税理士法 第63条
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法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第五十八条、第五十九条第一項第二号(第四十八条の十六において準用する第三十七条の二に係る部分に限る。)若しくは第四号、第六十条第三号(第四十八条の二十第一項に係る部分に限る。)若しくは第四号、第六十一条又は前条第一号若しくは第二号(第四十九条の十九第一項並びに第五十五条第一項(税理士法人に係る部分に限る。)及び第三項に係る部分に限る。)の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 税理士法第63条は、日本の税理士法に含まれる条文です。
- 税理士法第63条の条文原文は「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第五十八条、第五十九条第一項第二号(第四十八条の十六において準用する…」で始まります。
- 税理士法第63条は第八章に置かれています。
- 税理士法の公布日は昭和26年6月15日です。
- 税理士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 税理士法第63条の前の条は税理士法第62条です。
- 税理士法第63条の次の条は税理士法第64条です。
- 税理士法第63条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第63条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000237 - 本サイト収録
税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第63条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC1000000237/63
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点税理士法63条は両罰規定であり、従業者が業務に関しニセ税理士行為や脱税相談等の違反をすると、行為者に加え法人・事業主にも各本条の罰金刑を科す。
Q · 社員が勝手にニセ税理士行為をしたら、会社も罰金を払うことになるの?
原則なる。選任・監督に過失がないと示せれば免れうる
税理士法63条により、従業者が会社の業務に関しニセ税理士行為(52条違反)や脱税相談(36条違反)などをすると、本人に加え会社や個人事業主にも各本条の罰金刑が科されます。判例は両罰規定について事業主の選任・監督上の過失を推定する立場をとるため、会社側が注意を尽くしたことを立証しなければ責任を免れにくくなります。事前の社内規程と研修記録が防御の要になります。
解説
罰金の請求は、実際に手を動かした社員だけでなく、その社員に給料を払っている会社にも届く。税理士法63条はいわゆる両罰規定(違反した本人と、その人を使っている事業主の両方を罰する仕組み)である。従業者が業務に関して列挙された違反をすると、行為者本人を罰するうえに、法人や個人事業主にも各本条の罰金刑が科される。主な対象は三つある。税理士でない者が税理士業務を行うこと(52条違反、59条1項4号)、税理士による脱税相談(36条違反、58条)、そして税理士法人の名義貸しである。見落とされやすいのは、税理士業務は有償か無償かを問わないという点だ。会計ソフト会社や不動産会社の担当者が「サービス」として顧客の申告書を作り続ければ、会社ごと刑事責任の範囲に入る。会社が責任を免れるには、社員の選任や監督に過失がなかったことを示す必要がある。最高裁は事業主の過失を推定する立場をとっている(最大判昭和32.11.27)。そのため、社内規程と研修記録がそのまま防御の証拠になる。
法的な位置づけ
税理士法第63条は、法人の代表者または法人もしくは人の代理人・使用人その他の従業者が、その業務に関して同法58条、59条1項2号(一部)・4号、60条3号(一部)・4号、61条、62条1号・2号(一部)の違反行為をしたとき、行為者を罰するほか、その法人または人にも各本条の罰金刑を科す両罰規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1両罰規定とは何ですか?
従業者が業務に関して違反をしたとき、行為者本人に加えて、その従業者を使う法人や個人事業主も罰する規定です。税理士法では63条がこれにあたります。
Q2ニセ税理士 罰則はどのくらい?
税理士でない者が税理士業務を行うと52条違反として59条により2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金。会社にも63条で100万円以下の罰金が科されえます。
Q3脱税相談をした税理士の事務所も罰せられますか?
36条違反の脱税相談は58条で処罰され、業務に関して行われた場合は63条により税理士法人等にも同条の罰金刑(200万円以下)が科されえます。
Q4税理士法違反 会社 罰金 いくら?
法人に科されるのは各本条と同額の罰金です。52条違反なら100万円以下、58条の脱税相談なら200万円以下。法人だけを重く罰する法人重科の仕組みはありません。
Q5税理士の名義貸しは違法?
