民事調停法 第19条(調停不成立等の場合の訴の提起)
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第十四条(第十五条において準用する場合を含む。)の規定により事件が終了し、又は前条第四項の規定により決定が効力を失った場合において、申立人がその旨の通知を受けた日から二週間以内に調停の目的となった請求について訴えを提起したときは、調停の申立ての時に、その訴えの提起があったものとみなす。
この条文の基本情報
調停不成立等の場合の訴の提起とは何ですか?
定義調停不成立等の場合の訴の提起とは、民事調停法第19条に定められた規定で、「第十四条(第十五条において準用する場合を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事調停法第19条(調停不成立等の場合の訴の提起)は、日本の民事調停法に含まれる条文です。
- 民事調停法第19条の条文原文は「第十四条(第十五条において準用する場合を含む。」で始まります。
- 民事調停法第19条は第一節 通則に置かれています。
- 民事調停法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 民事調停法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事調停法第19条の前の条は民事調停法第18条です。
- 民事調停法第19条の次の条は民事調停法第19条の2です。
- 民事調停法第19条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第19条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000222 - 本サイト収録
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第19条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC1000000222/19
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事調停法19条は、調停不成立または17条決定の失効の通知から二週間以内に申立人が同じ請求で訴えれば、調停申立ての時に訴えたものとみなす規定。
Q · 調停が不成立になったあと、いつまでに裁判を起こせば調停の期間が無駄にならないの?
通知から2週間以内に同じ請求で訴えれば申立時に遡る
民事調停法19条により、調停不成立または調停に代わる決定(17条)の失効の通知を受けた日から二週間以内に、申立人が調停の目的となった請求について訴えを起こせば、その訴えは調停申立ての時に提起されたものとみなされます。あわせて民事訴訟費用等に関する法律5条により、調停で納めた手数料を訴えの手数料に充てられます。調停を取り下げた場合や、二週間を過ぎた場合は、この遡りは生じません。
解説
調停が不成立になった日、多くの申立人は「負けた」と感じて書類を引き出しにしまう。ところが法律の側では、そこから二週間だけ特別な時計が動いている。民事調停法19条によれば、調停が不成立で終了した場合(14条、15条で準用する場合を含む)、または調停に代わる決定(17条)が異議で効力を失った場合に、申立人が通知を受けた日から二週間以内に同じ請求で訴えを起こせば、その訴えは「調停を申し立てた時点で提起された」ものとみなされる。数か月前の申立日まで、訴えの日付が巻き戻るということだ。その間に期限が切れていたとしても、なかったことになる。さらに見落とされがちなのが手数料である。民事訴訟費用等に関する法律5条により、同じ二週間以内に訴えれば、調停で納めた印紙代を訴えの手数料に充てられる。不成立の通知は終わりの合図ではない。二週間のカウントダウンが始まった合図である。
法的な位置づけ
民事調停法19条は調停後の訴え提起の擬制を定める規定であり、調停不成立による事件終了または調停に代わる決定の失効の通知を申立人が受けた日から二週間以内に、調停の目的となった請求について訴えが提起された場合、その訴えを調停申立ての時に提起されたものとみなす。調停に要した期間を訴訟へ引き継ぐ接続規定として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知の受領日を記録し期限を算出する 不成立または調停に代わる決定の失効の通知を受け取った日を記録し、初日不算入で二週間後の期限日をカレンダーに書き込む。通知書の写しを保管する
- 2.調停の請求と同じ内容で訴状を作成する 調停申立書の「申立ての趣旨」と同じ請求を基礎に訴状を起案する。請求を広げる部分は遡りの対象外となるおそれがあるため、範囲を意識する
- 3.調停事件番号と19条の適用を訴状に明記する 訴状に調停事件の番号と通知を受けた日を記載し、民事調停法19条による訴え提起の擬制と、民事訴訟費用等に関する法律5条による手数料の充当を求める旨を示す
- 4.差額の印紙を用意して期限内に提出する 訴えの手数料から調停で納めた手数料を差し引いた差額を算出し、印紙を用意する。管轄裁判所を確認し、郵送なら到着日基準を考慮して余裕を持って提出する
よくある質問 AI による整理
Q1訴え提起の擬制とは何ですか?
実際に訴えた日ではなく、法律上別の日に訴えがあったものとして扱う仕組みです。民事調停法19条では、調停申立ての日が訴え提起の日とみなされます。
Q2調停不成立から2週間はいつから数えますか?
