写しをもらう権利がある」と考えがちだが、ここには論理の飛躍がある。24条の4は事務所に保存を命じる規定で、施主への開示や交付を義務づけてはいない。写しを受け取れるかどうかは、設計契約の内容と交渉で決まる。契約の段階で、竣工図一式を引き渡すという条項を入れておくのが確実だ
- 帳簿は経理のための書類だと思われているが、建築士法上の帳簿は業務の記録である。誰がどの案件を担当し、どこへ再委託したかが書かれる。名義貸しや無資格者への丸投げを疑われたとき、この帳簿が事務所を守る盾にも、追及の材料にもなる
- 設計事務所からすれば図面は自分たちの作品で、管理するかどうかは自由だと感じるだろう。だが法律は、図面を建物の安全を事後に確認するための公共的な記録として扱っている。この見方の差を意識しないまま廃棄すると、罰金だけでなく事務所登録への監督処分(26条)につながりうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務の内容 | 24条の4:帳簿の備付け・保存と図書の保存 | 24条の6:業務実績等を記載した書類を事務所に備え置き、閲覧させる 26条の2:都道府県知事による報告徴収・立入検査 |
| 誰のための記録か | 建物の安全を事後に検証するための記録(行政・紛争時の証拠) | 設計等を委託しようとする者の事務所選びのための情報 行政が義務の履行状況を確認する手段 |
| 施主・委託者との関係 | 保存義務のみで、施主への開示義務は定めていない | 委託しようとする者の求めに応じた閲覧義務がある 施主の直接の権利ではなく、行政権限 |
| 違反時の効果 | 罰金の対象、監督処分(26条)の対象 | 罰則・監督処分の対象(現行効力を要確認) 検査拒否・虚偽報告は罰則の対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も建築師の業務と事務所を法律で規律するが、日本のように帳簿・図書の保存期間を省令で一律に定める構造かは条文単位で要確認
韓国も建築士の業務と事務所登録を建築士法で規律しており、日本の制度と構造が近い
ドイツでは建築家の職業規律が州法に委ねられ、書類保存は商法・税法上の一般的な保存義務と組み合わせて扱われる
米国では州ごとの建築士免許法と各州の規則が記録保存を規律し、全国一律の基準はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 築12年の自宅で、2階の床が目に見えて傾いてきた。施工会社はもう廃業している。それでも設計事務所には、構造計算書と工事監理報告書が保存されているはずだ。どこから調べればいいか分からない、という状態から抜け出す入口は、まずその事務所に連絡することだ
- 所長の引退で設計事務所をたたむ準備をしている。倉庫には20年分の図面がある。全部シュレッダーにかければ片付くが、作成から15年たっていない図書を捨てれば保存義務違反になる。廃業届を出す前に、どの年度の分まで残すかを線引きしなければならない
- 都道府県の立入検査(建築士法26条の2)の通知が届いた。検査日まではあと10日。帳簿に報酬額が書かれていない契約が三件、担当建築士の名前が抜けている案件が一件ある。後から書き足すのではなく、記録が欠けた理由を説明できるよう準備すること
- 中古の一戸建てを買ってリノベーションしたいと考えたら、設計した事務所に図面がまだ残っているかどうかで何が変わるだろうか? 構造図があれば、抜ける壁と抜けない壁を最初から見分けられる。図面がなければ、解体して調査する費用がかかる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 建物の不具合に気付いたら、写真と日付を記録し、確認済証、検査済証、契約書を集める2. 設計事務所に書面で問い合わせ、構造計算書や工事監理報告書が保存されているか確認する3. 役所で建築計画概要書を閲覧し、設計者と工事監理者を特定する4. 事務所が廃棄していたり回答を拒んだりした場合は、事務所を登録している都道府県(指定事務所登録機関)に相談する5. 損害賠償を視野に入れるなら、品確法の10年や民法の時効を逆算して、建築紛争に詳しい弁護士に相談する
訴えられた側:1. 施行規則21条の記載項目と照らし合わせ、帳簿の抜けをすべて洗い出す2. 欠けた記載を後から作ることはしない。虚偽記載は保存しないことよりも重く見られる3. 図書の保存状況を年度別に一覧にし、電子保存しているものは表示や印刷ができる状態にしておく4. 立入検査では、欠けている点と是正策を自分から説明する5. 廃業や承継の際は、保存義務が残る図書の引継ぎ先を書面で決めておく
時効(請求できる期限):帳簿は各事業年度の末日に閉鎖し、閉鎖後15年間保存する。図書は作成日から15年間保存する(建築士法施行規則21条、最新の改正状況をご確認ください)。施主側の請求には、品確法94条の10年(引渡しから)、民法724条の不法行為時効(損害と加害者を知った時から3年、生命・身体の侵害は5年、行為時から20年)が関わる
- 建築士法 第24条の6業務実績等書類の閲覧義務(現行効力を要確認)
- 建築士法 第26条違反時の事務所への監督処分
- 建築士法 第26条の2報告徴収と立入検査の根拠
- 建築士法 第41条帳簿・図書保存違反の罰金(現行効力を要確認)
- 住宅の品質確保の促進等に関する法律 第94条新築住宅の10年瑕疵担保責任
- 建築基準法 第93条の2建築計画概要書の閲覧制度
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