違法です。税理士が非税理士に名義を貸すことは37条の2で禁止され、税理士法人の名義貸しは63条の列挙に含まれるため、法人も罰金の対象になりえます。
Q6記帳代行会社が申告書を作るのは違法?
記帳代行そのものは原則適法ですが、他人の求めに応じて反復継続して申告書を作成・提出すれば税理士業務に当たり、52条違反として会社も63条の対象になりえます。
Q7税理士法違反 時効 いつまで?
58条から62条の罪の公訴時効は、犯罪行為が終わった時から3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。法人に対する罰金刑も同様に考えられています。
Q8両罰規定で会社が免責されるのはどんな場合?
判例は事業主の選任・監督上の過失を推定するため、違反防止のために必要な注意を尽くしたことを会社側が示せた場合に限り、責任を免れる余地があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社員が勝手にやったのに、なんで会社まで罰金なんですか?
63条は、事業主に従業者の選任・監督の過失があると推定する両罰規定として運用されている(最大判昭和32.11.27、最判昭和40.3.26)。会社が責任を免れるには、注意を尽くしていたことを示す必要がある。実務のポイント:決め手になるのは口頭の注意ではなく、日付入りの規程と研修記録である。事件後に作った書類は、まず相手にされない
Q2友達の確定申告をタダで代わりに作ってあげるのもアウトですか?
税理士業務は有償・無償を問わない。ただし「業として」、つまり反復継続する意思があることが要件なので、一度きりの家族間の手伝いは通常これに当たりにくい。実務のポイント:問題になるのは、会社が集客のために「申告無料サポート」を続けるケースである。この場合は52条違反に63条が重なり、会社も罰金の対象になる
Q3会計ソフトのサポートって、どこまで答えていいんですか?
ソフトの操作方法や制度の一般的な説明は、通常問題にならない。危ないのは、特定のユーザーの経費の可否や税額を個別具体的に判断する回答で、これは税務相談(2条)に近づく。境界は実務上も解釈が分かれている。実務のポイント:大手のサービスは、個別判断が必要な質問を提携税理士へ回す導線を最初から設計している。トラブルを防いでいるのは、回答の文言より導線の設計である
間違えやすい点 AI による整理
- 「お金をもらっていないから税理士業務には当たらない」と考えがちだが、税理士業務は有償・無償を問わない(2条)。問題になるのは報酬の有無ではなく、他人の求めに応じて反復継続して行っているかどうかである。無料サービスであることは免罪符にならない
- 法人の罰金は行為者と同額で、上限は100万円や200万円にとどまる。金融商品取引法207条のように法人だけを数億円規模で重く罰する仕組み(法人重科)はない。ただし、本当の打撃は金額ではない。会社に罰金の前科がつき、報道され、取引先のコンプライアンス審査に引っかかる。この連鎖のほうが罰金よりはるかに大きい
- 「社員が勝手にやったことだから会社は無関係」という前提が、そもそも成り立たない。判例上、事業主には選任・監督の過失が推定される(最大判昭和32.11.27、法人について最判昭和40.3.26)。問われるのは社員が勝手にやったかどうかではなく、会社がそれを止める仕組みを持っていたかどうかである
- 顧客から見れば「事務所の職員が自分の情報を漏らした」も「勝手に申告書を作った」も同じ事務所の不祥事に映る。しかし法律上は扱いが違う。守秘義務違反(38条・54条、59条1項3号)は63条の列挙に入っておらず、刑事の両罰の対象外である。ただし民事の使用者責任(民法715条)は別に問われうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰を罰するか | 63条:行為者に加え、その法人・個人事業主 | 59条:違反行為をした本人(ニセ税理士・名義貸し等) 58条:脱税相談をした税理士本人 |
| 法定刑 | 各本条の罰金刑のみ(拘禁刑なし、同額) | 2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 拘禁刑または200万円以下の罰金 |
