農地法 第21条(契約の文書化)
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農地又は採草放牧地の賃貸借契約については、当事者は、書面によりその存続期間、借賃等の額及び支払条件その他その契約並びにこれに付随する契約の内容を明らかにしなければならない。
この条文の基本情報
契約の文書化とは何ですか?
定義契約の文書化とは、農地法第21条に定められた規定で、「農地又は採草放牧地の賃貸借契約については、当事者は、書面によりその存続期間、借賃等の額及び支払条件その他その契約並びにこれに付随する契約の内容を明らかにしなけれ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 農地法第21条(契約の文書化)は、日本の農地法に含まれる条文です。
- 農地法第21条の条文原文は「農地又は採草放牧地の賃貸借契約については、当事者は、書面によりその存続期間、借賃等の額及び支払条件その他その契約並びにこれに付随する契約の内容を明らかにしなけれ…」で始まります。
- 農地法第21条は第三章 利用関係の調整等に置かれています。
- 農地法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 農地法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 農地法第21条の前の条は農地法第20条です。
- 農地法第21条の次の条は農地法第22条です。
- 農地法第21条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第21条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229 - 本サイト収録
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第21条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000229/21
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点農地法21条は、農地や採草放牧地の賃貸借で、存続期間・借賃の額・支払条件などの契約内容を書面で明らかにするよう当事者に求める。違反しても契約は無効にならない。
Q · 田んぼを口約束で貸していても、契約として有効なの?
許可があれば口頭でも有効、ただし書面化は義務
農地法21条は、農地の賃貸借について期間、借賃の額、支払条件などを書面で明らかにするよう当事者に求めています。ただし違反しても契約が無効になる規定はなく、3条の許可を得ていれば口頭の賃貸借も成立します。問題は証明力で、書面がないと期間や賃料を立証できず、18条の「存続期間10年以上の更新拒絶」や「6か月以内の引渡しを書面で合意した合意解約」といった許可不要の出口も使えなくなります。
解説
田んぼを貸し借りする契約は、法律の上では書面にすることが求められている。農地法21条は、農地や採草放牧地の賃貸借について、存続期間、借賃の額、支払条件、付随する約束を書面で明らかにするよう当事者に求める。ただし、書面がなくても契約がすぐ無効になるわけではない。本当に怖いのは別の場面だ。農地の賃貸借は、18条によって借り手が強く守られている。貸し手が解約や更新拒絶をするには、原則として都道府県知事の許可がいる。その例外として許可がいらなくなる道、たとえば「存続期間10年以上」の契約を更新しない場合や、「6か月以内に引き渡す」と書面で合意して解約する場合は、どちらも書面に何が書かれているかで決まる。口約束のままの契約は、何十年もたって相続や売却の場面になったとき、期間も賃料も証明できない。貸し手と借り手のどちらにとっても足場が残らない
法的な位置づけ
農地法21条は、農地または採草放牧地の賃貸借契約の当事者に対し、存続期間、借賃等の額、支払条件その他の契約内容および付随契約の内容を書面で明らかにする義務を課す規定である。契約の効力要件ではなく、許可を得た賃貸借の内容を明確化し、紛争を予防するための手続的な規律として機能する。
手順
- 1.農業委員会で許可・設定の記録を確認する 対象の農地について、農地法3条の許可や農業経営基盤強化促進法などによる利用権設定の記録があるかを、所在地の農業委員会に照会する。許可がなければ書面を作っても賃貸借は効力を生じない
- 2.過去の賃料・期間の記録を集める 通帳、領収書、米の受け渡しメモなどから、いつから・いくらで・どの時期に借賃を支払ってきたかを整理し、現状の契約内容を再構成する
- 3.21条の項目を満たす契約書を作成する 存続期間、借賃等の額、支払条件、付随する約束(水利費や畦畔管理の分担など)を明記した契約書を作る。18条の例外を視野に入れ、存続期間を10年以上とするかを当事者で検討する
- 4.署名・保管し、合意解約時も書面を残す 双方が署名押印して各自保管する。将来合意解約する場合は、解約の日から6か月以内に引き渡す旨を書面に残すと、18条により知事の許可が不要になる
よくある質問 AI による整理
Q1農地の賃貸借契約書に必ず書くべき項目は?
