宅地建物取引業法 第16条の8(秘密保持義務等)
クイックジャンプ
- 指定試験機関の役員若しくは職員(前条第一項の試験委員を含む。次項において同じ。)又はこれらの職にあつた者は、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
- 2.試験事務に従事する指定試験機関の役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
この条文の基本情報
秘密保持義務等とは何ですか?
定義秘密保持義務等とは、宅地建物取引業法第16条の8に定められた規定で、「指定試験機関の役員若しくは職員(前条第一項の試験委員を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法第16条の8(秘密保持義務等)は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
- 宅地建物取引業法第16条の8の条文原文は「指定試験機関の役員若しくは職員(前条第一項の試験委員を含む。」で始まります。
- 宅地建物取引業法第16条の8は第三章 宅地建物取引士に置かれています。
- 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 宅地建物取引業法第16条の8の前の条は宅地建物取引業法第16条の7です。
- 宅地建物取引業法第16条の8の次の条は宅地建物取引業法第16条の9です。
- 宅地建物取引業法第16条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第16条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 - 本サイト収録
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第16条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/16_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宅地建物取引業法16条の8は、指定試験機関の役員・職員・試験委員および退職者に試験事務上の秘密保持を義務づけ、試験事務従事者を罰則の適用について公務員とみなすと定める。
Q · 宅建試験の問題を作る人って民間の人ですよね?賄賂を渡したらどうなるんですか?
渡した側が刑法198条の贈賄罪に問われます
宅地建物取引業法16条の8第2項は、試験事務に従事する指定試験機関の役員及び職員(1項括弧書きにより試験委員を含む)を、刑法その他の罰則の適用について公務に従事する職員とみなします。したがって受け取った側は収賄罪(刑法197条)、金品を渡した側は贈賄罪(刑法198条)の主体になりえます。名刺が民間財団や大学のものであっても、この結論は変わりません。
解説
年間20万人規模が受験する宅地建物取引士資格試験。その事務を実際に回しているのは役所ではなく、国土交通大臣が指定した民間の指定試験機関(実務では一般財団法人不動産適正取引推進機構)である。本条はそこに二本の栓を打ち込む。第一項は、役員・職員・試験委員、さらに「これらの職にあつた者」、つまり辞めて肩書きを失った人間にまで、試験事務で知った秘密を漏らすなと命じる。義務は退任で終わらない。重いのは第二項だ。試験事務に従事する役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については公務に従事する職員とみなされる。しかも第一項の括弧書きに「次項において同じ」とあるため、外部の大学教授である試験委員もここに含まれる。民間の身分のまま、収賄罪の主体になるということだ。そして裏返せば、その人に金品を渡した側は贈賄罪に問われる。試験委員でないあなたを刑事被告人にしうるのは、この裏返しの側である。
法的な位置づけ
宅地建物取引業法16条の8は、指定試験機関の秘密保持義務とみなし公務員規定を定める条文である。1項は役員・職員・試験委員および退職者に対し試験事務上知り得た秘密の漏示を禁じ、2項は試験事務従事者を刑法その他の罰則の適用に限り公務に従事する職員とみなす。
よくある質問 AI による整理
Q1みなし公務員とは何ですか?
民間の身分のまま、刑法などの罰則適用の場面だけ公務員として扱われる仕組みです。宅建業法16条の8第2項が指定試験機関の役員・職員・試験委員をこれに当たると定めています。
Q2指定試験機関とは何ですか?
国土交通大臣が指定し、都道府県知事に代わって宅地建物取引士資格試験の事務を行う民間法人です。実務では一般財団法人不動産適正取引推進機構が担っています。
Q3試験委員の守秘義務はいつまで続きますか?
期限はありません。16条の8第1項が「これらの職にあつた者」を明示的に含めるため、退任・転職後も無期限で義務が続きます。
Q4試験委員に謝礼を渡すのは違法?