| 前提となる禁止規定 | 列挙された違反行為に限る(守秘義務違反は対象外) | 52条(非税理士の業務禁止)、37条の2(名義貸し禁止)等 36条(脱税相談等の禁止) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には日本の税理士制度に相当する単一の資格法はなく、記帳士・会計師等の資格法と各特別法の法人処罰規定で規律される
韓国も税理士法に両罰規定を置き、事業主が相当の注意・監督を怠らなかった場合の免責を明文で定める型が一般的
ドイツは企業に刑事罰を科さず、秩序違反法上の団体過料と監督義務違反で企業責任を追及する
米国は使用者責任(respondeat superior)により法人に刑事責任を広く帰属させる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 記帳代行会社のスタッフが、顧客に頼まれて確定申告書の作成と提出まで引き受けるようになった。社長は「サービスの一環」と黙認している。52条違反のニセ税理士行為として、スタッフ本人に加えて会社にも100万円以下の罰金が科されうる
- 税理士法人の社員税理士が、顧問先に「この売上は計上しなくてもバレない」と助言していたら、法人はどうなるのか。36条違反の脱税相談として本人は58条で処罰され、法人にも同条の罰金刑(200万円以下)が科されうる。懲戒処分とは別の、刑事のルートである
- 不動産会社の営業担当として、あなたは成約サービスで住宅ローン控除の申告書を毎年代わりに作ってきた。好意のつもりでも、反復継続すれば「業として」に当たりうる
- 会社に税理士会から、ニセ税理士行為の疑いを指摘する書面が届いた。告発されるかどうかは、これからの初動にかかっている。社内規程、研修の記録、サポート範囲を定めたマニュアルを今週中に揃えられるかどうかで、会社の過失推定を崩せるかが変わる
- SaaS 企業のカスタマーサポートが、チャットでユーザーごとの経費の可否や税額を個別に回答し始めた。ソフトの操作説明と個別の税務相談の境界は、実務上も解釈が分かれる。その線を越えた瞬間、リスクは担当者一人ではなく会社にも及ぶ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 無資格者や会社の「申告サービス」で追徴課税や加算税を受けたら、依頼時のやり取り、作成された申告書の控え、支払記録を保存する2. 管轄の税理士会や税務署にニセ税理士行為として情報提供する3. 損害の回復は刑事とは別に、民法709条と、会社に対する使用者責任(715条)で請求を組み立てる。個人より会社のほうが資力があり、回収の見込みは高い
訴えられた側:1. 問題の業務を直ちに停止し、提携税理士へ引き継ぐ2. 事件前からある社内規程、研修資料、業務マニュアル、指導記録を集め、選任・監督に過失がなかったことを示す材料にする3. 担当者の独断だったかどうかを社内調査で事実確認する4. 刑事事件に詳しい弁護士へ早めに相談し、税理士会や捜査機関への説明を一本化する
時効(請求できる期限):公訴時効は犯罪行為が終わった時から3年である(刑事訴訟法250条2項6号。58条から62条の法定刑はいずれも長期5年未満の拘禁刑か罰金のため、法人・行為者とも3年。最新の改正状況をご確認ください)。民事の損害賠償は、損害と加害者を知った時から3年、行為の時から20年(民法724条)
学説
過失推定説(判例・通説):事業主の処罰根拠を従業者の選任・監督上の過失に求め、その過失を推定する。事業主は注意を尽くしたことを証明すれば免責される。責任主義と取締目的の調和を図る立場
純過失説:事業主の処罰にも責任主義を徹底し、過失の存在を検察官が積極的に立証すべきとする立場。推定による立証責任の転換に批判的
無過失責任説:従業者の違反があれば事業主は当然に処罰されるとする古い立場。責任主義に反するとして現在は支持を失っている
- 税理士法 第52条非税理士による税理士業務の禁止
- 税理士法 第36条脱税相談等の禁止、58条の前提
- 税理士法 第37条の2非税理士に対する名義貸しの禁止
- 税理士法 第59条ニセ税理士行為・名義貸しの罰則本条
- 税理士法 第58条脱税相談の罰則本条
- 刑法 第8条刑法総則の他の法令の罪への適用
- 民法 第715条両罰の対象外でも問われる民事の使用者責任
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