出入国管理及び難民認定法 第73条の4
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- 行使の目的で、偽造され、又は変造された在留カード(偽造され、又は変造された前条第一項の在留カード電磁的記録が記録されたものを含む。)を所持した者は、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
- 2.人の事務処理を誤らせる目的で、不正に作られた在留カード電磁的記録が記録された在留カードを所持した者も、前項と同様とする。
- 3.行使の目的又は人の事務処理を誤らせる目的で、偽造され、若しくは変造され、又は不正に作られた在留カード電磁的記録を保管した者も、第一項と同様とする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第73条の4は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第73条の4の条文原文は「行使の目的で、偽造され、又は変造された在留カード(偽造され、又は変造された前条第一項の在留カード電磁的記録が記録されたものを含む。」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第73条の4は第九章 罰則に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第73条の4の前の条は出入国管理及び難民認定法第73条の3です。
- 出入国管理及び難民認定法第73条の4の次の条は出入国管理及び難民認定法第73条の5です。
- 出入国管理及び難民認定法第73条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第73条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第73条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/73_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法73条の4は、行使の目的で偽造・変造された在留カードを所持した者を五年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金に処する。使わなくても所持だけで成立する。
Q · 偽造の在留カードって、使わずに持っているだけでも犯罪になるの?
使う目的があれば、所持だけで五年以下の拘禁刑等の対象
入管法73条の4第1項により、行使の目的で偽造・変造された在留カードを所持すれば、実際に提示しなくても五年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金の対象になります。IC チップの電磁的記録が不正に作られたカードの所持(2項)や、偽造データそのものの保管(3項)も同じ刑です。ただし「行使の目的」または「人の事務処理を誤らせる目的」が要件であり、この目的の有無が主な争点となります。
解説
在留カードを「持っていただけ」で懲役刑になる条文が存在する。出入国管理及び難民認定法73条の4は、行使の目的で偽造・変造された在留カードを所持した者に、五年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金を科す。ここで押さえるべきは三つ。第一に、使っていなくても、所持だけで既に犯罪が完成する。第二に、カードの紙やプラスチックの部分だけでなく、IC チップに入っている電磁的記録が不正に作られている場合も同じ刑(2項)。第三に、カード本体を持っていなくても、偽造された電磁的記録データそのものを保管していれば処罰される(3項)。つまり、他人から預かった在留カードを引き出しに入れておく行為も、偽造データが入った USB メモリを机の中に置いておく行為も、この条文の射程に入りうる。そして外国人にとって、この罪での有罪はほぼ確実に退去強制(強制送還)と上陸拒否期間に直結する。刑罰は刑罰として終わらず、日本での生活そのものを終わらせる引き金になる。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法73条の4は、偽造在留カード等所持罪を定める規定である。行使の目的または人の事務処理を誤らせる目的を要件とする目的犯であり、偽造・変造された在留カードの所持、不正に作られた電磁的記録が記録されたカードの所持、および当該電磁的記録の保管を、行使に至る前の段階で独立に処罰する。
よくある質問 AI による整理
Q1偽造在留カード所持罪とは何ですか?
入管法73条の4が定める犯罪で、行使の目的で偽造・変造された在留カードを所持する行為を、実際に使う前の段階で処罰するものです。
Q2偽造在留カード所持の罰則はどのくらい?
五年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金です。IC チップの不正記録入りカードの所持や、偽造データの保管も同じ法定刑が適用されます。
Q3偽造在留カードを買っただけで犯罪になる?
購入して手元に置いた時点で「所持」にあたり、行使の目的があれば73条の4第1項が成立しえます。提示や使用に至っていなくても関係ありません。
Q4偽造在留カード所持で退去強制になる?
外国人の場合、有罪判決により入管法24条の退去強制事由に該当しうるため、刑事手続と並行して入管手続が進む可能性があります。
Q5偽造在留カード所持の時効はいつまで?
法定刑が五年以下の拘禁刑のため公訴時効は5年です(刑事訴訟法250条2項)。所持は継続犯と解され、所持が終わった時点から起算されます。
Q6日本人でも偽造在留カード所持罪に問われる?
