民事調停法 第33条の4
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- 知的財産の紛争に関する調停事件は、第三条に規定する裁判所のほか、同条の規定(同条第一項の規定中当事者が合意で定める管轄に関する部分を除く。)により次の各号に掲げる裁判所が管轄権を有する場合には、それぞれ当該各号に定める裁判所の管轄とする。
- 一東京高等裁判所、名古屋高等裁判所、仙台高等裁判所又は札幌高等裁判所の管轄区域内に所在する簡易裁判所東京地方裁判所
- 二大阪高等裁判所、広島高等裁判所、福岡高等裁判所又は高松高等裁判所の管轄区域内に所在する簡易裁判所大阪地方裁判所
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事調停法第33条の4は、日本の民事調停法に含まれる条文です。
- 民事調停法第33条の4の条文原文は「知的財産の紛争に関する調停事件は、第三条に規定する裁判所のほか、同条の規定(同条第一項の規定中当事者が合意で定める管轄に関する部分を除く。」で始まります。
- 民事調停法第33条の4は第二章 特則に置かれています。
- 民事調停法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 民事調停法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事調停法第33条の4の前の条は民事調停法第33条の3です。
- 民事調停法第33条の4の次の条は民事調停法第34条です。
- 民事調停法第33条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第33条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000222 - 本サイト収録
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第33条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC1000000222/33_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事調停法33条の4は、知的財産の紛争に関する調停を、原則の簡易裁判所に加え東京地裁または大阪地裁にも申し立てられると定める。振り分けは高裁管轄区域で決まる。
Q · 札幌の会社と著作権でもめたら、東京地裁で調停できますか?
できる。札幌高裁管内なので東京地裁も選べる
民事調停法33条の4により、知的財産の紛争に関する調停は、3条の原則管轄(相手方住所地等の簡易裁判所)に加えて地方裁判所にも申し立てられます。相手方の住所地を管轄する簡裁が札幌高裁の管轄区域内にあるため、本条1号により東京地方裁判所も管轄を持ちます。札幌の簡裁へ申し立てる道も残っており、どちらを使うかは申立人が選べます。
解説
東京か大阪か。知的財産の紛争を話し合いで片付けたいとき、日本中のどこにいても、この二つの地方裁判所のどちらかへ持ち込める。民事調停の原則(3条)では、相手方の住所地にある簡易裁判所へ申し立てるのが基本である。ただ、特許、商標、著作権、不正競争の争いを、普段は近隣トラブルや貸金を扱う簡裁の調停委員に説明するのは骨が折れる。本条はここに別の入口を用意した。相手の住所地を管轄する簡裁が東京・名古屋・仙台・札幌の各高裁管内にあれば東京地裁へ、大阪・広島・福岡・高松の各高裁管内にあれば大阪地裁へも申し立てられる。両地裁は知財訴訟を専門に扱う部を持っている。2019年10月からは知財調停の運用が始まり、知財部の裁判官と、知財に詳しい弁護士・弁理士の調停委員が、おおむね3回程度の期日で見解を示すことを目指している。非公開で手続が進み、成立すれば裁判上の和解と同じ効力を持つ。訴訟に踏み切る前に、専門家の見立てを早く安く手に入れる手段である
法的な位置づけ
民事調停法33条の4は、知的財産の紛争に関する調停事件の管轄の特則である。同法3条の管轄裁判所に加え、相手方住所地等を管轄する簡易裁判所が東京・名古屋・仙台・札幌の各高等裁判所管内にあれば東京地方裁判所、大阪・広島・福岡・高松の各高等裁判所管内にあれば大阪地方裁判所にも管轄を付与する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.紛争が知的財産の紛争にあたるか確認し、証拠を固定する 特許・実用新案・意匠・商標・著作権・不正競争などの争いかを確認する。侵害品の購入、販売ページの保存、自社の登録原簿や創作日時の記録など、日付の入った資料をそろえる
- 2.相手方住所地の簡易裁判所と高裁管轄区域を確認する 相手方の住所・営業所の所在地を管轄する簡易裁判所を調べ、その簡裁がどの高等裁判所の管轄区域にあるかを確認する。東京・名古屋・仙台・札幌の各高裁管内なら東京地裁、大阪・広島・福岡・高松の各高裁管内なら大阪地裁を選べる
- 3.申立書と対比資料を作る 権利の内容、侵害品との対比、求める内容(販売中止、ライセンス料、損害賠償など)を整理する。期日が少ないため、最初の書面で主張と資料を出し切る
- 4.東京地裁または大阪地裁へ申し立てる 管轄を確認した地方裁判所に申立書を提出し、申立手数料を納付する。事前に相手方へ知財調停での話し合いを打診しておくと、手続が進みやすい
- 5.見解を踏まえて次の手を決める 調停委員会の見解をもとに、成立、訴訟、撤退のどれを選ぶか判断する。不成立となった場合、通知から2週間以内に訴えを起こせば申立時に提訴したものとみなされる(19条)
よくある質問 AI による整理
Q1知財調停とは何ですか?
