出入国管理及び難民認定法 第73条の2
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 一事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者
- 二外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者
- 三業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又は前号の行為に関しあつせんした者
- 2.前項各号に該当する行為をした者は、次の各号のいずれかに該当することを知らないことを理由として、同項の規定による処罰を免れることができない。ただし、過失のないときは、この限りでない。
- 一当該外国人の活動が当該外国人の在留資格に応じた活動に属しない収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動であること。
- 二当該外国人が当該外国人の活動を行うに当たり第十九条第二項の許可を受けていないこと。
- 三当該外国人が第七十条第一項第一号、第二号、第三号から第三号の三まで、第五号、第七号から第七号の三まで又は第八号の二から第八号の四までに掲げる者であること。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第73条の2は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第73条の2の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第73条の2は第九章 罰則に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第73条の2の前の条は出入国管理及び難民認定法第73条です。
- 出入国管理及び難民認定法第73条の2の次の条は出入国管理及び難民認定法第73条の3です。
- 出入国管理及び難民認定法第73条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第73条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第73条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/73_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法73条の2は、外国人に不法就労活動をさせた事業者等を3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金(併科可)に処する。在留資格を知らなくても過失があれば処罰される。
Q · 外国人の在留資格をよく知らずに雇っていたら、雇った側も罪になるの?
原則として処罰されうる。過失がなかったと示せる場合のみ免責
入管法73条の2第1項は、事業活動に関し外国人に不法就労活動をさせた者を3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又はその併科に処します。同条2項により、在留資格外の活動であることや資格外活動許可がないことを知らなかったとしても、それを理由に処罰を免れることはできません。免責されるのは過失のないときに限られ、在留カードの表裏、在留期限、資格外活動許可の条件まで確認した記録が重要になります。
解説
コンビニのオーナーが、在留カードを見せてもらったつもりで留学生を週40時間シフトに入れた。それだけで、オーナー本人が3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、しかも両方科されうる。入管法73条の2はそう定めている。しかもこの条文の本当の牙は第2項にある。「その外国人が資格外活動許可を取っていないなんて知らなかった」という弁解は、原則として通用しない。知らなかったことを理由に処罰を免れられない、と条文が正面から書いているからだ。免責されるのは「過失のないとき」だけ。つまりあなたは、在留カードを見た、で終わりではなく、在留資格・在留期限・資格外活動許可の裏面表示・週28時間の上限、そこまで確認して初めて「過失がなかった」と言える立場に立つ。採用担当者が一人で片手間にやっている確認作業が、そのまま経営者の前科リスクになっている。
法的な位置づけ
不法就労助長罪とは、出入国管理及び難民認定法73条の2が定める犯罪であり、事業活動に関し外国人に不法就労活動をさせる行為、不法就労活動をさせるため外国人を自己の支配下に置く行為、及び業としてこれらをあっせんする行為を処罰対象とする。在留資格外の活動であること等を知らなかった場合も、過失がない場合を除き処罰を免れない。
よくある質問 AI による整理
Q1不法就労助長罪とは何ですか?
入管法73条の2が定める犯罪で、外国人に不法就労活動をさせた者、支配下に置いた者、業としてあっせんした者が対象です。法定刑は3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金で、併科もあります。
Q2不法就労助長罪は知らなかったら処罰されない?
処罰されえます。入管法73条の2第2項は、在留資格外の活動であることなどを知らなかったことを理由に処罰を免れないと定め、過失がない場合に限り免責されます。
Q3不法就労助長罪の時効は何年?
法定刑の上限が3年の拘禁刑のため、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項)。働かせ続けていた場合は、最後に働かせた時点から進行すると考えられます。
Q4不法就労助長罪で処罰されるのは社長だけ?
実際に外国人を働かせた行為者が対象で、店長や採用担当者個人も含まれえます。加えて両罰規定(入管法76条の2)により、法人にも罰金が科されることがあります。
Q5在留カードは雇用主が何を確認すればいい?
表面の在留資格・在留期限・就労制限の有無、裏面の資格外活動許可欄とその条件を確認します。あわせて出入国在留管理庁の在留カード等番号失効情報照会の利用も有効です。
Q6外国人雇用状況の届出をしないとどうなる?
労働施策総合推進法28条により、外国人の雇入れ・離職時にハローワークへの届出が義務付けられています。怠ると同法の罰則の対象となり、確認体制の不備を示す事情にもなりえます。
Q7不法就労助長罪は逮捕される?
事案の悪質性(人数、期間、常習性、証拠隠滅のおそれ)によっては逮捕されることがあります。軽微な事案では在宅で捜査が進む場合もあり、早期の弁護士相談が重要です。
Q8外国人を家業の手伝いに使うのも不法就労?
