航空法 第132条の33(秘密保持義務等)
クイックジャンプ
- 登録検査機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、その無人航空機検査事務に関し知り得た秘密を漏らしてはならない。
- 2.無人航空機検査事務に従事する登録検査機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
この条文の基本情報
秘密保持義務等とは何ですか?
定義秘密保持義務等とは、航空法第132条の33に定められた規定で、「登録検査機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、その無人航空機検査事務に関し知り得た秘密を漏らしてはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第132条の33(秘密保持義務等)は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第132条の33の条文原文は「登録検査機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、その無人航空機検査事務に関し知り得た秘密を漏らしてはならない。」で始まります。
- 航空法第132条の33は第二款に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第132条の33の前の条は航空法第132条の32です。
- 航空法第132条の33の次の条は航空法第132条の34です。
- 航空法第132条の33には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第132条の33 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第132条の33(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/132_33
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法第132条の33は、登録検査機関の役員・職員と元職員に無人航空機検査で知った秘密の保持を義務づけ、検査従事者を刑法上の公務員とみなす。
Q · 民間のドローン検査機関の担当者に、お礼の金品を渡すと犯罪になるの?
なりうる。検査員は刑法上公務員とみなされる
航空法第132条の33第2項により、無人航空機検査事務に従事する登録検査機関の役員・職員は、刑法その他の罰則の適用について公務員とみなされます。そのため職務に関して金品や接待を提供すれば、渡した側に贈賄罪(刑法198条)、受け取った側に収賄罪(刑法197条)が成立しうります。民間企業同士の付き合いのつもりでも、法律上は役所への贈答と同じ扱いになる点に注意が必要です。
解説
ドローンの機体認証を担当する検査員は、国の職員ではなく民間法人の社員であることが多い。それでも菓子折りの中に商品券を一枚入れた瞬間、話は「取引先への手土産」では済まなくなる。航空法のこの条文は、登録検査機関(国の代わりに無人航空機の検査を行うため、国土交通大臣の登録を受けた民間機関)で働く人に二つの枠をはめている。一つ目は、検査で知った秘密を漏らしてはならないという義務である。この義務は退職後も消えない。二つ目は、刑法などの罰則を当てはめるときは「公務員」として扱うという、いわゆる「みなし公務員」の規定である。その結果、検査員に便宜を頼んで金品を渡せば、渡した側には刑法198条の贈賄罪、受け取った側には197条の収賄罪が成立しうる。民間同士の付き合いのつもりでも、法律の上では役所を相手にしているのと同じ扱いになる。メーカー、販売店、操縦者のどの立場であっても、検査の現場で一線をどこに引くかが変わる
法的な位置づけ
航空法第132条の33は、無人航空機の機体認証等の検査事務を国に代わって行う登録検査機関について、役員・職員及びその職にあった者に検査事務上知り得た秘密の保持義務を課すとともに、検査事務に従事する役員・職員を刑法その他の罰則の適用上、法令により公務に従事する職員とみなす規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1登録検査機関とは何ですか?
国に代わって無人航空機の機体認証などの検査を行うため、国土交通大臣の登録を受けた民間機関です。2022年12月の新制度開始とともに設けられました。
Q2ドローン検査員に手土産を渡すと違法?
職務に関して渡せば贈賄罪(刑法198条)が成立しうります。検査員は航空法第132条の33第2項で刑法上の公務員とみなされるためです。
Q3登録検査機関の守秘義務の対象になる「秘密」とは?
無人航空機検査事務に関して知り得た非公知の情報です。申請者の設計データ、部品構成、試験結果、製造工程などが典型例とされます。
Q4登録検査機関の職員が秘密を漏らしたら罰則は?
航空法の罰則規定により処罰の対象となりえます。法定刑は改正で変わりうるため、e-Gov法令検索の最新条文で確認する必要があります。
Q5ドローン検査員への接待ゴルフは賄賂になる?
なりえます。賄賂は金銭に限らず、接待や便宜など人の需要・欲望を満たす一切の利益を含むと解されています。職務との関連が判断の分かれ目です。
Q6検査員を脅して合格させようとしたら何罪?
みなし公務員に対し暴行・脅迫で職務を妨げれば公務執行妨害罪、合格という処分をさせる目的なら職務強要罪(刑法95条2項)が問題になりえます。
Q7贈賄罪の時効はいつまで?
贈賄罪(刑法198条)は法定刑が3年以下の拘禁刑のため、公訴時効は3年です。犯罪行為が終わった時から起算されます(刑事訴訟法250条)。
Q8検査に提出した設計データが漏れたら損害賠償できる?
漏洩者や関与した企業に対し、民法709条の不法行為や不正競争防止法に基づく損害賠償請求を検討できます。提出記録の保全が出発点です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1お中元とかお歳暮くらいなら大丈夫ですよね?
安全とは言い切れない。検査員は刑法の適用上公務員とみなされる(航空法本条2項)。職務に関連して渡せば、社交儀礼の範囲かどうかが争点になり、刑法197条・198条の問題になりうる。実務のポイント:社交儀礼として許されるかは、金額よりも時期で見られやすい。検査申請中や検査の直前直後に渡すと、少額でも職務との関連を疑われやすい
Q2検査機関を辞めたあとなら、前の仕事の話をしてもいいですか?