特許・商標・著作権・不正競争などの紛争を、裁判所の調停手続で話し合って解決する仕組みです。東京地裁・大阪地裁では知財部の裁判官と専門家の調停委員が関わります。
Q2知財調停は簡易裁判所でもできますか?
できます。本条は「第三条に規定する裁判所のほか」と定めており、相手方住所地等の簡易裁判所という原則の管轄はそのまま残っています。
Q3知財調停の費用はいくらかかる?
申立手数料は民事訴訟費用等に関する法律に基づき、求める事項の価額に応じて決まります。訴えの提起より低く設定されており、別に郵便切手代が必要です。
Q4知財調停はどのくらいの期間で終わる?
東京地裁・大阪地裁の知財調停は、おおむね3回程度の期日で調停委員会の見解を示す運用を目指しています。訴訟に比べてかなり短期間です。
Q5知財調停で販売の差止めを約束させられる?
相手が合意すれば、販売中止を内容とする調停を成立させられます。成立した調停は裁判上の和解と同一の効力を持ちます(16条)。合意がなければ強制はできません。
Q6相手が知財調停に応じないとどうなる?
合意の見込みがなければ調停不成立で終了します。不成立の通知から2週間以内に訴えを起こせば、調停申立ての時に提訴したものとみなされます(19条)。
Q7沖縄の会社相手の知財調停はどこに申し立てる?
那覇の簡易裁判所は福岡高裁の管轄区域内にあるため、本条2号により大阪地方裁判所に申し立てられます。那覇の簡裁へ申し立てることもできます。
Q8知財調停の内容は公開されますか?
調停手続は非公開で進みます。公開の法廷で審理される訴訟と違い、技術情報や営業秘密を一般にさらさずに専門家の見立てを得られます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1知財調停って、弁護士を頼まないと無理ですか?
法律上は本人だけで申し立てられ、調停に弁護士は必須ではない。ただ知財調停は期日が少ないので、権利の内容と侵害の対比を最初の書面でどこまで示せるかで結果が大きく変わる。実務のポイント:特許や意匠の争いでは、弁護士より先に弁理士へ対比表を作ってもらうほうが安く済むことがある。弁理士は特定侵害訴訟代理業務の付記を受けていないと訴訟代理はできないが、技術の整理は本業である
Q2相手が東京の会社なのに、大阪地裁に申し立てることはできますか?
本条の振り分けは、3条で管轄を持つ簡易裁判所がどの高裁管内にあるかで決まる。相手方の住所地が東京なら、本条で選べるのは原則として東京地裁である。ただし当事者が合意すれば、3条により大阪地裁を管轄裁判所とすることもできる。実務のポイント:知財調停は相手の同意がないと前に進まない手続なので、申立ての前に「専門部の調停で話しませんか」と打診して、場所まで合意してしまうのが実務の近道である
間違えやすい点 AI による整理
- 「調停は簡易裁判所で素人の調停委員と話し合うもので、特許のような専門的な争いには向かない」と考えられがちである。しかし本条によって、知財紛争は東京地裁・大阪地裁という知財専門部を持つ裁判所でも調停できる。調停の質は、どこへ申し立てるかでまったく変わる
- 東京地裁・大阪地裁に「しか」申し立てられないと受け取るのは誤りである。条文は「第三条に規定する裁判所のほか」と書いており、相手方住所地の簡易裁判所などの原則管轄はそのまま残る。選択肢が増えるだけであり、どちらが有利かを自分で選ぶ問題である
- 調停をもっとも重く受け止めるべきなのは、申し立てられた側である。調停委員会が示した見解は判決ではないので従う義務はない。ただ、知財部の裁判官が入った委員会が「侵害の可能性が高い」と判断したという事実は、その後の訴訟や取引先との交渉に影を落とす。軽く扱った側から不利になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる事件 | 民事調停法33条の4:知的財産の紛争に関する調停事件 | 民事調停法3条:調停事件全般 民事訴訟法6条:特許権等に関する訴え(訴訟) |
| 管轄裁判所 | 3条の裁判所に加え東京地裁または大阪地裁 | 相手方住所地等の簡易裁判所、または合意で定める地裁・簡裁 東京地裁または大阪地裁 |