問われえます。本条の主体は「所持した者」で国籍を限定していません。外国人に代わって保管した日本人の雇用主や知人も対象になりえます。
Q7偽造在留カードの見分け方は?
出入国在留管理庁が公開する在留カード等読取アプリで IC チップを読み取り、券面の記載と一致するかを確認する方法が有効です。
Q8偽造在留カードを渡されたらどうすればいい?
受け取らずに返却するか、受け取ってしまった場合は速やかに警察や地方出入国在留管理局へ相談し、相談日時や担当者名を記録しておきます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1友達に頼まれてカードを預かっただけでも捕まるんですか?
1項は「行使の目的」を要件とするため、単純に預かっただけなら形式上は成立しません。ただし目的は客観的事情から推認されるので、渡す相手や用途に関するやり取りが残っていると不利に働きます。実務のポイント:取調べで最も効くのは「預かった当日のやり取り」です。LINE を消すと、目的がなかったことを示す証拠まで同時に消える。不安でも削除しないこと
Q2在留カードのコピーを会社で保管しているんですが、これも罪になりますか?
本条が対象とするのは偽造・変造された在留カードそのもの、およびその電磁的記録です。真正なカードのコピー保管は本条の射程外ですが、個人情報保護法上の管理義務は別途かかります。実務のポイント:雇用主にとって本当の急所は本条より入管法73条の2(不法就労助長罪)で、こちらは「知らなかった」が過失でも責任を免れない構造になっています。確認手順の記録を残すことが最大の防御
Q3カードの現物がなくてデータだけなら大丈夫ですよね?
大丈夫ではありません。3項が、行使の目的または人の事務処理を誤らせる目的で偽造・変造・不正作出された在留カード電磁的記録を保管した行為を、1項と同じ刑で処罰します。現物の有無は決定的ではない。実務のポイント:クラウドストレージ上のファイルも保管に含まれうる。端末から消しても同期先に残っていれば所持状態は継続していると評価されるリスクがある
間違えやすい点 AI による整理
- 「偽造カードを使わなければセーフ」と考える人が多いが、本条は所持そのものを処罰する。使用(行使)は入管法73条の3などの別罪であり、所持罪はその前段階を独立に犯罪化している。使う前に見つかったから軽い、という構造にはなっていない
- 「偽造カードを持っていたのは事実だが、刑罰は罰金で済むかもしれない」と多くの人が考える。ここで見落とされているのは深刻度の方である。外国人の場合、この罪で有罪判決を受ければ退去強制事由に該当する可能性が高く、退去後は一定期間(原則5年、事案により10年)日本に上陸できない。罰金額の話ではなく、日本での生活基盤が消える話になる
- あなたから見れば「知人のカードを一時的に預かっただけ」の親切だが、法律から見れば「行使の目的」の有無が争点になる。あなたの善意は構成要件の外側にあり、客観的状況(なぜ預かったか、誰に渡す予定だったか、LINE のやり取りに何が残っているか)から目的が推認される。この落差が、善意の人を被告人席に座らせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰対象の行為 | 入管法73条の4:偽造・変造カードの所持、不正記録入りカードの所持、電磁的記録の保管 | 入管法73条の3:在留カードの偽造・変造・行使など 入管法73条の2:外国人に不法就労活動をさせる等の不法就労助長行為 |
| 主観的要件 | 行使の目的または人の事務処理を誤らせる目的(目的犯) | 行使の目的など(目的犯) 不法就労であることを知らなかったことに過失がある場合も処罰を免れない構造 |
| 法定刑 | 五年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金 | 偽造・変造は一年以上十年以下の拘禁刑(より重い) 拘禁刑もしくは罰金、またはその併科 |
| 典型的な関与者 | 偽造カードを購入・預かった外国人本人や知人 | 偽造カードの作成業者・ブローカー 雇用主・人材派遣会社・仲介業者 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は居留証を含む特種文書の偽造・行使を処罰するが、日本のように行使目的の単純所持を独立に処罰する類型は一般的ではない