職務に関する対価と評価されれば、渡した側は刑法198条の贈賄罪に問われえます。「講演料」「監修料」という名目は、実質が職務の対価なら防御になりません。
Q5宅建試験の問題漏洩はどこに通報すればいいですか?
試験の実施主体である都道府県と、指定試験機関を監督する国土交通省の二系統へ。片方だけだと所管の押し付け合いで止まることがあります。
Q6元試験委員が教材を監修するのは合法ですか?
公表済みの過去問や出題傾向の分析にとどまる限り適法です。作問プロセスなど非公表の内部情報を流せば1項違反になります。
Q7受験申込の個人情報が漏れたらどうなりますか?
守秘義務違反という刑事の軌道とは別に、個人情報保護法26条の報告・本人通知義務が動きます。二本のレバーを別々に使えます。
Q8みなし公務員規定がある資格試験は他にもありますか?
あります。指定確認検査機関、自動車の指定整備工場の検査員、日本年金機構の職員など、公権力を民間委託する制度には同型の規定が置かれています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1宅建の試験問題って、結局だれが作ってるんですか?
試験の実施主体は都道府県知事だが、実務の試験事務は指定試験機関に委ねられ、問題作成は外部の学者や実務家である試験委員が担う。本条一項は役員・職員に加え、この試験委員を括弧書きで名指しして守秘義務の対象にしている。実務のポイント:試験委員の氏名を積極的に公表しない運用は、本人を接触や圧力から守る設計でもある。誰が作ったか追跡できないこと自体が、公正性を支える仕組みの一部だ
Q2「元試験委員が監修」っていう教材、あれ買う価値ありますか?
肩書きの真偽以前に、本条一項が「これらの職にあつた者」を縛るため、退任後に内部情報を教材へ流せば違反になる。合法に提供できるのは公表済みの過去問と出題傾向の分析までである。実務のポイント:本当に内部を知る立場だった人ほど、その経歴を宣伝文句に使わない。大きく謳う教材ほど、中身は公開情報の再構成であることが多い
Q3民間の財団の人なのに公務員扱いって、具体的に何が変わるんですか?
第二項が、試験事務に従事する役員及び職員(一項括弧書きにより試験委員を含む)を、刑法その他の罰則の適用について公務に従事する職員とみなす。結果、収賄罪(刑法197条)の主体となり、金品を渡した側は贈賄罪(刑法198条)に問われる。実務のポイント:給与も身分も民間のまま、刑事責任だけが公務員並みになる非対称な立場である。委嘱を受けるか判断するとき、報酬額より先に確認すべきはここだ
間違えやすい点 AI による整理
- 守秘義務があることは誰でも想像がつく。知られていないのはその深さだ。第一項は「これらの職にあつた者」を明示的に含めており、退職しても、転職しても、何十年経っても義務は消えない。しかも本法には罰則章が別途置かれ、違反は道義的な非難では済まない刑事の問題になる(具体的な条番号と法定刑は最新の条文をご確認ください)
- 「自分は試験委員でも職員でもないから関係ない」という問いの立て方そのものが誤っている。第二項がみなし公務員規定を置いた結果、この条文が生む最大の刑事リスクは、義務を負う側ではなく情報や金品を渡す側、受け取る側に跳ね返る。関係がないのではなく、関係の仕方が想像と逆なのだ
- あなたから見れば、試験委員は民間財団から委嘱を受けた一人の大学教授にすぎない。法律から見れば、刑法その他の罰則の適用については公務に従事する職員である。この落差が危険なのは、当人も周囲も民間の感覚のまま会食や謝礼のやり取りを続けてしまう点にある
- 括弧書きは条文の飾りだと思って読み飛ばされる。だが第一項の「次項において同じ」という五文字がなければ、外部委嘱の試験委員は第二項のみなし公務員に含まれない。五文字の有無で、収賄罪の主体になるかどうかが変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 16条の8:指定試験機関側の秘密保持義務とみなし公務員 | 16条の2:指定試験機関の指定(本条の主体を生む条文) 16条の7:試験委員の設置根拠 |