申立人が不成立または決定失効の通知を受けた日が基準です。期間計算は初日不算入が原則のため、通知を受けた日の翌日から数えて二週間となります。
Q3調停不成立後2週間を過ぎたら訴えられない?
訴えること自体はできます。ただし訴え提起日は調停申立時に遡らず、時効は民法147条1項の終了後6か月の完成猶予などで個別に判断されます。
Q4調停を取り下げた場合も19条は使えますか?
使えません。19条が対象とするのは14条による不成立終了と、18条による調停に代わる決定の失効だけで、申立ての取下げは含まれていません。
Q5調停に代わる決定に異議が出たらどうなりますか?
適法な異議により決定は効力を失います(18条)。申立人がその通知を受けた日から、19条の二週間の期間が始まります。
Q6調停の相手方が先に訴えたら日付は遡る?
条文は「申立人が」訴えを提起したときと定めているため、相手方からの訴えには19条の遡りは及ばないと解されています。
Q7調停で求めていない請求を訴訟で追加できますか?
追加すること自体は可能ですが、遡るのは「調停の目的となった請求」に限られます。追加部分は実際の訴え提起時が基準となるおそれがあります。
Q8家事調停が不成立の場合も同じルールですか?
家事調停には家事事件手続法272条に同様の規定があります。民事調停法19条は民事調停に適用される規定で、根拠条文が異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1調停がダメになったんですけど、すぐ裁判しないともう請求できなくなるんですか?
請求そのものは消えない。ただし民事調停法19条により、通知から二週間以内に訴えれば訴えの日付が調停申立時に遡り、その間に迫っていた期限を気にしなくてよくなる。二週間を過ぎると遡らず、時効は民法147条の6か月猶予で判断される。実務のポイント:弁護士が不成立直後に急いで訴状を出すのは、時効よりも印紙代を充当するためであることが多い。数万円から十数万円の差になる
Q2調停で払った印紙代って、裁判のときにまた全額払うんですか?
通知から二週間以内に同じ請求で訴えれば、調停で納めた手数料は訴訟の手数料を納めたものとみなされ、差額を払えば足りる(民事訴訟費用等に関する法律5条、民事調停法19条と連動)。実務のポイント:窓口で自分から申し出ないと、調停の事件番号との照合がされずに満額を貼ってしまう例がある。訴状の冒頭に調停事件番号を書いておくのが確実である
間違えやすい点 AI による整理
- 「調停が不成立になったら、それまでの手続は全部無駄になる」と思われがちだが、逆である。二週間以内に訴えれば、訴えの日付が調停申立時まで巻き戻り、納めた手数料も訴訟手数料に充当できる(民事訴訟費用等に関する法律5条)。調停は、訴訟への助走として法律上も評価されている
- 二週間ルールは知っていても、その重さを知らない人が多い。民法改正後は、調停が権利の確定なしに終わっても終了から6か月は時効が完成しない(民法147条1項)。そのため「時効は6か月あるから大丈夫」と安心しがちだ。だが19条の巻き戻しは時効だけの話ではない。訴えを起こした日を基準にする他の期間や、印紙代の充当は、二週間を過ぎた時点で失われる
- 「調停が終わったら誰が訴えても同じ」という前提がそもそも誤っている。19条の効果を受けられるのは申立人だけで、対象も「調停の目的となった請求」に限られる。相手方から逆に訴えた場合や、調停にない請求を訴訟で追加した部分は、日付が巻き戻らないと考えるのが一般的である(範囲の判断は事案によって分かれうる)
- 申立人から見ると、調停が「話し合いが決裂して終わった」のか「申立てを取り下げて終わった」のかは、どちらも同じ終わりに見える。法律から見ると、19条が救うのは前者(14条の不成立、17条決定の失効)だけである。不利な流れを感じて自分から取り下げると、巻き戻しの効果を自分で手放すことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 民事調停法19条:不成立・決定失効後の訴えを申立時に遡らせる | 民事調停法14条:合意の見込みがない場合に事件を不成立で終了させる 民事調停法18条:異議申立てにより調停に代わる決定を失効させる |
| 19条との関係 | 効果規定(遡りの効果を与える) | 発動要件の一つ(不成立による終了) 発動要件の一つ(決定の失効) |
| 申立人がとるべき行動 | 通知から二週間以内に同じ請求で訴えを提起 | 不成立の通知の受領日を確認 失効の通知の受領日を確認 |
他国ではどう定めているか 4 か国
