民事調停法 第15条(裁判官の調停への準用)
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第十一条から前条までの規定は、裁判官だけで調停を行う場合に準用する。
この条文の基本情報
裁判官の調停への準用とは何ですか?
定義裁判官の調停への準用とは、民事調停法第15条に定められた規定で、「第十一条から前条までの規定は、裁判官だけで調停を行う場合に準用する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事調停法第15条(裁判官の調停への準用)は、日本の民事調停法に含まれる条文です。
- 民事調停法第15条の条文原文は「第十一条から前条までの規定は、裁判官だけで調停を行う場合に準用する。」で始まります。
- 民事調停法第15条は第一節 通則に置かれています。
- 民事調停法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 民事調停法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事調停法第15条の前の条は民事調停法第14条です。
- 民事調停法第15条の次の条は民事調停法第16条です。
- 民事調停法第15条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第15条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000222 - 本サイト収録
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第15条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC1000000222/15
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事調停法15条は、裁判官だけで行う調停にも11条から14条を準用すると定める。利害関係人の参加や調停前の措置も委員会と同様に使え、措置違反には過料がある。
Q · 裁判官1人だけの調停でも、調停委員会のときと同じ手続が使えるの?
使えます。11条〜14条が準用され、委員会と同じ手続です
民事調停法15条により、裁判官だけで行う調停にも同法11条から14条までの規定が準用されます。利害関係人の参加(11条)、相手方に財産の処分禁止などを命じる調停前の措置(12条)、調停をしないで事件を終わらせる判断(13条)、不成立による終了(14条)はいずれも裁判官1人で行えます。措置に正当な理由なく従わなければ、35条により10万円以下の過料の対象となります。なお、当事者が申し立てれば5条2項により調停委員会で調停を行わなければなりません。
解説
民事調停は、裁判官1名と民間の調停委員2名以上で作る「調停委員会」が進めるのが原則である(民事調停法6条)。ただし裁判所が相当と認めれば、裁判官1人だけで調停を行うこともできる(同5条1項ただし書)。そこで疑問が出る。調停委員会のために書かれたルールは、裁判官1人の調停にも使えるのか。本条の答えは「使える」である。利害関係人の参加(11条)、調停前の措置(12条)、事件を終わらせる判断(13条、14条)などの規定は、裁判官だけの調停にもそのまま準用される(準用=同じルールを読み替えて当てはめること)。相手方に財産を処分しないよう命じる措置も、調停をせずに事件を打ち切る判断も、裁判官1人で行える。メンバーが少ないからといって、手続が軽くなるわけではない。命令に背いたときの過料もそのまま残る。あなたの調停を裁判官1人が担当すると分かったら、委員会のときと同じ重さで向き合うべきである。
法的な位置づけ
民事調停法第15条は、同法5条1項ただし書により裁判官だけで調停を行う場合に、同法11条から14条までの規定を準用する旨を定める準用規定である。これにより、利害関係人の参加、調停前の措置、調停をしない措置および調停不成立による事件終了の各規律は、調停委員会による調停と同様に裁判官単独の調停にも適用される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.呼出状で調停の構成を確認する 期日呼出状を受け取ったら、担当が裁判官だけか、調停委員会(調停主任と民事調停委員)かを確認する。裁判官だけでも手続の重さは同じであることを前提に準備を進める
- 2.必要なら調停委員会での実施を申し立てる 業界慣行や専門的な事実認定が争点になる事件では、早い段階で民事調停法5条2項に基づき調停委員会での調停を申し立てる。当事者の申立てがあれば裁判所は委員会で行わなければならない
- 3.財産処分のおそれがあれば調停前の措置を申し立てる 相手方が共有不動産の売却や建物の取壊しなど現状を変えるおそれがある場合、15条で準用される12条に基づき、調停前の措置を早めに申し立てる。相手方が動いた後では効果が薄い
- 4.不成立なら2週間以内に訴えを提起する 調停が不成立で終了した場合、その通知を受けた日から2週間以内に訴えを提起すれば、調停申立ての時点で訴えを提起したものとみなされる(19条)。期限管理を最優先にする
よくある質問 AI による整理
Q1裁判官だけの調停とは?
調停委員会を組織せず、裁判官1人が調停を進める方式です。民事調停法5条1項ただし書により、裁判所が相当と認めた場合に行われ、15条で委員会向けの規定が準用されます。
Q2民事調停で調停委員がいないのはなぜ?
事件の性質上、裁判官だけで進めるのが相当と裁判所が判断した場合です(5条1項ただし書)。手続が略式になるわけではなく、15条により委員会と同じ規定が適用されます。
Q3調停前の措置は裁判官だけの調停でも申し立てできる?
できます。15条が12条を準用しているため、相手方に現状変更や財産処分の禁止などを命じる措置を、裁判官1人の調停でも求めることができます。
Q4裁判官だけの調停を委員会での調停に変えられる?
変えられます。民事調停法5条2項により、当事者の申立てがあれば、裁判所は調停委員会で調停を行わなければなりません。専門的な争点がある事件では検討する価値があります。
Q5裁判官単独の調停に利害関係人は参加できる?
参加できます。15条が11条を準用するため、保証人や転借人など調停の結果に利害関係を持つ人も、裁判官だけの調停に参加することができます。
Q6裁判官だけの調停が不成立になったらどうなる?
14条の準用により事件は終了します。不成立の通知を受けた日から2週間以内に訴えを起こせば、調停申立ての時点で訴えを提起したものとみなされます(19条)。
Q7民事調停を欠席したら過料はいくら?
呼出しを受けた当事者・参加人が正当な理由なく出頭しないときは、民事調停法34条により5万円以下の過料の対象となります。裁判官だけの調停でも出頭は必須です。
Q8調停前の措置に従わないと違法?