韓国は公文書の偽造・行使を刑法で処罰する。所持段階の独立処罰は日本ほど前倒しされていない
ドイツは偽造公的身分証の入手・保管(verwahren)を処罰し、§ 276a で在留許可書類にも適用を拡張している。日本の本条と発想が近い
フランスは偽造行政文書の不正な保持(détention)そのものを処罰しており、所持段階の処罰という点で日本と共通する
米国連邦法は偽造された移民関係書類の所持・使用等を処罰対象とする
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 友人の外国人から「在留カードを預かってほしい」と頼まれ、財布に入れたまま職務質問を受けた。そのカードが偽造だった場合、あなたに行使の目的があったと立証されれば1項の所持罪が成立する。「預かっただけ」という弁解は、目的をめぐる攻防に持ち込まれる
- 人材派遣会社の担当者が、応募者から提出された在留カードのコピーを保管していた。原本ではなくコピーなら安全か。実は問題はそこではなく、在留カードの偽変造を知りながら雇用すれば、不法就労助長罪(入管法73条の2)という別のルートで責任を問われる。条文の射程を一つだけ見ていると足元をすくわれる
- もし、あなたが SNS 上で「在留カード作ります」という広告を見つけ、データだけダウンロードしたとしたら? カード現物を一切持っていなくても、3項の電磁的記録保管罪が成立しうる。あなたの手元にあるのは物ではなく、ファイル一個である
- 留学生が在留期限を過ぎていることに気付き、業者から偽造カードを買って所持。アルバイト先に提示する前に摘発された。行使前でも1項は完成している。さらに在留期限切れの事実自体が退去強制事由になるため、刑事手続と入管手続が同時並行で走り出す。入管の収容手続は刑事手続より速いことがあり、逮捕から数週間で人生の選択肢が狭まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 偽造と疑われる在留カードを渡された場合、その場でコピーや原本を受け取らず返却する。受け取ってしまったら即日、警察または地方出入国在留管理局に相談し、相談日時と担当者名を記録する2. 雇用・賃貸の文脈なら、公式の在留カード等読取アプリで券面と IC 記録の一致を確認、不一致ならその時点で契約手続を停止3. 既に雇用している場合、不法就労助長罪(入管法73条の2)のリスクがあるため、自主的な申告を含めて弁護士と方針を決める4. やり取りの LINE・メールは削除せず保全、自分の善意を裏付ける唯一の客観証拠になる
訴えられた側:1. 逮捕・取調べを受けたら、まず弁護人を呼び、当番弁護士制度を使う。外国人の場合は通訳の付与を必ず要求する2. 争点は「行使の目的」または「人の事務処理を誤らせる目的」の有無。誰から、なぜ、どういう約束で受け取ったかを時系列で整理する3. 外国人であれば、刑事手続と並行して退去強制手続が進むため、入管業務に強い弁護士を選ぶ。刑事だけ見ている弁護人では在留資格を守れない4. 在留特別許可の可能性がある場合、家族関係・在留歴・生活基盤の資料を早期から積み上げる
時効(請求できる期限):本条の法定刑(五年以下の拘禁刑)に対応する公訴時効は5年(刑事訴訟法250条2項)で、犯罪行為が終わった時から起算する。所持は継続犯であるため、所持が終了した時点が起算点になる。なお逮捕後の身柄拘束は最大23日(逮捕72時間+勾留10日+延長10日)で、その間に起訴・不起訴が決まる。外国人の場合、退去強制手続には別個の期限が走る(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解:本条は偽造在留カードの流通による在留管理制度への信頼侵害を防ぐため、行使前の所持・保管を処罰する抽象的危険犯であり、処罰範囲の拡大は目的要件によって限定されると理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成21年(2009年) 新設:在留カード制度の導入に伴う入管法改正により、在留カードの偽造・変造、所持等を処罰する規定が整備された(新制度の施行は2012年7月)
- 2.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部改正に伴い、懲役刑が拘禁刑に改められた(施行は2025年6月1日)
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