| 性質 | 原則管轄に上乗せされる選択的な管轄 | 調停の基本となる管轄 専属管轄(他の裁判所は使えない) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は智慧財産及商業法院を設けて知財事件を専門裁判所に集中させている。調解は民事訴訟法の調解手続が基本となる
韓国も知的財産権の訴えについて高等裁判所所在地の地方法院に管轄を認め、専門性の高い裁判所へ集中させる考え方が日本と近い
ドイツは特許紛争を州ごとに指定された地方裁判所に集中させる。裁判外の調停は Mediationsgesetz が一般的な枠組みとなる
米国は特許事件を連邦裁判所の管轄とし、裁判所併設の ADR(調停等)の整備を連邦法で各地裁に求めている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 仙台で小さな工房を営んでいる。自社デザインそっくりのバッグが通販サイトで売られていて、売っているのは札幌の会社だ。地元の簡裁でも申し立てられるが、本条を使えば東京地裁の知財調停へ持ち込める。意匠や不正競争に慣れた裁判官を相手に、図面と比較写真で話が通じる
- 大手メーカーからの通知書を開くと「貴社製品は当社特許を侵害している。2週間以内に販売を中止せよ」と書いてある。訴訟になれば数年かかり、数千万円の負担もありうる。焦って白旗を上げる前に、こちらから東京地裁か大阪地裁へ知財調停を申し立て、専門家の調停委員会に侵害の有無の見立てを示してもらう道がある
- 相手方として呼出状を受け取ったら、無視してもいいのか。正当な理由なく欠席すれば5万円以下の過料(34条)の対象になる。欠席すると、相手の主張だけを聞いた調停委員会の心証もできあがっていく
取るべき行動
被害を受けた側:1. 侵害の証拠を固定する:販売ページの保存、購入した現物、日付入りの比較資料、自社の権利証(登録原簿、創作日時の記録)2. 相手方の住所地を確認し、東京地裁と大阪地裁のどちらへ申し立てられるかを判定する3. 権利、侵害品、求める内容(差止め、ライセンス料、損害賠償)を整理して申立書を作る。期日は少ないので、最初に資料を出し切る4. 調停委員会の見解が出たら、それを材料に訴訟、和解、撤退のどれを選ぶか判断する
訴えられた側:1. 呼出しを無視しない。正当な理由のない欠席は5万円以下の過料(34条)の対象になる2. 非侵害(構成が違う、権利範囲外)と権利の無効理由(先行技術、先行使用)の両面から反論資料をそろえる3. 調停は非公開なので、技術資料を出すことによる情報流出のリスクと、早めに解決する利益とを比べて考える4. 調停に代わる決定(17条)が出て不服があれば、2週間以内に異議を申し立てれば効力を失う(18条)
時効(請求できる期限):本条自体に期間制限はない。損害賠償請求権は、損害と加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年で時効にかかる(民法724条)。調停を申し立てると時効の完成が猶予され、調停不成立の通知から2週間以内に訴えを起こせば、申立ての時に訴えを提起したものとみなされる(民事調停法19条)。調停に代わる決定への異議は告知から2週間以内(18条)。(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)民事訴訟法等の一部を改正する法律(要確認) 特許権等に関する訴えを東京・大阪地裁の専属管轄とした民事訴訟法6条の改正にあわせ、知的財産の紛争に関する調停事件の管轄の特則として新設されたとみられる。改正年と法律番号は人的検証が必要
- 令和元年(2019年)10月 運用開始 東京地裁・大阪地裁で知財調停の運用が始まった。条文改正ではなく裁判所の運用変更であり、知財部の裁判官と専門家調停委員が少ない回数の期日で見解を示す実務が定着した
- 民事調停法 第3条調停事件の原則的管轄、本条が上乗せする基礎
- 民事調停法 第4条管轄違いの移送と自庁処理
- 民事調停法 第16条調停成立は裁判上の和解と同一効力
- 民事調停法 第17条調停に代わる決定による解決
- 民事調停法 第19条不成立後2週間内提訴で申立時提訴擬制
- 民事訴訟法 第6条特許権等訴訟の東京・大阪地裁専属管轄
- 民事訴訟法 第6条の2意匠権・商標権・著作権等訴訟の競合管轄
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