| 名宛人 | 役員・職員・試験委員および退職者 | 国土交通大臣(指定を行う側)と申請法人 指定試験機関(試験委員を選任する側) |
| 違反時の帰結 | 罰則章の適用に加え、収賄罪・贈賄罪の適用可能性 | 指定の取消し等の監督処分 試験事務規程・監督命令の問題 |
| 民間側に及ぶ影響 | 金品を渡した第三者が贈賄罪の主体になる | 直接の影響なし 直接の影響なし |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も「受委託従事公共事務」の者を刑法上の公務員と定義し、民間受託者に収賄罪を及ぼす同型の構造を採る
韓国も資格試験の民間委託に際し、秘密保持義務と罰則適用時の公務員擬制を組み合わせる
ドイツは「公務のために特別に義務づけられた者」という概念で民間受託者を収賄罪の主体に取り込む
米国は連邦のために、または連邦を代表して行為する者を public official に含め、身分でなく機能で賄賂罪の射程を画する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大学のゼミ後の飲み会。教え子に「先生、今年の傾向ってどうなんですか」と聞かれ、笑いながら一言だけ返した。その一言の出どころが試験事務で知った内容なら、第一項の射程に入っている
- もし予備校の運営者が、試験委員を務める研究者に講演料名目で高額の謝礼を渡していたとしたら? 第二項のみなし公務員規定により、受け取った側は収賄罪(刑法197条)、渡した側は贈賄罪(刑法198条)の主体になりうる。「講演料」という体裁は、実質が職務の対価と認定されれば防波堤にならない
- 試験まであと10日。SNS で「今年の問題、知り合いから聞いた」という投稿を見つけた。実施前なら問題差し替えという是正の余地が残るが、実施後の申告は合格発表と絡んで判断が一気に重くなる。動くなら今夜、投稿 URL とタイムスタンプごと保存するところからだ
- 受験申込で氏名・生年月日・住所・勤務先を書いた。そのデータが外部に流れ、直後から不動産投資の勧誘電話が鳴り始める。守秘義務違反という刑事の軌道と、個人情報漏えいの報告・本人通知という行政の軌道は別々に動く。あなたが使えるレバーは二本ある
- 指定試験機関を退職し、資格スクールに転職した元職員。研修で「作問の内部プロセス」を語れば話題性は抜群だが、第一項は退職者を名指しで縛る。過去の肩書きは資産ではなく、生涯続く枷である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 疑いの根拠を保存する。教材の記述と出題の一致箇所、SNS の元投稿の URL とタイムスタンプ、日時が写り込んだスクリーンショット。転載やまとめサイト経由ではなく一次情報を確保すること。2. 通報先は二系統。試験の実施主体である都道府県と、指定試験機関を監督する国土交通省。片方だけでは所管の押し付け合いで止まることがある。3. 自分の受験申込情報が流出した疑いがあるなら、機関側へ事実関係の開示を書面で求める。個人情報保護法上の報告・本人通知の対象になりうる
訴えられた側:1. 何を、誰に、いつ話したかを時系列で自分用に整理する。記憶で語らず記録で語れる状態を作ることが最優先。2. 第二項によりみなし公務員である以上、金品や便宜の授受が絡んだ瞬間、話は守秘義務違反から収賄罪へ跳ね上がる。事情聴取に応じる前に弁護士へ。3. 渡した側・受け取った側も贈賄罪の対象である。「もらっただけ」「世間話のつもり」は線を越えていないことの説明にならない。会食の日時、同席者、支払者を確定させておく
時効(請求できる期限):守秘義務そのものに期限はない。第一項が「これらの職にあつた者」を含む以上、退職後も無期限に続く。刑事の側は法定刑によって公訴時効が決まり、長期5年未満の拘禁刑または罰金にあたる罪は3年(刑事訴訟法250条2項)。漏えいで損害を受けた側の民事請求は、損害と加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める