農地法21条は、存続期間、借賃等の額、支払条件、その他の契約内容と付随する契約の内容を書面で明らかにするよう求めています。
Q2農地法21条に違反すると罰則はありますか?
21条違反そのものに罰則や契約無効の規定はありません。ただし書面がないと期間や賃料を証明できず、紛争時に双方が不利になります。
Q3農地の賃貸借に農業委員会の許可は必要?
原則として農地法3条の許可が必要です。許可や計画による設定がなければ賃貸借は効力を生じず、書面があっても法律上保護されません。
Q4田んぼの賃料をお米で払う契約は書面にすべき?
物納でも借賃等の額と支払条件にあたるため、21条により数量や支払時期を書面で明らかにすべきです。後の増減額請求でも基準になります。
Q5農地の賃貸借契約書のひな形はどこで手に入る?
多くの市町村の農業委員会が様式例を用意しています。窓口やウェブサイトで確認し、期間・借賃・支払方法を漏れなく記入するのが基本です。
Q6農地の賃貸借の存続期間は最長何年?
民法604条により賃貸借の存続期間の上限は50年です。農地では10年以上と定めると18条の更新拒絶で許可が不要になる点が重要です。
Q7口約束の農地賃貸借を後から書面化できる?
できます。当事者が合意すれば現在の条件を書面にまとめ直せます。まず農業委員会で3条許可の記録を確認してから作成するのが安全です。
Q8農地を無償で貸す場合も契約書は必要?
無償なら使用貸借で、21条は賃貸借が対象のため直接は適用されません。ただし返還時期などを書面に残しておくことが紛争予防になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1親の代から口約束で貸してる田んぼ、今さら契約書って作るべき?
作るべきである。21条は書面で明らかにすることを求めており、違反しても無効にはならないが、期間と賃料を証明する唯一の手段になる。まず農業委員会で3条の許可の記録があるかを確認し、記録があればそれに沿って書面化する。実務のポイント:作り直すときに存続期間を10年以上と明記すると、満了時の更新拒絶に知事の許可が要らなくなる(18条)。貸し手にとってはこの一行が最大の保険になる
Q2農地中間管理機構を通して貸すのと、直接貸すのと何が違うの?
機構を通す場合、権利は農地中間管理事業の推進に関する法律などに基づく計画で設定され、契約内容は計画の書面で明らかになる。期間が満了すれば原則として法定更新されずに終わる点も、直接の賃貸借(17条で法定更新がある)との大きな違いだ。実務のポイント:返還時期を確実にしたい地主ほど、直接の賃貸借より計画による設定のほうが向いていることが多い(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「契約書をきちんと作れば、それで農地を正式に借りられる」と考えるのは前提から間違っている。農地の賃貸借は、3条の許可(または農業経営基盤強化促進法などの計画による設定)がなければ効力を生じない。立派な書面があっても、許可のない、いわゆる「ヤミ小作」は法律上の賃貸借として守られない。書面は効力の要件ではなく、許可を得た契約の中身を証明する道具である
- 書面にしないと契約が無効になるという理解も誤りだ。21条は書面で明らかにする義務を定めているが、違反した場合の罰則や無効の規定はなく、許可を得ていれば口頭でも賃貸借は成り立つ。ただ、罰がないから軽いと考えるのは早い。書面がない借り手は「期間」を証明できず、書面がない貸し手は18条の例外を使う根拠を失う。そのツケは数十年後の相続や売却の場面でまとめて回ってくる
- 貸し手から見れば「自分の土地なのだから、返してと言えば返ってくる」。法律から見れば、農地の賃貸借で解約申入れや更新拒絶をするには、原則として知事の許可が必要になる(18条)。所有者の感覚と法律上の位置づけの落差が、相続人を一番驚かせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 農地法21条:賃貸借契約の内容の書面化 | 農地法18条:解約・更新拒絶等の知事許可 農地法17条:通知がない場合の法定更新 |
| 違反・不遵守の効果 | 罰則・無効の規定なし(証明力の問題に帰着) | 許可のない解約申入れ等は原則効力を生じない 期限内に通知しなければ同一条件で更新とみなされる |
| 書面との関係 | 書面化そのものが義務 | 10年以上の期間や6か月以内引渡しの書面合意で許可不要 書面上の存続期間が通知期限の起算基準になる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では耕地租約を一律に書面とし、締結・変更・終了を登記申請する仕組みがあり、日本より形式面の規律が強い
