受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年4月5日読了 6 分6 分6 分

農地法 第25条(農業委員会による和解の仲介)

クイックジャンプ
  1. 農業委員会は、農地又は採草放牧地の利用関係の紛争について、農林水産省令で定める手続に従い、当事者の双方又は一方から和解の仲介の申立てがあつたときは、和解の仲介を行なう。ただし、農業委員会が、その紛争について和解の仲介を行なうことが困難又は不適当であると認めるときは、申立てをした者の同意を得て、都道府県知事に和解の仲介を行なうべき旨の申出をすることができる。
  2. 2.農業委員会による和解の仲介は、農業委員会の委員のうちから農業委員会の会長が事件ごとに指名する三人の仲介委員によつて行なう。

この条文の基本情報

農業委員会による和解の仲介とは何ですか?

定義農業委員会による和解の仲介とは、農地法第25条に定められた規定で、「農業委員会は、農地又は採草放牧地の利用関係の紛争について、農林水産省令で定める手続に従い、当事者の双方又は一方から和解の仲介の申立てがあつたときは、和解の仲介を…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 農地法第25条(農業委員会による和解の仲介)は、日本の農地法に含まれる条文です。
  2. 農地法第25条の条文原文は「農業委員会は、農地又は採草放牧地の利用関係の紛争について、農林水産省令で定める手続に従い、当事者の双方又は一方から和解の仲介の申立てがあつたときは、和解の仲介を…」で始まります。
  3. 農地法第25条は第三章 利用関係の調整等に置かれています。
  4. 農地法の公布日は昭和27年7月15日です。
  5. 農地法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 農地法第25条の前の条は農地法第24条です。
  7. 農地法第25条の次の条は農地法第26条です。
  8. 農地法第25条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第25条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229
  • 本サイト収録農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第25条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000229/25
裁判例 2件に引用されています

関連度の高い2件を表示しています

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点農地法25条は、農地・採草放牧地の利用関係の紛争について、申立てを受けた農業委員会が三人の仲介委員で和解の仲介を行うと定める。困難・不適当なら知事に移せる。

Q · 田んぼの貸し借りでもめたら、裁判以外に相談できる場所はある?

市町村の農業委員会に和解の仲介を申し立てられる

農地法25条により、農地や採草放牧地の利用関係の紛争は、当事者の双方又は一方の申立てで、農業委員会が和解の仲介を行います。仲介は会長が指名する三人の仲介委員が担当します。委員会が自ら行うのが困難又は不適当なときは、申立人の同意を得て都道府県知事に仲介を移すことができます。ただし成立した和解は和解契約(民法695条)にとどまり、執行力はありません。

解説

田んぼの貸し借りでもめたとき、多くの人はまず弁護士か裁判所を思い浮かべる。ところが農地と採草放牧地の利用をめぐる紛争には、市役所や町村役場の中に専用の窓口がある。農業委員会の「和解の仲介」である。当事者の双方が申し立ててもよいし、一方だけでも申し立てられる。申立てがあれば、農業委員会は仲介を行う。農業委員会の会長が事件ごとに委員の中から三人の仲介委員を指名し、話し合いをまとめる。仲介委員は地元の農地事情を知り尽くした人たちである。そのため「隣の地区の相場」や「この水路の慣行」のような話が、最初から通じる。一方で、顔見知りが仲介することの危うさも法律は分かっている。農業委員会が「自分たちで仲介するのは困難または不適当」と判断すれば、申立人の同意を得たうえで都道府県知事に仲介を任せることができる。ただし注意点がある。ここでまとまる和解は、あくまで当事者どうしの約束(民法695条の和解契約)である。判決のように強制執行できる力はない。入口として使える便利さと、出口の弱さを両方知っておけば、この制度は武器になる