調解不成立証明書の送達後10日の不変期間内に起訴すれば調解申立時に起訴したものとみなす。期間は日本の二週間より短い
調停不成立などの場合に調停申立時に訴えが提起されたものとみなす規定を置く。手続の接続方法は日本と異なる点があり要確認
訴え提起の擬制ではなく、和解手続の申立てによる時効停止(Hemmung)で調停期間の不利益を防ぐ構成
médiation・conciliation の合意により時効が停止し、終了後も一定期間(少なくとも6か月)は時効が完成しない構成
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 家賃の値上げをめぐって大家と三回話し合ったが折り合わず、調停委員から不成立を告げられた。賃料の増減をめぐる争いは、原則としていきなり訴えられず、まず調停を経なければならない(24条の2)。つまり、ここからの二週間で訴訟の段取りを組めるかどうかで、調停の時間をそのまま「訴えの持ち時間」として使えるかが決まる
- 通知書の日付は10月1日。今日は10月12日。残りは数日しかない。訴状の起案、証拠のコピー、印紙の計算を今週中に終わらせる必要がある
- もし調停に代わる決定が出て、相手が異議を出したら、どうなる? 決定は効力を失う(18条)。ただしその失効の通知を受けた日から、19条の二週間が新たに始まる。「決定まで出たのにひっくり返された」と落ち込んでいる間に、期限は減っていく
- あなたは調停の相手方だった。不成立から一か月半後、申立人が訴えてきた。訴状の日付と不成立通知の日付を並べてみてほしい。二週間を過ぎていれば、19条の巻き戻しは使えない。申立人側の請求が、期限との関係で崩れる可能性がある
- 工務店との欠陥住宅トラブル。調停を申し立てた後、気持ちが折れて自分から取り下げた。19条が対象にしているのは不成立と決定の失効だけで、取下げは入っていない。同じ「調停が終わった」でも、終わり方によって法律上の扱いが変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不成立や決定失効の通知を受け取った日を記録する(期間は翌日から数えるのが原則) 2. 調停で求めた請求と同じ内容で訴状を作る。請求を広げる部分は巻き戻らないおそれがある3. 訴状には調停事件の番号と不成立通知の日付を書き、19条と民事訴訟費用等に関する法律5条による手数料充当を明示する4. 管轄の裁判所を確認し、期限内に提出する。郵送の場合は到着日で判断されるので余裕を持たせる
訴えられた側:1. 訴状が届いたら、調停事件の番号、不成立通知の日付、訴え提起の日付を並べて確認する2. 二週間を過ぎていれば、19条の巻き戻しは使えないことを前提に、時効の起算点と民法147条の6か月猶予を検討する3. 訴訟の請求が調停の請求より広がっていれば、その部分について期間経過を主張できるか弁護士と検討する4. 調停の記録から相手の主張の弱点を拾い出し、答弁書の骨格に使う
時効(請求できる期限):申立人が、調停不成立(民事調停法14条、15条準用)または調停に代わる決定の失効(18条)の通知を受けた日から二週間。期間計算は初日不算入が原則。これを過ぎても訴えることはできるが、訴え提起は申立時に遡らず、時効については民法147条1項の終了から6か月の完成猶予で判断される(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 昭和26年(1951年) 民事調停法の制定時から置かれた規定。その後、17条決定に対する異議の規定(18条)の項構成が変わり、引用項番号が「前条第四項」となった。改正の年と経緯は人による確認が必要
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:民事調停法(昭和26年法律第222号)の制定により設けられた規定。その後の改正で引用する18条の項番号が変わり、現行は「前条第四項」を引用する。改正年の特定は要確認
- 民事調停法 第14条調停不成立による事件終了、本条の発動要件
- 民事調停法 第17条調停に代わる決定、失効時に本条が適用
- 民事調停法 第18条異議申立てによる決定の失効
- 民事調停法 第15条裁判官単独調停への14条準用
- 民事調停法 第24条の2賃料増減請求の調停前置
- 民法 第147条調停による時効の完成猶予と6か月の猶予
- 民事訴訟費用等に関する法律 第5条二週間内の訴えで調停手数料を充当
- 家事事件手続法 第272条家事調停不成立後の訴え提起擬制の並行規定
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