農地法 第33条
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- 農業委員会は、耕作の事業に従事する者が不在となり、又は不在となることが確実と認められるものとして農林水産省令で定める農地があるときは、その農地の所有者等に対し、利用意向調査を行うものとする。
- 2.前条第二項から第五項までの規定は、前項に規定する農地がある場合について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは「次条第一項」と、同条第三項第二号中「面積並びにその農地が第一項各号のいずれに該当するかの別」とあるのは「面積」と、同条第四項及び第五項中「第一項」とあるのは「次条第一項」と読み替えるものとする。
- 3.前二項の規定は、第四条第一項又は第五条第一項の許可に係る農地その他農林水産省令で定める農地については、適用しない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 農地法第33条は、日本の農地法に含まれる条文です。
- 農地法第33条の条文原文は「農業委員会は、耕作の事業に従事する者が不在となり、又は不在となることが確実と認められるものとして農林水産省令で定める農地があるときは、その農地の所有者等に対し、…」で始まります。
- 農地法第33条は第四章 遊休農地に関する措置に置かれています。
- 農地法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 農地法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 農地法第33条の前の条は農地法第32条です。
- 農地法第33条の次の条は農地法第34条です。
- 農地法第33条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第33条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229 - 本サイト収録
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第33条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000229/33
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点農地法33条は、耕作者が不在となった又は不在となることが確実な農地について、農業委員会が所有者等に利用意向調査を行うと定める。転用許可済みの農地は対象外。
Q · 農業委員会から「利用意向調査」の封筒が届いたけど、これって何?
耕作者不在の農地の今後を所有者に尋ねる公的調査です
農地法33条にもとづく利用意向調査です。耕作者が亡くなった、施設に入ったなどで耕作者が不在となった(又は不在となることが確実な)農地について、農業委員会が所有者等に「自分で耕すか、貸すか、売るか」などの意向を尋ねます。回答自体を直接罰する規定はありませんが、所有者を確知できない場合は32条の公示手続が準用され、公示から2か月以内に申出がなければ公的な利用に向けた手続へ進みえます。
解説
農業委員会から「利用意向調査」と書かれた封筒が届いても、多くの人は役所のアンケートだと思って引き出しにしまう。だが農地法33条にもとづく調査は、ただの統計ではない。耕作していた親が亡くなった、施設に入ったなどの事情で、その農地を耕す人がいなくなった、またはいなくなることが確実になった。そうした農地を役所が把握し、所有者に「今後どうするのか」を正面から尋ねる仕組みである。どの農地が対象になるかは農林水産省令で決まる。所有者を探しても見つからない場合は、32条2項から5項が準用され、農業委員会が公示を行う。公示から2か月以内に誰も名乗り出なければ、農地中間管理機構(農地を借り受けて担い手に貸し出す都道府県単位の公的な仲介機関)が動き出せる状態になる。つまり、調査票はあなたの農地の今後を決める分かれ道でもある。自分で耕す、機構に貸す、売る、農地以外に転用する。どれを選ぶかを、役所が線を引く前に自分で決められる最後の機会なのだ。
法的な位置づけ
農地法33条の利用意向調査とは、耕作の事業に従事する者が不在となり、又は不在となることが確実と認められる農林水産省令所定の農地について、農業委員会がその所有者等に対し今後の利用意向を確認する手続である。所有者等を確知できない場合には同法32条2項から5項の探索・公示の規定が準用される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.対象農地の地番と名義を確認する 調査票に記載された地番を、登記簿(全部事項証明書)と固定資産税の課税明細で照合し、名義人が誰か、故人名義のままになっていないかを確認する
- 2.相続人・家族で選択肢を比較する 自分で耕作する、農地中間管理機構に貸す、売却する、転用する、相続土地国庫帰属制度を検討する、の選択肢を家族で比較し、方針を決める。未決でも検討中であることを共有しておく
- 3.期限内に回答書を提出する 調査票の指定期限内に意向を記入して提出する。決まっていなければ「相続人間で協議中、機構への貸付も検討したい」と明記し、無回答を避ける
- 4.農業委員会の窓口で相談する 回答と並行して市町村の農業委員会に相談の予約を入れ、あっせんや機構への貸付の流れ、地域計画の見直し時期を確認する
- 5.相続登記と3条の3の届出を同時に進める 名義が故人のままであれば、相続登記(相続を知った日から3年以内)と農地法3条の3の届出(相続を知った時から10か月以内)を併せて手続し、所有者を確知できる状態にしておく
よくある質問 AI による整理
Q1利用意向調査とは何ですか?
