建築士法 第42条
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法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第三十七条(第十三号を除く。)又は第四十条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築士法第42条は、日本の建築士法に含まれる条文です。
- 建築士法第42条の条文原文は「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第三十七条(第十三号を除く。」で始まります。
- 建築士法第42条は第十章 罰則に置かれています。
- 建築士法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 建築士法第42条の前の条は建築士法第41条です。
- 建築士法第42条の次の条は建築士法第43条です。
- 建築士法第42条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第42条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000202 - 本サイト収録
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第42条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000202/42
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築士法42条は両罰規定で、従業者が業務に関し37条(13号を除く)又は40条に違反した場合、行為者に加え法人・事業主にも同じ罰金刑を科す。
Q · 建築士事務所の社員が違反したら、会社も罰金を科されるの?
37条・40条の違反なら会社にも同じ罰金刑が科される
建築士法42条により、従業者が法人または事業主の業務に関して37条(13号を除く)または40条に違反した場合、行為者本人に加えて法人・事業主にも各本条の罰金刑が科されます。判例は事業主の選任・監督上の過失を推定する立場をとり、事業主が無過失を証明すれば免責の余地があります。一方、拘禁刑を含む35条の重い違反は本条の対象に含まれていません。
解説
建築士事務所を株式会社にしている経営者の多くは、「違反をしたのは担当の建築士個人で、会社は関係ない」と考えている。建築士法42条はその考えを否定する。代表者、代理人、従業員、アルバイトなど、法人や事業主のために働く誰かが、その業務として第37条(第13号を除く)または第40条の違反をした場合、罰を受けるのは本人だけではない。法人、または事務所を個人で開いている事業主にも、同じ条文の罰金刑が科される。これを両罰規定(実際に違反した人と、その人を使っている事業主の両方を処罰する仕組み)という。押さえるべき点は二つある。一つは、事業主が責任を免れる道が狭いことだ。判例は、従業員の選任や監督に落ち度がなかったと事業主のほうで証明しない限り、過失があったものと推定する立場をとっている。もう一つは、適用範囲に穴があることだ。名義貸しや無資格での設計のように拘禁刑まである重い違反は、本条が列挙する条文に入っていない。会社にとって本当に怖いのは罰金よりも、前科が付くことと、事務所登録への監督処分が連鎖することである
法的な位置づけ
建築士法42条は両罰規定であり、法人の代表者、法人もしくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その業務に関して同法37条(13号を除く)または40条の違反行為をした場合に、行為者のほか、業務主体である法人または人に対しても各本条の罰金刑を科す旨を定める規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1両罰規定とは何ですか?
実際に違反した従業者と、その者を使う法人・事業主の両方を処罰する規定です。建築士法では42条がこれに当たり、法人には罰金刑が科されます。
Q2建築士法42条の対象になる違反は?
37条(13号を除く)と40条に列挙された違反行為です。いずれも罰金刑の類型で、35条の重い違反は対象に含まれていません。
Q3両罰規定で会社が免責されることはある?
判例は事業主の選任・監督上の過失を推定する立場です。事業主側が注意を尽くしたことを証明できれば、免責される余地があります。
Q4法人に罰金刑が確定すると前科になる?
なります。法人に対する罰金も刑事罰であり、入札参加資格の審査や取引先の与信判断などで不利な材料として扱われることがあります。
Q5個人事務所の所長も両罰規定の対象?
対象です。条文は「法人又は人」と定めており、個人で建築士事務所を開設している事業主にも、従業者の違反について罰金刑が科されえます。
Q6建築士法の罰金の時効はいつまで?
37条・40条の罪は罰金刑のみのため、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。犯罪行為が終わった時から起算します。
Q7アルバイトの違反でも会社は罰せられる?
「その他の従業者」には雇用形態を問わず業務に従事する者が含まれると解されます。業務に関する違反であれば、事業主の処罰につながりえます。
Q8両罰規定と監督処分は同時に受ける?
受けることがあります。刑事罰と、建築士法26条による事務所登録への監督処分は別の手続であり、並行して進む可能性があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社員が勝手にやったことなのに、会社まで罰金ってアリなんですか?
ありうる。建築士法42条は、社員が会社の業務として37条(13号を除く)または40条に違反すれば、会社にも同じ条文の罰金刑を科すと定めている。判例は、事業主に選任と監督の過失があったものと推定し、事業主の側で無過失を証明すれば免責される余地を残している。実務のポイント:この証明は、口頭での説明ではほぼ通らない。日付の入った研修記録や確認記録があるかどうかが、結論を分ける
Q2社長の自分も前科がつくんですか?
42条が処罰するのは、実際に違反した者とその法人である。社長個人が自動的に処罰される規定ではない。ただし社長自身が違反行為をしたり、違反を指示したりした場合は、社長が行為者として処罰される。実務のポイント:小規模な事務所では、社長が書類に押印しているだけで行為者と見られるおそれがある。押印の運用と権限の分担を書面で明確にしておくのが、最も安上がりな防御策である
Q3名義貸しで会社が罰金を食らうこともあるんですか?