在留資格が家族滞在などで資格外活動許可がなければ、報酬を伴う手伝いは不法就労活動に当たりえます。親族であることは免責の理由になりません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1留学生を雇うとき、週28時間ってよく聞くんですけど、それ超えたらすぐ私が捕まるんですか?
超過労働をさせれば本人は資格外活動、雇用主は73条の2第1項1号の対象になりえます。ただし実務では悪質性(常習性、超過の程度、複数人か、記録の隠蔽)で扱いが大きく分かれます。実務のポイント:長期休業期間中は1日8時間、週40時間まで認められる場合があり、学校の学期区分と連動します。この区分を社内シフト表に反映している事業者は、それだけで管理体制ありと評価されやすい
Q2紹介会社から送られてきた人だから、確認はあっちの責任ですよね?
いいえ。第1項3号は業としてあつせんした者を処罰対象にしていますが、これは紹介側の責任を追加するものであって、実際に働かせた側(1号)の責任を消しません。両方が並列で問われます。実務のポイント:派遣契約書に「在留資格の確認は派遣元が行う」と書いても刑事責任は移転しません。契約書は民事上の求償の話であり、検察官の起訴判断にはほとんど影響しない
Q3本人が偽造の在留カードを見せてきたら、こっちは完全に被害者じゃないですか?
第2項ただし書の「過失のないとき」に該当すれば処罰を免れますが、その判断はどこまで確認したかで決まります。精巧な偽造で一般的な注意では見抜けなかったと言えるかが争点です。実務のポイント:出入国在留管理庁は在留カード等番号失効情報照会をオンラインで提供しており、番号を入力するだけで失効の有無が分かります。この照会をしていたかどうかが、過失の有無を分ける具体的な線として実務で機能している
Q4もし処罰されたら、罰金だけで済みますよね?
条文は拘禁刑と罰金の併科を認めています(第1項)。さらに刑罰以外の影響として、建設業や介護など許認可事業では欠格事由や行政処分に連動し、技能実習・特定技能の受入資格も失われます。実務のポイント:経営者個人が処罰されるだけでなく、法人にも罰金が科される両罰規定(入管法76条の2)があります。会社と社長の両方に前科的な記録が残る構造になっている
間違えやすい点 AI による整理
- 「不法就労したのは外国人本人だから、悪いのは本人」と思われがちだが、法の視線は逆向きだ。本人は退去強制で母国へ帰る。残るのはあなたで、前科と罰金と、場合によっては事業の許認可への影響を背負う。同じ事実から、外国人側は「国外へ出る」で終わり、雇用主側は「日本に残って刑事手続に付き合う」になる。この非対称が雇用主を潰す
- 「在留カードを確認した」で義務を果たしたと考える経営者は多い。だが第2項が要求する水準はもっと高い。在留資格の種類、在留期限、裏面の資格外活動許可の有無と条件、そこまで見て初めて「過失なし」の入口に立つ。確認したという行為の存在ではなく、確認の質が問われている
- 「故意がなければ罪にならない」という刑法の一般論を持ち込む人がいるが、73条の2第2項はまさにその一般論を明示的に修正するために置かれた規定である。知らなかったことを理由に免れられない、ただし過失のないときはこの限りでない。立証構造が実質的に反転しており、雇用主の側が確認を尽くしたことを示さなければならない設計になっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰される人 | 入管法73条の2:働かせた者・支配下に置いた者・あっせんした者(雇用主側) | 入管法73条:資格外活動を行った外国人本人 入管法70条:不法残留等をした外国人本人 |
| 「知らなかった」の扱い | 2項により知らないことを理由に免責されず、過失がないときのみ免責 | 刑法38条の故意責任の原則による 刑法38条の故意責任の原則による |
| 刑罰以外の帰結 | 両罰規定(76条の2)による法人処罰、許認可・受入資格への影響 | 退去強制事由となりうる 退去強制事由となりうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は未許可の外国人の雇用・容留をまず行政罰(罰鍰)で処理し、一定期間内の再違反で刑事罰に移行する段階構造。日本は初回から刑事罰の対象となる点で異なる
韓国も就労資格のない外国人の雇用・あっせんを禁止し、刑事罰で担保する。雇用主に在留資格確認を求める点で日本と類似
ドイツは雇用主に在留資格の確認と写しの保存を明文で義務付け、違反は秩序違反又は刑事罰となる。確認記録の保存義務が法定されている点が日本より明確