農業委員会が農地の所有者等に、今後自分で耕作するか、貸し付けるか、売却するかなどの意向を確認する調査です。耕作者不在の農地については農地法33条が根拠です。
Q2利用意向調査に回答しないとどうなる?
本条に回答を直接罰する規定はありません。ただし農地が荒れれば遊休農地として32条以下の手続に乗り、機構との協議の勧告や固定資産税の負担増へ段階的につながりえます。
Q3利用意向調査 回答期限はいつまで?
法律上の一律の回答期限はなく、調査票ごとに指定された期限に従います。所有者を確知できない場合の公示では、公示の日から2か月以内に申し出る必要があります。
Q4親が施設に入っただけでも調査対象になる?
なりえます。本条は耕作者が「不在となることが確実と認められる」農地も対象とするため、相続前でも長期入院や施設入所で耕作者がいなくなる場合は調査の射程に入りえます。
Q5農地転用の許可を取った土地も調査される?
されません。33条3項により、4条1項又は5条1項の転用許可に係る農地その他農林水産省令で定める農地には、利用意向調査の規定は適用されません。
Q6農地の所有者が見つからない場合はどうなる?
32条2項から5項が準用され、農業委員会が所有者等の探索を行い、確知できなければ公示します。公示の日から2か月以内に申出がなければ、公的な利用に向けた手続に進みえます。
Q7利用意向調査で「貸したい」と答えるとどうなる?
農地中間管理機構による借受けの検討につながりやすくなります。担い手への集約対象となれば、所有権を残したまま農地を耕作してもらえる可能性があります。
Q8相続した農地を放置するのは違法?
放置そのものが直ちに処罰されるわけではありません。ただし相続登記(3年以内)や農地法3条の3の届出(10か月以内)は法律上の義務で、怠れば過料の対象になりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1調査票が来たけど、まだ兄弟で誰が継ぐか決まってない。どう書けばいいの?
決まっていないなら、そのとおり書いて構わない。本条の調査は所有者の意向を把握するための手続で、回答で直ちに権利が失われるわけではない。大事なのは無回答にしないこと。実務のポイント:遺産分割前でも、農業委員会の窓口で「相続人間で協議中、機構への貸付も検討したい」と一言添えておくと、担当者の記録に検討中の案件として残る。音信不通の所有者とは扱いが変わる
Q2放っておくと固定資産税が上がるって本当?
条件を満たせば本当である。耕作されない農地が遊休農地と判定され、32条以下の手続を経て農地中間管理機構との協議を勧告されると、固定資産税の評価で農地特有の軽減が外れ、税額がおおむね1.8倍程度に上がる仕組みがある。(最新の改正状況をご確認ください)実務のポイント:33条の調査はこの流れのずっと手前にある。この段階で機構への貸付を選んでおけば、勧告ルートに乗る前に話を終わらせられる
Q3もう農地はいらない。国に引き取ってもらえないの?
2023年4月施行の相続土地国庫帰属制度で、農地も申請対象になる。ただし審査手数料に加え、10年分の管理費相当額の負担金を納める必要があり、境界が不明な土地などは却下される。実務のポイント:国庫帰属は最後の出口であり、まず農業委員会のあっせんや機構への貸付を試した記録があると、家族内での合意形成も申請準備もスムーズに進む。条文上の要件ではないが、実務上は順番が効いてくる
間違えやすい点 AI による整理
- 「回答しなくても罰則はないから無視していい」と考える人がいる。たしかに本条に回答を直接罰する規定はない。だが無回答のまま農地が荒れれば、32条の遊休農地の手続に乗り、農地中間管理機構との協議の勧告から固定資産税の負担増まで、段階を踏んで重くなっていく。罰則がないことは、何も起きないことを意味しない
- そもそも「親が生きていれば自分には関係ない」という前提が誤っている。対象は「不在となることが確実と認められる」農地まで含む。長期入院や施設入所など、まだ相続が起きていない段階でも調査の射程に入りうる。準備を始める時期は葬儀の後ではなく、親が農作業をやめた日である
- 所有者から見れば「放っておいても自分の土地」である。だが法律から見れば、耕されない農地は地域の農業基盤に空いた穴であり、所有者が見つからなければ公示を経て第三者が利用する道が開かれている。所有権は消えないが、使い道を決める主導権は静かに手元から離れていく
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 調査・手続の対象 | 農地法33条:耕作者が不在となった又は不在となることが確実な農地 | 農地法32条:遊休農地(現に耕作されていない農地等) 農地法30条:区域内の全農地(毎年の利用状況調査) |
| 手続の性格 | 所有者等への利用意向調査 | 遊休農地の所有者等への利用意向調査 農業委員会による利用状況の現況調査 |