韓国も農地の賃貸借・使用貸借を書面契約を原則とする点で日本と近い
ドイツでは2年を超える農地用益賃貸借が書面でない場合、期間の定めのない契約とみなされる
フランスの農事賃貸借(bail rural)は書面化が原則とされ、借り手保護の厚い法制という点で日本と共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 父が亡くなり、実家の田んぼ3反を相続した。調べると、40年前から近所の農家が耕しているが、契約書は一枚もない。賃料は毎年お米2俵を手渡しするだけ。売りたいと切り出したら、相手から「離作料を払ってほしい」と言われた。書面がないので、そもそも許可を得た賃貸借なのか、期間はいつまでなのか、誰も答えられない
- もし貸主から突然「来年から返してくれ」と言われたら、借りて耕している側はどうなる? 18条によって、知事の許可がない一方的な解約申入れは原則効力を持たない。ただし、契約書に存続期間10年以上と書いてあり、その期間が満了するなら話は別になる。だから自分の契約書の期間欄を今夜確認しておく必要がある
- 農業参入を決めた企業の担当者として、地主20人とまとめて賃貸借を結ぶことになった。地主ごとに口頭で条件を決めた結果、賃料も支払日もばらばら。5年後に一人が「そんな額で合意していない」と言い出し、連鎖して全員が値上げを求めてくる
- 契約期間の満了まであと8か月。17条によって、満了の1年前から6か月前までに更新しない旨を通知しないと、同じ条件で更新されたとみなされる。期限まで残り2か月、しかもその通知に知事の許可が必要かどうかは、契約書に書いた期間で変わる
- 親戚に「タダでいいから使って」と農地を貸した。賃料がないので賃貸借ではなく使用貸借になり、21条も18条の保護も直接にはかからない。善意で始めたことが、後になって相手の立場を一番弱くしていた
取るべき行動
被害を受けた側:1. 農業委員会で、その農地に3条の許可や利用権設定の記録があるかを照会する2. 書面がない場合は、過去の賃料の受け渡しの記録(通帳、領収書、米の受け渡しのメモ)を集め、期間と賃料を再構成する3. 相手と合意できるなら、今からでも21条に沿った書面を作り直す4. 返還を求める場合は、18条の許可が必要か、合意解約と6か月以内の引渡しという出口を使えるかを、農業委員会に事前に相談する
訴えられた側:1. 一方的に「出ていけ」と言われても、すぐに明け渡さない。知事の許可がない解約申入れは原則効力を持たない(18条) 2. 耕作の実績、賃料を払った記録、引渡しを受けた事実を証拠として固める。引渡しがあれば第三者にも対抗できる(16条) 3. 合意解約に応じるなら、離作料などの条件を書面に入れてから署名する4. 賃料の増額を求められたら、20条の増減額請求のルールに照らして根拠を確認する
時効(請求できる期限):21条そのものに時効や期限はない。期間の定めがある賃貸借は、満了の1年前から6か月前までに更新しない旨を通知しないと、同じ条件で更新されたとみなされる(17条)。未払い賃料の請求権には一般の消滅時効(民法166条、権利を行使できると知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される
学説
通説:農地法21条の書面化は効力要件ではなく訓示的な義務と解され、3条の許可を得た賃貸借であれば口頭でも有効に成立する。書面は契約内容の証明手段として機能する
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:農地法制定。農地改革の成果を維持するため、農地の権利移動の許可制や賃貸借の保護規定とともに、賃貸借契約の内容を明確化する規律が設けられた
- 2.平成21年(2009年) 改正:農地法の大改正により法目的や賃貸借規制が見直され、一般法人の農地賃借が一定条件で可能となった。条文の整理により書面化規定は現行21条に位置づけられている
- 農地法 第3条賃貸借設定の許可、無許可は無効
- 農地法 第16条引渡しによる賃借権の対抗力
- 農地法 第17条通知がない場合の法定更新
- 農地法 第18条解約等の知事許可制と書面要件の例外
- 農地法 第20条借賃等の増額・減額請求権
- 民法 第601条賃貸借の一般規定、農地法が特則
- 民法 第604条賃貸借の存続期間の上限50年
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