法的な位置づけ

農地法25条は、農地又は採草放牧地の利用関係の紛争に関する和解の仲介を定める規定である。当事者の双方又は一方の申立てにより、農業委員会の会長が事件ごとに指名する三人の仲介委員が仲介を行う。委員会が仲介を困難又は不適当と認める場合は、申立人の同意を得て都道府県知事に仲介を申し出ることができる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.紛争が「農地の利用関係」に当たるか確認 対象地が農地又は採草放牧地か、争点が賃貸借・使用貸借・耕作範囲などの利用関係かを確認する。所有権の帰属そのものや相続分の争いは対象外になりうる
  2. 2.利用関係の実態を証拠で整理 口約束の内容、賃料(米・金銭)の授受、耕作の期間と範囲を、通帳・写真・メモ・近隣の証言などで時系列に整理する
  3. 3.市町村の農業委員会に仲介を申し立てる 対象地所在の農業委員会の窓口で、農林水産省令に従った方式で和解の仲介を申し立てる。仲介委員に当事者と利害関係のある人がいる懸念があれば、この段階で具体的に伝える
  4. 4.必要に応じて知事への仲介移行に同意 農業委員会が仲介を困難又は不適当と判断し知事への申出を打診してきたら、申立人として同意するかを判断する。中立性に不安があるなら同意する選択肢がある
  5. 5.合意内容に執行力を付ける 合意が見えたら、公正証書の作成又は簡易裁判所の訴え提起前の和解(民事訴訟法275条)を合意条件に含める。仲介の和解だけでは強制執行できない

よくある質問 AI による整理

Q1農業委員会の和解の仲介とは?

農地や採草放牧地の貸し借り・利用をめぐる紛争を、農業委員会の三人の仲介委員が話し合いでまとめる制度です。根拠は農地法25条です。

Q2和解の仲介は一方だけで申し立てできる?

できます。農地法25条1項は「当事者の双方又は一方」からの申立てを認めています。相手の同意がなくても、まず申し立てることは可能です。

Q3和解の仲介の申立てはどこでする?

紛争の対象となる農地がある市町村の農業委員会です。手続の詳細は農林水産省令で定められているため、窓口で書式を確認してください。

Q4和解の仲介の仲介委員は誰がなる?

農業委員会の委員の中から、会長が事件ごとに三人を指名します(農地法25条2項)。地元の農地事情に通じた委員が担当するのが通常です。

Q5和解の仲介で相手が出てこなかったら?

仲介は話し合いの場であり、相手に出席や合意を強制する力はありません。不調に終われば民事調停(農事調停)や訴訟を検討することになります。

Q6農地の小作契約を解約するには許可が必要?

原則として必要です。農地の賃貸借の解除・解約などには都道府県知事の許可が求められます(農地法18条)。仲介で合意しても、この許可手続との関係に注意が必要です。

Q7口約束の田んぼの貸し借りでも仲介の対象になる?

対象は「利用関係の紛争」であり、契約書の有無は条文上の要件になっていません。口約束の賃貸借や使用貸借の紛争も、申立ての対象になりえます。

Q8都道府県知事の和解の仲介とは?

農業委員会が自ら仲介するのは困難又は不適当と認めたとき、申立人の同意を得て知事に仲介を申し出る仕組みです。地元の利害関係を避ける逃げ道として機能します。

この条文についての質問 AI による整理

Q1農業委員会の仲介と、裁判所の調停って何が違うんですか?

農業委員会の仲介(本条)は、地元の農業委員三人が話し合いをまとめるもので、まとまれば和解契約になる。裁判所の民事調停、特に農地の紛争を扱う農事調停(民事調停法25条以下)でまとまれば、調停調書が判決と同じ効力を持つ。実務のポイント:地域の関係を壊したくないなら仲介を先に使い、相手が約束を守らなそうなら最初から調停を選ぶ。どちらを選ぶかは、相手の誠実さで決めるのが実務の勘所である

Q2仲介委員が相手の親戚だったら、どうすればいいですか?

本条1項ただし書きにより、農業委員会は自分たちで仲介するのが困難または不適当だと認めれば、申立人の同意を得て都道府県知事に仲介を申し出ることができる。実務のポイント:委員会がこれに気付くとは限らない。申立ての段階で利害関係を具体的に書いて伝えておくことが大切である。小さな集落ほど、黙っていると身内どうしの仲介がそのまま進んでしまう