米国は Form I-9による雇用資格確認を雇用主に義務付け、書類を誠実に確認した場合の抗弁(good faith defense)を認める。日本の「過失のないとき」と機能的に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 居酒屋を経営していて、ベトナム人留学生を週35時間シフトに入れていた。本人は「大丈夫です」と言っていたし、在留カードのコピーも取ってある。だが資格外活動許可は週28時間が上限。超えた時点で本人は不法就労活動、あなたは不法就労助長罪の被疑者になる。カードのコピーを取っていたこと自体は、過失なしの証明にならない
- 人材派遣会社が外国人を建設現場に送り込んだ。派遣元は「本人の在留資格は確認済み」と言い、派遣先は「派遣元がやっているはず」と思っていた。第1項3号の「業として、あつせんした者」は、まさにこの構図を狙い撃ちにする。紹介した側も、使った側も、それぞれが別個に罪に問われる
- もし、退職した元従業員が入管に通報したらどうなる? 「あの店は資格外活動の学生を長時間働かせていた」の一報で、臨検・実態調査が入る。タイムカードとシフト表が押収される。あなたが握りつぶそうとした記録が、そのまま起訴の証拠になる
- 友人が小さな清掃会社を始めて、知り合いの紹介で外国人スタッフを3人雇った。相談を受けたあなたは「在留カード見た?」ではなく「在留カードの裏面、資格外活動許可の欄まで見た?」と聞ける
- 入管から呼出状が届いた。あと数日で事情聴取。この段階で最優先すべきは、雇用時にどんな確認をしたかの記録を時系列で再構成することだ。確認の痕跡がゼロなら、過失なしの主張は立たない
取るべき行動
被害を受けた側:外国人本人が不法就労を強いられた側である場合。1. 雇用主から在留資格に反する労働を指示された証拠(シフト表、LINE、給与明細)を確保する2. 自己の退去強制リスクがあるため、出頭前に入管業務に強い弁護士へ相談し、在留特別許可の可能性を検討する3. 賃金未払いがあれば労働基準法の保護は在留資格を問わず及ぶので、労働基準監督署への申告は別軌道で可能4. 自ら支配下に置かれていた事案(第1項2号)は被害性が高く、扱いが変わりうる
訴えられた側:1. 事業主側なら、まず雇用時の確認記録(在留カード両面コピー、確認日、担当者、資格外活動許可の条件メモ)を時系列で整理する。ここが第2項ただし書の「過失のないとき」を争う唯一の土俵2. 事実関係を整理する前に入管や警察で供述しない。曖昧な記憶での供述が故意の認定材料になる3. 是正措置(該当者のシフト停止、社内チェック体制の構築、社労士や行政書士による点検)を直ちに実施し、その記録を残す。処分決定前の改善実績は起訴判断に効く4. 入管業務と刑事弁護の双方に対応できる弁護士を選ぶ
時効(請求できる期限):法定刑の上限が3年の拘禁刑であるため、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。起算点は犯罪行為が終了した時であり、不法就労をさせ続けていた場合は最後に働かせた日から進行する。なお在留カード等の確認記録に法定の保存期間があるわけではないが、実務上は退職後も数年単位で保管するのが防御上は合理的(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解:2項は刑法38条1項の故意責任の原則に対する特則として、在留資格等の認識を欠く場合でも過失があれば処罰する規定と解される。免責の可否は、雇用時にどこまで確認を尽くしたかという確認体制の有無で判断される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成元年(1989年) 新設:入管法改正により不法就労助長罪として新設(平成2年施行)。外国人本人だけでなく、働かせる側・あっせんする側を処罰する枠組みが導入された
- 2.平成21年(2009年) 改正:第2項を新設し、在留資格外の活動であること等を知らなかったことを理由に処罰を免れないとした。過失のないときは除かれる
- 3.令和4年(2022年) 改正:刑法等改正に伴う関係法律整理により、懲役刑が拘禁刑に改められた(令和7年6月1日施行)
- 出入国管理及び難民認定法 第19条資格外活動許可、不法就労該当性の前提
- 出入国管理及び難民認定法 第70条不法残留等、2項3号が参照する本人側の罪
- 出入国管理及び難民認定法 第73条資格外活動罪、働いた外国人本人の処罰
- 出入国管理及び難民認定法 第19条の7所属機関等による届出義務との連動
- 出入国管理及び難民認定法 第76条の2両罰規定、法人への罰金併科
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第28条外国人雇用状況の届出義務(通称 労働施策総合推進法)
- 労働基準法 第3条国籍による差別禁止、不法就労者にも労働法の保護
- 刑法 第38条故意責任の原則、本条2項が修正する一般規定
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