| 所有者不明時の扱い | 32条2項から5項を準用(探索・公示) | 32条2項から5項(探索・公示、公示から2か月以内の申出) 定めなし(調査結果が32条・33条の前提となる) |
| 適用除外 | 4条1項・5条1項の転用許可に係る農地等(3項) | 条文所定の除外事由による — |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は私有荒地に対し期限を定めた使用命令と荒地税の加徴で対応する。日本のような意向調査を先行させる段階的手続とは設計思想が異なる
韓国は農業経営に利用しない農地に処分義務を課す「耕者有田」型の強い規制を採る。日本の調査中心の弱い介入とは対照的
中国は耕地の放置・荒廃を禁止し、一定期間耕作しない場合の措置を定める。土地の公有制が前提であり所有権構造が異なる
フランスは耕作されない土地について第三者が利用を申し立てる手続を設けており、所有者不在時に利用への道を開く点で日本の公示準用と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 東京で会社勤めをしているあなたに、実家のある町の農業委員会から封筒が届いた。父の葬儀から半年後のことである。中身は「今後の農地の利用意向」を問う調査票。父の田んぼを誰が継ぐのか、兄弟で一度も話し合っていなかったことに、そのとき初めて気付く
- 母が特別養護老人ホームに入ったら、母名義の畑はどうなる? 本人が生きていても「耕作者が不在になることが確実」と見なされ、調査対象になりうる。成年後見人がいなければ、回答する人がいないまま話が進んでいく
- 隣の耕作放棄地から雑草の種と害虫が飛んでくる。困った専業農家のあなたは、まず農業委員会に情報を提供する。所有者が都会にいる相続人であっても、利用意向調査がその人を交渉のテーブルに着かせるきっかけになる
- 公示の掲示板に、祖父名義のままの農地の地番が載っていた。名乗り出られる期限は、公示から2か月しかない。相続登記を放置してきたツケが、ここで一気に回ってくる
- 農地を宅地にする転用許可を取った直後なら、調査は来ない(3項)。許可を取ったのに工事を始めないまま何年も放置しているとどうなるかは別の話で、転用の事業計画どおりに進めていないことが別の問題として浮かび上がる
取るべき行動
被害を受けた側:隣接農地の放置で病害虫や雑草の被害を受けている耕作者の場合:1. 被害状況を写真と日付で記録する2. 市町村の農業委員会に、耕作者が不在の農地があると情報提供し、利用意向調査の実施状況を確認する3. 自分がその農地を借りたい場合は、農業委員会または農地中間管理機構に借受希望を登録しておく。所有者側が機構への貸付を選んだとき、優先的に話が回ってきやすくなる
訴えられた側:調査票を受け取った所有者や相続人の場合:1. 登記簿と固定資産税の課税明細で対象の地番と名義を確認する2. 相続人全員で、自分で耕す、貸す、売る、転用する、国庫帰属を申請するの選択肢を比べる3. 期限内に回答し、決まっていなければ「検討中」と農業委員会に相談したい旨を明記する。無回答は最悪の選択肢4. 名義が故人のままなら、相続登記と3条の3の届出を同時に進める
時効(請求できる期限):本条の調査自体に回答期限を定めた法律上の時効はない(期限は調査票ごとの指定に従う)。所有者を確知できない場合の公示では、公示の日から2か月以内に農業委員会に申し出る必要がある(32条3項3号の準用)。相続による農地取得の届出は相続を知った時から10か月以内(3条の3)、相続登記は相続を知った日から3年以内(不動産登記法76条の2)。(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)改正(平成26年施行、要人的検証) 農地中間管理事業の推進に関する法律の制定に伴い、遊休農地対策が利用意向調査と機構への橋渡しを軸に再編され、耕作者不在の農地を対象とする本条の調査が整備されたとみられる。改正年と新設か改正かの区別は人的検証が必要
- 農地法 第32条遊休農地の利用意向調査、公示手続の準用元
- 農地法 第30条農地利用状況調査、対象農地把握の前提
- 農地法 第3条の3相続等による農地取得の届出義務
- 農地法 第4条農地転用許可、3項の適用除外対象
- 農地法 第5条転用目的の権利移動許可、適用除外対象
- 農地中間管理事業の推進に関する法律 第2条農地中間管理事業の定義、貸付先の受け皿
- 不動産登記法 第76条の2相続登記の申請義務、所有者確知の前提
- 相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律 第2条相続農地の国庫帰属申請、手放す出口
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