名義貸しなどは35条の重い罪に当たるが、42条が法人の処罰対象として挙げるのは37条(13号を除く)と40条だけである。そのため、本条を根拠にして法人に罰金が科される構造にはなっていない。実務のポイント:法人が無傷で済むわけではない。事務所登録の取消しや閉鎖といった監督処分(26条)が、罰金よりも重い打撃になりうる
間違えやすい点 AI による整理
- 「罰金なら払えば終わり」と軽く見られがちだが、法人に罰金刑が確定すれば、それは刑事罰の前科である。入札参加資格や取引先の与信審査、事務所登録への監督処分の判断材料として、罰金額よりはるかに長く会社の経歴に残る
- 「社長が罰せられるのか、会社が罰せられるのか」という問いの立て方がそもそもずれている。42条が処罰するのは「実際に違反行為をした者」と「その法人または事業主」の二者であり、代表者個人を自動的に処罰する規定ではない。代表者自身が手を下した場合は、その代表者が行為者として処罰される
- 経営者の目には「従業員の個人的なミス」に見えても、法律は「事業主の監督の失敗」として見る。判例上、選任と監督に落ち度がなかったことは事業主が自分で証明しなければならず、研修記録やチェック体制を書面で残していない会社は、ここで反証の材料を失う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 刑の種類 | 42条:法人・事業主に各本条の罰金刑を科す(拘禁刑なし) | 37条:行為者に罰金刑(13号を除き両罰の対象) 35条:拘禁刑を含む重い罪(両罰の対象外) |
| 法人への波及 | 従業者の業務上の違反が法人・事業主の罰金刑に直結 | 42条を経由して法人にも同じ罰金刑 42条の列挙に含まれず、本条による法人処罰はない |
| 法人が受ける主な不利益 | 罰金刑の確定による刑事処分歴 | 罰金刑+事務所登録への監督処分(26条)の可能性 法人処罰はないが、監督処分(26条)が重い打撃となりうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は行政罰の一般法で、組織の代表者や従業者の故意・過失を組織の故意・過失と推定する。日本の判例上の過失推定を立法で明文化した形に近い
韓国では2007年の憲法裁判所決定で免責の余地のない両罰規定が違憲とされ、以後「相当な注意と監督を怠らなかった場合」を除く但書が各法に加えられた
ドイツは法人の刑事責任を認めず、秩序違反法上の団体過料と監督義務違反で対応する。刑罰ではなく行政制裁の構成をとる点が日本と異なる
米国は使用者責任(respondeat superior)の法理により、従業員の職務上の犯罪について法人の刑事責任を広く認める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 設計事務所の若手スタッフが、所長に確認せずに帳簿の記載を省いていた。行政の立入検査でそれが発覚した場合、処罰されるのは本人だけで済むのか? 42条により、事務所を経営している法人にも同じ罰金刑が科されうる。「部下が勝手にやった」という説明は、それだけでは免責の理由にならない
- あなたは個人で建築士事務所を開設しており、外注の事務員に書類の管理を任せている。その事務員の業務上の違反は、「人」の業務に関する違反として、事業主であるあなた個人の罰金刑につながる
- 都道府県から報告を求める書面が届いた。回答期限まで残りは5日しかない。担当者が放置して報告をしなければ、それが会社ぐるみの罰則につながる入口になりうる
- 施主のあなたは、依頼した設計事務所の書面の交付などに不備があったことを知った。刑事告発の対象になるのは担当者だけでなく、事務所を運営する法人も含まれる。この事実は、交渉のときの圧力として効いてくる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 設計事務所の義務違反に気付いたら、交付された書面、契約書、メールを日付順に保存する。2. 事務所の登録先である都道府県(または指定事務所登録機関)に情報を提供すると、報告の徴収や監督処分(建築士法26条)のきっかけになる。3. 金銭的な損害の回収は刑事手続とは別の軌道で動く。担当者個人には民法709条、法人には民法715条(使用者責任)で請求を組み立てる
訴えられた側:1. 違反行為の担当者と業務の範囲を特定し、法人の業務としてされた違反に当たるかを確認する。2. 選任と監督に落ち度がなかったことを示す材料を集める。研修記録、チェックリスト、業務マニュアルがそれに当たる。3. 違反が37条(13号を除く)または40条の類型に当たるかを条文に照らして確認する。4. 刑事手続と並行して事務所登録への監督処分が進むことがあるため、早い段階で弁護士に相談し、是正報告の準備に着手する
時効(請求できる期限):37条と40条はいずれも罰金刑の罪であり、公訴時効は3年である(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は犯罪行為が終わった時(同253条1項)。民事の請求には別途、民法724条の時効(知った時から3年)または一般消滅時効(民法166条)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
学説
過失推定説(判例・通説):事業主の処罰根拠を従業者の選任・監督上の過失の推定に求める。責任主義との調和を図り、事業主が無過失を証明すれば免責されると解する。
無過失責任説(旧説):事業主は従業者の違反について過失の有無を問わず責任を負うとする見解。責任主義に反するとの批判が強く、判例の過失推定説によって退けられた。
- 建築士法 第37条両罰の対象となる罰金刑の各号
- 建築士法 第40条両罰の対象となる軽い罰金刑の類型
- 建築士法 第35条重い違反類型、本条の対象外
- 建築士法 第26条事務所登録への監督処分との並行
- 建築基準法 第104条建築基準法上の両罰規定(現行効力を要確認)
- 刑法 第8条刑法総則を他法令の罰則に適用
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