措置自体に執行力はありませんが(12条2項)、正当な理由なく従わなければ35条により10万円以下の過料に処されます。35条は15条で準用する場合も明記しています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1調停委員がいなくて裁判官だけって、手抜きされてるってことですか?
そうではありません。5条1項ただし書により、裁判所が相当と認めた場合の正式な方式です。本条によって11条から14条までの規定が準用されるため、使える手続は委員会の場合と同じです。実務のポイント:委員会で進めてほしいなら、5条2項に基づいて申し立てれば裁判所は委員会で行わなければなりません。この申立てができることを知らない当事者は多い
Q2裁判官1人の調停で「物を処分するな」と言われました。無視したらどうなりますか?
本条が準用する12条の調停前の措置には執行力がないため、強制的に実現されることはありません。しかし正当な理由なく従わなければ、10万円以下の過料(35条)の対象になります。実務のポイント:措置に背いた事実は調停が不成立になった後の訴訟でも事情として持ち出されやすく、過料よりも心証の悪化のほうが痛手になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「裁判官1人の調停は簡易版で、処分禁止のような強い措置は使えない」と思われがちだが、逆である。本条が12条を準用しているため、調停前の措置は委員会のときと同じように命じられる。
- 調停前の措置には執行力がない(12条2項)ので「従わなくても何も起きない」と考える人がいる。それは深刻度を見誤っている。執行力がないことと罰がないことは別であり、正当な理由なく背けば過料(35条)が科されるうえ、調停でも後の訴訟でも裁判官の心証は確実に悪化する。
- 「裁判官だけの調停か委員会の調停か」は裁判所任せで、当事者には選べないと思われている。しかし5条2項により、当事者が申し立てれば調停委員会で行わなければならない。悩むべきは中身ではなく、どの構成で進めてもらうかという入口の選択である。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 調停を担う機関 | 民事調停法15条:裁判官だけ(5条1項ただし書) | 民事調停法6条:調停主任1名+民事調停委員2名以上の調停委員会 民事調停法5条2項:当事者の申立てで委員会実施が義務化 |
| 利害関係人の参加・調停前の措置 | 11条・12条を準用し、裁判官1人で行える | 11条・12条が直接適用される 委員会に切り替えても同様に利用できる |
| 措置違反への制裁 | 35条(15条準用を明記)により10万円以下の過料 | 35条により10万円以下の過料 構成にかかわらず同じ |
| 手続の特徴 | 委員の選任を待たず機動的に進められる | 民間の知見と合議による慎重な調整 当事者が構成を選択する入口の権利 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の調解は簡易庭法官が行い、調解委員を選任して進める。調解目的のため現状変更や処分の禁止を命じる処分が認められ、違反には罰鍰の制裁がある点で日本の12条・35条に近い
韓国では調停担当判事が自ら調停を行うか、調停委員会に行わせるかを選べる構造で、判事単独調停と委員会調停が併存する点が日本と類似する
ドイツでは裁判所が当事者を判決権限を持たない和解担当裁判官(Güterichter)に回付でき、裁判官1人による和解手続が制度化されている
米国連邦裁判所では裁判官主宰の和解協議(settlement conference)が行われる。日本の調停前の措置に相当する仕組みは、別途の仮差止めなどで対応する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 簡易裁判所から届いた期日呼出状に、調停委員の名前がなく裁判官の名前しか書かれていない。「略式の話し合いだろう」と思ったなら、それは誤りである。
- 調停を申し立てたら相手方が共有の土地を売ろうとしている。裁判官だけの調停でも、あなたの申立てによって調停前の措置(12条)として処分禁止を命じてもらえるのだろうか? 答えは本条を通じて「できる」である。
- あなたは調停の相手方で、裁判官から「調停が終わるまで建物を取り壊さないように」と命じられた。委員会ではないのだからと無視すると、正当な理由がない限り10万円以下の過料(35条)の対象になる。
- 裁判官だけの調停が不成立で終わった。不成立の通知を受けてから2週間以内に訴えを起こさなければ、調停申立ての時点に遡って時効の完成を止める効果(19条)を失う。カレンダーはもう動いている。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 呼出状で担当が裁判官だけか委員会かを確認する2. 専門的な判断が必要な紛争なら、5条2項に基づき調停委員会での実施を申し立てる3. 相手方による財産の処分や現状変更が心配なら、本条が準用する12条の調停前の措置を早めに申し立てる4. 利害関係人を加える必要があれば、11条による参加を求める
訴えられた側:1. 裁判官だけの調停でも、措置の命令には正当な理由がない限り従う(背けば35条の過料) 2. 措置に納得できない事情があれば、従わずに済ませるのではなく、期日で理由を具体的に説明し、記録に残す3. 呼出しには必ず出頭する(正当な理由のない欠席は34条により5万円以下の過料) 4. 申立てが不当な目的によるものなら、13条による終了を求める意見を出す
時効(請求できる期限):本条自体に期限はない。ただし、調停が不成立になった場合は、その通知を受けた日から2週間以内に訴えを提起すれば、調停申立ての時点で訴えを提起したものとみなされる(民事調停法19条)。調停に代わる決定(17条)に対する異議は、告知を受けた日から2週間以内(18条)に申し立てる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
条文構造上の一般的理解:裁判官単独調停は調停委員会による調停の例外であるが、15条が11条から14条までを包括的に準用し、35条も15条準用時を明記することから、構成員の数によって手続上の権限や当事者の権利に差を設けない趣旨と理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:民事調停法(昭和26年法律第222号)の制定。借地借家調停法など戦前の各種調停法を統合し、裁判官だけで調停を行う場合の準用規定を置いた
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