秘密に当たる情報は話せない。本条1項は「これらの職にあつた者」にも守秘義務を課しており、退職後も続く。実務のポイント:問題になりやすいのは、転職先の面接で「前職ではこういう機体を見てきた」と実績を語る場面である。具体的なメーカー名や仕様に触れた時点で危うくなる。経歴は検査の件数や種類といった抽象度で語るのが安全だ
Q3検査に落とされて納得できないとき、検査員に直接文句を言っていいですか?
意見を伝えることは自由だが、暴行や脅迫で職務を妨げると、みなし公務員規定により公務執行妨害罪(刑法95条)が問題になりうる。不服がある場合は、検査結果の理由を書面で求めるのが正攻法である。実務のポイント:不合格の理由を書面で受け取っておけば、再申請で同じ指摘を受けにくくなるうえ、国土交通省へ相談するときの証拠にもなる。現場で口論するより、はるかに早く通る
間違えやすい点 AI による整理
- 「民間の検査会社なのだから、お礼をするのは普通の商慣行だ」と考えがちだが、無人航空機検査事務に従事する役員・職員は刑法の適用上「公務員」とみなされる。職務に関して金品や接待を渡せば贈賄罪(刑法198条:3年以下の拘禁刑または250万円以下の罰金)が成立しうる。出発点となる前提そのものが誤っている
- 守秘義務があること自体は多くの検査員が知っている。見落とされやすいのは、その範囲の広さである。義務は在職中だけでなく退職後も続き、対象は書類だけでなく、検査中に見聞きした設計・部品・製造工程の情報にも及ぶ。転職先での雑談が問題になりうる
- 検査を受ける側から見れば「どれだけ速く通すか」が交渉事に見える。しかし法律から見ると、検査は国の機体認証制度の一部であり、その公正さそのものが保護されている。現場の感覚と法律の扱いにはこれだけの落差があり、交渉のつもりの一言が刑事事件の端緒になる
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は個別法でみなし規定を置く日本と異なり、刑法総則で「委託を受け公共事務に従事する者」を一般的に公務員に含める方式をとる
ドイツも公的任務を委ねられた私人(Beliehene)を刑法上の Amtsträger に含め、贈収賄罪の対象とする
米国連邦法は連邦政府のために行動する者を public official に含め、民間の受託者にも贈収賄罪が及びうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 第二種機体認証の検査日程が繰り上がらず、量産の出荷計画が崩れかけている。あと五日で取引先への納品期限が来る。焦った営業部長が「担当の方に少しお礼を」と言い出した。その一言を止められるのは、検査員がみなし公務員だと知っているあなただけだ
- もし、登録検査機関を退職した元検査員が、競合メーカーに転職して前職で見た設計データを話したら、どうなる? 秘密保持義務は「職にあつた者」にも及ぶ。退職しても義務は残る
- あなたは登録検査機関の若手検査員。飲み会でドローン好きの友人から「あのメーカーの新型、バッテリーは何を使ってるの」と聞かれた。軽く答えたその一言が、守秘義務違反として問われる入口になりうる
- 検査に不合格を出したところ、申請者が検査会場で怒鳴り、機材を床に叩きつけて検査を妨害した。民間の会社員同士のトラブルに見えるが、みなし公務員の職務を暴行や脅迫で妨げた場合、公務執行妨害罪(刑法95条)の対象になると解するのが一般的である
- 検査機関の役員が、懇意にしている販売代理店から接待ゴルフを繰り返し受けていた。ゴルフ代も「賄賂」に入る。金銭に限らず、人の欲望を満たす一切の利益が対象になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自社の設計情報が検査経由で漏れた疑いがあれば、提出した資料・日付・提出先担当者の記録をすぐに保全する2. 登録検査機関に書面で事実確認を求め、回答を記録として残す3. 監督官庁である国土交通省航空局へ相談する4. 守秘義務違反の刑事告発と、不正競争防止法や民法709条による民事請求を並行して検討し、弁護士に証拠の評価を依頼する
訴えられた側:1. 金品の授受や情報の提供を指摘されたら、事実関係を時系列で整理し、自分の判断で関係者へ連絡しない2. 授受が「職務に関して」いたか、情報が「秘密」に当たるかが争点になるため、弁護士に早期相談する3. 社内規程や過去の慣行の記録を確保する4. 捜査機関からの任意の事情聴取にも、弁護人と方針を固めてから臨む
時効(請求できる期限):収賄罪(刑法197条1項、5年以下の拘禁刑)の公訴時効は5年、贈賄罪(同198条、3年以下の拘禁刑)は3年で、犯罪行為が終わった時から起算する(刑事訴訟法250条)。秘密漏示に対する航空法上の罰則の法定刑と時効は、最新の改正状況をご確認ください
学説
通説:みなし公務員規定は、公務員の身分を付与するものではなく、刑法の公務員犯罪および公務に対する罪の適用範囲を拡張する技術的規定であり、民間委託された事務の公正性を保護法益とする。
改正沿革 AI による整理
- 令和3年(2021年)改正、令和4年(2022年)12月施行 無人航空機の機体認証制度と登録検査機関制度の導入に伴い設けられた規定とみられる。新設か既存規定の移動か、また条番号の変遷は人的検証が必要
- 航空法 第132条の13無人航空機の機体認証制度(現行効力を要確認)
- 航空法 第132条の16無人航空機の型式認証制度(現行効力を要確認)
- 刑法 第197条みなし公務員に適用される収賄罪
- 刑法 第198条検査員への金品提供に成立する贈賄罪
- 刑法 第95条検査業務の妨害に対する公務執行妨害罪
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める