間違えやすい点 AI による整理

  • 「和解の仲介でまとまれば、相手が守らなくても差し押さえできる」と思われがちだが、そうではない。仲介の結果は和解契約にとどまり、判決や調停調書のような執行力はない。確実にしたいなら、合意内容を公正証書にするか、簡易裁判所の訴え提起前の和解(民事訴訟法275条)に乗せ直す必要がある
  • 仲介を申し立てれば時効が止まると考えている人がいるが、これは深刻な落とし穴である。民事調停や認証 ADR には時効の完成猶予の仕組みがあるが、農業委員会の和解仲介は認証 ADR ではない。未払い賃料の時効が迫っているなら、仲介と並行して内容証明による催告(民法150条)や民事調停を考える必要がある
  • 「農業委員会は役所だから、どちらかに有利な結論を命じてくれる」と期待するのは、問いの立て方がずれている。仲介委員の仕事は判定ではなく、話し合いをまとめることである。命令してほしいなら、行くべき場所は裁判所か、農地法18条の許可手続である
比較の観点この条文ほかの条文
制度の性格農地法25条:農業委員会による和解の仲介(話し合いの場)農地法18条:賃貸借の解除・解約等に対する知事の許可
農地法17条:農地賃貸借の法定更新
誰が関与するか会長が指名する三人の仲介委員(困難・不適当なら知事)都道府県知事が許可の可否を判断
当事者間で法律上当然に生じる(行政の判断を要しない)
結論の拘束力成立すれば和解契約、執行力なし許可がなければ解約等の効力が生じない
所定の通知がなければ従前と同一条件で更新
使いどころ関係を壊さず早期に話をまとめたいとき地主が契約を終わらせたいとき
期間満了後も耕作を続けたいとき

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
耕地三七五減租条例第26条

耕地の租佃紛争はまず郷(鎮、市、区)公所の耕地租佃委員会が調解し、不成立なら直轄市・県(市)の委員会が調処する二段構え。地方の委員会を前置する点で日本の農業委員会仲介と発想が近い

中国
农村土地承包经营纠纷调解仲裁法

農村の土地請負経営をめぐる紛争について、調解と専門の仲裁委員会による仲裁を整備。日本の仲介より強い仲裁の仕組みを持つ

フランス
Code rural et de la pêche maritime art. L.491-1

農地賃貸借の紛争は地主・耕作者代表が参加する Tribunal paritaire des baux ruraux が扱い、調停を前置する。仲介と裁判を同一機関で連続させる点が日本と異なる

アメリカ
Agricultural Mediation Program(7 U.S.C. § 5101 ff.)

連邦の補助を受けた州認証の農業調停プログラムで、農業融資や農地賃貸借などの紛争を扱う。行政委員会ではなく調停人による点が異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 父から相続した田を、二十年前から近所の農家が耕している。賃料は毎年お米三俵の口約束だけで、契約書はない。返してほしいと言うと「農地法で守られている」と言い返された。裁判の前に、農業委員会へ和解の仲介を申し立てる道がある
  • もし借りている畑の地主から、来年の作付け直前に突然「出ていってくれ」と言われたら、どうなる? 農地の賃貸借の解約には原則として都道府県知事の許可が要る(農地法18条)。地主がそれを知らないまま話を進めているなら、仲介の場がその誤解を正す最初の機会になる。種まきまで残り一か月、裁判を待つ時間はない
  • あなたは地主側で、借り手が賃料を三年分払っていない。あなたが仲介を申し立てた途端、借り手が「地主の顔役が仲介委員にいる、不公平だ」と言い出した。その場合、農業委員会は知事への仲介の移行を検討できる。ただし申立人であるあなたの同意が必要である

取るべき行動

被害を受けた側:1. 紛争の対象が農地または採草放牧地の「利用関係」(賃貸借・使用貸借・耕作の範囲など)かを確認する2. 口約束の内容、賃料の授受、耕作の実態を通帳・写真・メモで整理する3. 所在地の市町村農業委員会に和解の仲介を申し立てる(手続は農林水産省令に従う) 4. 仲介委員に利害関係者がいると感じたら、知事への移行を求める5. 合意できたら公正証書化または訴え提起前の和解で執行力を確保する

訴えられた側:1. 申立てを受けたら、仲介は判定ではなく話し合いの場だと理解し、感情的な欠席は避ける2. 自分の耕作実績や賃料支払いの証拠を準備する3. 農地の賃貸借は解約に知事の許可が必要(農地法18条)なので、相手の主張がその手続を経ているかを確認する4. 合意案は持ち帰って検討し、その場で署名しない5. 不調なら民事調停(農事調停)や訴訟に移る前提で記録を残す

時効(請求できる期限):本条に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。未払い賃料などの請求権は、和解の仲介の申立てだけでは時効の完成猶予が生じないと考えられるため、期限が迫っている場合は催告(民法150条)や民事調停を併用すること(最新の改正状況をご確認ください)

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和27年(1952年) 新設:農地法の制定(昭和27年法律第229号)。農地改革の成果を維持する枠組みの一部として、農地の利用関係の紛争に関する和解の仲介制度が置かれた

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

農地法の全文を見る所属する編章節を開く:第三章 利用関係の調整等

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›